本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/25 19:00
- 完成予定
- 2016/12/04 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/22 07:10:19 -
相談卓
最終発言2016/11/25 10:09:47
オープニング
●愚神バーバチカ
「────おかしい」
気付いたのはだいぶ奥地に足を踏み入れてからだった。仲間の声に、先行するミハイルが足を止めた。
「レーナ、おかしなことを言ってもいい?」
神妙な顔をしたタチアナに、エレーナは浮かない顔で頷いた。
「あたし、寒くて死にそう────」
そこは雪の降るシベリアの奥地だったが、共鳴したリンカーである彼らは気温の影響を受けることは無いはずだった。
「私もよ。つまり…………これは、単なる気象調査じゃなくなったってことよ」
寒さで紫色に変わった唇を震わせる友人を背に庇いながら、エレーナは森の中を睨んだ。
そこには、一頭の黒い鹿が立っていた。
滑らかな毛並みはまるで手間をかけた手入を受けているように艶やかで、雪が降る薄暗い世界でも僅かな光を弾いて輝いていた。長い睫毛の下の青い瞳は賢者のように穏やかで静かだ。
「────ちっ、”ユキワタリ”の亜種か」
ミハイルが舌打ちした。
”ユキワタリ”はH.O.P.E.が確認しているケントゥリオ級の愚神である。雪に紛れて現れる鹿によく似た愚神であり、幻を操り、降雪や吹雪のドロップゾーンを展開する。
しかし、普段は吹雪に隠れて活動するこの愚神が姿を現したということは────。
黒いユキワタリが吠えた。
女の細い悲鳴のような声と共に、先を行く仲間が倒れた。
「ミハイル!」
雪に倒れたミハイルの身体から、たんぽぽの綿毛のようにぶわりと小さな青い蝶が舞い上がり、鷹揚に近づいて来た魔物がそれを食む。
「ターニャ!」
エレーナが友人リンカーに体当たりをすると、タチアナの身体が崖の先へと吹き飛ぶ。
空中に放り出されたタチアナの目の前で雪に倒れたエレーナと自分を白い何かが遮った。
固まった雪の枝だった。それは、蔦籠のようにまるく絡まり、やがてそれは鶴首の花瓶ように細く天へと伸びた。
「レーナ……、ミハイル……」
共鳴したエージェントは高所から落ちても死ぬことはない。ドロップゾーンの中でさえも行動できる。
崖の下に放り出されたタチアナは、しかし、己の身体が凍り付き自由が効かないことに気付いた。
────ああ、自分は────自分たちは。
寒いと感じたその時から、彼らは既にあの特殊なユキワタリのドロップゾーンへと侵入していたのだ。
タチアナの凍える身体はだいぶライヴスを失っている。
うまく動かない指でタチアナはスマートフォンを稼働させた……。
「…………バーバチカ────」
呂律が回らない状態でたどたどしく状況を伝えたタチアナは、最後にそう呟くと意識を失った。
●愚神とふたりのエージェント
真剣な面持ちでで経緯を語ったオペレーターはエージェントたちを見渡した。
「ユキワタリはすでに何体も確認されているグライヴァー(愚神)ですが、今回のような個体は初めてです。
恐らく、特異な個体だと思われます。
もしかしたら────、これは想像ですが、より上位の愚神より力を与えられている可能性も……」
そこまで話しかけて、オペレーターは微かに首を振る。
「いいえ、それは私が話すことではありませんね。とにかく、わかっていることのみお伝えします。
これが一般的な愚神ユキワタリのデータです」
《データ》
愚神ユキワタリ
全長:約2.0m
知能:獣
戦域:陸(雪原)
解説:
雪に紛れて現れるケントゥリオ級愚神。複数確認されている。
一般的にふわふわの毛に身を包んだ白い雄鹿に似た姿をしており、瞳が赤く輝き、辺りを冷気で包む。
ドロップゾーン内部に降雪や吹雪を展開する力を持っていて、それによって周囲の視界を奪い、対象の体力を奪う。
吹雪に隠れて活動しつつ、吹きすさぶ雪の中に幻影を映し出し、対象が油断したり惑わされたりしたところを狙って氷柱を放って攻撃する。接近時は鋭い角で攻撃することもある。
幻覚を映し出す時に瞳が赤く輝き、角の先にほのかな明かりが灯るため、吹雪の中でもそれを目印にすることはできるが、幻覚に掛かると判断がつかなくなってしまう。
幻覚は「見える」ものであるため、幻覚を見ている者が何を見ているのかは周囲からはにわかには判別がつかない。
「そして、今回の個体はH.O.P.E.より、”愚神ユキワタリ『バーバチカ』”と命名されました」
愚神ユキワタリ『バーバチカ』
特殊なユキワタリ。毛皮は黒く瞳は青い。
ドロップゾーンの存在をリンカーから隠す能力がある。
ドロップゾーン内で対象から青い蝶の形をしたライヴスを引き出して食べるような動作をする。その結果、通常のユキワタリより早いスピードでライヴスを食らうことができるようだ。
雪の檻を作り出し、足止めをする。
「唯一救出できたエージェントは消耗が激しく、恐らく気付かないうちにライヴスを吸収されていたのだと思われます」
大量のライヴスを吸収されていたタチアナとその英雄の意識はまだ戻っていない。
「現在はバーバチカが居るドロップゾーンの範囲は正確に割り出されており、警戒すれば知らないうちにライヴスを食われることはないでしょう」
だが、ドロップゾーンの中には二名のエージェントが囚われている。
タチアナの衰弱を見れば、急がなくてはならないのは明白だ。
「気を付けて────でも、一刻も早く……」
────雪の檻の囚われたエージェントを救出し、愚神を討て。
解説
●ステージ:薄暗い雪降るシベリア奥地のドロップゾーン(以下、DZ) ※DZ突入後がメインです
森の中に展開するDZ:この中ではバーバチカにライヴスを食われます(※)
雪の檻:中心にある範囲3、強度Cの雪の檻。通常攻撃一回で破ることが出来る。中にエージェント二名が倒れている
時間帯:14時頃
●愚神ユキワタリ「バーバチカ」(亜種)
ステータス:物攻D 物防C 魔攻C 魔防C 命中D 回避C 移動C 抵抗C INT D 生命D
特殊能力:《幻惑の瞳》(状態異常を起こす)《誘いの瞳》(気絶させる)《氷柱》(魔攻/射程20/命中+50)
DZ内部に吹雪を展開、飛びぬけた跳躍力があり空の敵を撃ち落とすこともあるらしい。
特殊能力《瞳》は状態異常を射程20程度、相手の瞳を見る、見ないは関係ない。
・ユキワタリ個体バーバチカについて
最初の1ターンは姿を現さず、奇襲を狙う。
奇襲を受けた場合、[BS:衝撃][BS:狼狽]の二つが判定直前に付与される。
幻影の能力の強化、DZ内部の吹雪に関する特殊能力の強化(異常寒波)
→幻影によりDZに気付きづらくなっていた。また、異常寒波によりDZ内部は-60度以下(南極点並)になり、
また、ライヴスを伴ったその寒気はエージェントにも影響を及ぼす。
●H.O.P.E.より貸出
AALブーツ(汎用ALブーツ):Lブーツの水陸両用版で雪原でのホバー風走行が可能
各種防寒具
●囚われたエージェント×2名
リンカーは寒さの影響を受けづらい為、軽装で行動していた。
ライヴスを食われて陽の落ちる頃には生命の危険があると思われる。
吹雪で視界は少し悪いですが、AALブーツにより行動にマイナスが入るほどではありません。
マスターより
基本的に共鳴したリンカーは風邪もひかないし寒さに負けない頑強な存在ですが、
どうやら今回はそうはいかないようです。
雄鹿の愚神を狩ってエージェントたちを救出してください。
宜しくお願い致します。
リプレイ公開中 納品日時 2016/12/04 19:11
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/22 07:10:19 -
相談卓
最終発言2016/11/25 10:09:47