本部
【ER】拳の縁/剣の縁
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 6~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/11/26 07:30
- 完成予定
- 2018/12/10 07:30
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
行動予定卓
最終発言2018/11/25 18:21:40 -
質問卓
最終発言2018/11/25 23:59:50 -
相談卓
最終発言2018/11/25 21:57:13 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/11/21 20:50:54
オープニング
このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●意
夜闇に沈むアイルランド南部の港町、キンセール。
その一角にある小さなシーフードレストランの一席で、麻のスーツで身を包む長身痩躯のアフリカンが来客を迎え入れた。
「おつかれさまだね。すんだのかい?」
対して、椅子が濁った悲鳴をあげるのにもかまわずアフリカンの向かいに座した黄金の愚神が応える。
「取り戻すを取り戻した。ゆえにその喜悦を噛んで逝く。そう言うておった」
黄金の依り代にその意志を預ける愚神ウルカグアリーは、掌上に転がしたライヴスを握り潰し、その身で吸い取った。
「そうか。本望だったならそれでいい」
わずかな時間「ボス」と呼んだ男の死を薄笑みで受け止め、長い戦いの歌――ソングはうなずいた。
「して、汝(なれ)はいかにする?」
ソングが舐めていたアイラモルトのグラスを取り上げて呷り、ウルカグアリーが問う。
「それよりお姫様はどうするんだい? あの子はあなたのお気に入りだろう?」
はぐらかしておいて、ソングは問いに問いを返し。
「子狼が欲するは我が庇護にあらず、戦場よ」
ウルカグアリーは新たな酒でグラスを満たし、また呷った。
「そこで手を離すのは女神のプライドかな」
しかたなくチェイサーを口に流し込みながらソングが笑う。
この女神にとって、他者とはすなわち存在意義だ。規約だの契約だのを持ち出してまで己を誰かに縛りつけておかなければ、彼女は自身の存在を覚知できず、“ウルカグアリー”を保つことすらできはしない。
そうなった過程なんて知らないけど、そうであることだけはわかるんだ。だって僕も君も、ひとりじゃなにもできないモブだものね。
思いついた瞬間、口走っていた。
「いっしょに探しにいこうか」
ウルカグアリーはその後に続くべき言葉を聞き返さない。
己とよく似た男が唱える文言など知れている。“主人公”を――だ。
汝も厄介よな。妾が懐の内に誰ぞを抱き込まねばならぬように、汝は眼前に誰ぞを据えておらねば己を己と認められぬのだから。
「其は重畳」
それだけを応え、彼女はソングと共にレストランの入口へ目をやった。
「やっぱこの体じゃあ読まれますか」
現われたのは、地層のごとき斑を描く体を備えた人狼ヒョルドである。
「何用だ? よもや子狼を救えとは言うまいな?」
体毛の一本に至るまでダマスカス鋼で造り上げられた依り代に魂を収めたヒョルドは、ウルカグアリーの問いに数瞬ためらい、観念したように口を開いた。
「正直それも考えたんすけどね」
口の端を歪めて言葉を継ぐ。
「お嬢とオレらでやらしてもらいます」
ウルカグアリーは小さくうなずき、息をついて。
「汝が来た。そして其の体……そうか。喰らったか、輩を」
「みんなで決めたんすけどね、貧乏クジ引いちまいましたよ」
人狼の幹部たちは決めたわけだ。人狼の姫たるリュミドラ・ネウローエヴナ・パヴリヴィチの最後の戦いに誰を残し、先に逝く自らの力を託すかを。
「今まで世話んなりました」
ウルカグアリーは彼が向けた背ではなく、その先へと声音を伸べる。
「弾を贈ろう。汝の戦を為すにふさわしき弾を。愛しき子狼よ――末路を踏むまで存分に生きよ」
戸口に気配が揺れ、すぐに鎮まって消えた。
その余韻を振り切るように、ウルカグアリーが沈黙を保っていたソングへ向きなおる。
「行こうぞ。留まっておっては後ろ髪を引かれようゆえな」
この世界で己を尽くすを決めた者たちへ餞を。
「ああ。ただ、レディファーストは生憎とわきまえてなくてね。まずは僕が出る。挨拶をしにきてくれる子たちもいるだろうしさ」
と。
「露払いはいらないかい、旦那」
入口ならず、窓から声をかけてきたのはラウラ・マリア=日日(タチゴリ)・ブラジレイロだ。
古式ゆかしい海賊衣装をまとったその顔に、両眼を塞ぐ眼帯はない。露われた瞳は虹を映し、店内の灯をやわらかく照り返していた。
「はしたないなぁ。レディの振る舞いじゃないね」
「しんみりしてたから気ぃ使ってやったんだよ」
窓枠を越えて入ってきた彼女へウルカグアリーが声をかける。
「眼は馴染んだか」
うなずきを返し、ラウラ・マリアは眼をしばたたいた。
「“昔”だけじゃなくて“今”も見えるようになったよ。うっすらと“先”もね」
彼女の瞳を包むものはコンタクトレンズ。先のブランコ岬防衛戦においてスキュラ型愚神が遺した“幻灯機”を、ウルカグアリーが削り整えたものである。その力は盲いたラウラ・マリアに視力を与えたのだが――
「だから、この酒の行方も見えてるわけさ」
テーブルに置かれた酒瓶を引っつかみ、一気に呷る。
ソングは苦笑し、立ち上がる。
壁際に並んでいた酒瓶の1本を掴んでラウラ・マリアへ放ってやり、ソングは苦笑を閃かせた。
「払いはこれで勘弁してくれる? ……準備ができたら声かけるよ」
かくて女たちを置き去り、夜へと溶けていった。
●宣告
「そういうわけで、君を待ってあげられる時間は尽きた。最後の機会だ――君の正義の価値を見せてもらおうか」
ロンドンの片隅にあるカフェにソングはいた。
向かいにはH.O.P.E.が誇る特務エージェント、テレサ・“ジーニアスヒロイン”・バートレットがいて、その顔をまっすぐに彼へと向けている。
「前よりは値段も上がったのかな。でも、まだまだだ。悪のヴィランを跪かせるにはぜんぜん足りてない」
「……そんなことは誰より知ってるわ。あたしひとりじゃあなたに銃口を突きつけられないことも」
気取りも気負いもないテレサの言葉にソングは笑みを返し。
「お友だちを連れておいで。それも値段の内だろうからさ。こっちは僕とラウラ・マリアで行く。石の女神様と遊びたきゃ、僕らを踏んでいくんだね」
●値段
「ほんとに6組でいいんすか?」
礼元堂深澪の念押しもテレサを揺らすことはなかった。
「あたしを入れて7組。ふた組を相手どるには充分よ」
事件においてはチームで挑むことがH.O.P.E.絶対の規則である。その最少単位が4~6組であることは、すでに説明の必要もあるまい。
「ボクもサポートで出ます。ジーニアスヒロインの仕事は敵にやられることじゃねっすから」
いざとなれば、他のエージェントを見殺してでもテレサを戦場から引っぱり戻す。言外に釘を刺しておいて、深澪は依頼発注書を完成させた。
「ま、最後の最後はってハナシっすけどね。ジーニアスヒロインの値段は知んねっすけど、テレさんの値段はわかってるつもりなんで、ボッコボコにして引っ捕まえてやりましょうぜ」
「ミオ……ありがとう」
あたしはまだまだ安い。でも、あたしを買ってくれる仲間がいる。だからその価値を嗤わせたりしない。
解説
●依頼
ソング及びラウラ・マリアの撃破。
●状況等
・作戦開始時刻は25時。ですが灯等の用意は不要とします。
・戦場はキンセールの港。侵入方法はエージェントの自由(時間差をつける等の作戦も自由。ただしトラップをしかける時間はありません)。
・戦場は埠頭、海、停泊中の船舶、海沿いの道路で構成されます。
●ソング
・メギンギョルズ装備のボクサーです。
・1ラウンドあたり2回攻撃。
・エージェントの攻撃を回避するとカウンターパンチを打ち返します。このパンチは射程を問わず発動し、ダメージに加え、ボディに決まれば“拘束”、顎に決まれば“気絶”のBSを与えます(抵抗可)。
・それ以外でも、射程5以内であれば防御成功によって通常のカウンター攻撃を繰り出します。
・回避力は高めですが、移動せずにその場へ留まって戦うことを選びがちです。
・内の英雄が歌うことで、歌声を封じることはできなくなりました。しかし、作戦によって崩すことができます。
●ラウラ・マリア
・二刀流の剣士(カオティックブレイド)です。
・1ラウンドあたり2回攻撃。
・カウンター攻撃はできませんが、3ラウンドに1度、エージェントのスキル攻撃を先読みして完封できます。
・カオティックブレイドのスキル使用後も呼び出された剣はその場に残り、それを共振させた音波攻撃(クリティカルヒット時、防御力無視で生命力(最大値)の5割を削る))を行います。
・回避力特化型。攻撃や回避時、大きく移動します(立体機動もあり)。
・すべてのスキルは、ウルカグアリーから与えられた剣によって使用回数と射程が2倍となっています。
●備考
・ラウラ・マリアはソングに攻撃を繋げるように動きます。
・どちらも愚神のような生命力はありません。
・強力なコンビですが、連携によって十分に対することができます。
・テレサ、深澪はあくまでバックアップとなります。
マスターより
お世話になっております。電気石八生です。
タイムアップまでに畳まないといけないところを畳むべく、間をすっ飛ばしての4本組連作ショート【ER(エンドロール)】第一弾を出させていただきます。
初手はソングさん&ラウラ・マリアさん。もちろん、ここまで来ましたら甘スタリングは抜きでかかりますので、プレイングにてご対抗いただけましたら幸いです。
それではよろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/11/30 21:12
参加者
掲示板
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行動予定卓
最終発言2018/11/25 18:21:40 -
質問卓
最終発言2018/11/25 23:59:50 -
相談卓
最終発言2018/11/25 21:57:13 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/11/21 20:50:54