本部

WD~痛くなくなるお薬~

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
8人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/11/18 23:57

掲示板

オープニング

● 街角の中の小さな染み

 日本のとある大都市、ビルが連なり光さそうとも闇が刻まれる路地裏。
 そこに少年はいた。
 花粉の時期でもないのに、マスクとサングラス。ぶかぶかの上着を羽織りソワソワと誰かを待っている。
 あたりにせわしなく視線を向けるのは、誰かに見られていないかという警戒と。そして待ち人が早く来ないかと胸躍らせているためである。
 彼は待っているのだ、このくだらない世界から抜け出させてくれるそれを。
 すべての苦痛が虚空の彼方に消え去り、全能感にあふれる。そんな瞬間があの粉を吸った時にあるのだ。
 もうやめられない。彼はすでに十回以上それを服用していた。
「ああ、やっときたのか」
 少年は路地裏の闇に声を投げる、するとまるで浮かび上がるように黒いローブの何者かが現れる。
「この前の人と違うんだね、例の物は持ってきてくれた?」
「ああ。これだね」
 ローブの男はそう骨ばった手を伸ばし、少年にそれを差し出した。
「やった、やったこれでボクは、またやれる」
「次の代金なんだけどねぇ」
「え?」
 少年はクスリに注がれていた意識をローブの人物に戻す、すると、そのローブの人間はそのローブの中身が見えるまで近寄り、そして少年に告げた。
「次の代金なんだけどね、一つでいいよ」
「なにが?」
「人の命だよ……」

● 暗闇に育まれ
「それでいまさらH.O.P.E.に泣きついてきたんだね」
『三船 春香』は机の上におかれた手のひらサイズのビニール袋を手に取った。
 中には白い粉が入っている。
「うう、だって、だって」
 目の前の少年は泣きじゃくっていた。
 ここはH.O.P.E.の取調室、超法規的措置が取れるH.O.P.E.は警察のかわりに事情聴取や取り調べを行える立場にあるのでそのため設置されている。
「『ペインキャンセラー』か……」
 この粉は容易に想像がつくようにドラッグの一種である。
 ペインキャンセラー。それは効果中あらゆる痛覚を消し去ることによって、人間の潜在能力を無理やり引き出すクスリらしい。
 普段人間とは二割程度の筋力しか使用していない、全力を出してしまうと修復不可能なレベルまで体が傷ついてしまうためである。
 ただ、このペインキャンセラーのせいで無意識が侵され三割、四割の力を出すことができるようになる。
 依存性はない。しかし他のドラッグと違って、明確に『結果』を残すことができるため、それが依存性となってやめられる人間はほとんどいないという。
「これを使うと痛みが消えるんだよね?」
「はい、何をしても疲れないし、常に最高のパフォーマンスが出せるんだ」
「疲れないの?」
「つかれるけど、なんていうかすぐに回復するし」
「他の人はなんて?」
「僕がこれを使っていることを知ってる人はいないから、僕が最近頑張ってるなって」
「…………なるほど」
 この少年は学校の野球部でレギュラーになるためにこの薬を使用していたらしい。
 同じようにこの薬を使う人間はたくさんいるらしく、この少年がこの薬を知ったのは別の学校との合同合宿の時だったらしい。
 つまりだこの町でこの薬『ペインキャンセラー』は流行している。
「君なん才?」
「十四歳です」
「体壊すよ?」
 春香は苦笑いを浮かべる。
 将来の体の成長にも関わってくるこの時期に、積極的に体を壊していく薬を服用して無事で済むはずがない。
 しかも流行っている層は十代だという。このままでは若者の将来が奪われかねない。
 一通りの情報を頭の中で整理して春香は告げた。
「わかったよ、じゃあ。私達でこの黒いローブの捕まえて、それで……」
「ちげぇよ」
「え?」
 間髪入れず自分の言葉を否定されたこと、それに驚いて春香はつぎの言葉を返せなかった。
「俺が頼みたいのは、この事件の解決じゃない」
 歪んだ声、座った目。机に爪をたて、少年は春香に言った。

「人を殺す手伝いだよ」

「何を言ってるの! 君」
 春香は青ざめた、十四歳の子供が冗談ではない、真剣な目で言っているのだ。
 こんなの、異常だ。
「そもそも何でユミザさんを捕まえるんだよ。意味わかんないだろう」
 少年は言葉を続ける。
 一方的に。
「ユミザさんは僕らに希望をくれたんだぞ。僕ら頑張ってる人の味方なんだ」

「この薬がなくなったら僕たちはどうなるんだよ、また控えになっちゃう」

「だから、だから僕を手伝ってよ、お姉さんお願いだから」

● 痛みを殺す薬について
《効果》二時間程度の痛覚完全遮断。また12時間から36時間程度の断続的な痛覚の緩和(私用するごとに増加)
 無意識下での能力のリミッターを解除する。
《副作用》 触覚がにぶる
 
 謎の男『ユミザ』が販売している。料金については学生が払える程度に安価だが徐々に高額になっていく、最終的には人の命を要求する。
 ただ、この町で少年少女による殺傷事件は起きていないようだ。

 
●ヴィランリンカー 『ユミザ』
 ユミザとはペインキャンセラーの売人の総称です。数人いるようですが、戦闘能力は一貫して、物理攻撃タイプです。
 攻撃方法はナイフと中距離銃。
 そこまで強くはないですが、移動力が高く逃げられやすいとのことです。

解説

目標 情報5.6.7のどれかを手に入れる。


情報判定について

 今回の任務ですが手順は簡単です、売人をとっつ構えて事情聴取して今回の件の黒幕を炙り出す、もしくは黒幕のアジトを突き止めることが目的です。
 今回の任務の手順については下記の通り。
1 売人を捕獲する。
2 事情聴取して情報を聞き出す。
3 情報をもとに別のアクションを起こす。です。

 今回は何をするにも『情報』が必要になります。
 情報とは常に『●●ができるようになった』と表現されます。
 たとえば『売人Aを襲撃できるようになった』『敵のアジトを襲撃できるようになった』等です

 そしてプレイヤーがの手元に最初にある情報は『売人Aを襲撃できるようになった』です。
 売人Aを任意の場所に呼び出して襲撃することができます。
 この時売人Aは捕獲してください。
 その後、事情聴取して情報を聞き出していただきます。
 事情聴取方法は任せます。
 事情聴取の結果下記の情報の内どれかが手に入ります。

1『別の売人を襲撃できるようになった』
2『売人の衣装を入手できるようになった』
3『別の売人を二人襲撃できるようになった』
4『敵情報網をかく乱できるようになった』(顔が割れている者も再度襲撃できるようになる)
5『ペインキャンセラー工場を襲撃できるようになった』
6『囚われた少年たちを救出できるようになった』
7『敵のアジトを襲撃できるようになった』

*注意点
 事情聴取に参加する人は次の襲撃に参加できません

 ちなみに数字が大きくなるごとに情報入手難易度が高くなります。

 また売人の数には上限があります、売人がいなくなった段階でゲーム終了です。

 さらに一度売人を襲うと顔が割れるので襲撃に参加できなくなります、変装をしたり、情報網をかく乱する必要があります

リプレイ

プロローグ

『ストゥルトゥス(aa1428hero001)』はそれを眺めていた、ベットの上で四肢を拘束された少年。その無残な姿を無感情に見下ろしている。
「何というか。売る方も売る方なら、買う方も買う方だね。後でブン殴ってもいい?」
「ストゥル、それは……」
『ニウェウス・アーラ(aa1428)』は言葉を濁す。
「冗談だよ、マスター。私情は挟まないって」
 そう告げると、ストゥルトュスはニウェウスの頭をぽふっと撫でた。
「さぁ、みんなお待ちかねだ、いこう」
 そう告げストゥルトュスは施設内のエントランスに戻る。

   *   *
 
 エントランス、そこには今回のミッションに対応するために集められたリンカー全員が待機していた。
「あ、鈴音さんと雨月さんだ」
 そう二人の少女に歩み寄ったのは春香
『御門 鈴音(aa0175)』と『水瀬 雨月(aa0801)』は任務について話しをしていたようだが、いったん中断し春香を見つめる。
「いつも遙華がお世話になってます」
「お世話……、まぁそうね、あの子は危なっかしいから」
 そう雨月はもろもろの苦労を思い出す。
「あ、その子」
 鈴音が何かに気が付いて指をさすとその先には。
「ららら? らららら?」
 『メルト(aa0941hero001)』をじろじろと見つめるerisuの姿があった。
「そうか、鈴音さんは契約する前のerisuと会ってるんだよね?」
「はい、あの時はお化けだと思ったんですけど、違うんですよね」
「erisuよ、ららら。鈴音? あの時はごめんね」
 そうerisuが歩み寄り鈴音に向かってぺこりと頭を下げた。
「これから私達もよろしくね、やっと本格的にエージェント活動できるようになったから」
「はい、よろしくお願いします」
 そんな和やかな空気を引き裂いて、とある少女が乱入してきた。
「……美しくない!!」
 そう憤慨するのは『朔夜(aa0175hero002)』である。
「ただ力任せに壊して回るお姉様の様で反吐が出るわ!! 私なら直接手を下さずとも人間の集団心理を利用して殺し合わせてスマートに魂を奪うわ。こんな美しくない奴らには『悪の美学』を徹底的に叩き込んでやりましょう鈴音」
「あっ……ウン……ソウネ……」
 そう白目を浮かべて沈む鈴音、その肩に雨月が手を置いた。
「頑張って……」
「ららら?」
 そして気が付けばまたerisuはメルトに夢中になっている、なにがそんなに楽しいんだろう。
 そうメルトのパートナーである『彩咲 姫乃(aa0941)』は思った。
「少なくても薬の流れは止めなくちゃな」
「そうだね」
 春香は同意する。
「更生は……出来たらいいなとは思うが――。知恵は出せないぞ。あまり頭よくないんだからな」
「適材適所だよ」
「それでいいのかな?」
「そう言ってないと、私も罪悪感すごいもん、だって私も肉体労働派だし」
 そう二人の少女は微笑みあうのだった。

第一章 

 そしてリンカーたちは夜を待つ。
 闇にまぎれ生きるのはヴィランだけの特権ではなかった。
「うう、緊張します」
『瑞葉 美奈(aa4650)』は自分の仮面を撫でた、つるりとした質感のそれは、個性をかくし、敵に目線を覚られないための物。
 常に個を消している彼女にとってこの襲撃任務はかなりやりやすい、向いている、はずだ。
 しかし、それでも不安なのは実戦経験の少なさ故だろう。
 対して落ち着いた雰囲気の『Arcard Flawless(aa1024)』
「うわ、Arcardさんってこんな人だったっけ?」
 Arcardは『Iria Hunter(aa1024hero001)』と共鳴済み、なのだが、本日は見慣れぬ大男姿だった。防護マスクをつけた上でフル装備。
 今から組織を壊滅させに行くんじゃないかと錯覚させる風貌だが。
 遙華からは、敵を根こそぎ殺す可能性があるので注意するようにと言われている。
「これ、人選ミスじゃないの?」
 そう告げたのは雨月。彼女も仮面で顔を覆っている。
「一応戦力バランスは整ってるよ」
「傍目から見ると向こうより危ない気がするけど」
 そう告げて雨月は黄の衣で全身を包んだ。直後である。
「おい、敵が現れたぞ」
 ここは町はずれのさびれた住宅地、その隅の公演に男が一人現れた、噂通りの風貌。
「間違いない、奴だ」
 そう『M・gottfried(aa4446)』は告げる。
「手はず通り、退路を断って包囲するわよ」
『StuG III(aa4446hero001)』が告げると、二人は共鳴。StuG IIIの中にM・gottfriedは消えた。そしてStuG IIIは装甲をパージ、悪人女風の衣装で躍り出る。

   *   *

「デハ、ここでチームを二つニ別けまショウ」
 そう『鬼子母神 焔織(aa2439)』は引きずられてきた売人Aの姿を見て告げた。
「H.O.P.E.チームと、ヴィランチームだな」
『防人 正護(aa2336)』が答える、ちなみに正護はH.O.P.E.チームだ。
「む……」
「どうシたのですカ、蓮日様」
 『青色鬼 蓮日(aa2439hero001)』を顧みる焔織。蓮日はじっと売人を引きずって歩くArcardを見つめていた。
「先行は俺たちがもらう、いいな?」
 そう告げると、Arcardはご自由にという意味を示すため、売人を尋問室にぶち込んで見せる。
 そこに悠々と現れたのは『小鳥遊・沙羅(aa1188hero001)』彼女はその小柄な体にスーツを纏い胸には詰め物がしてあるのか盛り上がっている。
「あなたには……」
 そして沙羅は机に本を置いて告げた。
「黙秘権があります!」
 言いたかったのだろう。それを言うと満足げな表情になり、いすに売人を座らせてまっとうな話を続けた。
 それをガラス越しに見ているのは『榊原・沙耶(aa1188)』である。
 ただ、このガラスはマジックミラーになっているので相手からは沙耶が見えない。
「ここからが正念場よ、沙羅ぁ」
 そう沙耶は見えないエールを送る、そして取り調べは、何時間も何時間も続いた。
「ちょっと! いい加減にしなさいよ、あなた!」
 そして寝不足で沙耶の頭が痛くなってきたころ。沙羅が叫んだ。
「いくら黙秘権があるからってね、全部はだめでしょう、全部は、何か言いなさいよ」
「それは偽の乳だろうか」
「アンタね!!」
 その時、バトンタッチである。沙耶が本物の乳を揺らして尋問室に押し入った。
「そこまでよぉ」
 その背後にはニウェウスが控えていて、沙羅を尋問室から押し出した。
 ニウェウスはレコーダーの電源を入れると、調書を開き、聴取の準備を開始する。
「私はこういうものよぉ」
「私は書記、お気になさらず」
 ニウェウスが手を振ると沙耶は売人に名刺をあたえる、そこには小難しい事務所名と、弁護士の紋章。
 まぁ、それらすべてH.O.P.E.に依頼して作成した偽りの身分なのだが。
「貴女に言わなければならないことがあるわぁ」
 そう沙耶は手に抱えていたファイルを開き淡々と売人に告げていく。
 大規模のガサ入れの礼状が取られたので、今製造されている薬を廃棄しなければならないこと。
 どこの薬を捌いていたのか、今のうちに洗いざらい話してしまった方がいいこと。
 そして、拘置された経緯を直接元締めに連絡するよう自分の携帯を差し出す。
「なんで俺がそんなことする必要がある」
「いいのかしら? このままがさ入れが入れば、組織はあなたを真っ先に疑うと思うわよ」
「なに……」
「あなたが捕まったことはすでに組織には伝わっているはずよ、そしてこのタイミングでの強制視察、関連付けない方がへんよねぇ」
「そもそも、お前たちが、ペインキャンセラーの工場を知っている証拠がどこにある」
「古龍幇」
 その言葉に売人は目を見開いた。
「H.O.P.E.とは交流がある組織だというのは、御存じかしらぁ?」
 その時売人には沙耶の目がぎらついたように見えた。
「彼等、怒っていたわよ、人をつぶすような商品は売らない、売らせないっていうのが信条なのに、最近自分たちの庭を荒らす蛆がいるって」
 その時、売人の瞳に陰りが挿したのを沙耶は見逃さなかった。
「さぁ、どうするつもりかしら。H.O.P.E.の捜査と古龍幇の報復、両方が、あなたの逮捕をきっかけに組織を襲うわけよね。そして、あなたは元いた組織、古龍幇両方から狙われることになる、もうあなたはH.O.P.E.の庇護を受ける以外に生きる道はないわ」


第二章 

「それにしてもすごかったね」
 尋問室を出るとニウェウスは沙耶に告げた。
「全てはったりなんでしょう?」
 その言葉に沙耶は首を振る。
「古龍幇のくだりは本当よ」
「え?」
 ニウェウスの表情が陰る。
「この組織、どうにもきな臭いわぁ、日本だけの問題じゃないとしたら、そのバックボーンはいったい……」
 そう考え込む沙耶を尻目に、ヴィランチームの一行が歩みよてくる
「いい情報、来たよ。順調みたい」 
 そうニウェウスは長所を開いて情報を共有した。
 それは別の売人の情報。
「いわゆる下っ端ってやつねぇ」
「じゃあ、襲撃に行く?」
 姫野が告げる。
「この情報は、売人の住処ではないか」
 gottfriedが驚きの声を上げた。
「なんだ、次の襲撃は楽そうだね」
 Arcardが告げると、ヴィランチームは変装を施し、襲撃に向かった。
「あ、みんな……少年がめざめたよ……って」
 春香はもぬけの殻になったエントランスに出て周囲を見渡した。
「ヴィランチームはもう全員で駆けてしまいました」
 美奈が告げる。
「もう、せっかちだなぁ」
 そう腰に手を当ててぷんぷんモードの春香だが、その背後でドアが開き雨月がやってくると、そんなおふざけもなりをひそめた。
「倫理感が欠如しているのが……ね。殺人幇助を示唆している時点で重症だわ。私達を何だと思っているのかしら」
「どうしたの?」
 春香は雨月に尋ねる。
「禁断症状ね、急に元気がなくなって荒い息を……うわごとのように薬と殺人について何か言ってるわ」
「たとえば?」
「だれだれなら殺してもいいだろう? とか
 俺はわるくない。とか」
 直後、扉が開く、見れば鈴音が蒼い顔をしてそこにいた。
「あれは、見ていられるものじゃないですね」
 鈴音が言うと。雨月が言葉を続けた。
「親への説明は……H.O.P.Eが対応済かしら」
「どうして?」
「Arcardさんたちのことですか?」
 鈴音が心配そうに言った。
「始末すべきという人もいたけど、それはわたしたちの仕事ではないわね」
 それに、そう息を吸って雨月は言葉を続ける。
「社会的なしがらみがそれを許さないでしょうね。世間の顔色を気にしないといけないのはH.O.P.Eも同じだろうし」
「うん、そうだね。それにこのまま見捨てられたらこの子が可哀そうだよ」
 鈴音が首を縦に振った。
「……何かに縋りたくなる気持ちはわかります……でも薬に頼って人生を捨てるのは見過ごせません」
「……そうだね、そうだよ!」
 春香は鈴音の手を取った。
「私達で何とかしてあげよう、私達ならきっと」
 そう告げた直後である。
 空気をぶち壊すように、銀髪の少女がポップコーン片手に現れた。
「貴女のお人良しには頭が下がるわ、鈴音! でも拷問とか相手の心理を利用して追い詰めるのとか私の得意分野だから貴女が出来ないなら私に任せるがいいわ
「謹んでご遠慮します!」
「大変ね」 
 そう雨月が鈴音の肩を叩いて慰めた。

第三章 

 倉庫内に轟く悲鳴それは新たに捕獲した売人Bの悲鳴だった。
 彼は幸せな夢を見ている寝込みを襲われ、状況もよくわからないままにここに連れてこられていた。
 体には無数の穴が開き、出血が激しい、このままでは死んでしまうかもしれない。
「子供を食い物に……許しまセヌ……ッ」
 そんな売人Bの目の前に現れたのは女なんだか男なんだかよくわからない赤毛の人物。そしてその背後でニタニタ顔を浮かべる軍服の少年。
「よイですか? これかラお話しノ時間デス」
「な、なに?」
「O・HA・NA・SI!」
 そう売人の傷口を指でぐりぐり押す焔織。それを見つめている蓮日。
「ぐおおおお、俺は何もしゃべらんぞぉぉぉ」
 常套句である。焔織も初めから口を割るとは思っていない。
 それ故に焔織はあるものを用意した。
「人身御供をここに」
「じんしんくもつ……だと?」
 そう焔織が命じると、gottfriedは心底面白そうに笑いながら、きゅらきゅらと何かの台を押して売人の前にもってきた。
 そこには簀巻きにされ顔も見えない、しかしもがくさまはとても人。な物体が安置されていた。
「そんな、後藤、後藤なのか!」
 売人は告げる、おそらく後藤とは売人Aだろうと焔織は判断した。
「今かラ、この人を殴りまス」
 そう焔織は告げるとgottfriedは鉄のバットを振り上げた。
「やめろおおおおおお!」
 叩きつけられるバット、それこそバットの形が変わるほどに強く叩きつけられる、誰から見てもこんなに殴られたら軽傷では済まないだろう。
 そう思えるほどの拷問だった。
「やめてくれ、なにが目的なんだ、言うから、言うから」
 そう涙を流し始める仲間思いの売人B。
 だが、残念なことに彼はまんまとはめられているのである。
 この袋の中身は姫乃で。
(何でおれが……)
 共鳴済みなので、AGWでないバットは彼女に何のダメージも与えることができないのだ。
「言うから、他の仲間の居場所を言うから」
 本当はこの後、『お前もこうなりなくなければ吐け』と脅すつもりだった焔織、思ったよりも軽かった口に興ざめしつつ、その情報をH.O.P.E.側にも伝達する。
 ここで手に入れた情報は二つ。
『売人Cの居場所』『売人Dの居場所』である、なぜ二人一緒くたの情報ではないのかというと。すでにH.O.P.E.が動いたことを知り売人たちが逃げ始めたせいで、一か所での襲撃が不可能になったことが原因にあげられた。
 だが、真摯な『O・HA・NA・SI』を続けているうちにポツラポツラと話だし、この二つの情報を入手するに至ったわけである。


第四章 

――行くわよ、鈴音。帰ったらポテトチップスを食べましょう。
「H.O.P.E.が出してくれるからって食べ過ぎたらだめよ」
 テレビ塔の真上に二人の影が見えた。
 鈴音とニウェウスである。
「いきましょう」
「うん」
 鈴音の号令に頷くとニウェウスは戦闘を走る。
 そして二人の気配に気が付いた売人に幻影帳を放った。
「悪いけど……逃げられるとは、思わないで」
 前後不覚に陥る売人C。その前に降り立ったのは、一見修道女のような服装の女性、しかし、その手には血の色に染まった大槍が握られていて。
――チェックメイトよ、さぁ大人しく私に隷属しなさい。
「なんてこと言ってるのよ!」
 そして売人Cの退路はニウェウスがふさいでいる。
「許さない、から」
 対して売人Dはというと。

  *   *

「あら。素敵なお方」
 そう黒いトレンチコートの男に話しかける美女。
 場所は街中、繁華街。その男は先を急いでいたが女の色気に足を止めた。
「ねぇ、実はこれについて知りたいの。教えてくださらない?」
 そう告げると男は路地裏に身を滑り込ませていく、そちらへ来いと言う意味の様だ。
「何の用だ」
 その言葉を受けて女性が手渡したのは白い粉。それが男には一瞬でなんだかわかった。
「お前、何者だ」
 次の瞬間突き出されるナイフ、それをArcardは手刀でかわす。同時にイメージプロジェクターは解除された。
「あちゃー、ばれたか……」
 そして放たれる拳、売人Dはそれをそらす。しかし。
 次の瞬間、顔面すれすれを通過する銀色の刃。
 そのトレンチコートをざっくり切り裂いた主をその目に捉えようと振り返ると。
 そこには共鳴し長髪と化した姫乃がいた。
「く、誰にも尾行はされてなかったはずだ」
「簡単だ、待ってたんだよ! ここで」
 姫野は高らかにそう宣言する。
「ばかな、何時間だ!」
「丸一日!!」
「バカだ! お前バカだ!」

(メルトと気持ちをシンクロすれば落ち着いて待てる――。流石スライム本職だ)

 そう思いながらボーっとしていたら、今になっていた。
 スライムとは悟りに一番近いところにいる生物かもしれない。そう思う姫乃である。
「しかし、甘かったな」
 そう告げると売人Dはトレンチコートを脱ぎ捨てる、その足には具足が装備されており、それはAGWの様だ。人跳躍でビルの屋上にまで達してしまう。
「ふははは、バカが、上がおるす……だ?」
 違う、お留守なわけがない。
「包囲網は完璧だよ」
 Arcardはにやりと笑った。そして
 焔織の瞳が輝きを帯びた
「……オンッ! ドドマリギャキティソワカ……ッ!」
 その瞬間《三壊掌》がさく裂。売人Dは白目をむいて、気を失ってしまった

   *  *
 
 そしてそれぞれの取調室に連行される売人CとD。そこでは悲惨な運命が彼らを待っていた。
 では、まず売人Cからみていこう。
「流石にお口が堅いねぇ。ところで、お腹空かない? 奢るよ」
 ストゥルトゥスが出前のメニューをちらつかせても無言の売人C
「やーやー、何にしたって大したもんだよ。よく今まで隠し通せたもんだ。素晴らしいネ」
「…………」
「さぞかし用心深いリーダーなんだろうねぇ。顔が見てみたいよ? んで、ついでにぶっ倒したいかな!」
「…………」
「ああ、そうそう。他にも捕まってるのはいるからねー。情報のすり合わせをしたら、すぐに嘘って分かるので、そのつもりでシクヨロ☆」
 一向に口を割らない売人C。
「だめだ、口が堅すぎる」
 そうニウェウスへとしなだれかかるストゥルトゥス。
「ああ、だるわ」
「これからあなたを取り調べます。あなたには黙秘権がありますので安心してください」
 そう雨月が丁寧に説明している横で、沙羅は告げた。
「取調べって何をするのよ」
「とりあえず、真っ暗な場所に長時間閉じ込めて……」
「だめ、それは、もう時代おくれよ」
 時間をかけるという手段に飽きた沙羅は雨月の意見を却下して春香にあることを命じた。
「アルスマギカをここに」
「はい。オリジンです」
「なんでここにあるの?」
 雨月は苦笑いを浮かべる。
「ほら、私の武器、物理攻撃はピアノ線でしょ?」
 春香は告げる。
「魔法攻撃は今のところ特に武器が無いから、アルスマギカちょーだいっていったの。そしたら」
「そしたら?」
「オリジンくれた」
「あのこ……」
 雨月は額を抑えてグロリア社令嬢の顔を思い浮かべる。
「いいじゃない、楽にすむし。はい」
 そう告げると沙羅はアルスマギカを売人Cの頭に押し当てた。
 そして、こだまする悲鳴。ついに売人はすべての情報を口にした。
「それは間違いないのね?」 
 沙羅が言う。
「それは間違いないのね?」
 雨月が支配者の言葉で裏付けを取った。
「ああ、本当だ、嘘はついていない」
 その言葉を聞いて三人は顔をみあわせる。
「大変な話になったわね」
 そう雨月は額を抑えた。

   *   *

「はい、おりますよぉ」
「あだだだだだだだ!」
 ヴィラン側の拷問部屋、そこにはなぜか美奈が呼ばれていた。
「あら、おかしいですね。ここをこう」
「なにもおかしくない! 痛いって! いたいいたい!」
 そんな光景を眺めているヴィランチームたち。
「なんだ、誰だ! こんなサディスティックモンスター連れてきたの!」
 売人Dが叫んだ。
 その光景を見てArcardはつぶやいた。
「今度の相手はてこずりそうだね」
「俺にやらせてくれないか?」
 そう告げたのは姫乃。そしてメンバー全員に拷問部屋から出ていくように示唆した。
「まず、俺がいいって言うまでしゃべらなくていいから」
 そう言って姫乃は売人に猿轡を噛ませる。そして。
 幻想蝶からメルトを召喚した。
「口を縛ったら喋れない?俺が聞く気になったら喋れるようにしてやる」
 そして姫乃はメルトの目の前で自作のクッキーをちらつかせることにより、唾液を分泌させる。
「オナカスイター、ヒメノー、オナカスイター」
 それと同時にメルトの封印を解き始めた。
 包帯を解いていく過程を嬉しそうに眺める売人D。 
「メルトの唾液をさ。目からこう、注ぎ込むとどうなるか見て見たくて」
 ひっとしゃくりあげる売人D。恐怖に顔が引きつっていた。 
 そして姫乃は、映画などでよくみる、目を開いたまま固定するあの器具を使って、売人の目を完全に固定。
 そして。
「やめろおおおおおおおお、あああああああ!」
 小瓶で採取した、メルトの唾液を眼球に流し込んだ。
「うわあああああ! めが! めが!」
「あ、痛そうですね、治療しますね」
 そう告げて美奈は売人の眼球を治療する。
「お前! 鬼か! また痛いだろうが!!」
「まだまだ行くぞ」
「オナカスイター」
「ぐおおおお、お前たちはパーフェクトサディスティッククリーチャーか何かなのか!!」
 目が痛い、そう売人は叫ぶ。
 それはそうだろう。目に涙以外のものが流し込まれれば痛いに決まっている。
 だが、別に眼球が溶けてしまうほどの力はメルトの唾液にはない。
 だがその単純な事実に気が付くことは出来なさそうだ。
 売人は溶かされると同時に美奈に回復されていると思っているのだから。
「時間の問題だね」
 そう、一連のやり取りを見守っていたArcardは立ち上がる。
「どこにいくんだ?」
 蓮日はArcardに問いかける。
「ちょっと野暮用を足しに」
 その時である。施設の奥から悲鳴が上がった。
 駆け出すArcard。

第五章 

 Arcardが駆けつけてみると、そこには食事を口に運ぶためのフォークを春香につきつけている少年がいた。
 床に散らばった食物、全てをArcardは理化した。次の瞬間。
 風の速さで動き、そして少年の手首をつかみあげた。
「いた、痛い!」
「お前、甘えるなよ」
 そのまま、Arcardは少年を宙吊りにし、腰のナイフを抜く。
「人を殺そうとするってことは、同じだけの覚悟をきめてきたんだろう?」
「痛い、やめて、いやだよ。死にたくない」
 その言葉にArcardは小さく、笑った、そして。
「もう何も話さなくていい」
 そうナイフを振り下ろした、しかし、そのナイフは蓮日に止められる。
「如何なる理由で刃を向けたのか……説明して貰おうかッ」
「聞きたい?」
 冷ややかな表情でArcardは指を立てる。
「1 ボクがね、よく敵対する愚神と思考が似てるんだよ、このまま愚神側につかれても厄介だ、だから殺す」
 蓮日は無言で先を促した。
「2 このペインキャンセラー特にきな臭い。これ、子供たちがターゲットってのも気になる、これ従魔化の成分でも混ざってるんじゃない? だったらもう手遅れでしょ、だから殺す
「……何だソレは。どれも可能性の話だろうが?」
 そう蓮日はArcardの手を下ろさせていく、同時に少年は二人から距離をとった
「……では逆に問う。《たかが一人を何回殺ればいい?》百か? 千か? 服薬者は皆殺しか?」
「脅威が取り除かれるまで。そしてこの薬に手を出す者がいなくなるまで」
「それまでにどれだけの《犠牲者》がでると思っている《魔女狩り》と言うのだ、ソレは、その線引きは手前一人のだろ、この国は認めんよ、異世界人」
「おいおい、ボクの話は途中だろ? はなさせてよ」
 Arcardは自分の手に重なる蓮日の手を上から抑えた。
 場をピリピリとした空気が包む。
「3 そもそも<軽々しく人殺しを語ったこと>が許せない。死ぬ覚悟もないくせに殺す、それは冒涜であり矛盾であり、単純にイライラする。だから殺す。」
 蓮日の温度が上がったのを全員が感じた。
「その理屈だとお前も《黒》だぜ? お前を端に誰かが真似をし、身勝手な線引きで人を殺むる」
「それはいいんじゃない? ボクはこいつが許せない、危険だと思うから殺す。君は僕を許せない、危険だと思うから、殺す。それでいいだろ?」
「そう言う話をしているのではない!! 叩ッ斬るべきは子を食い物にする魔人どもだ! この子に必要なのは正当な裁きと治療と……救いだ」
 そう蓮日が振り返る、少年は頭を抱えて震えていた。死の恐怖そして禁断症状で。
「おい、お前たち、やめろ」
 そう間に入ったのは正護。
「遙華が、ペインキャンセラーの浄化薬を作った。これでその少年も」
 だが次の瞬間、少年は起き上がり、拾ったフォークを正護に突き立てようとした。
「僕は人を殺す権利があるんだ!!」
「んなもんねぇよ!!」
 次の瞬間吹き飛んだのは少年である。見れば姫乃の右ストレートがさく裂していた。
「頑張ってる人だぁ?」
 拳を振りながら少年の胸ぐらをつかみあげる姫乃。
「レギュラー取ったのもドーピング。ドーピングの為の金策も人の財布。これで頑張ってるとかふざけてんのか!
そもそも代金の人の命だってなぁ、お前の財産じゃねえんだよ!」
「だって、だって」
「しかも周りには話してねぇ。後ろめたいって思ってんだろうが!」
「だって、誰も僕を見てくれなくて、誰も僕に頑張ったねって言ってくれないじゃないか! 毎日ぼろぼろになるまで練習して、勉強も頑張って。なのに、父さんも母さんも。だれも!!」
 その言葉に姫乃は舌打ちを変える。
「でも薬があれば、みんな僕を見てくれる。褒めてくれるんだ。だから薬がなくなったらこまるんだよ!」
 そう、つばがかかるほどに顔を近づけて叫ぶ少年。
「薬がなくなったらどうすればいいだぁ?」
 その少年の顔面に頭突きをかます姫乃である。
「頑張ればいいんだよ! 皆やってんだよ! 薬じゃねえ方法で汗水流してな」
 そんな二人を抱きしめる蓮日。
「姫乃ちゃんもそこまでにして置いてあげなさい」
 そして蓮日は少年に向き直る。
「坊やも《人を殺める》事が如何なものか分かったろ? さ、全部話しなさいよ」
「いいの?」
「ああ、いいさ」
 その光景を銃を構えながら見ているArcard。その視線を鈴音の槍が遮る。
「もうやめませんか? 取り合えずペインキャンセラーの分析結果が出たらしいですよ、それを知ってからでも遅くないと思います」
 その言葉に無表情で従いArcardは銃を下ろした。

エピローグ
 
 その一連の騒動を眺めながら沙耶はとある資料を見つめていた。
「劉さんは忙しいって、繋がらなかったけどね。古龍幇のみんなが教えてくれたのよ、ペインキャンセラーの原材料がどこで栽培されているか」
 沙羅が言葉を付け足す。
「まぁ、候補だけどね」
「あら、それはすごいわね」
 雨月はタブレットに目を落しながら返事を返す、すると姫乃がもどってきて二人に告げた。
「リアル拷問実行とか……胃が痛い」
「お疲れさまココアどうぞ」
 そう春香が挿しだしたココアを飲みながら休む姫乃、しかしとある異変に気が付いて声を上げた。
「おい! 売人が誰もいない!!」
「ええ!!」
 そんな大慌てのリンカーたちに向けて、雨月がしれっと答えた。
「逃がしたわよ?」
「ええ!!」
 春香が詰め寄る。
「どどどどど、どうして?」
「これ」
 そう差し出したのはタブレット、その中心には赤い点が四つ。
「これで最重要の情報、敵のアジトもわかったわね」
 そして雨月は言葉を続ける。

「5.6.7の情報は全て入手、さぁどこから手をつけましょうか」

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
  • 朝日の少女
    彩咲 姫乃aa0941
  • 未来へ手向ける守護の意志
    榊原・沙耶aa1188
  • 我ら、煉獄の炎として
    鬼子母 焔織aa2439

重体一覧

参加者

  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
    人間|15才|女性|生命
  • 残酷な微笑み
    朔夜aa0175hero002
    英雄|9才|女性|バト
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 難局を覆す者
    アムブロシアaa0801hero001
    英雄|34才|?|ソフィ
  • 朝日の少女
    彩咲 姫乃aa0941
    人間|12才|女性|回避
  • 胃袋は宇宙
    メルトaa0941hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • 神鳥射落す《狂気》
    Arcard Flawlessaa1024
    機械|22才|女性|防御
  • 赤い瞳のハンター
    Iria Hunteraa1024hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 未来へ手向ける守護の意志
    榊原・沙耶aa1188
    機械|27才|?|生命
  • 今、流行のアイドル
    小鳥遊・沙羅aa1188hero001
    英雄|15才|女性|バト
  • カフカスの『知』
    ニウェウス・アーラaa1428
    人間|16才|女性|攻撃
  • ストゥえもん
    ストゥルトゥスaa1428hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • グロリア社名誉社員
    防人 正護aa2336
    人間|20才|男性|回避



  • 我ら、煉獄の炎として
    鬼子母 焔織aa2439
    人間|18才|男性|命中
  • 流血の慈母
    青色鬼 蓮日aa2439hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • エージェント
    M・gottfriedaa4446
    人間|12才|男性|命中
  • エージェント
    StuG IIIaa4446hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • エージェント
    瑞葉 美奈aa4650
    人間|16才|女性|回避



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