本部
- 形態
- イベント
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 500
- 参加人数
-
- 能力者
- 25人 / 1~25人
- 英雄
- 25人 / 0~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2016/06/18 19:00
- 完成予定
- 2016/06/27 19:00
掲示板
-
劇場にて【相談卓】
最終発言2016/06/18 14:06:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/06/16 20:08:12
オープニング
このシナリオはグランドシナリオです。
他のシナリオと重複してご参加頂けますが、グランドシナリオ同士の重複参加はご遠慮ください。
●2時間前
アル=イスカンダリーヤ遺跡群は、かつてローマ帝国に属した都市の名残である。
四面門を備えたローマ様式の円形劇場で、女が一人で踊っていた。
「嬉しいですわ、嬉しいですわ。神の定めた規律を維持するために、力を行使することを許されるとは」
鋭いほど細長いヒールの足元はおぼつかなくて、何度も欠けた石畳に躓いてよろけている。女性の性的特徴を極めて下品に誇張するそのドレスは、砂の色一色の世界で、血の滲むような鮮烈さでひらひらと舞った。
愚神アッシェグルートは倒れるようにその場に跪き、手にした短剣を天に掲げる。まだ青い月が白刃を照らした。
「これがオーパーツ『セフィロトのシーカ』……生命の樹を紐解く鍵の一本、峻厳(ゲブラー)の短剣……」
その短剣群は、この遺跡に散在する祭壇に対応している事が分かっている。遺跡自体が異世界への『扉』なのだ。
必要以上に色っぽい歌声が、何処の言語とも知れない詩をうたいあげた。
「"紅の月がまどかなる劇場への道を拓く。
不完全なヒトは、己を刺し貫きて舞台が幕を開けよ。回路は啓き、其は完全へと、神へと近づかん。
誰か知ろう、百尺下の水の心など。
抗争は世の常で、流されるまま、雑魚は歌う。我らは波騒、森羅万象は、≪インペラトール≫の為に――"」
――同時刻、慌ただしさを極めるアレクサンドリア支部ブリーフィングルーム。
「……映像が遠いが、確かに、アッシェグルートだろう。報告は真実だったのか……どうしてこんな所に」
忌々しげなオペレーターの言葉が、エージェント達の耳に届いた。
据え置きの大型モニタには衛星カメラからリアルタイム映像が転送され、荒野の遺跡で、場違いなドレス姿の女が狂ったように踊る姿が確認できた。
「こいつはトリブヌス級、識別名『燻る灰』(アッシェグルート)って愚神だ。
性格は狂気的、三度の飯より人間の戦争が好きらしい。幸い、一時期は無秩序に暴れ回っていたんで、戦闘データは豊富だぜ。古龍幇まわりで過激派ヴィランを援助してる可能性が高いんで、俺の方でもマークしてたんだ。
此処に現れたって事は、より格上の存在……レガトゥス級の指示だろうな。居るだろうぜ、何処かに」
「そやつは、プリセンサーの観測したレガトゥス級とは別個という訳じゃな」
「どうでもいいけど、お前、その中国訛りは何とかならねぇか」
顎に手を置くデイ・ブレイク(az0052hero001)、続ける蒼 星狼(az0052)へ、オペレーターが言い返す。
「うるせぇ、俺の担当はアジア圏能力犯罪なんだ、和平締結の影響でいまあっちも滅茶苦茶忙しいんだよ。そういう事情でも無ければ、誰がこんな砂漠なんか来るか。外は極寒だぞ、精々気をつけろよ」
「その方、商売干された元傭兵だそうじゃな。この周辺の地理にも明るいので、遥々シャーム共和国まで派遣されて来たのじゃろ? 存分に頼らせて貰うぞ」
「フン、道案内は任せな。こっちの手にあるのは、栄光(ホド)の短剣と、理解(ビナー)の短剣だ。幸い、この二本に対応する祭壇は調査隊のおかげで既に分かってる」
オペレーターの言葉に、デウスエクス・マキナ(az0001)が頷く。
「アッシェグルートの居る円形劇場内にはもう一つ、峻厳(ゲブラー)用の祭壇があるはずなんだけど……こっちは、まだ正確な場所は不明なのよね」
「じゃあ、相手が持っているのは、きっと峻厳(ゲブラー)の短剣だね」
キャンディ・アリス(az0001hero001)がペロキャンを咥え直して、予想を口にした。
……そう、相手はトリブヌス級だ。その手には、神の許した暴力を象徴する短剣が握られている。
「……プリセンサーじゃ、随分なお告げが出てるそうだな。
遺跡に配したエージェントは全滅、死者多数、異世界の門は愚神によって開かれ、そこから出てきたモンは奴らの手駒――ライヴスの潮流が示唆するのはそんな未来だ。現実にはしたくねぇ」
オペレーターの台詞に、一瞬静まる室内。……マキナが、元気良くその場で声をあげた。
「大丈夫、絶対に愚神の思惑通りにはさせないわ! ……皆で、生きて帰りましょ!」
エージェント達も、そこに力強く頷いただろう。
●現在(イマ)
皆既月蝕の発生までは、もう間もなく――
アッシェグルート対応の為、エージェント達は遺跡南部・円形劇場付近へやって来た。共鳴を済ませ、戦闘準備は万端だ。
「俺は西の栄光(ホド)の短剣に対応する」
「じゃあ、マキナは東の理解(ビナー)の祭壇をやるよ!」
『構造的に、残る峻厳(ゲブラー)の祭壇は劇場中央――舞台の上あたりにあると思うんだが、調査隊も見つけられないでいたようだ。もしかしたら、埋まってんのかもな。
最低限は、アッシェグルートがそこに短剣を刺すのを阻止する事。そうすりゃ遺跡の霊力回路に流入する負のライヴスが減って、最悪の展開は避けられるだろう。出来るなら、短剣の奪取や敵の撃破も目指したい。だが……』
通信機の向こう、一息置くオペレーターに続けて、その場にいるエージェント達の幻想蝶から相棒の声がする。
『無理をするでないぞ』『無理しないでね』
能力者達は頷き、生還を心に誓う。
そして、劇場へ足を踏み入れた。
「ご存じ? 主星の影に隠れても、何故月が見えるのか。赤色の光は波長が長いから、月まで届くのです……太陽は偉大ですね」
愚神アッシェグルートは、寂寞の舞台に、背を向けて立っていた。
動物の角のように固まった禍々しい頭髪は、くるりと振り返っても風に靡く事はない。
「貴方たちはただ、流されていれば良い。大いなる力が、この世をあるべき姿に導きます。それを阻むのなら、このあたくしが手ずから、相応しい末路をご用意致しますわ」
愚神が両手を広げると、火の玉がふわりと浮いた。そこから立ち上る負のライヴスは、入道雲と化して舞台を覆ってゆく。
劇場の左右円周上には、それぞれ床から白い塊が生えてきた。報告にあった従魔であろう。
愚神は愉悦に嗤う。
「私の愛しい、愚かなヒト……さあ、始めましょう?」
紅い月の照らす舞台で、神へ至る路――セフィロトの樹の覇権を巡る、戦いの幕が開く。
解説
概要
円形劇場に存在する、3つの祭壇の制圧を目指します。
祭壇
それぞれ劇場の西、中央、東に一直線に位置し、西が栄光(ホド)、東が理解(ビナー)の短剣に対応します。祭壇に短剣を突き立て、供給されるライヴスを固定するには、メインアクションを消費します。
(PL情報:峻厳(ゲブラー)の祭壇は、舞台が破壊されることで地上に露わになります。愚神が舞台を破壊して露になる可能性もあります)
敵構成
・デクリオ級従魔『クラーゲンツァイシェン』×25体程度
塩の人形です。東西の祭壇に10体ずつ出現し、その後も愚神の采配で追加されます。
知能は低く、ゾンビのような近接攻撃のみです。短剣を持つPCを殺して短剣を奪おうとします。
・デクリオ級従魔『プラッテフンケ』×1
愚神の取り巻きで、小さな火の玉状の核を中心とした入道雲のような巨大な従魔です。
黒雲の内部は猛毒のため、核の周囲2スクエアではBS【減退(2d6)】を受けます。(特殊抵抗によるレジスト判定有)
範囲5内にライヴスを散布し、味方が受ける攻撃の判定値を1d6低下させるパッシブスキル【ギフトリゲン】を持ちます。
・トリブヌス級愚神『アッシェグルート』
魔法の羽根扇を武器とし、魔法能力と命中に非常に優れますが、それ以外はさほどでもありません。
範囲3に火柱を発生させる【ヴルカンフォイア】というスキルを使います。射程1~15。
また、スキルを含む攻撃の命中時に、爆発によって1d6の追加ダメージを与える【ピュロマーネ】というパッシブスキルを持ちます。
他にも、未判明のスキルがあるかもしれません。
NPC
指定が無ければ、蒼 星狼は西、デウスエクス・マキナは東の祭壇周辺の従魔討伐に参加します。
戦闘エリア
直径150メートル、すり鉢を地面に埋め込んだような造りです。尚、柱のみで壁や屋根はありません。赤褐色の月光のため、視界に困窮する事は無いでしょう。
マスターより
こんばんは。【神月】の一端をお任せ頂きました。
短剣の担い手を決めておかれるとスムーズです。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/06/28 18:39
参加者
掲示板
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劇場にて【相談卓】
最終発言2016/06/18 14:06:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/06/16 20:08:12