本部
カルタゴに響く暴牛の蹄
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/06/16 19:00
- 完成予定
- 2018/06/25 19:00
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2018/06/16 11:32:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/06/27 09:41:19
オープニング
●海上漂う不吉の『星』
「こちらA班、異常なし」
『――こちらB班、了解。定刻まで監視と警戒を継続する』
通信機を切った数名のエージェントたちは互いに頷くと、アサルトユニットで早朝の海上を散策する。
彼らがいるのはおおよそティレニア海の南部――シチリア島の西側に広がる海域だ。
およそ半月前、イタリアのジェノヴァへ従魔の大群が押し寄せたのは記憶に新しい。
しかも、偶発的な事件ではなく愚神の存在も確認されたため、脅威度は一気に引き上がった。
その上、エジプトでのテロ事件も発生したため、H.O.P.E.は地中海周辺の監視体制を強めていた。
4人1組で行動する彼らもまた、哨戒任務を引き受けた地元エージェントである。ALブーツやアサルトユニットの稼働限界時間が目安の交代制で行われ、前の班は海域までの移動に利用した船で休息を取っていた。
「……ん? アレは」
『どうした?』
探索海域に班員を散開させてしばらく、1人のエージェントの声を通信機で拾った班員が反応した。
「間違いない――資料にあったヒトデ従魔だ!」
双眼鏡で見た物を声に出した瞬間、調査班全体に緊張が走る。
『他に何が見える? 少しでも情報が欲しい』
「視認したのは1体。発光しながら空中を移動中。方角からして――チュニジアへ向かっていると推測」
さらに現在位置とおおよその目視距離や移動速度などを聞き、船の仲間が地図を広げて進路を確認した。
『……まずいぞ。そのまま移動すると想定した場合、6~7時間後にはチュニスに入られる』
そして、計算を終えた仲間の声にエージェントたちは息を飲んだ。
チュニス――チュニジアの首都である。
●『星』と暴牛の進撃を阻め
「先ほど、イタリアの支部からジェノヴァ防衛戦に出現したヒトデ型従魔が再び確認されました」
昼の東京海上支部で連絡を受けた碓氷 静香(az0081)が、チュニジアの地図を背に状況を説明する。
「目撃されたのは現地時間の早朝。日本との時差およそ7時間を考慮すると、現地での戦闘開始は昼頃になると思われます。現地エージェントによると視認した個体は1体とのことですが、前回の襲撃からして単独行動をするとは思えません。加えて、プリセンサーからも予知の報告が届いています」
別の資料を取り出した静香によると、従魔の目的地として最有力候補とされていたチュニスで、牛型の従魔が暴れる光景を察知したらしい。おそらく、ヒトデ型従魔は牛型従魔の誘導役なのだろう。
「皆さんには2種の従魔を討伐してもらいたいのですが、実はもう1点懸念があります」
背後の地図を見えるよう体をズラし、静香は指示棒を取り出した。
「従魔が目視地点からチュニスへ直進移動した場合――進路上にカルタゴ遺跡が存在するのです」
シチリア島近くの海から南西をなぞっていった指揮棒は、赤色でマークされた地点で止まる。
「今回も従魔を指揮しているであろう愚神としてはただの障害物でしかないのでしょうが、紀元前から残っているとされる遺跡は歴史的価値だけでなく、チュニジアの大切な観光資源でもあります。しかし、最短で迎撃部隊を編成・展開した場合でも、従魔との予想接触ポイントがこの遺跡の近くになってしまうのです」
人的被害を出さないこともそうだが、人類の遺産を破壊されるのも許容できないと静香は訴える。
「よって、皆さんにはカルタゴ遺跡の保全にも注意していただきたいと思っています。チュニジアからも強く要望されているため、よろしくお願いします」
頭を下げて締めくくった静香は、エージェントたちの頼もしい首肯を受け取った。
●『海の星』は笑う、聖母のように
「――この度は、私(わたくし)に御力を貸してくださり、心より感謝申し上げます」
規則的に踏み荒らされた砂が舞い上がるティレニア海の底で、ステラ・マリス(az0123)は穏やかに微笑む。
「本来ならば貴方様のお体にあまり適さない場所ですが、あと少しだけ、ご辛抱願えますでしょうか?」
語りかける声に答えるのは声ではなく、力強い蹄(ひづめ)と広がる砂。相当な速度で走る牛型従魔の隣を滑るように移動するステラは、胸元に組んだ手の指に力を込めて祈りを捧げる。
「まっすぐ進んだ先には、貴方様が自由に駆け回れる大地が広がっているのですから……」
直後、従魔の肉体が一回り隆起し、移動速度がさらに上昇。
自分を置き去りに走っていった従魔の背中を、ステラは歩みを止めないまま愛おしげに見送った。
解説
●目標
従魔の討伐
都市への侵攻阻止
遺跡保護
●登場
ステラ・マリス…地中海沿岸の国へ攻撃を仕掛ける少女の姿をした高位愚神。詳細不明。
タウリ…デクリオ級従魔。海から出現した体高約2m、全長約4mの巨大な牛。強靱な筋肉や鋭い角を備える上に強い凶暴性が特徴で、人間を確認した瞬間に襲いかかるが知性は低い。
能力…攻撃・移動↑↑、命中・生命力・イニシアチブ↑、防御・回避↓
スキル
・イプトム…射程1~10、直線範囲物理、物攻+50、命中-20、進路上にあるすべてを破壊する突進、命中→BS衝撃+対抗判定(物攻vs物防)勝利→BS気絶付与
・スケルデ…射程1~3、単体魔法、魔攻+50、命中-20、角に槍状のライヴスをまとって攻撃、命中→対抗判定(魔攻vs魔防)勝利→BS減退(1)付与
・カルミナ…憤怒に染まり行動が激化、生命力半分以下で常時発動、1R中のメインフェーズ×2
スディレ×4…ミーレス級従魔。岩のような表皮を持つ1mほどのヒトデ。黄白色の肉体はライヴスで発光し、ステラの指示を伝達する指揮能力を保有。海中行動の他、飛行能力も持つ。
能力…防御↑↑、回避・移動↑、攻撃↓↓
スキル
・クディジデ…カバーリング、移動+2、表皮を硬くし味方をガード、被ダメージ1D10減少
●場所
チュニジアの首都・チュニスにほど近いカルタゴ付近
かつて地中海貿易で盛んだった古代都市国家の遺跡が残る
天気は晴れ、気温はやや高めかつ高湿で蒸し暑い
●状況
地中海を哨戒中の地元エージェントがスディレの移動を発見
同時刻、プリセンサーがチュニスで暴れるタウリの出現を予知
2つの情報から割り出した予測通過地点でPCが従魔を待ち構え迎撃
戦闘開始は昼頃
主戦場はカルタゴ遺跡に近く、従魔の行動により破壊される可能性がある
スディレの存在からステラの介入が懸念されるが、目視・予知ともに未確認
マスターより
以前ジェノヴァへ大量の従魔をけしかけた愚神・ステラによる襲撃シナリオです
従魔の本命はチュニスへの侵攻だと思われますが、進路上に遺跡があるので要注意です
チュニジアの大切な観光資源でもありますので、可能な限り破壊は避けるようにしましょう
また、ステラの姿はまだ見えませんが直接的な介入が予測されます
能力もスキルも詳しい情報がほとんどないので、探りを入れてみてもいいかもしれません
何せ、現時点ではPC側(H.O.P.E.側)がステラについて容姿しか把握できていませんから
ただし、最優先は従魔の撃退ですので、実行するなら『余裕がある範囲内』にとどめましょう
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/06/25 20:24
参加者
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2018/06/16 11:32:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/06/27 09:41:19