本部
コインが告げた命運
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/25 07:30
- 完成予定
- 2015/12/04 07:30
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/23 11:44:58 -
虎狩り計画
最終発言2015/11/25 01:26:48
オープニング
●一枚のコイン
彼らにとって、それらは何ら変わらないいつものお遊びに過ぎなかった。
「裏か表か」
「僕は裏」
「じゃあ、俺は表だな」
一枚のコインを弾き、先行を決める。コインを押えた手を除ければ、そこには裏になったコインが現れる。
「裏か。今回はどっちだ?」
「そうだな。前回は崖道を行って大変だったから、移動距離が長いけど、竹林を行かせてもらうよ」
「マジか。竹林は楽でよかったのになぁ」
くそっと舌打ちをする短髪の男にリムレスメガネの男は体力がない僕からしたらどっちも大して変わらないよと笑う。
「ま、決まったもんはしょうがねぇな。じゃあ、スタートは明々後日」
「ゴールは僕らの故郷で」
「「勝者に馳走を奢る」」
「忘れんなよ」
「そっちこそ」
そう言って、拳をつき合わせ、彼らは笑い合った。
出稼ぎに都市に出ていた彼らは故郷の村に戻る際にゲームをして帰っていた。途中までは一緒に旅をし、村への近道にもなるが大変危険が伴う崖道と距離はあるが安全な竹林の道へと続く道で分かれ、あとは只管故郷を目指す。そして、勝てば馳走を奢ってもらい、次は負けないと笑いあうのだ。
この時もそういう未来が見えていた。自分が勝って相手が口を尖らせて子供のように拗ねるんだと互いがそう思っていた。
スタートして一番に到着したのは短髪の男だった。村の入り口で相方の姿を探し、ないことに拳を上げ喜んだ。
「さぁて、何を奢らせようかなぁ」
あれもいいな、これもいいなと入り口で感が混んでいたが、日が暮れても彼は姿を現さなかった。
男が到着してから数日後、相方が到着したとの報を受けた。しかし、報をもたらした友人は曇った表情をしており、嫌な予感が男の脳裏を駆け巡った。
「袁(エン)!!」
入り口に履物も履かずに彼の名を呼びながら、行けば、そこには厚手の布をかけられ、担架に乗せられ運ばれていくモノの姿があった。
「袁は?」
「ソレが袁緑(リュイ)だ」
男が尋ねれば、担架を運んでいた男は立ち止まり、静かに言った。安全な竹林を行った袁がこんな姿になるはずがないと布を剥ぎ取れば、そこには惨たらしい相方の姿があった。
「藍(ラン)、緑は村の近くで発見された。竹林から来たのはわかった。彼が必死に這いずって来ただろう痕跡があったからだ」
「竹林は大型の肉食獣とかも出なかったはずだ」
「あぁ、今日まではな。緑の傷を見れば、明らかに大型の何かが竹林の道に潜んでいる」
男――藍にそう言い、村の皆にはすでに近づかないように通達を出したと男は言った。そうして、緑の遺体を家族のもとへと運ぶため、止めていた足を動かし始めた。
「……あぁあああああ!!」
藍はその場に泣き崩れた。相方を何かわからぬモノに殺された憤りと共に自分が竹林の道を行っていればと後悔で、藍はそこから動くことができなかった。
●竹林の道
『中国支部より討伐の要請です。A村の付近にて従魔らしきものが確認されており、被害も出ています』
最初の被害者は袁緑。村への帰省中に襲撃され、死亡が確認されていますとモニターに映る中国支部の女性職員は淡々と告げる。そして、緑の体に残った傷から大型の動物系の従魔であると推測されるとのこと。
『なお、その従魔は虎の姿であると思われます。通常の虎であればよいのですが、村人たちの目撃情報によりますと翼を背にもった虎とのこと』
体長は三メートルと大型になります。しかし、虎以外の姿は確認されておらず、ほぼほぼ間違いないかと思います、と続ける。
「虎退治、か」
『そのようになりますね。案内は依頼主でもあります趙(チョウ)藍さんがしてくださるそうです』
また、彼は友人と被害に遭い亡くなった人たちのために何卒、力を貸してくださいと涙ながらにそう言っていたそうです、と彼女は言った。そして、先程の淡々さはなんだったかと思わせるほどに瞳に涙を溜め、涙声で私からも何卒、よろしくお願いしますと頭を下げた。
『兄と他の方々の弔いのためにもお願いいたします』
解説
従魔の討伐
●戦闘場所
竹林の道。名の通り、竹の密集地にある道である。また、A村へと続く道の一つである。村へと着くには早くて二日、遅くても三日には着くとされる。多少うねりはあるが人が行く道は長い時間をかけて、踏み固められている。
●従魔
【ガンケン(翫虔)】
背に翼を持つ虎。三メートルという巨体でありながら、そのスピードは速く、竹林を縦横無尽に駆け回る。主に竹林の道を徘徊しているとされる。また、夜に光る眼が目撃されていることから夜に多く行動していると思われる。
・飛行
少しの間であれば、宙を舞うことができる。
・咆哮
時折、竹林の道に低い鳴き声が響くという。
・切裂
爪を振りかざし、襲い掛かる。肉をやすやすと抉り取る。
・噛砕
顎の力も強いとされ、あるものは噛み付かれたところの骨が折れていた。
マスターより
虎狩りがしたいと思い、書いてみました東川善通です。とはいえ、虎狩りと考えると、清正公しか出てこなくてどうしてくれようかと思いましたけど、まぁ、なんとかなりましたね。
さて、そんなことはさておき、今回は特に回収などもないので、思いっきり戦っていただけるかな。
そして、どうか、彼らに魂の救済を……。
リプレイ公開中 納品日時 2015/12/04 21:31
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/23 11:44:58 -
虎狩り計画
最終発言2015/11/25 01:26:48