本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/07/27 19:00
- 完成予定
- 2016/08/05 19:00
※※※舞台を共有しているため、同一PCの同関連シナリオへの重複参加はお控えください※※※
掲示板
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死者の群 対策室
最終発言2016/07/27 18:37:35 -
質問卓
最終発言2016/07/23 13:26:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/23 21:56:41
オープニング
※※※舞台を共有しているため、同一PCの同関連シナリオへの重複参加はお控えください※※※
●死者の群
まるで、地獄の釜が開いたかのような光景であった。
国会議事堂までの真っ直ぐな乾いた道路を、炎をまとった者達が進む。全く同じ鉄やジルコンの仮面をかぶり、一つの意思によって動かされているかのような一糸乱れぬ従魔の軍勢。その異様な軍団から国会議事堂を守るためのバリケードが築かれ、HOPEからはリンカーたちが呼ばれた。
「なっ、なんだこれは!」
その一人は、ここにやってきたことを後悔した。
避難の終了した街を進むのは、死者をかたどった従魔の群。その軍隊の中央には、王族でも乗せているかのような巨大なカゴ。カゴを飾る薄い布が風で揺れるたびに、リンカーは理由もなく寒気に襲われた。あのなかには、なにか悪いものがいる。
死者の軍隊に立ち向かうために、リンカーの一人が銃を乱射する。その銃弾はほとんどが亡者の盾によって防がれたが、何発かの弾丸が敵の仮面を落とした。ずるりとはがれ落ちた仮面の下にあったものは、やはり死んだ人間の顔であった。
「こいつら……アンデットとミイラなのか?」
HOPEのリンカーは、茫然としていた。死んだ人間が片手斧や盾で武装し、軍隊のごとく行進をしている。そんな光景は、悪夢でしかなかった。
「くそっ。通信機が使えない」
自分たちが持ち出してきた装備では、あの軍団とは戦えない。だが、助けを呼ぼうとしても通信機が使えなくなっていた。誰かが、議事堂にいる仲間に現状を伝えなければ。たとえ援軍が来たとしても、自分たちの二の舞いになってしまう。
「だれかっ。一度、議事堂に戻れ! そっちに別働隊がいる」
「馬鹿。前を見ろ!」
ぐさり、と男の脇腹に何かが突き刺さる。
それは、ミイラの武器であった。パイク、と呼ばれる現代ではまず見られない四メートル以上もある槍である。ミイラは刺さったパイクから逃げだそうとするリンカーを取り囲み、次々と自分のパイクを突き刺していく。その光景には、死体に群がるハゲタカのような残酷さがあった。
――ぞろぞろ、ぞろぞろ。
蘇った兵士たちは、一心不乱に国会字義堂へと向かう。
「待ってろ! 今助けるぞ」
「こっちも手が空いた、援護できるぞ」
串刺しにされた男を助けるために、仲間たちが駆け付ける。
だが、串刺しになった男の目には別の敵が映っていた。
カゴにつけられていた薄い布が、風ではためいたのである。見えたのは、骨であった。生前はさぞかし美しい女であったのだろうと思われる骨格は、所々が翡翠でつなぎ合わせてあった。死してなお艶やかな黒髪には、死後も続く彼女の執念すら感じられる。
その女が手をあげた瞬間に、虚空から炎の球体がいくつも現れた。
女の骨は、仲間がいる方向を指さした。すると炎の球体は、そちらへと一斉に向かって行く。あぶない、と声を上げる暇もなかった。仲間たちは燃え上がり、女の骨はどこか色めかしい仕草で腕を下ろす。そして、反対の腕でなにやら印を作りだす。
その瞬間であった。
仲間たちがやっとの思いで倒した従魔たちが、次々と立ち上る。元より、すぐに回復してしまう敵たちではあった。鎧を砕いても炎を消しても、彼らはダメージなど感じないかのように向かってきた。だが、ダメージを与え続けていればたしかに倒れたのである。
なのに……女の骨は倒した敵さえも復活させてしまう。
ああ、このままではダメだ。
男は絶望していた。
爆発音が聞こえる。爆発するゾンビがいたから、そいつの攻撃を誰かが受けたのであろう。もはや、確認する気力すら起きなかった。
「あきらめないで!」
仲間の女性リンカーが、串刺しにされていた男の傷を回復させた。
「私たちが時間を稼ぐから、議事堂にいる別働隊に連絡をとって。私はもう、誰も回復させられないの」
女の腕には、火傷があった。
けれども、女は自分よりも仲間を優先した。
「さぁ、行って!」
女の声に背を押されて、男は走る。
敵はHOPEが当初考えていたよりも、ずっと強い。
それを伝えるために。
●議事堂
国会議事堂のなかには、議員とHOPEのリンカーの別働隊がいた。もしものときのために控えていたのだが、通信機が使えない今となっては外の様子もわからない。
「外はどうなっているんだ! もう、あのモンスターたちは倒されたのか!!」
議員たちは、苛々している様子であった。
すでに議事堂にたて籠ることを決めてから数時間が経過しており、一般人である議員たちのストレスが限界に達していたのだ。
「すみません。この方は、さっき出て行ったリンカーの一人じゃないですか?」
議事堂の警備員が、息を切らせた男のリンカーに肩を貸して議員たちとリンカーたちがいた部屋に入ってくる。男は、息を切らしていた。そして、それ以上に酷い怪我を負っていた。ここまで走れたことが、不思議なほどに。
「俺の仲間は、もう駄目だ! 敵は……敵は、思ったよりも強い。あいつらは炎を纏っていて……たぶん他の現場に出現したヤツラよりも厄介なんだろう」
男の口から、死者の部隊のことが告げられる。
その情報に驚きながらも、国会議事堂を守っていたリンカーたちは頷きあった。
たとえ、どんな強敵であろうとも逃げることは許されなかった。
彼らはそれぞれ武器を握り、バリケードを乗り越えて外へと向かう。
死者に戦う、生者になるために。
解説
・目標
国会議事堂へと向かうアンデット軍団の討伐。
もしくは敵本隊撃破まで耐える。(シナリオ「【神月】王の帰還」の解決)
・周囲の状況
夜の街中。一般人の多くは避難済み。
アンデット軍団は大通りを進んでいるが、一本でも違う道に入ると薄暗い路地が続く。
以下、男が伝えた情報。
鉄の仮面のミイラ(灰の重装兵)……ミーレス級。人と変わらぬ大きさであり、知能は高くはない。国会議事堂へと迫っており、一時間もしない内に到着する。パイク、大盾で武装している。特筆すべき攻撃力は持たないが、ミーレス級の平均値を大きく上回る打たれ強さを備えている。
パイクの穂の基部や柄頭に取り付けられた鉤によって敵を引っ掛け、拘束する。複数体から同時に仕掛けられると非常に厄介である。炎を纏った装備を身につけており、鎧も肉体も数分あれば再生してしまう。多数出現。
ジルコンの仮面のアンデット(橙の工兵)……ミーレス級。灰の重装兵よりも小柄。知能は高い。支援特化型で、破壊工作や特殊行動などを行う。ライヴスを込めた爆発効果のある魔法の符を罠として設置でき、触れた者を爆炎によって攻撃する。進行を邪魔する者や行動停止に追い込まれている者を優先的に爆破する。また、橙の工兵の数が少なくなると体内に溜め込んだガスに点火し、自爆する。炎を纏った鎧を身につけており、自爆の火力が底上げされている。灰の重装兵よりも数は少ない。
緑の魔術師……ケントゥリオ級。やや小柄で、知能は非常に高い。移動することはなく、四人の重装兵が担ぐカゴに入って移動する。燃える火の球を多数出現させ、自分に近づいてくる敵から攻撃を加える。自分の近くに敵がいない場合は、遠くにいる人間まで攻撃を加える。従魔を一度に十体復活させる能力があり、味方の数が少なくなると発動させる。
マスターより
こんにちは、落花生です。
今回は、ゾンビ軍団です。
ゾンビは質より量が好みなのですが、今回のゾンビは質も量も大変優れているようです。
ゾンビなのにですよ。
リプレイ公開中 納品日時 2016/08/05 18:21
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死者の群 対策室
最終発言2016/07/27 18:37:35 -
質問卓
最終発言2016/07/23 13:26:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/23 21:56:41