本部
WD~痛くなくなるお薬~
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 8人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/14 19:00
- 完成予定
- 2016/11/23 19:00
掲示板
-
NPC質問卓
最終発言2016/11/13 23:53:02 -
相談卓
最終発言2016/11/14 08:27:12 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/11 01:16:09
オープニング
● 街角の中の小さな染み
日本のとある大都市、ビルが連なり光さそうとも闇が刻まれる路地裏。
そこに少年はいた。
花粉の時期でもないのに、マスクとサングラス。ぶかぶかの上着を羽織りソワソワと誰かを待っている。
あたりにせわしなく視線を向けるのは、誰かに見られていないかという警戒と。そして待ち人が早く来ないかと胸躍らせているためである。
彼は待っているのだ、このくだらない世界から抜け出させてくれるそれを。
すべての苦痛が虚空の彼方に消え去り、全能感にあふれる。そんな瞬間があの粉を吸った時にあるのだ。
もうやめられない。彼はすでに十回以上それを服用していた。
「ああ、やっときたのか」
少年は路地裏の闇に声を投げる、するとまるで浮かび上がるように黒いローブの何者かが現れる。
「この前の人と違うんだね、例の物は持ってきてくれた?」
「ああ。これだね」
ローブの男はそう骨ばった手を伸ばし、少年にそれを差し出した。
「やった、やったこれでボクは、またやれる」
「次の代金なんだけどねぇ」
「え?」
少年はクスリに注がれていた意識をローブの人物に戻す、すると、そのローブの人間はそのローブの中身が見えるまで近寄り、そして少年に告げた。
「次の代金なんだけどね、一つでいいよ」
「なにが?」
「人の命だよ……」
● 暗闇に育まれ
「それでいまさらH.O.P.E.に泣きついてきたんだね」
『三船 春香』は机の上におかれた手のひらサイズのビニール袋を手に取った。
中には白い粉が入っている。
「うう、だって、だって」
目の前の少年は泣きじゃくっていた。
ここはH.O.P.E.の取調室、超法規的措置が取れるH.O.P.E.は警察のかわりに事情聴取や取り調べを行える立場にあるのでそのため設置されている。
「『ペインキャンセラー』か……」
この粉は容易に想像がつくようにドラッグの一種である。
ペインキャンセラー。それは効果中あらゆる痛覚を消し去ることによって、人間の潜在能力を無理やり引き出すクスリらしい。
普段人間とは二割程度の筋力しか使用していない、全力を出してしまうと修復不可能なレベルまで体が傷ついてしまうためである。
ただ、このペインキャンセラーのせいで無意識が侵され三割、四割の力を出すことができるようになる。
依存性はない。しかし他のドラッグと違って、明確に『結果』を残すことができるため、それが依存性となってやめられる人間はほとんどいないという。
「これを使うと痛みが消えるんだよね?」
「はい、何をしても疲れないし、常に最高のパフォーマンスが出せるんだ」
「疲れないの?」
「つかれるけど、なんていうかすぐに回復するし」
「他の人はなんて?」
「僕がこれを使っていることを知ってる人はいないから、僕が最近頑張ってるなって」
「…………なるほど」
この少年は学校の野球部でレギュラーになるためにこの薬を使用していたらしい。
同じようにこの薬を使う人間はたくさんいるらしく、この少年がこの薬を知ったのは別の学校との合同合宿の時だったらしい。
つまりだこの町でこの薬『ペインキャンセラー』は流行している。
「君なん才?」
「十四歳です」
「体壊すよ?」
春香は苦笑いを浮かべる。
将来の体の成長にも関わってくるこの時期に、積極的に体を壊していく薬を服用して無事で済むはずがない。
しかも流行っている層は十代だという。このままでは若者の将来が奪われかねない。
一通りの情報を頭の中で整理して春香は告げた。
「わかったよ、じゃあ。私達でこの黒いローブの捕まえて、それで……」
「ちげぇよ」
「え?」
間髪入れず自分の言葉を否定されたこと、それに驚いて春香はつぎの言葉を返せなかった。
「俺が頼みたいのは、この事件の解決じゃない」
歪んだ声、座った目。机に爪をたて、少年は春香に言った。
「人を殺す手伝いだよ」
「何を言ってるの! 君」
春香は青ざめた、十四歳の子供が冗談ではない、真剣な目で言っているのだ。
こんなの、異常だ。
「そもそも何でユミザさんを捕まえるんだよ。意味わかんないだろう」
少年は言葉を続ける。
一方的に。
「ユミザさんは僕らに希望をくれたんだぞ。僕ら頑張ってる人の味方なんだ」
「この薬がなくなったら僕たちはどうなるんだよ、また控えになっちゃう」
「だから、だから僕を手伝ってよ、お姉さんお願いだから」
● 痛みを殺す薬について
《効果》二時間程度の痛覚完全遮断。また12時間から36時間程度の断続的な痛覚の緩和(私用するごとに増加)
無意識下での能力のリミッターを解除する。
《副作用》 触覚がにぶる
謎の男『ユミザ』が販売している。料金については学生が払える程度に安価だが徐々に高額になっていく、最終的には人の命を要求する。
ただ、この町で少年少女による殺傷事件は起きていないようだ。
●ヴィランリンカー 『ユミザ』
ユミザとはペインキャンセラーの売人の総称です。数人いるようですが、戦闘能力は一貫して、物理攻撃タイプです。
攻撃方法はナイフと中距離銃。
そこまで強くはないですが、移動力が高く逃げられやすいとのことです。
解説
目標 情報5.6.7のどれかを手に入れる。
情報判定について
今回の任務ですが手順は簡単です、売人をとっつ構えて事情聴取して今回の件の黒幕を炙り出す、もしくは黒幕のアジトを突き止めることが目的です。
今回の任務の手順については下記の通り。
1 売人を捕獲する。
2 事情聴取して情報を聞き出す。
3 情報をもとに別のアクションを起こす。です。
今回は何をするにも『情報』が必要になります。
情報とは常に『●●ができるようになった』と表現されます。
たとえば『売人Aを襲撃できるようになった』『敵のアジトを襲撃できるようになった』等です
そしてプレイヤーがの手元に最初にある情報は『売人Aを襲撃できるようになった』です。
売人Aを任意の場所に呼び出して襲撃することができます。
この時売人Aは捕獲してください。
その後、事情聴取して情報を聞き出していただきます。
事情聴取方法は任せます。
事情聴取の結果下記の情報の内どれかが手に入ります。
1『別の売人を襲撃できるようになった』
2『売人の衣装を入手できるようになった』
3『別の売人を二人襲撃できるようになった』
4『敵情報網をかく乱できるようになった』(顔が割れている者も再度襲撃できるようになる)
5『ペインキャンセラー工場を襲撃できるようになった』
6『囚われた少年たちを救出できるようになった』
7『敵のアジトを襲撃できるようになった』
*注意点
事情聴取に参加する人は次の襲撃に参加できません
ちなみに数字が大きくなるごとに情報入手難易度が高くなります。
また売人の数には上限があります、売人がいなくなった段階でゲーム終了です。
さらに一度売人を襲うと顔が割れるので襲撃に参加できなくなります、変装をしたり、情報網をかく乱する必要があります
マスターより
こんにちは、鳴海です。
今回初めてのお披露目ですね『三船 春香』の新シリーズWD。
これはワールドダイバーという意味で、世界各地を回りながら、リンクブレイブの世界をもっと広い視点で認識しようという試みです。
なので今後、鍾乳洞や地球の核や、はたまた宇宙と言った、今までにないステージで活動することになるでしょう。
今回はその導入編なので舞台は日本ですが、今回のシナリオがうまくいけば……
ちなみにWDにはもう一つテーマがあります。それは次のシナリオ辺りで伝えられればと。それでは春香をよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/18 23:57
参加者
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NPC質問卓
最終発言2016/11/13 23:53:02 -
相談卓
最終発言2016/11/14 08:27:12 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/11 01:16:09