本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 15人 / 4~15人
- 英雄
- 15人 / 0~15人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/11/15 19:00
- 完成予定
- 2017/11/29 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
質問卓
最終発言2017/11/15 08:16:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/11/11 00:54:39 -
相談卓
最終発言2017/11/15 12:04:22
オープニング
●遊興
「あの鸚鵡、相変わらずしぶといしうるさいもんだな。ギアナの連中もよくついていくもんだ」
全身から稲妻と化したライヴスを放散させながら、カレウチェの甲板にトールはどっかりと腰を下ろす。インカ支部のバリアは砕かれたが、トールもトールでその疲労を隠してはおけなかった。眼下は既に喧騒に包まれ、ウールヴヘジンにヴァルキュリア、エージェント達が入り乱れて戦いを始めている。今も状況は刻一刻と動き続けていた。傍に立つレスクヴァも、堅苦しい表情のままトールに尋ねてくる。
「ご命令を。トール様」
「待機」
さらりと応えると、トールは胡坐をかいて空を見上げる。幽霊船、そしてそれに乗った従魔が次々と押し寄せてくる。インカ支部をそのまま押し潰さんばかりの勢いだ。しかしトールの顔は渋い。
「白けやがる。俺の戦いはいつもそうだ」
ふわりと細身の怪鳥が舞い降りる。やがてそれはシアルヴィの姿へと変わり、トールに向かって淡々と報告する。
「近辺に獣人の集落を発見。人口規模は五十から百程度」
「集落か……なるほど。集落か」
稲妻の放散が止み、トールはおもむろに立ち上がった。つかつかと船首へと歩いて振り返り、シアルヴィとレスクヴァをそれぞれ見渡す。
「憂さ晴らしだ。本丸はバルドル達に任せときゃいい。俺達はその集落へ“遊び”に行くぞ」
「承知いたしました」
「ウールヴヘジンを十体、ヴァルキュリアを十体連れてこい。他にもついてきたらそのまま連れてこい」
シアルヴィとレスクヴァは静々と頭を下げ、その姿を変じて飛び上がる。トールもカレウチェを見上げると、朗々と叫んだ。
「取舵一杯! 進め!」
「ふははははっ! 狩猟は由緒正しき神の嗜みってなぁッ!」
●雷の暴威
「トールが此方から離れていきます……?」
レーダーを通して戦況を見つめていたオペレーターが首を傾げる。混戦の始まったインカ支部を離れ、トールを示す輝きの強い点がどこかへとふらふら向かっていく。担当官は眉間に皺寄せ、レーダーの方へと近づいていく。
「あの方向。急いでドローンを追跡させろ。もしかしたらそいつの目的地は……!」
「了解です。一機発進させました。直ちに追跡させます」
モニターの一つがカメラの映像へと移り変わる。VTOL型のドローンはみるみる速度を増し、従魔飛び交う空を切り裂き飛び抜けた。細い煙をそのカメラは捉える。密林の中で何かが燃えている。ドローンは一気に高度を落とし、その正体を確かめた。
「これは……!」
密林の中に作られた集落が炎に包まれていた。エメラルドのように煌く髪を持った、ハチドリのワイルドブラッドが三人逃げ惑っている。しかしその目の前にトールが立ちはだかった。三人の足が止まった瞬間、青年の頭蓋が巨大な大槌で打ち砕かれる。更に少年の首が絞め上げられ、その場に崩れ落ちた。悲鳴を上げてしりもちをついた少女の髪の毛をむずと掴むと、トールはぐるりと振り向く。
トールはナイフを取り出すと、怯えて動くこともままならない少女の髪の毛を一房一房切り始める。ホバリングを続けるドローンへと見せつけるように。
――どうする。せいぎのみかたさま――
雷神の愉悦に満ちた唇が、一言一言、ゆっくりと動いて支部の職員達を挑発する。担当官は眼を剥き、オペレーターに向かって叫んだ。
「直ぐにエージェントへこの事態を通達しろ! 救援に向かわせるんだ!」
「で、ですが! 既に支部への侵入が……」
「ですが!? 馬鹿野郎! こっちはどうとでもなる! H.O.P.E.の使命を思い出せ!」
「奴にこれ以上デカいツラさせるな!」
●超人即ち狂気
要請に応じた君達は、神速の勢いで集落へと転進した。自衛手段はバリアだけではない。H.O.P.E.本来の使命を優先しろ。そう担当官は叫んでいた。森を進むうちに、生木の燃える臭いと、鉄のような臭いが織り交じって漂い始める。仄暗い空間が橙色に染まり始める。君達は顔を見合わせ、その足をさらに速めた。銃声が響き渡り、弾が木に突き刺さる。悲鳴が森の中に木霊する。それでも足は止めず、ついに君達はその現場へと辿り着いた。
「……やあやあ! やっぱり来たなあ、正義の味方ども?」
トールは不敵に笑いながら君達に対峙する。その手はぐちゃぐちゃに乱した少女の髪を掴み、少女の華奢な体を君達の方へと突き出した。君達は武器を構える。誰かが、その子を離せと叫ぶ。するとトールはげらげらと笑い出し、ナイフを取って少女の首へと押し当てた。眼に涙が浮かび、少女は君達に向かってぱくぱくと口を動かす。
「ああ、いいぜ」
君達が止める間もなく、ナイフは少女の喉笛を切り裂いた。鮮血が噴き出し、少女はそのまま事切れる。少女の襟を掴むと、トールは君達の方へその亡骸を投げ出した。
「ほら離してやった。これで文句ないだろ?」
その眼は、戦に狂った獣のそれだった。君達がトールへの怒りを募らせる間にも、集落を飛び交うヴァルキュリアが君達の前にどさりどさりとワイルドブラッド達の亡骸を放り出していく。皆恐怖をその顔に張り付けたまま死んでいた。トールはぎらぎらと目を光らせ、声を張り上げる。
「悲しいか? 恨めしいか? 腹立たしいか? だったら来いよエージェント。俺に目にもの見せてみな。この俺の退屈を紛らわせろ!」
大樹の上から、茂みの影から、ウールヴヘジンが弓に銃で君達に狙いを定めている。
飛び交うヴァルキュリアが盾に槍を構えている。
燃え盛る大樹の陰に隠れ、生き残っているワイルドブラッド達が震えている。
暴虐非道の狂気を見せる雷公に向かって、君達は――
解説
目標 集落の奪還
BOSS
ケントゥリオ級愚神(?)トール
ラグナロク幹部。支部を離れて近くのWBの集落の虐殺を始めた。
・ステータス
全体的に高め
・スキル
トールハンマー
近接物理、範囲1。防御した相手の生命力を10減少させる。
ライトニング
遠隔物理、射程30、範囲1。
回避された場合、敵の回避を半分にしてもう一度判定を行わせる。この効果で与える最大ダメージは5。
ENEMY
デクリオ級従魔シアルヴィ&レスクヴァ
トール直属の部下。他の戦乙女よりも優れた飛行能力を持つ。
・ステータス
移動S、飛行。防御寄り。
・スキル
(羽根を用いた攻撃、あるいは防御を行ってくる。詳細は不明)
デクリオ級従魔ヴァルキュリア×10
翼で飛行する狂信者。トールの命に従い獣人を虐殺している。
・ステータス
移動A、飛行。防御寄り。
・スキル
上に同じ。
デクリオ級従魔ウールヴヘジン×10(PL情報)
狼の姿を取る従魔。森や占拠した住居に潜みエージェントを狙っている。
・ステータス
物攻B~C、魔防D~E。その他調査中。
・スキル
陰伏[潜伏時、攻撃力+50]
・武器
弓や銃など。
FIELD
火に包まれた集落。半径10sqほどある円形の広場を囲むように、多層のツリーハウスが構築されている。
火が深い影を作っており、潜伏の効果が普段よりも高い。
集落全体がライヴスに満ちており、武器のエフェクトがある程度現実にも影響を及ぼすことが出来る。[土を凍らせる、火を水で消し止める、など]
TIPS
狼を見つけるには何らかの形で索敵が必要。
ある程度のダメージを受けた時点でトール以下は撤退方向に作戦を転じる。
トールに対するヘイトコントロールはスキルによっても不可能。
生き残りは戦闘中でも従魔に狙われている。
トールの狙いは常に考えておくこと。
マスターより
影絵企我です。ついにトールとの正面衝突です。
ついに悪逆非道っぷりをこれでもかと露わにしました。
許せないと思いますが、許せないだけで行動するとやはり大義を見失うかもしれません。
常に銃火器が皆さんに狙いを定めています。注意してください。
分からない場合は質問を。
それではよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2017/11/24 18:02
参加者
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質問卓
最終発言2017/11/15 08:16:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/11/11 00:54:39 -
相談卓
最終発言2017/11/15 12:04:22