本部

【東嵐】連動シナリオ

【東嵐】発進、希望の船。その名は……

鳴海

形態
イベント
難易度
やや難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
能力者
25人 / 1~25人
英雄
21人 / 0~25人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2016/03/10 15:45

掲示板

オープニング

 先日の戦いで突如現れたマガツヒなる存在、そして活性化する古龍幇の影響を受けて、問題は全世界に飛び火した。これはもはや全世界のH.O.P.E.で対処するべき問題としてH.O.P.E.は早急に対処の必要があると認識。香港での国際会議の場を設けることにした。
 その国際会議の重要性を『ジャスティン・バートレット (az0005) 』は認め、H.O.P.E.はアンゼルム討伐時には完成していなかったジョーカーを切ることを決めた。
 それは一艘の希望をつなげる船『Ark』の出航を意味した。

 それは円錐状の船である。
 東京支部の要塞機能が離脱し、移動を開始する。

「シグナル正常。システムオールグリーン」
「注水作業完了、物資点検完了」
「艦内の作業員は直ちに作業を中断し出航準備をお願いします」
「ロック解除、ワン、ツー」
 
 蒸気を上げ船を固定していた大型の金具が外れる。
 アームが船内にたたまれ、大津波が上がった。
 
「パージ完了、安定」
「出力安定。ライブスコンバーター出力全開」
「炉に火をともせ! 出航だ」

 アンドレイが高々と叫ぶと。十六機ある推進炉全てに火がともる。
 そして。

「霊力壁展開。確認」
「全管理システム応答以上なし」
「炉、出力安定」
「ロックスリー解除」
「コントロールを委譲します」

「I Have Control 『Ark』出航する」

 希望は船に乗り香港めがけ放たれた。しかし穏やかな航海とはいかないことを司令官アンドレイは知っている。

 地平線の向こうには黒いすじが見える。それは配備された敵戦艦だ。
 H.O.P.E.の秘密兵器のロールアウトに感づいた何者かが、
 従魔の軍勢を引き連れ進行方向を遮るように軍団を展開していると、あらかじめ情報が入っていた。
「こちらも艦隊は用意してあるが。艦隊戦では我々に分が悪いことは明白。どうする? グロリア社の令嬢」
 そう意見を求めるアンドレイは艦長席に座り、隣に佇む少女を見上げた。
「翼も出すことはできないしね」
『西大寺遙華 (az0026) 』は語る。
「そうそう、アンドレイ。かつて無敵と謳われたスペインの艦隊を打ち破った時の戦法ってなんだか知ってる?」
 かつて猛威を振るっていた船団を打ち破った戦法とは簡単。狭い場所に誘導し。小回りの利く艦隊編成、その機動力で翻弄、そして電撃作戦、速度こそ全て。
「だから、うちの新商品があればあんな艦隊いちころよ。完成したばかりで正式配備間でこぎつけられなかったけど。間に合わせるわ」
 遙華はにやりと笑って、その名を告げる。
「ALブーツ。実験データ聴取がてら。庫出しといきましょう」

   *   *

 地平線を埋め尽くす黒い軍勢、大量の戦艦と船舶、それに相対するこちらの戦力は同等程度、しかし質という点で大きく劣っていた。
 それは敵側にも明白のはず、だが敵からは仕掛けては来なかった。
 にらみ合いを続けること八時間。敵に動きはない、とっくに視認できる距離に入っているのに。攻撃はしてこない。まるでそこにあることが仕事とでも言わんばかりに。
「準備OKよ」
 遙華が通信機越しにアンドレイに指示を出す。
 エージェントのためのALブーツの調整、そしてレクリエーションがすんだのだ。これでやっと戦闘に出られる。
「友との約束を違えるわけにはいかない。これ以上のタイムロスは惜しい。敵の包囲を突破する」

 そうアンドレイは敵船団を見据える。

「目標、敵従魔艦隊。希望とはなんたるかを刻み込んでやれ、全軍進撃。」


  *   *

 戦闘開始から十五分程度、苦戦しているという通信はあるものの被害状況は軽微、油断ならない状況であることは変わらないが、こちら側が押しているように、アンドレイには見えた。
 しかしこの事態に対処するための切り札を、従魔側は用意していたのだ。
「なんだ、あれは?」
 アンドレイが見たのは、小型船舶から投下された、何やらよくわからない物体。
 体はミサイルのような形、足が二本はえ、その脚先にはスキーのように推進装置が取り付けられている。
 それが船まで一直線に向かってくる。
「高エネルギー反応、大量の霊力がため込まれているようね、そうねとりあえず機雷従魔と呼ぼうかしら」
 遙華は言う。
「機雷?」
「爆発するのよ、自爆特攻ってやつね」
 アンドレイはすぐに通信機を手に取った。
「リンカー諸君、最優先目標の変更だ。あの機雷従魔を優先して倒してくれ、いやなにおいがする」
 




**移動要塞について**
 H.O.P.E.がグロリア社に委託し製造された最新鋭の要塞。
 テーマは『長い戦いに耐えうる船』として建造されている
 戦闘機能だけではなく救助活動を行うこともコンセプトとして持っており、町一つの機能がこの中に備わっている。
 医療施設や食料プラント。海水から水を生成する機能、霊力から発電する機能など生活に必要な全てが詰まっている。
 形は円錐状であり。その外円上レールが設置されており。レール上に十八の推進炉が搭載されている。レール上に設置されているのでこの炉を動かし、進行方向を変えることができる。
 また戦闘機能としても拠点として十分な物を備えており。
 霊力による防護壁は八層、自動修復機能に、大型砲塔八門 中型砲塔十六門 小形迎撃用機関砲七十二門を備える。
 得意な戦法は円状の船自体を回転させながら。目標に全方向への弾幕展開。および一つの目標への集中砲火。ロールオーダーである。
  
*ALブーツ
 ライブスリンカーの水上活動を可能にするブーツ型のアイテム。
 正式名称はアクアティック・ライヴス・ブーツ(Aquatic Lives Boots)
 膝から下を覆うようなロングブーツサイズの靴だが、各種機能を組み込むため陸上での活動には適さない。
 内部にはライヴスを浮力に変換する動力源と、直下に瞬間的に力場を形成する機能が組み込まれており、水面から若干浮いた状態で水上を移動することができる他、陸上のように跳躍することなどもできる。
 これを利用することで、水上におけるライヴスリンカーの機動力は大幅に向上する。
 通常、無補給であれば約3時間ほどの活動が可能である。増槽を取り付けることで稼働時間の伸張も可能。

今回は二種類のALブーツどちらを使うか選択していただきます。
 
《基本ALブーツ》
 水上を自在に走ることができるALブーツ、安定性と持続性を重視しているので誰でも扱いやすい。

《ALブーツ<セイレーン>》
 試作実験機、コードネーム〈セイレーン〉を装備する遊撃隊。
 高機動性を重視した結果安定性が失われた。最高速度、加速力に秀で。小回りもききアクロバティックな動きも可能。ただし活動時間が一時間と短く、精密な射撃や作業には向かない。

解説

 目標 敵船団の突破、もしくは全滅。


*従魔*


《ケントゥリオ級従魔『戦艦』》 八隻
 まるで壁のように行く手を阻む巨大戦艦。超弩級と言っていいほど大きく。攻撃性能が高い。広範囲を一度に爆撃できる。
 しかし小型の獲物に狙いを済ませることが苦手であり、命中精度は低い。


《デクリオ級従魔『小型船舶』》 十八隻。
 大量の従魔戦闘員を乗せた船舶。この船自体には攻撃力はないが移動力が高く、H.O.P.E.戦艦に接近し戦闘員を中に送り込む目的でぐいぐい近づいてくる。
 従魔を自動生成する機能があり、霊力の許す限り機雷従魔を生成し続ける。

《ミーレス級従魔 骸骨頭のフック》
 小型船舶に三体から五体は搭乗している。ライフルで撃つか、サーベルで切ると言った簡単な戦法しか取れない、小型船舶に近づくと撃ってくる


《ミーレス級 機雷従魔》
 攻撃方法は突進による自爆。ALブーツと同程度の起動性能を持つ。ただしその攻撃力は要塞のシールドを突破するのには十分であり。接近しての対処は危険。耐久値は低く、倒されると爆発する。
 ラウンドの終わりに船舶従魔から合計八体まで生成される。
 また、フィールド全体で八体以上には増えない。

*味方船舶*

 味方船舶は敵従魔への牽制攻撃や、リンカーの回復を目的に設置されていますが。こちらも従魔の襲撃対象になりえます。
 ただ優先順位は低めのよう。
 

*PL情報*
 敵従魔を操る愚神には何やら目的があるようです。それを優先的に狙うように従魔を操作しており、相手の狙いを読むことで効率よく対処できるようになるはずです。

リプレイ

 
 抜けるような青空が、頭上に大きく広がっている。
 雲一つない快晴。
 その空の中心を衝くように。Arkの指令室である管制塔がそびえたっていた。
 それを『キリル ブラックモア(aa1048hero001 )』は首が痛くなりそうな格好で見上げていた。
「何だ? 海上都市か!?」
 そう佇む相棒の肩を支えるように『弥刀 一二三( aa1048 )』は立った。
「水上機母艦……にしては居心地良すぎな充実ぶりどすな……!」
 待機時間に一通り施設を見てきた一二三は、ブーツの準備ができたことを知って甲板までやってきたのだ
「フミ! ブーツは当然セイレーンだな?!」
「……安定性ある方がええと思うんどすが」
 断ると共鳴時が怖い、その思いから一二三はキリルの希望をむげにできない。
 ブーツ選びは彼女に一任するしかなさそうだ、そう一二三はあきらめることにした。
 それに対して『煤原 燃衣( aa2271 )』は町の方を見ていた、もう遠くなって水平線上に消えてしまった日本を『ネイ=カースド(aa2271hero001 )』と並んでみていた。
「気になる事は多々ある。だが……今は「此処」だ……逃せば街への被害も甚大だ」
 燃衣は振り返る。そこには総勢二十四人の能力者たちと、その相棒たちがそろっていた。
 全員がこれから黒い艦隊の群に立ち向かう、あの地平線を生め尽くす今際式的にだ。
 その前にと燃衣は指示を出す、全員が並んで立ち、端っこがなくなるように輪になった、円陣を組む
「……大丈夫です。勝つのは、ボクら……ですッ 準備は良いですか…!?」
「……久々に良い殺意…だな…その通り、だ。海を敵の血で染め上げろ!」
「ぃくぞぉおおオオオオッッ!!」
「「「「「 オオオオオオオオオオオオオ!! 」」」」」
 その号令にあるものは拳を突き上げ、あるものは戦場の重さをかみしめるように頷いた。あるものは楽しげに笑みを作り、あるものは自分の獲物を再度確かめた。
 そして全員が持ち場につく。開戦時刻が目前に迫っていた。
 その円陣終了後、最後まで甲板に残っている少女がいた。『禮(aa2518hero001 )』だ。禮は何かを思い出し、感慨深そうに傍らの『海神 藍( aa2518 )』に語りかける。
「……これこそ、わたしの戦場、わたしの海です。背中には希望を乗せた船、眼前には攻め寄せる脅威、隣には勝利を誓う仲間達」
「いつも以上に負けられないね」
「護りましょう、明日の希望を。……この冠にかけて」
 靴を鳴らして
 かつて黒い鱗を持つ人と人魚の守り神は、今は日本の足で海上を蹴るような、以前では考えられなかったような状況に戦臨む。
「……黒き鱗の人魚、人間と人魚を守った”英雄”か」
 敵は確かに強大だが、人魚を守った英雄が味方にいれば、負ける気がしない。そう藍は微笑んだ。
   
   *   *

「システムオールグリーン。安全装置解除、コントロール委譲します」
「木霊・C・リュカ、出ます!」
 そう『Ark』のカタパルトから発射された『木霊・C・リュカ( aa0068 ) 』は華麗に海上に着地し。ALブーツの浮力にまかせ前進する。
――練習の時よりだいぶましになったな
『オリヴィエ・オドラン(aa0068hero001 )』が心配そうにつぶやいた。
「泳げないから必死だったしね。撃沈は避けなきゃ!」 
 そうリュカは不吉なことを言う割に、その声は弾んでいた。リュカは前傾姿勢をとり、しぶきを陽の光に煌かせて踊るように戦列についた。
「凄いよオリヴィエ! 本当に海の上を歩けてる! 本当に地面を歩いてるみたいだ。何か艦隊娘が出てくるゲームみたいだね、えーと、何だっけ」
――暁の水平線に?
「そう、それだ」
その隣に並ぶのは、リュカ以上によたよたしている
『御門 鈴音( aa0175 )』だ、すでに『輝夜(aa0175hero001 )』と共鳴し、その美しい金糸の髪は太陽光を受けて煌いていた
「もう……輝夜、やめてね。あんなこと」
 そう鈴音は練習中の恐怖を思い出しながら青ざめた顔をしている、その反応を見て輝夜は楽しそうに笑った。
 そして鈴音は同じように一直線に並んだ仲間たちを見る。
 自分たちは最前線で敵艦隊に対処する、その包囲網に穴をあけ。従魔を全て倒すために。その持てる力全てを救うと決めた精鋭たちだった。
 彼らは左右に分かれ、敵の部隊を包囲、端から潰していく戦法をとる。
 その前衛部隊のうち【剣】を冠する班の構成員は『ヴィント・ロストハート( aa0473 )』『月鏡 由利菜( aa0873 ) 』『八朔 カゲリ( aa0098 )』の三人が戦闘をきることになっていた。
 ヴィントが司令官に通信を入れるべく、インカムを軽く抑えた。
「【攻】全員が持ち場についたぞ」
『ええ。見えてるわ、時間より十分も早いじゃない上場よ』
 その数十メートルArkからみて手前には防衛ラインが敷かれている。そのちゅおうに立つのは『志賀谷 京子( aa0150 ) 』だ。
「グロリア社も面白いもの作るのね」
 その問いかけに『アリッサ ラウティオラ(aa0150hero001 )』が答える。
――さすがにない経験ですね
「このノリで空も飛べたらいいのに」
――ふふ、期待しておきましょう
 そして号令。
「【守】も全員準備ができたわ」
『了解したわ』
 そう京子と話す女性、今回の洗浄の指揮を任されているのは『言峰 estrela(aa0526)』だ。
「さて……今回の標的は船の姿をした従魔か」
 ヴィントはチームメンバー全員と視線をかわしそう敵に向き直る。
――ここで喰い止めないと……犠牲が増えてしまうんだよね
『ナハト・ロストハート(aa0473hero001 )』が祈るような小さな声で言った。
「そういう事だ。往くぞナハト、奴等の心臓に狂刃を突き立て恐怖を刻み付ける……」
 その言葉に頷き由利菜は言葉を返す。
「一点を狙い、風穴を開けます!」
――やろう、私達ならできる
『リーヴスラシル(aa0873hero001 )』が頷き、そして
『準備が整ったわ。総員出撃、敵を殲滅して』
 インカム越しにestrelaの指令を受け、全員がALブーツに火をともした。独特の高音、エンジンの回転する音が鳴り響き、まるで水をはじくように前方へ急激に加速した。
 その中でも滑空するように高速で飛ぶのは、最前線に出張る面子。
 その彼ら前衛が装備するALブーツはセイレーン、加速度、最大速度共に今の技術で出せる最大で調整されている。
――敵がこちらに船頭を向けてるぞ。敵もやる気のようだな
『ナラカ(aa0098hero001 )』が敵船舶の動きを察知しメンバー全員に警戒を促す。
 その指示を受け取ると同時に、同じ変化を【忍】のメンバーも感づいていた。
 彼らは右戦艦から切り崩しにかかる部隊だったが。
 敵は両翼の敵に戦力を半分ずつさくことを決めたらしい、船舶が高速で移動を開始していた。
「敵もさすがに無視できないと見える。おそらくぶつかるでござる、全員心の準備を。」
 『小鉄( aa0213 ) 』はその機動力をセイレーンで強化し、同じ【忍】のメンバーである『卸 蘿蔔( aa0405 )  』と『桜木 黒絵( aa0722 )  』の先頭を走っていた。
「ところで稲穂、水の上を走る術……この靴、持って帰っちゃ駄目でござるか?」
 思いのほか靴が気に行ったのか小鉄は『稲穂(aa0213hero001 )』にそんなことを問いかけた。
――あのね、駄目に決まってるじゃない
 呆れた調子でつぶやく稲穂。その後ろをカバーするように魔法少女レモンとなった蘿蔔が銃を構えながら突っ走っていた。
「えと、後ろはお任せください、です」
――大丈夫か? これ不安定って聞いたけど
『レオンハルト(aa0405hero001 )』が問いかける。
「ん、大丈夫……ちょっとだけ、ですよ」
セイレーンを装備した蘿蔔だったが、その腕を考えれば多少の不安定はどうってことないだろう。
――少し扱いが難しいね
『シウ ベルアート(aa0722hero001 )』が言う。
「運動神経には自信があるけどセイレーンを使いこなせるかな?」
 Ark内である程度の練習はしてきたが、ほとんどぶっつけ本番に等しい。いざ戦闘となってみると、この加速度と足元のふわふわした感覚を生かせるのかがわからなかった。
「今回は頭脳担当として戦闘は黒絵に任せるよ」
「はーい」
 そんな二人を顧みて小鉄は言う。
「お二方、頼らせて頂くでござるよ!」
「「はい!」」
 そして【忍】班はさらに速度を上げた。
 そして左右から責める対艦戦闘員とは別に、中央から敵小型船舶に突貫する班もいた。
 その筆頭が一二三たち船舶担当の部隊である。
「男の姿になれたようだな」
 共鳴した一二三を見ながら『迫間 央( aa1445 )』は言った。
「セイレーンを選んだかいがありましたわ」
 そう一二三は守るべきものの誓いを発動させる。前方の船から骸骨頭のフックが身を乗り出し。全員銃口を一二三に向けるのが見えた。
「今のうちに、戦艦組は突破を」
 央は鷹を放ち周囲の周囲の偵察を始める。
『燃衣、戦況はどうなってるの?』
 同じく対船舶を担当している燃衣にestrelaから通信が入った。
「……えっと、あと数十秒でセイレーン組が接敵、遅れて三十秒程度で通常ブーツ組が接敵するッス」
 燃衣の報告にestrelaの問いかけに答える。
 燃衣は自分がが管轄する【暁】の面々を率い敵の小型船舶への強襲を担当していた。
「……敵船舶に、直接攻撃を仕掛けるのは、無謀と……判断しました。敵船舶に張り付いての……近接戦闘を行います」
 その隊長の左右を固めるのは暁のメンバー
「我々の道を塞ごうと思ったようだが‥‥道とは切り開くものだ、退いてもらおう」
『努々 キミカ( aa0002 ) 』と。
「……行きましょうか。煤原さん……僕らの怖さ……思い知らせましょう」
『黒金 蛍丸( aa2951 )』だ。
 直後、フックたちの射程圏に最前線の部隊がぶつかった。
 轟くように重なった銃声と。雨のような弾幕。それを。
「大丈夫……ですか?努々さん……」
 蛍丸の盾が防ぐ。そしてキミカの射程距離にフックが収まる。
「土産だ、存分に力を振るいたまえ!」
 キミカのライブスリッパーが船上のフックに命中銃撃が一瞬やむ、その隙をついて燃衣とキミカは蛍丸の盾を踏み台にして。船舶に乗り込んだ。
「私の名は努々キミカ、愚かなる神々を打ち砕く英雄の権能を身に宿せし者なり!さぁ雑魔よ、この私を止められると思うなッ!」
「……【暁】……これよりみなさんより少し早く、戦闘を開始します」
 そんな戦場の盛り上がりをインカムで感じながら『麻生 遊夜( aa0452 ) 』はジグザグに走行しながら、フックを狙い撃っていた。
「海上要塞に水上移動か……良いね、ロマンってもんがわかってるじゃねーか!」
 まるで銃を長年の相棒のようにふり。流れるような動作で銃弾を装填。それを
――……ん、これ楽しい
『ユフォアリーヤ(aa0452hero001 )』は、あれば千切れんばかりに尻尾を振っていさそうな上機嫌で言った。残念ながら共鳴中は体がないのだが。
「西大寺さんが言うだけのことはあるな、これならやれそうだ」
 そう左右に展開する仲間への支援射撃を行う

   *   *

「戦闘が始まったわね」
 指令室で報告をうけたestrelaはその場にいたアンドレイと遙華にそう報告した。
「予定通り、あとはこの混乱に乗じて戦艦組がうまく突破してくれるといいのだけど」
 直後入電。
「フックにかまうな、味方を信じて突き進むのじゃ」
 分厚い船舶が密集しているラインをいともあっさり抜く二人がいた。
『カグヤ・アトラクア( aa0535 ) 』そしてその後ろにぴったり張り付く『ギシャ( aa3141 ) 』だ。
 二人は持ち前の機動力をセイレーンで増強し、止めるものなど誰もいないほどの速度で戦場を疾駆していた。
「わぁ、お船と戦うなんて戦争みたい。エージェントってなんでもやるんだー」
――正義のヒーローはどんな敵とも戦うのだろう。おまえは無理せずやれることだけをやれ
『どらごん(aa3141hero001 )』が答えるとギシャは明るい笑い声をあげた。
――この速度なら。あと数秒で敵戦艦とぶつかるよ。前に出すぎじゃない。
『クー・ナンナ(aa0535hero001 )』が言う。
 しかし、リンカーたちはその速度を全く緩めずに船舶の隙間を縫うように進む。
「かまわん。注意をひきつけ突破の支援をするのじゃ」
「ラジャー!」
 ギシャとカグヤは閃光のように戦場をかける。
 時同じくして、船舶の群を突破した『五郎丸 孤五郎( aa1397 ) 』はそれを見上げ、双剣を構えた。
「流石にでかい、まるで山だな」
 小形船舶はあくまでもポーンに過ぎない、そのラインを突破すれば大物が見えてくる。人類が建造した戦艦に負けず劣らない、超巨大戦艦たちが。
――ご心配なく、対艦戦なら空を飛ぶ艦とも戦ったことがあります。
『黒鉄・霊(aa1397hero001 )』が言った。
「それは安心だ」
 孤五郎は言った、その戦艦の砲塔が自身にむくのを肌で感じる。
「よけられるか」
 孤五郎は真っ直ぐ敵を見据え。砲撃のタイミングを計る。直後。砲塔が火を噴いた。
 それに合わせ孤五郎は全力でスラスターをふかせる。
 上空に浮き上がる体。跳躍と言うよりほぼ飛行に近い軌道で砲撃一発目を回避。
「いけるっ」
 続いて、ALブーツの力場を空中で生成。水上ほどではないが浮力が生まれ。それを利用すること素早く空中を移動。二発目を回避。 
 着水時、スラスターとALブーツの出力を最大に。円を描くような体をスライドさせ、三発目を回避した。
――このまま突貫します!
 黒鉄が言う。
『状況は?』
 estrelaから最前列の舞台に通信が入った。
 それにカゲリが答える。
「カグヤとギシャがすでに敵と交戦中」
「【剣】も十五秒後に接敵予定」
 ヴィントが言葉を継ぐ。
『了解だ、両端から切り落とせ!』
「ラジャーでござるよ!」
 小型戦艦の脇をすり抜けながら小鉄は返答を返す。
 そのころ【忍】はやや遅れて船舶のラインに差し掛かっていた。
 その背後では。器用にも蘿蔔がフックを狙撃でうち落とし。置き土産としてスクリューを狙撃していた。
 直後爆発、小型船舶一隻の足が死んだ。
 しかし、先ほどの黒鉄のように戦艦の砲塔に狙いを定められてしまえば、他の物に気をとられている暇はない。
 全員が回避に集中する。 黒絵は拒絶の風を纏い。
 そして、迫る砲撃を飛んでかわす。
 砲弾が着水、分厚い水しぶきを柱のように巻き上げる。
 その水の壁を割って出てきた黒絵と蘿蔔は前方の戦艦に射撃を行う。
「船という物はこうも大きいのでござるなぁ……」
 小鉄も大剣を構え急加速。
 小鉄もこの戦場では最速の部類だ。一瞬で距離を詰め そしてその大刃を船先へと叩きつけた。
 ついにH.O.P.E.側の前線部隊が敵戦艦と交戦を開始した。

   *   *

「【剣】【忍】共に敵戦艦と接触を確認した」
『王 紅花(aa0218hero001 )』がモニターを操作しながら敵の動向を観察している。
 そこは管制塔の指令室。Arkの頭脳部分だった。
 そこで作戦指揮を行っているのはアンドレイ。
 その隣に『キュベレー(aa0526hero001 )』が座り、戦闘区域全体を映し出したモニターを眺めている。
 これを見れば海上のどこで戦闘が行われていて、敵戦艦がどのような動きをしているのかが、俯瞰でわかるという代物だった。
 現在は、H.O.P.E.陣営の最先端が敵艦隊にくらいついている。
 だが、敵船舶がそのH.O.P.E.の艦体組の退路を塞ぐように密集。その包囲を突き崩せないでいる船舶組といった構図となっている。
 さらに敵全体が徐々にArkに近寄りつつあり、一時間後にはお互いの射程圏内に入ることが予想できた。
 その間に今はArk付近に寄せられた味方船舶をどうするか、考えなければならない。
「船はいつでも動かせる」
 アンドレイは言う。
「まって、まだ早いわ」
『言峰 estrela( aa0526 )』はそれを静止した。
 今回のミッション。アンドレイは艦の制御や操舵を担当し、彼女がリンカー側への指示や、砲撃タイミングの見極めなどを行う役割分担となっていた。
「どうする? フックの抵抗が意外に厳しいようだ、船舶組が苦戦してるぜ」
『カトレヤ シェーン( aa0218 )』も指令室にいた。彼女の役割はestrelaとは別に戦場を把握するスポッター役。
「支援射撃をしましょう」
「ああ、それなんだが現在、管制系のシステムの整備が行き届いていないせいで、あの距離だと当たらないんだ。まったく、何だこのポンコツは」
 アンドレイが言う。
『悪かったわね!』
 直後遙華からの通信が飛んできた。彼女もこの作戦会議は聞いているのだった。
「紅花、九時方向、敵船舶急速接近、注視!」
 唐突に。カトレヤの声が指令室全体に響く。敵に動きがあったのだ。
「アイアイサー」
 紅花はモニターを操作し船を映し出した。
「当たらなくても、当たるかもと思わせるだけで動きを制限できるはずよ」
 estrelaは中型砲塔での援護射撃を支持する。
「今のうちに敵の船舶の接近を食い止めて、紫ちゃん、行ける?」
 その報告を受けて『紫 征四郎( aa0076 ) 』はALブーツの出力を上げた。
「いけます!」
 目の前の船団をここで足止めすべく武器を構える。
――随分大群で来やがったな。さて、狙いはなんなのか……
『ガルー・A・A(aa0076hero001 )』
 雷上動からプラズマと化した矢が放たれる。それが船舶に命中するがそれを受けてフックたちも銃を構えた。
「外側からの攻撃だとらちがあきませんなぁ」
 一二三が征四郎の隣に乗り付けて囁く。
「であれば、手はず通り」
 一二三はその言葉に頷くと散開した。
「紫 征四郎、参ります! あなたの相手は私です!」
 そう征四郎は盾を構えて突貫。その左右から一二三と央が接近する。
「オリヴィエ! 援護を、背中は任せました!」
――了解!
 その瞬間、戦場で今にも銃を乱射しようとしていたフックの頭が爆ぜた。
 そのタイミングで三人は大きく跳躍。船舶に乗り込むことに成功する。
 三人は待ち受けていたフックたちににらみを利かせた。
――央! 後ろ!
 『マイヤ サーア(aa1445hero001 )』が叫ぶ、振り返るとフックの錆びついた刃が迫っていた。しかしそのフックの頭蓋骨を一二三が射抜いた
「こちら、央。estrelaさん聞こえていますか?」
『ええ、こちらは聞こえている』
「どうやら、フックが船を操縦しているようです。なかなか抵抗が激しのですが、すこし内部を探ってみます、戦況が有利に変わるかもしれない。」
『ありがとう。引き続きお願いするわ』
「あ、ちょっと待て」
 その時央は鷹の視界で、妙な物を捉えた。
「敵船舶に動き……。そうか、これが噂の機雷従魔か」
 船の両脇に設置された射出口から、まるでカタパルトに乗せられた物資のように海に発射される灰色の遺物。それを遠くから京子は見つめていた。
「どうやらあれが奥の手みたいね」
 京子は薬室に弾丸を送り込む。
「一瞬で終わるような戦いにはならないだろうし、焦らないでいこう」
――ええ、落ち着いてじっくりと。ここがわたしたちの生命線ですからね。
 アリッサがつぶやいた。
「まあ地味だけどねえ」
 その灰色の遺物は海の上で人間のように立ち上がり、次いでこちらに向けて走り出した。
紅花
「敵機雷、一時方向から直進中じゃ!」
 ただ、足は速い。こちらのALブーツと同等、それよりわずかに早い程度の速度で一直線にArkめがけ走ってくる。
 それにいち早く対応したのは藍。
「攻撃が当たらない!」
 藍の銀の魔弾が回避され。藍の脇を機雷たちはすり抜けていく。
――落ち着いて、敵は一直線にこちらに来る動きの先を読むのです。
「難しい!」
 藍と禮の警告通り、目標を射抜くのは困難に思えた。加速しながら微妙に左右に振れているのだ。動きも読めないし。何より、銃弾が見えているように体をひねるのだ。しかし。
 その先に控えている面々を見ると心配もないだろうという気持ちになってくる、
 ここにいる狙撃手たちはこの程度の修羅場、何度もくぐってきた。
「かなり早いな、並のリンカーじゃかすりもしないんじゃないか?」
 遊夜がいたずらっぽく言ってリュカを見る。  
 その動きに合わせるように、支援に徹していたリュカが遊夜の隣で停滞。そのグリムリーパーの照準を機雷に合わせる。
「でも僕たちであれば」
 京子はうなづく。
「止まって見えるくらいよ」
 そして合計三発の銃弾が従魔の顔面に突き刺さる。
 その射撃技術は神がかっていた。
 足場は水の上、陸地と比べると雲泥の差だ。常に小刻みにジャンプしながらスコープを覗いていることに近い。
 だが当てられる、それだけの技量を三人は持っていた。
 直後爆発。
「なんだ、この爆発力」
 リュカが唖然とつぶやくそれにオリヴィエが答えた。
――これならarkの装甲も何発も持たないだろうな
「だったら、この機雷を船の付近で爆発させれば」
――だったら機雷が飛びだしてくる瞬間の発射管を狙うんだ。外したとしても、ただでさえあのあたりは装甲が薄い。ダメージは通りやすいはずだ。
 そうオリヴィエの洞察力が敵の弱点を看破する。
「だったら!」
 リュカの隣を『斉加 理夢琉( aa0783 ) 』が駆け抜け船舶へと迫る。
――俺がセイレーンを制御する、思いきり行け!
『アリュー(aa0783hero001 )』が叫ぶ。
 その魔力を束ね、発射管を穿つ、しかしタイミングがうまく合わずに狙い通りにはいかなかった。
 しかし一直線に接近する機雷従魔を真正面から撃破。その爆発で起きた波を利用して。天高く舞う。
 そして先ほど征四郎が乗り込んだ船舶への侵入を果たした。
「手伝います!」
「GPS付いてるならAIも搭載すればよかったのに
『あら、言ってくれたらAIつけたのに、機能としてはあまり意味がないけど』
 そんなつぶやきを拾った遙華が理夢琉へいたずらっぽく言った。
――話すALブーツ……考えたくないな
 アリューは一つため息をついた。
――理夢琉!
 急転してこわばった声音。見れば船内から一人フックが現れた。
「目標は敵の全滅と全員無事の帰還」
祈るように手を組み理夢琉は言う。
「ルネさん私達を守って……」
 その祈りが蒼く澄み渡る空に昇る。
「そろそろだな」
『真壁 久朗( aa0032 ) 』は味方船舶内で待機していた。
隣で佇む『セラフィナ(aa0032hero001 )』が久朗に微笑みかけた。
「希望の船か…辿り着く場所がどこになるのかはわからないが
「それでも、今は進まなきゃ!ですよね」
 リンク。それと同時にハッチが開き、久朗は海上へと駆け出した。
 そんな久朗を船舶上から見下ろしていた『鋼野 明斗( aa0553 ) 』はつぶやいた。
「そろそろ、いくか」
その傍らには『ドロシー ジャスティス(aa0553hero001 )』が立っている。
「このご時勢で参加出来るとは思わなかったな」
「ウキウキ♪」
ドロシーはスケッチブックにそう書いてうれしそうにつきだした。
「さて、やるか、最近の大学生のストレス発散にな」
 ブーツを鳴らし鋼野は船舶の上から海上に飛ぶ、水しぶきを上げながら着地し、水柱を割るように全速力で駆け出す。
 時刻は一時間程度過ぎようとしていた。予定ではセイレーン組が撤退する時間だ。
『明斗、船舶をなるべく寄せておく、撤退支援頼んだわよ』
 estrelaからの通信が入った。
「任せておいてください!」
 そう言いながら明斗は進路を戦場の外に取る。
 それも当然だろう。
 前方、つまり戦場のど真ん中はまさに地獄絵図。船舶の上のフックは銃を乱射し、海上には無数の機雷従魔。それを蹴落とす一二三もいれば。後ろから攻撃を受けそうになっている理夢琉もいれば、そのことに気が付いた京子が素早く目標を変え、その頭蓋骨をバラバラにしている。
「味方は、左右から攻め、他の仲間も小型船突破を計るなら、攻撃は中央に集中する」
――急がば回れ
「そういう事」

   *   *

船舶との戦闘も本格化する中。敵戦艦を攻撃していたカゲリ。は二人の進路を確保するため、双銃を乱射する。
――由利菜!!
 リーヴスラシルが叫ぶ、砲弾が迫っていた、直撃コース。しかしそれもカゲリの銃弾によって、当たる直前で爆破させられる。
 その爆炎を武器にまとわせながら一直線に接近。
「カゲリさん!」
「怪我はないか?」
 二発目。それを三人は散開してよける
「小回りの利かない大艦巨砲など!」
 その隙に乗じてヴィントが先陣を切る。
「おおおおおお!」
 見上げるほど大きい戦艦にヴィントは弾丸のように突っ込んだそして。その船体に風穴を開ける。
 その勢いのままにヴィントは内部に乗り込んだ。
『注意して、戦艦内の情報は全くなかった、そこは何がおこるか分からない場所よ』
 そうestrelaの通信が入る。その言葉を証明するかのようにひどく不鮮明な音だった。
――ヴィント、あれ!
 相棒の声に振り返ると、今しがたヴィントが切り裂いた船体は修復しようとしていた。その先に由利菜とカゲリがいる。だが。傷がふさがるまで間に合わない。
 やがて傷はふさがりヴィントは内部に取り残されてしまった。
――まずいぞ、取り込まれたか
 ナラカが茫然とつぶやく。 
――まだだ。
 茫然とするその場の全員にリーヴスラシルが問いかける。
――まだあきらめてはいけない、信じろパートナーを。自身の能力者の強さは、自分達英雄が一番よく知っているはずだ!
 その時、異常な霊力の上昇をArkは感知した。次いで。
「はああああああああ!」
――おおおおおおおお!
 リーヴスラシルと由利菜の叫びが重なる。由利菜はわざと戦艦から距離をとり。そして急加速。
 機動力プラス、霊力プラス、今までの努力の全て。
 それをライブスブローで束ねて。艦体に叩きつけた。
 直後爆音。そして。
 内部でフックに包囲されていたヴィントの、周囲に群がる骸骨を、カゲリが一体一体引きはがしていく
「これが心臓だ!」
 ヴィントはすぐ後ろで脈打つ紫色のそれを指さした。
 それは戦艦の動力源というよりはもはや魔人の心臓。それを……
「破壊しましょう」
 由利菜が言う。
「とてつもなく固い」
 ヴィントが上がった息を整えながら言った。
「二人ならいけます」
「俺が梅雨払いをしよう」
 直後、カツンとマガジンが地面に落ちる音。カゲリは腰から二本の弾倉を引き抜き、そして双銃に装填する。
 カゲリはそのまま通路のおくに照準を定める、沸きだすように大量のフックがそこにいた。
 そしてヴィントと由利菜はうなづきあい。そして。
 戦艦が一隻爆発した。船底から火を噴いて、海の中に沈んでいく。
 その光景を端目に孤五郎は戦場を駆ける。孤五郎はセイレーンを完全に使いこなしていた。
 水面を蹴り、跳躍、ライブススラスターで滑空。船と船の間に入り込み、そして。
 両手の剣で。船体幾度も切り付ける。
「安定性の問題も瞬間的ならば関係あるまい」
――艦載機や対空機銃に三式弾、上からの敵にも備えがあると見た方が良いでしょうね
 戦況を分析しながらも、体は熱い。
 海上に降り立つとスラスターの熱で海水が蒸発して霧になるほど。
「さぁ、来い」
 孤五郎はにやりと笑って見せる、その挑発に乗るように砲弾の雨が降る、しかし孤五郎は其れすら計算内。
 砲撃が着弾する前に、また真上に加速、そして。ALブーツの浮力と、剣を引っ掛けるように用い甲板に着地。
「外からダメであれば中から」
――定石ですね。
 孤五郎の無数のフックをしに追いやるダンスが始まった。
チーム【忍】の面々も負けてはいられない。
「すごいですね」
 その様子を屈んでみていた、蘿蔔こと魔法少女レモン。
 彼女は愛銃の弾倉を海に投げ捨て、新しい弾倉を装填した。
 小鉄と黒絵が前方で注意を引きつけている間にうった。敵戦艦の砲塔を目がけ。その軌跡の弾道。テレポートショットで穿つ。
「敵艦沈黙です……」
 攻撃の手が止まれば、それを好機とばかりに、その速度のままに戦艦を切りつける。
「寄らば斬る、寄って斬るでござる」
 そして器用なことに黒絵は小鉄の動きを読んでいるかのように援護の攻撃を放つ。
「くそ、固いな」
 しかし一向にその装甲は崩れない。
――でも、ダメージは蓄積しているはず。これを繰り返せば……
 その時、二人の隣を盛大な水しぶきを上げ、カグヤとギシャが通過した。
「さぁ、戦艦従魔の臓物の色でも見に行こうかの」
 そうにやりと笑ったカグヤのライオンハートは、赤い輝きを帯びていた。
 ブラッドオペレート、その威力により戦艦に一文字の傷が開く。
 その隙間を狙って、ギシャが飛び込む。
「どーん!」
 白虎の爪牙でその装甲を切り刻み、戦艦内部に潜入。砲弾を運んでいたフックと目があった。
「あ……」
 船内は、侵入したネズミを狩るためのパレードに様変わりする。しかしフック程度ではギシャを捕まえることなどできなかった。
「悔しかったら、次は目玉を入れておいでよ」
「ギシャ」
「わかってるよカグヤ。ここだよ!」
 ギシャが船体をがんがん叩いてアピールする、そこに輝夜はライオンハートを差し込んだ。
 そして、逆の手に巻きつけた雷神の書から電撃を送り込む。
 カグヤが剣を差し込んだのは後部機関部、つまりはエンジン部分、その機能が雷撃によって満足に機能しなくなる。
 そしてその直後。船体底面付近、カグヤがいた場所とは逆側が爆発した。ギシャのイグニスが砲弾や火薬に引火したのだ。
 致命傷を受けた船は浸水していく。
 そのさまをギシャを救出した後離れて見ながら。カグヤはestrelaに報告する。
「こちらシーカー1。ポイントX34Y54にて敵船航行不能。Ark主砲の力を見せてくれろ」
『ちょっと待って、敵の攻撃が激しくて前に出られない』
 その時、カグヤのタイマーが作動、けたたましい音が鳴り響く。
 胸のあたりをごそごそやると。どこにでもうってそうなタイマーが唸りを上げていた。
「それなに?」
 ギシャが尋ねる。
「ああ、そろそろエネルギーが切れるから撤退をという意味じゃな」
 その時、背後から飛んできた砲撃を二人は素早くかわす。爆風で巻き上げられた水しぶきが二人を洗う。
「いったん撤退じゃ!」
 それは周囲の味方全体に向けられたものだったが。
【剣】の面々が艦体に囲まれ動くことができなくなっていた。
 セイレーンの機動力なら逃げることはたやすいだろう。だがさきほどの爆破、そして砲撃によって機動力が落ちていた。
「俺たちに構わず、先に行け!」
 ヴィントが叫ぶ。
『何を言ってるの! その状況であなた達だけ取り残されたら』
 estrelaが言う。
「けれど、無理をすれば帰れなくなる」
 由利菜が言う。
――私たちのことは私達で何とかする、だから。いけ!
 リーヴスラシルが叫んだその瞬間だった。
 装填が終わったのだろう。戦艦の砲塔が三人を捉えた、その直後爆音。
 巻き上がる海水、それが三人の肌を激しくうつ。
 しかし、しかしだ。この海水。温かかった。しかもこの水を体に受ければ受けるほど失った力が戻ってくる。
「なぜ、これではまるで」
 カゲリはつぶやく。
 そしてそのカゲリの疑問にナラカが答えた。
――これは、海水ではない。ケアレインだ
 三人は目をあける。そこには一人の男の背があった。
――遅いぞ、どこをほっつき歩いていた。
「遅くなってすまない」
 濛々とたちこめる爆炎を払い。一人の男が振り返る。
「真壁さん!」
 真壁 久朗がそこにいた。その身を盾とし、砲撃を攻撃を防いだのだ。
「大丈夫か? もう一息だ」
――ここが正念場ですよ!
『セラフィナ(aa0032hero001 )』が勇気づけるようにそう言った。
「我々は撤退する。死ぬなよ真壁」
 そうカゲリは言い残し、久朗が開いた退路を進む。
 だが戦艦はこれを好機だと確信したらしい。その船体をぶつけようと、撤退するセイレーン組を追いたてる。
 戦闘の一隻が最後尾の黒絵に届きそうになる。
――でかい割になんて速度だ
「セイレーンもさっきみたいな出力が出ないよ」
 これは西大寺に猛抗議の必要がある、そう誰もが思ったその時。その船の動きが止まった。
――これで、めいいっぱいじゃ!
「……もう、すこし、もう少しだけ」
 黒絵が振り返る、そこには流れるような金糸を振り乱し。その大剣で船先を押さえつける鈴音がいた。
 彼女は仲間たちが撤退する時を見越して、通常のALブーツを履いてきていたのだ。
「今のうちに、行ってください!」
 鈴音は叫んだ。
「でも……」
「早く! 私なら大丈夫ですから」
 その心意気に呼応するかのように。久朗と遅れてやってきた
 明斗が合流する。
「御門さん、そのままで、そのままで」
 何やら明斗は思いついたようで船体を探り始める。
――何をしておるのじゃ、はよせい! これは見た目以上につらいのじゃぞ。
「いや、むしろ見た目通り辛そうだ」
 そう久朗は船体をフラメアで攻撃しながらなんとか戦艦を止めようとするが、火力が明らかに足りない。
 その時だった。明斗が叫びをあげる。乗船ハッチをみつけたのだ。そこを無理やり開け放ち。
「待ってろよ」
 そう内部に侵入する。
「もう無理です!」
 たまらず鈴音は身を翻して船先から手を離す。
――切れ!
 一連の流れになんとなくイライラした輝夜は船体を切ることを命令。
「言われなくても!」
 その溜まった鬱憤を晴らすかのように無防備な船体を鈴音は何度も切り付けた。

   *   *

 指令室ではカトレヤが無事に前線のリンカーたちが撤退していることを報告していた。
 しかしその報告をききながら紅花は首をひねる。
「おかしい、撤退する味方にあまり攻撃を仕掛けようとしないぞ……」
 敵船舶のフックは威嚇射撃程度。機雷従魔に至っては見向きもしない。
 セイレーンの速度が落ちているのも明らかだし、何より爆風で巻き込むだけでも今のリンカーたちには痛手となるだろう。だが積極的には狙わない。
「狙いはArkか?」
「であれば、まだるっこしいことはせんじゃろ? 自爆上等で船を叩きつけるとか、もっといろいろ方法はあるはずじゃ?」
 戦況は刻一刻と様相を変える。
 船舶とArkの距離が徐々に短くなることによって、対処するために仕える時間が短くなりつつあり、それが防衛部隊の負担になっている。
 つまりは状況はどんどん悪くなっているということだ。
「機雷は船を攻撃するためのもの、か……」
 カトレヤはそこで何かに気が付いたのだろう。アンドレイを見据え言った。
「Arkの推進炉、動かしてみてくれないか」
「いいだろう」
「紅花、よく見ておけよ」
 現在推進炉はほとんどがArkの進路とは逆方向、つまり戦場とは逆方向に集められている、それを右回りにずらした。敵に見えるようなあからさまな位置に。
 すると機雷従魔たちは引き寄せられるように推進炉のある方向に流れていく。
「敵の狙いはArkの推進炉だぜ。繰り返す、敵は推進炉を破壊するのが目的だ!」
 これは朗報だった。これである程度機雷従魔の進路をコントロールできる。現に敵の行先を一方に絞り込めるようになったおかげで迎撃がしやすくなった。
「だけど、敵の船舶の数を減らさないと、いくらコントロールできるようになったところで……」
 estrelaは歯噛みする、悔しいが今自分が戦列に加わることはできない。
「じゃあ、ちょっくら出てくるか」
 そう言って席を立つカトレヤ
「行ってくれるのか?」
 アンドレイが言った。
「もうそろそろ味方の中にも撤退する奴が出るだろうしな」
 そうカトレヤは指令室を後にする。
「あと少しなんだが」
 そうアンドレイがモニターに視線を移すと、その直後敵船舶が爆発したのが目に入った。
 その船からチーム【暁】が脱出してくる。
「……船舶一隻撃破……しました!」
 戦場全体で歓声が上がる、これで彼らだけでも四隻の船舶を沈めたことになる。「まだです!」
 その喜びに浸る間もないまま蛍丸は体制を立て直し。目の前で生成された機雷従魔に攻撃を仕掛ける。
『中型砲塔でだけ、攻撃して』
 estrelaの指示が飛ぶ。
 目の前の船舶に直撃し、甲板のフックが蒸発した。
 それを機にキミカがまた乗り込んでいく。
「下がって!」
 別の船舶の上では征四郎と一二三。それに理夢琉と央がいた。しかし敵の数が多く、うまく突破できずに甲板の障害物の陰に隠れている。
「調べたんですが」
 央がフックたちを警戒しながら三人に語りかける
「操舵室はあるようですが、この船フックがいない状態で舵を奪おうとすると自爆するんですよ」
 その結果何度も操縦を奪えずに船から撤退していた。
「でもフックを無力化した状態で船を奪うと、どうでしょう」
「私が、幻影蝶で無力化します」
 全員がその作戦に頷いて、再び攻撃を開始した。
 そのころ、海上での防衛線も激化の一途をたどっていた。
「きりがねぇな」
――……ん。倒しても、倒しても……
 遊夜も防衛ラインを敷き、踏ん張ってはいる、撃ち漏らしもない。、ただ、敵は無尽蔵にわいてくる、その心労が一番の負担だった。
 しかし、その向うからかけてくる仲間たちの姿を見れば暗い顔などしていられなかった。
「あの船、邪魔だな。機関部っぽい所撃ち抜けば止まるかねぇ?」
 スコープを覗く。その先には船舶の動力部がある。
「俺の目から逃れられると思うなよー?」
――……ん、この程度じゃ、外さない
 ユフォアリーヤはいたずらっぽく笑い。ロングショット、遊夜の弾丸が船舶のエンジンを吹き飛ばす。
「おかえり」
 その黒煙の向こうから、戦艦を迎撃しに行った仲間たちが帰還してくるのが見える。
「無事そうで何よりだ」
 そう佇む遊夜の脇を、セイレーン組が駆け抜けていく。彼らの移動を妨害されないために敵船舶の動きを止めたのだ。
「『…ジャックポット』ってな」
 遊夜が船舶に専念している間に脇を抜けた機雷従魔はその背後を追随する藍の手によって撃破された。
 次いで遠方の機雷従魔を銀の魔弾で一体葬ると。
 藍は味方船舶へと向かう。
――まだ早いですが戻りましょう。補給のタイミングをずらしたいです
 セイレーン組が出た後は通常のALブーツを履いたもの達が帰還することだろう。そちらへの配慮だった。
「しまった!」
 直後リュカの声が響く。一体の機雷従魔に防衛ラインを突破されてしまう。
 だがその機雷従魔を、真上から弓が襲い爆発する。カトレアだった。
「またせたな!」
 海上に着地したカトレアと、防衛組の面々は拳を打ち合わせる。
 直後、目の前で急に敵船舶の動きが変わる。隣に佇む船舶に激突し。そのま戦場の外まで押されていってしまう。
 そして爆発。
 央たちの作戦が成功したのだった。
 彼らもいったん体制を立て直すために味方船舶まで帰投する。
 その、H.O.P.E.陣営の戦力が手薄になったところを見計らって、敵船舶からこれでもかというくらいの機雷従魔が投下される。
 だがそれは悪手だ。京子はにやりと微笑んだ。
 京子だけではない、遊夜もリュカもこのタイミングを待っていた。
 今までは味方を巻き込むこと考えて派手なことはできなかったが、今はほとんどの仲間が撤退、そして仲間を撤退させるために下がっている。これであれば機雷従魔の爆風に巻き込まれる人間も最小限で済む。
「味方巻き込んじゃ、狙撃手の名折れって奴だからな」
――……ん、敵だけ穿つ、要注意
「やらせるわけないじゃない! わたしの目が黒いうちはさ!」
 直後、機雷従魔が起き上がり、走行を始める間の短いうちに、三人の獲物が火を噴いた、目にも留まらぬ速さでうち放たれた弾丸は。敵船舶下でたむろっていた。機雷従魔たちを根こそぎ破壊する。
 三人×トリオ。その破壊力をもってして、三隻の船舶が沈んだ。
『お見事!』
 遙華からの通信が飛ぶ。
『そしてお待たせ。フル充電完了、整備もばっちり』
 そして続々と味方船舶からリンカーたちが姿を現す、セイレーン組はまたもその機動力をもってして部隊の最先端を担う。
 混乱している敵の防衛網を切り裂くのは、【剣】のメンバーだった
 その三人が出ていくときに京子と目があう。
「ナラカさんたちはさ、安心して戦艦で存分に暴れてきたらいい帰る場所は必ず守るしね!」
 そしてこれは好機だった。
『今よ、敵戦艦に接近、一気に勝負を決めます。総員出撃。この戦いを終わらせて!』
 estrelaの号令でArkの炉が火を噴く、戦場全体で歓声が上がった。
――良い。
 ナラカが言う。
――集う意志と覚悟。皆、実に輝いている!
 それは謳うように。鼓舞するように。
――エストレーラ、京子、そしてヴィントと由利菜、九朗と。ああ、汝等には特に期待と信を置いておるとも。覚者も信には信で応える性質であろう?
「……まあ、負ける気は更々ないが」
――さあ、なれば成すべき事も決まっていよう。
「目的を成すべく尽くすだけだ。行くぞ、これが最後の戦いだ」
 それはArkを導く矛。対戦艦部隊は道を切り開くために、その進路にあるものを全て破壊した。
 機雷従魔、船舶、それらがことごとく塵に替わる。
 そして残された者はArkの守護の盾。
 Ark自体が移動しているのにもかかわらず、機雷従魔、船舶に見事に対応していく。
 その被害を最小限に抑えた。
 Arkの甲板では接触した船から送り込まれたフックたちを。蛍丸をはじめとした防衛部隊が打倒す。
 藍と禮は周囲の海を索敵
――杞憂なら良いのだけど
 敵の罠や機雷が残っていないのかを確認する。
 そして船舶のラインを押し切って、Arkはついに敵戦艦の密集地帯までたどり着く。
 そこにはぼろぼろになって攻撃を回避し続ける明斗や鈴音の姿があった。
『照準を定めるのはこちらが早い!』
 estrelaの号令と共にArkの切り札。大型砲塔が動く。
『全弾叩き込め。ロールオーダー!』
 アンドレイがそう指令を出すと、Ark外周360°に設置された全て砲門が火を噴いた。
 あらかじめ航行不能まで追いこんでいた。三隻。ダメージが蓄積していた四積、その装甲をうち貫き、轟沈させるのには、十分すぎる火力であった。
理夢琉は茫然とつぶやく。
「終わった、の?」
 しかし、そうではなかった。
 戦艦がまだ一隻残っている、それが真っ直ぐArkへ突っ込んでくる。
 その場にいる全員が攻撃を仕掛けるが止まらない、Arkの砲塔も再装填までにはしばらくの時間がかかる。
『まずい!』
 そうアンドレイでさえ口にしたその時。
 直後、その戦艦が左右真っ二つに分かれた。そして爆音。
 その黒い煙と炎を背に、帰還したのは孤五郎だった
――ゲシュペンスト・アイゼン、ただ今帰還しました
 全員が安堵する。まるでラスボスのように現れたが、この漆黒の騎士は味方である。
『敵性勢力確認できません』
 そのオペレーターの報告を持って。estrelaは告げた。
「作戦成功。全員帰投して!」
 海に轟き、かの大陸まで届くほどに、リンカーたちの歓声が響いた。

   *   *

「正義の勝利ー!」
 どこから上ったのか管制塔の天辺にのぼったギシャは先ほどから、胸の内をほえている。
「変な遊びを覚えるな」
 どらごんが必死に止めようとするも、その努力むなしく止まらない。
 まぁ、初の大規模作戦、そして華々しい勝利なのだ無理もないだろう。
「ケントゥリオ級まで従わせるて……レガトゥス級か。アンゼルム……?」
 そんな騒がしいBGMをよそに一二三は海の向こうをじっと見つめていた。
 そんな警戒に当たっている面々以外はすでにArkの中で休んでいた。
 ここまでの長時間戦闘はなかなかない。そのため疲労困だったのだろう。
 そんな中なぜか元気なメンバーはArkの中を自由に見て回っていた。
 今後は作戦の拠点がこことなることも増えるだろう。そんな予感があったのだと思う。
 カグヤもその一人だった。
「敵船や戦闘時に生まれる高波での水面変化の影響を受け過ぎる。改良必要じゃ」
「なるほど、確かに改良が必要ね。その場合は浮力を作る部分を改良して、三点にすると安定すると思うの、どうかしら」
「なるほど……、だがそれじゃと……」
 ちなみに遙華は作業着に油まみれなので汚いと言われてロクトに追い出された。

   *   *

 そんな勝利の空気も冷めぬうちにestrelaはアンドレイと作戦について話をしていた。
 シャワーを浴び終った遙華やロクトがそろうと同時に本題に入る。
「話がしたいのは今回の敵について。不自然な敵の動きと。狙いについてよ」
「それは、みんなが推理した物で間違いはないと思うわ」
 ロクトがestrelaの言葉に答えた。
「敵の狙いは時間稼ぎ。戦力の消耗、そして推進炉を叩いて移動できなくしようとした」
「香港の国際会議に出席できないようにするため?」
 estrelaの問いかけにロクトが答える。
「おそらくは……」
「ただ、我々の考えも推測の域を出ない」
 アンドレイが言葉を継ぐ。
「敵が何を目的にして、どのような行動を起こすのか。それを今回は考えていく必要があるだろう。アンゼルムの時とはわけが違うようだ。状況が複雑に入り乱れすぎている」
 アンドレイは息を吸いこみ再び語った。
「本当の敵だだれだ? なぜこのような状況になっている。このまどろっこしい戦略は何のためだ? 全てにきっと意味があるが。我々の手元にはまだ情報が少ない」
「今回の件。リンカーたちはすごくよく考えてくれたと思う。だから被害が最小限になったのだとも思うわ」
 ロクトが言葉を継ぐ。
「これからも今回のように考えることを辞めず、一人一人の発想力を束ねることができれば、きっとまた敵の思惑をくじくことができるはず」
 そう言うとロクトはestrelaに手を差し出した。
「今回の作戦とても助かったわ。だから代表してあなたにお礼を。ありがとうestrela」
 その手をestrelaは取った。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
  • 恐怖を刻む者
    ヴィント・ロストハートaa0473
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722
  • 汝、Arkの矛となり
    五郎丸 孤五郎aa1397
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271

重体一覧

参加者

  • 夢ある本の探索者
    努々 キミカaa0002
    人間|15才|女性|攻撃



  • 此処から"物語"を紡ぐ
    真壁 久朗aa0032
    機械|24才|男性|防御
  • 告解の聴罪者
    セラフィナaa0032hero001
    英雄|14才|?|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
    人間|18才|女性|命中
  • アストレア
    アリッサ ラウティオラaa0150hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
    人間|15才|女性|生命
  • 守護の決意
    輝夜aa0175hero001
    英雄|9才|女性|ドレ
  • 忍ばないNINJA
    小鉄aa0213
    機械|24才|男性|回避
  • サポートお姉さん
    稲穂aa0213hero001
    英雄|14才|女性|ドレ
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 暁光の鷹
    王 紅花aa0218hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • 苦労人
    レオンハルトaa0405hero001
    英雄|22才|男性|ジャ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 恐怖を刻む者
    ヴィント・ロストハートaa0473
    人間|18才|男性|命中
  • 願い叶えし者
    ナハト・ロストハートaa0473hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • 沈着の判断者
    鋼野 明斗aa0553
    人間|19才|男性|防御
  • 見えた希望を守りし者
    ドロシー ジャスティスaa0553hero001
    英雄|7才|女性|バト
  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722
    人間|18才|女性|攻撃
  • 魂のボケ
    シウ ベルアートaa0722hero001
    英雄|28才|男性|ソフィ
  • 希望を歌うアイドル
    斉加 理夢琉aa0783
    人間|14才|女性|生命
  • 分かち合う幸せ
    アリューテュスaa0783hero001
    英雄|20才|男性|ソフィ
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 永遠に共に
    リーヴスラシルaa0873hero001
    英雄|24才|女性|ブレ
  • この称号は旅に出ました
    弥刀 一二三aa1048
    機械|23才|男性|攻撃
  • この称号は旅に出ました
    キリル ブラックモアaa1048hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
  • 汝、Arkの矛となり
    五郎丸 孤五郎aa1397
    機械|15才|?|攻撃
  • 残照を《謳う》 
    黒鉄・霊aa1397hero001
    英雄|15才|?|ドレ
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • マーメイドナイト
    海神 藍aa2518
    人間|22才|男性|防御
  • 白い渚のローレライ
    aa2518hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
  • 愛しながら
    宮ヶ匁 蛍丸aa2951
    人間|17才|男性|命中



  • ぴゅあパール
    ギシャaa3141
    獣人|10才|女性|命中
  • えんだーグリーン
    どらごんaa3141hero001
    英雄|40才|?|シャド
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