本部
【SE】私は子供しか愛せない
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 5人 / 4~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/03/23 19:00
- 完成予定
- 2018/04/04 19:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/03/23 07:19:30 -
【質問卓】
最終発言2018/03/22 21:56:52 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/03/22 19:14:02
オープニング
●警告
このシナリオは後味が悪い結末になる可能性を含んでいます。
●条件付きの愛
ある場所の豪邸と呼ばれる家に、数多くの子犬達が飼われていた。
この家の持ち主である女性は資産家で、多くの子犬達に囲まれ、幸せな日々を送っている。
犬の成長速度は人間よりも早く、最初の1年で人間でいう『青年』にまで成長する。
そして成長を遂げ、子犬でなくなった犬たちは、飼い主である女性から捨てられていった。
犬たちは何が起こったのかわからず、家の外で飼い主である女性を呼ぶが、女性はそんな犬達の声には耳を貸さず、懇意にしているブリーダーより、新たな子犬達を買い集め、可愛がる。
そして周囲で泣き叫ぶ犬達を、周囲の住民達は『鳴き声がうるさい』と感じ、飼い主である女性に抗議するが、『あの犬達は自分とは無関係』の一点張りで、自分がかつて飼って可愛がっていた事を認めようとしない。
本来犬などの愛玩動物を購入する際、所有者が誰であるか識別するマイクロチップを犬達に埋め込む処置が必要だが、この女性は、ブリーダーに依頼して、子犬でなくなった犬達からそのマイクロチップを強引に取り除く処置を行い、『自分が飼っていた犬ではない』との主張を崩さない。
そして犬達は『所有者不明の犬』として扱われ、周辺住民からの苦情を受け、保健所の職員達の手で回収されていく。
こうしてこの豪邸には常に子犬だけが存在し、子犬でなくなった犬達は捨てられるサイクルができあがる。
資産家の女性は『子供しか愛せない』性格の持ち主だった。
●2つの願い
その『願い』を聞いた『愚神』ラカオスは、即答を避け念を押すように相手に尋ねる。
「私達は愚神です。それは貴方がたが願ってはならない事だと思いますよ?」
ラカオスの問いに、拳を強く握りしめていた人間――保健所の職員達は、こう答えた。
「この子たちは、灰になるために生まれてきたんじゃありません。それを分かってもらうのが一番ですが、『あの人達』には、言っても無駄ですから」
そう語る職員の言葉には諦念と、自分達に『後始末』を押し付ける身勝手な人間達への憤りが含まれていた。
「貴方がたが私達の願いを叶えた結果、貴方がた『シュドゥント・エジクタンス』(ある筈のない存在達。以下SEと略)がH.O.P.E.の討伐を受ける事になったら、私達が全力で阻止します」
――殺すために、動物を世話する技術や知識を学んだんじゃない。
そう嘆き、職を辞した元職員達の嘆きが彼らの願いを裏打ちし、SEを護る決意を固めさせていた。
他の職員達もラカオスに『願い』を叶えるよう訴え、しばし間を置いたのち、ラカオスはこう応えた。
「先に申し上げますが、灰になる命をゼロにする事はできません。それでもH.O.P.E.の選択次第では、貴方がたの望みをH.O.P.E.がある程度叶える事はできるでしょう。『彼ら』からの願いもありますから」
謎めいた言葉を残し、ラカオスは動き出した。途中不意に現れた2体の愚神にこう告げる。
「マニブス。今回は貴方の能力が必要になりそうです。ループスも一緒にいて下さい」
●永遠の幸せ
内側は子犬達が飼い主に甘える声、外側は自分を捨てた飼い主を呼び求める声の群れに包まれた豪邸が、ある日を境に静かになった。
周囲の住民達は不審に思ったが、家の中では女性が寝室で幸せそうな笑みを浮かべ、眠りについていた。
ただ、H.O.P.E.リンカー達がこの場にいれば、その家にドロップゾーンが形成されている事に気付いただろう。
ドロップゾーンの中では、この女性へ数多くの子犬達を斡旋し利益を得ていたブリーダーが巻き込まれ、通常の人間は覚めない眠りについている。
「今、ここにお住いの女性は『数多くの子犬達に囲まれている』という夢を、ブリーダーは『金持ちになった』夢を見ており、夢が続く間は皆様が犬に悩まされる事はありません」
ラカオスは豪邸周囲の住民達にそう説明すると、住民達はドロップゾーンの怖さよりも、犬の鳴き声に解放された事に喜び、豪邸を包むドロップゾーンを黙認した。
そんな中、ラカオスは一連の行動と結果を記録した記憶媒体をH.O.P.E.宛に送る。
●命の選択
H.O.P.E.ブリーフィングルームのスクリーンに、ラカオスから届けられた記録媒体より、一連の情報が映し出され、スクリーン上にいるラカオスは『あなたたち』に告げる。
『ここと同じ『ルール』で作られたドロップゾーンがもう一か所あります。それは保健所の中にある処置室です』
画面が、狭く仕切られた部屋の中に、無数の犬達がうず高く積み上げられている光景へと切り替わる。
『この部屋では1日に10頭ずつ処分されていました。愛護団体から処分の方法がガスでは動物を苦しめる残酷な方法だから、1頭1頭人の手で薬物を注射して処分しろと訴えがあり、この形になっています』
この保健所では年間3000頭以上、所有者不明のまま処分されているが、直接手を下す人達の心が、腕の中で失われていく命の重さに耐えられなくなり、心を病み職を辞す人が多くなった。
『そこで私達がドロップゾーンによる処分を保健所の方々に提示しました。ドロップゾーンなら動物達を苦しませずに処分する事は可能ですと』
愚神が生き物の命など何とも思いませんから、と画面上のラカオスはくせのある微笑で告げた。
『奪えるライヴスは恒常的かつ多量に供給されるため、共存関係が成立しました。そのライヴスを保健所に供給する方々の一部がこちらです』
画面が自身の豪邸の中で眠る資産家の女性とブリーダーのいる空間に変わる。
『この方々が今の状態になった結果、保健所に送られていた動物達が激減しています。ここまで申し上げれば、私達が何を迫っているか、もうお気づきでしょう?』
画面上のラカオスはそう言った後、本題を『あなたたち』につきつける。
『貴方がたH.O.P.E.は2つのドロップゾーンのうち、1つを今回消去することができます。それをどちらにするか、選択して下さい。とは言っても、貴方がたは本来人間を救う組織ですから答えは決まっているでしょうが』
それは、多数の捨て犬を生み出し続けた資産家たちが囚われたドロップゾーンを消去するということでもあるが。
『救ったとしてもこの方々は反省など一切しませんから、再び罪のない動物達が多数保健所に放り込まれますよ』
保健所のドロップゾーンも消去する場合、ドロップゾーンから動物達が解放されても、命を断つ役が人間に戻る事態は避けられない。
『それでも両方のドロップゾーンを消去させたいと仰るなら、両方の解除に応じましょう。ただし保健所に捨てられる命達をどうやればなくせるか、具体的方策をお示し下さい。それを無視しての力づくや根性論は抜きです』
――さあ、どうなさいますか?
命の選択を、ラカオス達は突きつける。
解説
●目標
ドロップゾーンに囚われた人達の救出
両方のドロップゾーンを解除する場合、その後起こる事態に対処し被害拡大を防ぐこと
失敗条件:ラカオス達と交戦状態となり人的被害が出る
●登場
ラカオス
愚神集団「シュドゥント・エジクタンス(ある筈のない存在達。略称SE)」所属の人間。SEの窓口役にあたる。
愚神ループス
SE所属の愚神。犬猫が殺処分される処置室にドロップゾーンを作り、苦痛を与えずライヴスを収奪中。
愚神マニブス
SE所属の愚神。今回ドロップゾーンを作り犬を捨て続ける資産家と売り続けるブリーダーを家ごと捕獲中。
資産家とブリーダー
この地域で捨て犬を増やす元凶。資産家は生後1年未満の動物しか愛せない性癖のため、生後1年以上経過した動物を捨ててはブリーダーより動物の赤ん坊を買いあさって可愛がる悪循環を形成中。
PL情報:捨てる前に犬の所有者を示す埋め込みチップを業者に頼み犬の体から強引に除去し続けているため、自分が捨てていると認めない。
保健所員
資産家たちが捨てた動物達を収容し処分する施設の人達。ラカオスは否定するが今回の一件の解決をラカオスに願った。
状況
とある地方のドロップゾーンに半分飲みこまれた資産家の家。資産家は取引相手のブリーダーともども、マニブスの展開したドロップゾーン内で子犬や金に囲まれた夢を見ながらライヴスを収奪されている。保健所はこの資産家や身勝手な飼い主たちが捨てた動物達を回収するが、殺処分が追いつかずパンク寸前だった。現在これとは別に処置室に展開したドロップゾーンが1年間に3000頭以上の動物達のライヴスを収奪し、処分を代行しているため、辛うじて保健所の各業務は維持されている。ドロップゾーンは『あなたたち』がラカオスと交渉すれば解除されるが、周辺の保健所や愛護団体の施設も捨てられた動物達を限界以上に収容中のため、これ以上の受け入れは不可能。
マスターより
岩岡志摩です。SEの抱える本格的な闇と向き合うシナリオになります。今回の件は警察など他の人間組織では対処できませんので『あなたたち』に話が回ってきています。警察など他の組織の人達の動員は認められません。
愚神達は『あなたたち』が消すと決めたドロップゾーンを指定すれば素直に解除に応じますが、ラカオスを納得させる具体策を示さず力づくで解決する場合、愚神達は全力で抵抗し交渉は決裂します。
『全体を俯瞰』『NPCと議論』『適正に行動』といった具体性に欠けるプレイングは却下される可能性が高いです。
わからない点がございましたら通話機を介しヒーリショナー(az0076)が答えます。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/03/28 22:28
参加者
掲示板
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相談卓
最終発言2018/03/23 07:19:30 -
【質問卓】
最終発言2018/03/22 21:56:52 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/03/22 19:14:02