本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 12人 / 4~12人
- 英雄
- 12人 / 0~12人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/05/07 19:00
- 完成予定
- 2017/05/18 19:00
このシナリオは2日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談】朱天王
最終発言2017/05/07 15:15:03 -
【質問卓】
最終発言2017/05/04 20:44:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/04 02:10:58
オープニング
このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●取り残されたひとり
闇の中で、少年がひとり、泣いていた。
一度は与えられた刃物も、強張った手からもう抜き去られた。
行けなかった。逝けなかった。
決して離れることはないと誓った仲間たちと共に。
自分の弱さと欲深さが、それを許さなかった。
――いいんだ。
頭の中に、声がする。
懐かしい声。かつては母親とさえ重ね、憧憬と羨望を持って見つめていた存在の声。
――お前はそれでいい。しがらみがあるのは幸せなことだ、大事にしろ。
今すぐにでも駆け出して仲間に追い縋りたい気持ちと同じくらい、母を知りたい気持ちがある。
何故泣くのだろう、眠ったままなのに、何度も訪ねていたりして。
もうとっくに、自分のことは見限ったのではなかったのか。
いないほうが、母は楽になれたのでは?
「あ……ああ……」
病室の中には、噎せかえるほどの血の匂いがする。仲間たちの流した血。そして彼らは行ってしまった。
自ら命を断つこと。
それが、もう一度連れて行ってもらうための条件。
彼らは選んだ。自分は選べなかった。
仲間との、永遠の別れになるのだとしても。
起き上がったベッドの上で、少年はひとり、透明な涙を零した。
●消えた少年たち
「百鬼夜行のメンバーとして入院中だった少年達が、ひとりを残して脱走しました!」
その報せは、H.O.P.E.支部にも伝えられた。
かつて暴走族『百鬼夜行』のメンバーとして補導された少年たちは、意識不明のまま病院に収容されていた。
彼らは新型感染症の患者としてライヴス補充治療を受けつつも、数ヶ月のあいだ意識を取り戻すこともなかったはずなのだが。
「病室には大量の血痕。おそらく致死量と思われます」
「何者かが侵入して、殺したのか?」
「わかりません。ただ、残った少年の首筋には、自傷のときに出来るためらい傷が――」
残った少年は意識を保ってはいるが、ひどく気落ちした様子で、捜査員の質問にも黙秘を貫いているという。
「自ら命を断った可能性もある、か……」
警察の調べによれば、百鬼夜行のメンバーとなった少年は、それぞれに生育環境や家庭に問題を抱えていた。
リーダー格と見做される立川隆司は、被虐待児として育ち、六歳のとき餓死寸前を児相に保護される。その後親権を主張する親元に戻されるが、問題が発覚して施設に戻される。親元と施設で交互に育ち、中学卒業後、就職。しかしすぐに退職し、行方知れず。
もうひとり宮崎櫂は、十四歳のとき義父を刺し、傷害事件で少年院入りしていた。その事件では義父側にも虐待があったことが認められ、元妻と義理の娘に対する接近禁止令が出される。しかし義父はそれに違反し、間もなくこの二人を待ち伏せして殺害。現在終身刑にて服役中。
最後の濱田伊冴里は何らかの障害を抱えていたと見られ、幼い頃から暴力事件を起こす問題児だった。中学卒業後は失踪。先日エージェントとの戦闘において死亡が確認されるが、両親は遺体の引取りすら拒否。
「何が、彼らをそこまで駆り立てたのか……?」
入院中だった少年たちの身の上は、リーダー格に比べればまだましだった。生きていれば別の道も……という思いを禁じえない。
「それよりは、彼らがどこへ行ったかだ。足取りは追えたのか」
致死量の血を流したとしたら、それはもう死体となっている可能性が高い。新型感染症の患者が死ねば、例外なく死体ゾンビとなる。
歩く死体となった彼らは、どこへ消えた?
「いえ、深夜の出来事なだけに、気づいたときはもう少年達は消えた後でした。病院の監視カメラは破壊され、鍵は壊されていました」
「香川方面へ向かった可能性は?」
「ありえます」
四国では本四連絡橋が爆破され、いまだ補修工事が完了しないままに各地で感染事件が頻発し続けている。
そして敵の狙いは八十八箇所の札所のうち、七十五番と八十八番にあるとの情報がある。
四国山脈の山中でも動物がゾンビ化し、危機的状況だ。
「すぐに、対策を――」
だが、敵はどこから来る? 何を考えている? そしてどこへ向かう?
「エージェントを招集しろ。すぐに四国へ向かわせる」
わからないのなら。まだ闇の中ならば。
光の下へと、引きずり出してやる。
●存在を懸けて
「よく来てくれた、俺の可愛い弟分たちよ」
山奥の古民家で、朱天王は到着した配下を迎え入れた。
「知ってのことと思うが、俺は今回の為に作られたのだよ。だから、すべてを懸けて闘おうと思う」
ひとりずつの手を取って、数ヶ月ぶりの再会を喜ぶ。
声として発せられる言葉がなくとも、彼女の耳には届いている。
心から仲間と、彼女を慕う歓喜の声が。
「山側からは神宮寺が配下を二隊に分けて攻める。俺達は谷側にある国道から攻め、挟み撃ちだ」
地図を指し示して話す間にも、周囲の高揚した気分が伝わる。
闘いが、闘いが始まる。
決戦が。
「そうだな、俺達の力を、見せてやろう」
彼らは知っている、命を懸ける高揚感を。
共に死線をくぐり抜けた同志の、絆を。
闘いを経るたびに、それは強く強く結ばれるのだ。
弟分達の視線に答えるように、紅い唇を曲げて笑む。
「単車なら用意している。夜の山道を、ツーリングと洒落込もうじゃないか。俺を後ろに乗せてくれるのは、一体誰だい?」
●大窪寺攻防戦
夜の山に、いくつものエンジン音が鳴り響いた。
八十八番札所、大窪寺に詰めていたエージェント達は、それが敵の宣戦布告と知る。
本堂奥殿にある薬師如来坐像の防衛、それがここを守るエージェント達に課せられた使命だ。
「なんとしても、境内への侵入を許してはならない」
朱天王の技には破壊力があり、以前のテレビ局での事件では構造物を大幅に破壊された。
木造建築物の破壊も容易であろう。
周辺道路を警戒していたエージェントが緊急招集され、国道377号での防衛に当たる。
闇の中にバイクのヘッドライトが煌めき、停車する。
ややあって、ライトの中を歩いてくる女の姿が見えた。
「お出迎え、ご苦労」
波打つ長い髪を高く結い上げ、着流した和装に緋袴を穿いている。
「俺の名はヨモツシコメ三姉妹の長女、朱天王(ステンノ)。ここにいるのは俺の愛する弟達」
持っていた薙刀をひと振りし、前に構える。
空気がうなり、殺気がほとばしる。
「いざ、尋常に勝負!」
解説
●成功条件
八十八番大窪寺の本堂奥殿を朱天王とその配下から防衛し、撤退させる。
●現場状況
国道377号は横幅8スクエア、奥には百鬼夜行の乗ってきたバイクが駐輪され、さらに向こうはカーブしている。
国道の両側は傾斜した森林で、植樹された針葉樹が並んでいる。PC達の背後に上り口があり、右側上方が大窪寺。
●登場
朱天王
・毒百足(ドクムカデ):愛用の薙刀【毒百足】には常にライヴスで作った毒が纏わせてあり、刃で切りつけた相手に物理攻撃とBS【減退(1)】を付与。
・薙ぎ払い(ナギハライ):薙刀に攻撃用のライヴスを纏わせ、薙ぎ払う動きに載せて飛ばす。対象範囲は横3スクエア。この攻撃に毒効果はない。
・黒雷(クロイカヅチ):黒い雷により対象1人に電撃攻撃を行う。
百鬼夜行Aチーム(リーダー隆司+メンバー9名)、百鬼夜行Bチーム(リーダー櫂+メンバー9名+元テレビ局職員10名)
・すべて黒ヘルメット、白特攻服、手袋。隆司と櫂は左肩に鬼の面。
・使用武器:サブマシンガン、小銃、ナイフ(共にAGW)
・全員がハイネックのシャツを着用しているため一見して区別はつかないが、病院から脱走した7名は首に包帯を巻いている。彼らを含め、すべて死体ゾンビ。
マスターより
朱天王とは何者か? にようやくひとつの答えが出せた気がします。彼女は結界破壊のために作られ、地道に配下を増やしてきました。今回は愛情を注いだ弟分達と共に決戦に臨みます。
朱天王も弟分達も殺る気満々なので、心してかかって下さい。
※このシナリオは特設ページのノベル『天と地、表と裏より攻めよ』と連動します。ノベルに関連するプレイングを入れることが出来ますが、シナリオの成功度は左右しません。
リプレイ公開中 納品日時 2017/05/18 00:01
参加者
掲示板
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【相談】朱天王
最終発言2017/05/07 15:15:03 -
【質問卓】
最終発言2017/05/04 20:44:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/04 02:10:58