本部
自業賛歌
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/14 22:00
- 完成予定
- 2016/10/23 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/12 23:35:19 -
【相談卓】
最終発言2016/10/14 20:13:40
オープニング
●
――気色悪い。あんなの、いじめられて当然よ。
私の、最愛の親友がそういった時ほど心が痛んだ事はなかった。その矢は私に向けて飛ばされたのではなく、明確な悪意を持って彼に飛ばされていた。
名前も知らない彼。その人は顔にコンプレックスを抱えていた。皆がその事でからかうせいで、いつしか学校に来る事すら無くなっていた。その間学校で配られたプリントを届けに向かっていたのは私だった。
図書委員でもあった私は気に入った本等も貸してあげていて、その内に仲良くなっていった。
……確かに、最初はちょっと気味が悪いなと思う事もあった事は告白する。でもこうして仲良くなると、普通の人と同じというよりも、普通の人以上に面白味があって、話していて楽しかった。一週間たつと、彼は親友の仲間入りになった。
「明日、待ってるね。テストなんだ」
「ありがとう。でもクラスの皆とは、話せないよ」
それでもいいと言って、翌日を迎えた。
彼は顔を、頭全体を包帯で囲ってその上に帽子を被る。そういった格好で登校していた。
「なんだよあいつ、気持ち悪い」
「こっちに来ないでよ。呪われたくないし」
学校の制服をしっかりと着こなして、帽子を被っている所だけは一般生徒だった。私もこの姿に呆気にとられていた。悪意を持つ感情は湧かなかったが、一種の恐怖を感じていた。なんだか、昨日までの彼とは違う気がした。
その予感は大きく当たるんだった。
不登校が終わり毎日学校に来るようになった彼は、先生達からも腫物扱いだった。生徒達からは、私が見ていられない程の仕打ちを受けていた。私は毎日彼の家に向かっているが、家に帰ると包帯を外して、いつもの笑顔に戻って「大丈夫だよ」と言う。
私に安心感が宿る事はなかった。
事件が発生し始めてから、不安な心は募り始める。物騒な事件が起き始めた。
自分のクラスから死人が出た。不良だった。不良なだけではない、彼を苛めていた内の一人だ。彼の死が伝えられたのは朝会だった。私は彼を見たが、包帯で隠れた顔の下にどんな表情があったのか分からなかった。
それからは一週間に一人ずつだった。必ず誰かが死んでいて、必ず死者は彼を苛めていた。誰もが気付き始めていた。事件の発端が誰なのか。
嫌な計画が立てられている、そんな噂を聞いた。彼を殺す事で呪いを止めるというのだ。非常に感情的で、救いがない。私は口を大きくしてやめてと言いたかったが、その声は外に出なかった。
計画が実行に移された事を私は気付かなかったが、どうやら彼は五階のベランダから地面に突き落とされたらしい。次の授業は体育で私は女子更衣室で体操着に着替えていたが、脱ぎかけの制服を元に戻して保健室へ向かった。
「大丈夫?!」
「川合(かわい)さん……。大丈夫。まだ生きてるみたいだから」
相変わらずの包帯顔だった。保健の先生は奇跡的だと言った。高いところから突き落とされて普通なら死んでいるが、目立った外傷はない。
「川合さん、お願いがあるんだ」
「どうしたの?」
「明日は学校に来ないでほしい。来ちゃだめだよ、絶対に」
「えっ……と?」
包帯の向こう側に、いつもの笑みが見えた。
言い様もない変な感覚を心にしまって、私は夜も眠れなかった。胸騒ぎ、この言葉を最初に作ったのは誰だろう。小説でよく見かける文で、私は文字通り胸が騒いだ。何か、起こるのだ。だから彼は学校に来てはいけないといった。
でもそれはできないよ。私には親友がもう一人いる。その親友とは幼馴染で、とても仲が良い。彼の事を気色わるいと表現してしまったが、それは親友の悪い癖なのだ。本当は良いところがたくさんある。今から親友に、明日は学校にいかないでと連絡する?
いつもの悪い癖で、私は頭がおかしいと言われるのが目に見えた。
そして翌日を迎えた。全然眠れなかった。その割には体調は悪くない。学校を休む理由はどこにも見当たらない。体温計も正常値。
私は……学校に行く事にした。
●
日にちは早いが、坂山は体調を万全にしてオペレーターの椅子に戻っていた。回転する椅子を左右に揺らして懐かしむ。だがこの席に座るという事は、いつ仕事がきてもおかしくないという事。懐かしむ時間はあっという間に過ぎていった。
「坂山、大変だ」
四足歩行の犬型ロボット、スチャースが机の上に乗った。
「現場はM中学校だ。生徒達が突然狂人になり、パニックに陥っている。まだ死人は出ていないようだが、あの様子だといつ出てもおかしくはない。彼らは武器を持っていないというのが幸いだが、もし武器を手にしたら容赦なく人を殺すだろう」
「大変な事はよくわかったわ。マインドコントロールかしら? 愚神の類?」
「愚神や従魔といった反応は観測できなかった。強いエネルギーを感じ取る事はできたが。坂山、大事件な事にかわりはない。急いでエージェントを招集しなければならない」
「わかったわ。学校絡みの事件となると、放っておけないのよね。にしても、犯人はどこのどいつかしら。思春期真っ盛りの子供を操るなんて最低」
「同感だ」
坂山はリンカーを招集した後、M中学校に電話をかけてみるも誰も受話器を取らなかった。
解説
●目的
暴徒化の原因調査と、その排除。現場の鎮圧。
●カレ
事件の原因。彼は岩谷(いわたに)という一般的な男子生徒で家族もいたが、イエドという英雄と出会い能力を持った。その際の誓約は「怒りを忘れない事」
岩谷が包帯をした姿こそ共鳴時の姿で、その時に受けたマイナスエネルギーを貯め込んで人々を操れるようになった。
カレ自身に戦闘能力はないが、マイナスエネルギーを使ってリンカーを寄せ付けないといった受け身の姿勢で攻撃を防ぐ。それで時間を稼いで生徒達が自滅するのを待つ戦法。
●暴徒化
暴徒化したのはかつて岩谷をからかっていた生徒達のみ。からかわず無視していた生徒や無関係な生徒は暴徒化をしていないが、暴れる生徒に暴行を負わせられ校舎内の全員が被害者となっている。窓は閉められていて、脱出する事ができない。
暴徒化した生徒は自身の中に潜む抑圧された悪意を全面に解き放った連中で、非人道的な事を行うようになる。力も上昇していて、リンカーを吹き飛ばす腕力を持っている。この状態を解除するにはスキルを使って眠らせるか、意識を奪うか、殺害するかになる。この状態を作り出した長、カレを殺害すると全員の状態が解除される。
ちなみに、彼らの判定は「一般人」となる。
●学校の状態
リンカーが学校に到着した際は騒乱状態になっている。学校内は廃墟のように汚れていて、壁が破壊されている。脱ぎ捨てられた服、血を流して倒れている生徒等で足場も悪い。所々床も壊れており、登れない階段も複数ある。そして六階ある学校の全階層に五十人ずつ暴徒化した生徒が暴れている。
一時避難場所として三階の視聴覚室に生徒や職員は避難している。
その中にいる川合という女子生徒に岩谷の事について聞けば、今現在彼がいる場所を推測して教えてくれる。
●成功のヒント
カレが貯める事ができるのはマイナスエネルギーだけではない。
マスターより
※当MSはアドリヴ要素を入れるのが大好きです。ご了承ください。
話には全く関係がないんですが、最近ギターを練習するようになりました。アコースティックギターです。好きな歌手のギターを弾けられるよう頑張ります。
さておき、誰の心にも天使と悪魔がいると思います。この話はその、悪魔が人間に勝ったらどうなるのか、そういった話です。勿論、リンカーの活躍で悪魔は鎮圧されると思いますが、もしリンカーがいなかったら大変です。
私は今まで性善説が正しいと思っていたのですが、性悪説がなぜ主張されているのか、その理由がなんとなく分かった気がします。
それではよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/10/17 21:09
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/12 23:35:19 -
【相談卓】
最終発言2016/10/14 20:13:40