本部
少年英雄は仲良くなりたい
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 6~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/21 07:30
- 完成予定
- 2017/06/30 07:30
掲示板
-
何して遊ぶか相談しよう~
最終発言2017/06/21 01:43:08 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/20 09:38:14
オープニング
●
引っ込み思案を形にすれば、こんな子が生まれるのではないだろうか。
今年で大学生になるマリアは、目の前でうつむく少年の姿を見て何となくそう思った。
「また、あの子たちに声をかける事が出来なかったのね?」
特別強い調子で彼を責めたわけではなく、むしろ努めて穏やかにしたというのに、少年は大声で叱られたかのように大きく肩を震わせた。おずおずと上げられた瞳は、彼女のものとは違って深い紅をたたえている。
格好は六歳ごろといった様子。マリアの腰あたりに顔が来るので、脱色したかのような短い白髪がよく見える。びくびくとこちらを窺ってはすぐに目をそらす姿は、人間に怯える白兎をほうふつとさせた。
自分の部屋で少年と向かい合うマリアは厳しい口調にならないよう、ゆっくりと丁寧に言葉を選んでいった。
「ローグ。今日はちゃんと話しかけてくるって、お姉ちゃんと約束したよね?」
「……うん」
消え入りそうな声。これでもマリアに言葉を返す事が出来ている点で大きく進歩はしているのだが、それを気にかけている場合ではない。
「公園には、人は何人いたの?」
「……」
「十人かあ。そうだよね、今日は平日だから。お友達になれそうな子はいた?」
ローグはふるふると首を振った。
「そっか……」
彼とマリアが初めて出会ったのは一年前の話だ。突如として彼女の前に現れたこの少年英雄は当初名前も持っておらず、マリアがたまたま読んでいた小説の主人公にちなんでローグと名付けられた。
いきなり始まった共同生活にマリアは不満はなかった。もともと弟がいればいいと思っていたし、ローグは口数は少ないながらもこの世界を愛する心の優しい少年だったからだ。
ただ、唯一の心配事として、彼が極度な人見知りであったことが挙げられる。同い年ぐらいの子供たちが遊ぶ公園に入ることすらままならないし、声をかけることはなおさら。最初のほうは他の子に近寄られたりもしたのだが、そのたびに超人的なスピードで逃亡していたので今では声をかけられることもなくなった。
「もっと他の子と仲良くなれればいいんだけど……」
ローグの目がマリアを見つめる。子供たちと仲良くなれれば確かにいいけれど、そんなこと簡単にできないよ、と懇願するように。
マリアの中で何かが揺らぎそうになったが、それをぐっとこらえていった。
「ローグは優しい子だから、すぐに打ち解けられると思う。それにあの子たちだってローグが嫌いなわけじゃないし、少なからず気づいてはいるはずだよ」
ただきっかけさえあれば、と無情にも考えてしまう。それほどにローグの人見知りはすさまじいものがあった。
どうにかならないものか、とマリアが窓の外をふと眺める。アパートの二階から眺めるそこからは、海の上に浮かぶH.O.P.E.東京海上支部が日差しを受けてキラキラと輝いていた。
「エージェント……そうだ!」
勢いよく立ち上がったマリアに、ローグは目を丸くして思わず口を開いた。
「お姉ちゃん、どうしたの……?」
「思いついちゃった。ローグがみんなと仲良くなれるかもしれない方法!」
●
「それで、私のローグを近所の子供たちと仲良くできる遊びを、エージェントの皆さんに考えていただきたいんです。こんなこと頼むのは変だとわかってはいるんですけど、でも私じゃこれ以上手の施しようがなくて……ローグを見捨てる事も出来なくて。
だから、お願いします。お礼も十分にできませんが、ローグを助けてはいただけませんか?」
●
皆さんはマリアたちの家の近くにたまたま住んでいてこの件を知ったり、あるいは東京海上支部からの依頼に(能力者か英雄、あるいは両方が)応じたエージェントです。ローグが近所の子たちと仲良くできる方法を考えてあげてください。
皆様に行っていただきたいことは以下の通りです。
・遊びを企画する
できるだけ大人数で出来ることがいいでしょう。ドッジボール、鬼ごっこ、工作などなど。動的、静的かは問いません。子供たちが楽しめることを考えてみてください。
・遊びを準備する
場所の準備と宣伝です。企画に沿う場所を街の中で選定し、所有者に許可をもらいます。また子供たちに気づいてもらえるよう、張り紙やチラシを作ってください。デザインが命です。
・遊びを指導する
実際に子供たちが集まった後、遊びを教える役目です。インストラクターと言い換えてもいいでしょう。ここで重要なのは、極度の人見知りであるローグを子供たちの輪の中にうまく入れるよう促してあげることです。えこひいきにならないよう、さりげなく。加減が重要です。
役目が複数になっても構いません。例えばチラシを作ってインストラクターをしたり、企画が出来上がったらすぐ場所を取りに行く、などです。ただ体力が必要になりますが。
果たしてローグは子供たちと仲良くなれるのか。
その結末は、皆さんの手にかかっています。
解説
目的:英雄『ローグ』を近所の子供たちと仲良くさせる
登場人物
ローグ
・一年前突然マリアのもとに現れた少年。年恰好は六歳ほど。白い短髪に血の色をした瞳、ところどころに切り傷のある肌が特徴。来ている服は大手服飾メーカーの安売り品の半袖短パンである。
・極度の人見知り。とにかく人と話す事が苦手で、目を合わせられることも怖い。でも人が嫌いなわけではないので、毎日公園に行っては怖気づいて逃げ帰っている。毎日その繰り返しだが、平日はその頻度が減る。
・無口なのでわかりづらいが、人もこの世界も大好きな心優しい少年。感情は顔に出るし、頭頂部で跳ねているいわゆるアホ毛にも表れる。マリア曰く「犬のしっぽ」。
・好きな遊びの種類は体を動かすこと。嫌いな遊びはない。
・ローグはマリアがH.O.P.E.に依頼をしたことは知っているが、何をするかまでは知らない。
近所の子供たち
・大体ローグと同じぐらいの歳。遊び盛りの年頃で、大体公園にいる。たぶん大人の倍ぐらい体力がある。
・ローグのことは一応知ってはいる。ただしその評価は「変な奴」から「いつも公園の外からのぞいてる変な子」、「小っちゃい」など様々。よく知られていない、というのは共通している。女子からはその外見からひそかに人気らしい。
使用可能地域
・マリアの家の周辺。その中で企画に応え得る場所を取り上げると、小学校のグラウンド、体育館、図書館、公民館がある。距離を遠くすれば陸上競技場、サッカーグラウンド、野球グラウンドがあるが、ここを貸し切りにするには少々難易度が高め。上記の三種類を使いたい場合は借りられない可能性も考慮したほうが良い。
マスターより
山川山名です。日常クエスト、今度は人見知り男子の依頼です。
人見知りもそうなんですが、どんなことにも理由ってありますよね。なぜローグが人見知りになってしまったのか? 皆さんの予測でもいいのでそれを考慮していただければ幸いです。皆さまがどんな遊びを思いつかれるのかも楽しみにしております。
――白髪赤目ショタは好きですか
リプレイ公開中 納品日時 2017/06/24 16:11
参加者
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何して遊ぶか相談しよう~
最終発言2017/06/21 01:43:08 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/20 09:38:14