本部
【屍国】墓より出者
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 5人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/18 07:30
- 完成予定
- 2016/10/27 07:30
掲示板
-
ゾンビの群れ対策本部【相談】
最終発言2016/10/18 04:46:08 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/14 01:48:19
オープニング
●墓を叩く音
「遅うなってしもうたわ」
酒をいただいてしまえば話に花が咲き、遅くなってしまうのはいつもの事だ。
車で送ろうと言うのを断って酔い覚ましの夕涼みがてらこうして歩いて帰っているが、昔はどうと言う事も無かった寺までの坂が今は少しきつい。
「歳を取ると、と爺さん共が言うておったが、まさか自分も言うようになるとは思うとらなんだわな」
立ち止まって口にした言葉に応える者は今はもういない。
微かに苦笑して止まった足を動かす。
もう少し歩けば寺の門が見えてくる。
遍路道沿いには有るが霊場という訳では無い小さな寺。
その寺へと続く道を人影がこちらへ向けて歩いて来るのが見える。
僧侶のように見える姿に声をかけようと足を止めた瞬間、ドンドンという何かを叩くような音が辺りに響き渡った。
「何じゃ!?」
音は寺から聞こえてくるように思えた。
今、寺には住職一人だけしか住んでいない。寺には誰もいないはずである。
何かを叩くドンドンと言う音は次第に数を増していく。
近所の人達もその音に気付いて家から顔を出していた。
住職は酔いも疲れも忘れて寺の中へと駆け込んだ。
音は墓地の方から響いて来る。
それは墓石を下から叩く音だった。
まるで死者が墓から出てこようとしているような音が響いている。
いや、実際に死者が出てこようとしているのだ。
狭い墓の口から腐った肉の付いた体が這い出してきている。
その光景はまるでB級ゾンビパニック映画のオープニングのようである。
「住職……」
かけられた声に視線を向けると近くに住む男達が青い顔で墓地を見つめて立っている。
「確かうちの墓は皆、お骨じゃった気がするんじゃが?」
住職の力の抜けたいつも通りの言葉に男達は青い顔のまま頷く。
「盆もとうに過ぎた、化けて出るにしてももうちょいっと風情のある出方をするじゃろ」
墓の口の石を持ち上げて順にゾンビが出てこようともがいているが、狭い出口と互いの体に挟まってそう簡単には出てこられないようである。
「人生の荒波を乗り越えてきた爺さん婆さん共があんな間抜けな事にはなるまい」
互いの体が挟まり合ってもがくさまは実際に目の前になければ滑稽と言ってもいいかもしれない光景である。
「本当に化けて出たんなら、自分の墓をあんなに粗雑には扱わんじゃろ」
暴れるゾンビ達は墓石を押し倒し、花もお供え物もみな辺りに散らばってしまっている。
軽いいつも口調の住職の声に恐怖に青い顔で固まっていた男達の顔から少しだけ固さが抜ける。
化けて出た先祖は理解の及ばない恐怖だが、従魔は現実の恐怖だ。
「ほれ、何をボーっとしておる。H.O.P.E.へ通報じゃ」
ドンと近くに居た若者の背を叩いて声をかける。
まるで喝でも入れられたかのように慌ててポケットの中を探しだす若者に
「鍵は掛かっておらん、うちの電話を使うといい」
そう声をかけて、他の男達にも声をかける。
「警察にも連絡、それとお前さんらは近所を周って皆を非難させるんじゃ、寺からできるだけ離れるんじゃぞ」
住職の指示にそれぞれが駆け出して後には住職一人だけが残された。
住職はゆっくりと墓地の中を見渡す。
無理やり墓から這い出して来たゾンビ達は腕が無かったり、頭が取れかかっていたり、中には下半身が無い上半身だけのものもいる。
「皆、不憫よの。死して尚玩ばれるとはの」
這い出して来るゾンビは止まらない。
さらに、後から出て来るゾンビ達は手も足も傷つくことなく這い出して来ているものもいる。
その数はもうすでに十や二十ではきかず、墓地を埋め尽くしそうな勢いである。
「儂にはもう、解放して救ってやる力は無い」
もうずいぶんと前から寂しいままの自分の左側に目を向ける。
「せいぜい、死した後にまで業など背負わんで済むように経でも挙げてやるくらいしかできん」
ゾンビ達の中には墓地の三方を囲む塀の方に向かっている者もいる。
腐った体で自らの背よりも高い塀を越えられるとは思えないが外へ出ればどうなるかは明白だ。
住職は静かに手を合わせて経を唱え始める。
その声にゾンビ達が動きを止めた。
住職の経に魅かれるようにゆっくりとゾンビ達の腐った瞳が墓地の入口を背に立つ住職の方へと向けられた。
解説
●目標
・ゾンビ型従魔の全撃破
●ゾンビ型従魔
・典型的な走らないゾンビです。
・体を引きちぎって外に出た者がいるので形状は色々有りますが、元は全て同じ人型です。
・手や頭が千切れた者は歩いていますが、足や下半身が千切れた者は地面を這っています。
・未だ墓の中かからゾンビは這い出してきています。どれくらいの数になるか想像はつきません。
・複数に掴まれば振り払うのは容易ではないでしょう。
・PL情報:倒すと骨壺が残ります。
●墓地
・三方は高さ二メートルの塀に囲まれています。
・開いている一方はお寺に面していて人の腰ほどの高さの生け垣が有ります。
・住職の立っている場所が唯一の入り口として生け垣がきれている場所です。
・PL情報:ゾンビは塀を越えられませんが、生け垣ならば突き破って外に出ることも可能です。
現在は住職の気配に集まってきているので外に出て行こうとする様子はありません。
●住職
・それなりに高齢の住職です。
・一人、墓地に残り経を上げています。
・PL情報:ゾンビが渋滞しているおかげで最初のPC到着時は無傷ですが、以降はどうなるか分かりません。
●場所
・高知の遍路道沿いにある寺です
・周囲の民家の避難は自治会によってすでに始まっていてパニックは起こっていません。
●PC到着
・近隣にいたPCへ本部から直に連絡が入っています。
・一緒にいなかった可能性があるので到着時間はずれるかもしれません。
マスターより
こんばんわ、みなさま!
ゾンビ映画はお好きですか?
私はホラー物はあまり得意ではありません。アクション要素の強い物なら問題ありませんが怖いのは苦手です。
さて、ゾンビです。
しかも大量です。
ゾンビ取りがゾンビにならないようお気を付けください。
リプレイ公開中 納品日時 2016/10/22 19:52
参加者
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