本部
夜を蝕む病
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/02/19 22:00
- 完成予定
- 2018/02/28 22:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/02/19 12:00:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/02/16 22:16:51
オープニング
●その女は血の香りがした
――少女は、夜が嫌いだった。
暗い夜。静かな夜。
吐く息の白さだけが、その恐ろしい暗闇の中で、ただ唯一の光だった。
「夜は嫌い。私だけが世界で一人ぼっちのように思えるから」
薄暗い路地の片隅で、ぼんやりと虚空を見つめる日々。
誰でもいい。誰でもいいから私を救って。
皮肉にも、心のなかで呟くたびに。孤独はなお深く少女の世界を蝕んでいった。
『哀れなレイナ。可愛いレイナ。貴方にとっておきの"おまじない"を教えてあげる』
そんな少女の前に『彼女』が現れたのは果たしていつのことだっただろう。
幻想的に輝く銀髪。吸い込まれそうな真紅の瞳。
男性のように背は高く、脳がとろけそうなほど濃密な甘い血の香りを纏った女。
美しいというよりも、どこか怖ろしい。
自らを『クローフィ』と名乗った女は、いつしか少女の友となり、孤独から逃れるための『ある方法』を吹き込んだ。
『レイナ。難しく考えなくて良いの。貴方は、ただ……愉しめばいいのよ」
その日から、街の片隅にはこんな噂が流れ始めた。
暗い夜。静かな夜。
一人で路地を歩いていると、この世のものとは思えない美しい女に呼び止められる。
その甘美な声で女は言う。自分と友達にならないか、と。
だが、そこで返事をしてはいけない。それは異形の者なのだ。
誘われるままについていけば、永遠の夜に囚われるだろう。
恐怖を感じて逃げ出せば、永遠に夜を恐れ続けるだろう。
逃れる術はただ一つ。
光を灯せ。そして二度とこの街の暗闇に近づくな。
神に祈るのは、きっと朝陽を拝んでからでも遅くはないはずだ。
「――ねぇ、クローフィ。私、なんだかコツを掴んできたみたい。……最初の一人はちょっとだけ失敗しちゃったけれど、他の人たちはちゃんと壊れずに上手く出来たもの」
無邪気に喜ぶレイナ。その口元はわずかに赤く染まっている。
それを愛おしげに眺めながら、クローフィは微笑んだ。
『ふふ……すごいわ、レイナ。貴方は本当にお友達づくりが上手なのね』
「ううん、クローフィのおかげよ! ……大好きなお姉ちゃんもできて、お友達もいっぱいできて……こんなのって、まるで夢みたい!」
月の明かりだけが照らし出す、惨めでボロく薄汚い家。
かつてはレイナだけが暮らしていた寂しい隠れ家も、今では夜に沢山の『お友達』が集まる賑やかな場所になっていた。
「それに最近はすごく身体が元気になった気がするの。前までは上手く走ることもできなかったのに。……本当に"おまじない"ってすごいのね」
少女はもう孤独ではなかった。
世界から見捨てられた少女は、あんなに嫌っていたはずの夜の中に、初めて自分の居場所を見つけたのだ。
『ねぇ、レイナ。私ね、どうしてもお友達になりたい人たちがいるのよ』
「え? クローフィが? ……どんな人たちなの?」
『……そうね。とっても強くて、とっても怖ろしくて――』
レイナに聞こえないほどの小さな声で、クローフィは付け加える。
それに、とっても――邪魔な人たち。
『その人たちにね、すごく興味があるの。レイナが協力してくれれば、きっと私もその人たちとお友達になれると思うんだけど……』
レイナにはクローフィの正体も、彼女の考えてることも、正直よくわからなかった。
しかし、そんなことはクローフィが自分に与えてくれたものを思えば、すべてどうでもいいことに思えた。
クローフィは孤独だった自分を救ってくれた。
今度は自分がクローフィを助ける番だ。
そう考えたレイナは無邪気な笑顔を浮かべて、勢い良くクローフィに抱きついた。
「もちろん協力するわ! クローフィのためだもの……なんでも言って!」
『ほんとう? とっても嬉しいわ。ありがとう、レイナ。それじゃあ……』
銀髪がきらめき、甘い香りに包まれる。
『あなたの"身体"をちょうだい』
――そうして。少女の意識は、蠱惑的な夜の中に取り込まれた。
解説
●目標
・夜明けまでに『レイナ』を無力化する(殺害禁止)
※以下は達成しなくても失敗にはなりませんが、成功度には反映されます。
(特殊目標)
・愚神『クローフィ』を倒す
●登場
・『レイナ』
クローフィに取り込まれた状態の孤独な少女。意識は愚神に奪われている。
圧倒的に強化されてはいるが、身体はレイナのまま。
戦闘不能になれば、愚神との共鳴状態は解除されるだろう。
特殊能力:
《吸血》単体。肉体系BS【減退 1d6】付与。
《血華旋風斬》範囲。自らの血で生成した鎌を振るい周囲を切り裂く。レイナの身体にダメージ。
《夜の棘》影に紛れて飛来する真っ黒なトゲ。離れた場所からでも正確に対象を捉える。
《甘い誘惑》甘い香りで包み込み、少しの間だけ対象を自らの意のままに操る。
・『お友達』
クローフィとレイナにライヴスを奪われ、自由に操られている街の人たち。
総数はそこまで多くないが、獰猛かつ攻撃的でリンカーたちの邪魔をしてくるだろう。
言うまでもなく彼らはただの被害者なので、手段は問わないが『無力化』すること。
●状況
・ロシアの小さな街。時刻は夜で辺りは暗闇に包まれている。
・街は愚神に操られた『お友達』が徘徊している。彼らはリンカーを見るとすぐに襲い掛かってくる。
・愚神に取り込まれたレイナは暗闇に潜みながら、リンカーたちを狙っている。
・街の人たちは異常に気付いて家の中に閉じこもっている。『お友達』もリンカー以外は攻撃の対象としないため、避難誘導などをする必要はない。
「関連任務」(読まなくても問題なしです)
http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/3226
http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/4976
マスターより
いまだに年末年始ボケが治らない大江です。
地味にですが続いていきますよーということで今回も吸血鬼です。
よーし孤独な少女を救ってやるぞーという紳士な皆様のご参加をお待ちしております!
リプレイ公開中 納品日時 2018/02/26 19:55
参加者
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相談卓
最終発言2018/02/19 12:00:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/02/16 22:16:51