本部
悪夢のオオカミ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/01 12:00
- 完成予定
- 2017/04/10 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/03/31 21:01:58 -
悪夢を終わらせる相談卓
最終発言2017/03/31 23:36:19
オープニング
●彼のトラウマ
「手負いのシンガリが二人……。ちょっときつかったかもな」
「だから、俺は先に逃げていろと言ったんだ」
崖の上で、二人のリンカーが武器を構える。
事前情報では大したことがない強さの愚神とのことだったので、彼らは新人たちを多く連れだって愚神退治のために山に入った。だが、愚神は事前情報よりも強かった。
幸いにして中堅どころもメンバーに何人かいたので、彼らの新人を護衛してもらいつつ山を下りてもらった。そして、もっとも腕の立つ二人が囮としてその場にとどまったのである。
「回復できそうか?」
「さっきので、使い切った。お前こそ、アイテム類は」
「全部使い切った」
応援は間に合わないだろう。
傷を治す手立てすらないこの状況では、愚神から逃げ切るのは難しい。
「まさか、おまえと心中するなんてな」
男――ハルは、笑んだ。
今隣にいる相棒クロトは、同年代のリンカーだ。同じ時期にHOPEに所属し、同じ地域で活動していたためにクロトは一方的にライバル視していた。たとえ、同じ世代で同じような経験を積んでいてもハルはクロトに勝てたためしがなかった。
「一回ぐらいは、おまえに勝ちたかったぜ」
最後は、笑いながら散ってやろう。
もっとも、おまえには微々たる助力かもしれないが――。
そう言いかけたとき、ハルは言葉を失った。
「なんで、おまえまで笑って……」
クロトは、なにがあっても笑わない男だった。
そんな彼が、悲しげに微笑んでいる。
「こんなところで、死ぬのは一人でいいだろう。弱いおまえは、生き残れ」
どん、とハルは腹を蹴られる。
彼の体が宙に浮いて、そのまま谷底に落ちていった。
「やめ……ろ! 俺は、まだ戦える!!」
●現実世界(病院にて)
「以上が、起きたと思われる事件の顛末です」
HOPE職員は、説明を終えた。
愚神を討伐しようとして失敗した依頼の話を聞かされたリンカーたちは、首をかしげる。
「あの、愚神はもう討伐されているんですよね」
その質問に、職員は答えた。
「はい。別働隊が動いて、すでに討伐済み。生存者も――亡くなっていたクロト以外は全員を回収することができました。ただ、崖の下から見つかったハルは未だに意識が戻らない状態です」
完全にこの依頼に関することは終わっている。
なのに、改めてリンカーたちが集められた理由とは――……。
「皆さんには、生き残ったハルのトラウマを取り除いていただきたのです」
職員が、取り出したのはヘルメットのような装置である。
「医者の話では、ハルの昏睡は脳内でいつまでもトラウマとなっている光景を繰り返しているせいだということです。これを付けたまま眠ってもらえれば、ハルが見ているトラウマを共に体験できるはずだということです」
――なにそれ、すっごく便利で危険そうな道具!!
話を聞いていたリンカーたちの思いは、一つになった。
「ちなみに、十パーセントぐらいの確率で失敗します」
「失敗って、どういう失敗ですか……」
「まだ、認可を取る前の機械らしくて色々と調整が追いついていないんです。大丈夫、きっと数十年後ぐらいには安全な道具も開発されますよ」
「だから、失敗ってなんなんだー!! まさか、永遠に目覚めなくなるとかじゃないよな!?」
とあるリンカーの叫び声を聞きながら、同意したリンカーたちはヘルメットを受け取る。
「ところで、私たちはハルの夢の中で愚神を退治すればいいんですか?」
「もしかしたら……それは難しいと思われます」
職員が、首を振る。
「皆さん、気を付けてください。今回の愚神は、あくまでハルのトラウマです。現実の愚神よりも、強化されている可能性が高いです」
今回、挑戦するのは人が作り出したトラウマである。
乗り越えられないものだからこそ、現実の敵よりも脳内で強く設定されている可能性が高いと職員はいう。
「どうすれば……」
「バットエンドをできるだけ、ハッピーエンドに近づければいいんです。いいですか、繰り返しますが相手には勝たなくていいんです。この戦いの真の敵は、バットエンドそのものだと言えますから」
解説
・夢のなかに入り込み、バットエンドを食い止めてください
(※このシナリオでは回復アイテムが使用できません。スキルの使用回数が半分以下になります。1回ならば0回となります)
ヘルメットのような機械……かぶると他人の夢のなかに行ける。まだまだ改良の余地ありだが、今回のみという約束でHOPE職員が借りてきた。なお、受けたダメージや死などについては現実には反映されない。
夢の中(夜)……深い森の中。切り立った崖が近くにあり、視界はかなり悪い。すでに他の仲間たちは下山済み。
ハル……谷底で保護されたリンカー。現在は、病院で眠ったまま目をさまさない。遠距離戦主体のリンカーであり、武器は銃。動きは素早いが、威力はなく決定打にかける。
クロト……ハルのトラウマのなかにいる死者。刀を持った、前衛が得意なリンカー。スピードは並みだが、一撃の攻撃力が高い。(PL情報……劣勢になると、ハルを崖から突き落とそうとする)
愚神……狼のような巨大な愚神(のようなもの)。周りの木々を倒しながら素早く動き回る。
遠吠え――序盤に使用。一メートル前後の狼型の従魔を大量に呼び寄せる。その従魔を食べることによって、愚神は回復できる。
狼の縄張り――近寄ってきた相手に使用。相手のライブスを奪い、自分の攻撃力と素早さを上げる。
狼の牙――動きが遅い、あるいは止まっている相手に優先して使用。急所を狙って噛みついてくる。
狼の爪――周囲に狼の亡霊のようなものを召喚し、離れた敵を攻撃する。
従魔……愚神に呼び寄せられた従魔。『狼の牙』と『狼の爪』のみ使用できる。なお、従魔同士は共食いをしない。
亡霊……槍を持った愚神。従魔が半分以下になると登場。クロトを積極的に狙おうとする。
道連れ――自分の体力が半分以下になると使用。クロトの側に移動し、自爆しようとする。
マスターより
こんにちは、落花生です。
今回は他人のトラウマの話です。そのため、でてくる従魔や愚神は、実際のより強め(倒さなくてもOK)になっています。なぜかというと
「小さいころ、俺の顔面よりでかいクモを見たんだ……」
「それ、絶対に記憶違いだよね」
みたいな、感じです。
また、今回はアイテムやスキルの使用回数に制限がありますので御気をつけてください。
リプレイ公開中 納品日時 2017/04/06 15:13
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悪夢を終わらせる相談卓
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