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日常

広告塔の少女~スペシャルドレスを君に~

鳴海

形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
0人 / 0~0人
報酬
少なめ
相談期間
4日
締切
2016/05/27 09:00
完成予定
2016/06/05 09:00

掲示板

オープニング

● ハッピーウエディングプランニング

 最近遙華を訪ねて不思議な人物たちがグロリア社にやってくるようになった。例えばこのアリエ・トールソーもそう。
「あの……。うちはAGWを作る会社なんだけど」
「ええ、知ってますよ」
 しれっとアリエは答え紅茶を一口、遙華は頭にハテナマークを浮かべ首をひねった。
「だったらなぜ、ウエディングドレスの発注を? まさか式は戦場で行うってわけではないんでしょ?」
「ええ、挙式は普通にハワイで、教会で行います」
 その発言を受け遙華はさらに頭をひねる。
「だったら……」
「私、これを機にリンカーをやめるんです……」
「は、はぁ」
「もともとアルマレグナスを倒すまではと思っていましたが、先日倒されてしまいましたし」
「ああ、あなたは一度戦ったことがあるんだっけ、霊石採掘の邪魔だったから倒してもらったわ」
「ええ、その節はありがとうございます。仲間の仇をうってくれて」
「それはいいのよ……で、固執する相手がいなくなったから、切もいいしここで結婚を……そして引退。それはわかるわ、あなた体が弱いものね。大切な人とこれからの人生過ごしたいと思うのは普通のことだと思う。けどなぜうちに?」
「ウエディングドレスをつくっていただきたいのです」
「それなら普通にプランナーにお願いした方がいいわよ、私たちの会社服は作れるけど……ウエディングドレスとなると話は別だし」
「実はですね、南アメリカの某所に光る糸を吐く従魔がいるらしいではないですか。その糸を使って輝きを帯びたウエディングドレスを二着作っていただきたいのです」
 その発言を受けて遙華はあからさまに嫌そうな顔をした。
「あんな複雑な物を二着、どっちにせよ専門外ね。他をあたって頂戴」
 そう遙華は紅茶を飲みほし、書類片手に椅子から立ち上がろうとする。
「これ、番組企画になりませんかね」
 遙華の動きが止まった。
「従魔討伐、ドレスの作成、そしてリンカーのウエディング。十分番組になるのではないでしょうか」
 遙華は椅子に座りなおす。
「でもそこまでしてこりたいのはどうして? 素敵な旦那様との式を派手にしたいという理由だけだったら怒るわよ」
「私の半身に、ドレスを着せてあげたい」
「というと?」
「あの子は私ではない幸せをみつけてほしい、それがなんだかわからないけど、私とあの子の道は別たれてしまったから。そして道が別たれたとしても、私たちは常に背中を預け合った戦乙女であること、それを残したいんです」
「だから……二着なのね。わかったわ……」
 遙華はスケジュール帖を開く。
「具体的な内容を詰めましょう」


● H.O.P.E.掲示板に張り出された広告。

*急募 ウエディングドレス作成に協力してくれる人募集
 
 一緒に楽しくドレスを二着作りませんか?
 作業工程は以下の通り

1 南アメリカ某所にて従魔狩り。
  内容は体長一メートル程度の蜘蛛型従魔の討伐。およびその従魔の吐き出す光る糸の採取。
2 ドレスの作成。主な工程はプロが行ってくれるのでそのお手伝いですが、裁縫経験がある人は歓迎です。
3 結婚式警護
 結婚式を妨害する輩がいる可能性があるので、それに対する対策です

 注意、一連の内容は番組として放映される予定です


● 暗闇に輝く赤い瞳
 
 『字名 明日葉』は打ち捨てられた倉庫の中で自身の長剣を研ぎ、一振り振って、構えた。
 ぴたりと構えたままぶれないその剣、その切っ先が向かう先には男の写真。
 そうそれはアリエの旦那の写真。
「私から、よくもお姉さまを!」
 そのまま明日葉は霊力の流れにまかせて写真を一突き、直後あばら家が倒壊した。
 瓦礫を押しのけ、らんらんと輝く太陽を見つめた。ここは荒野。件の蜘蛛型従魔が生息する地域だ。
「させない、お姉さまをたぶらかして。絶対に許さない」
 明日葉は思っていた。アリエが自分を置いてどこかに、誰かのもとに行くはずがない。
 だって、アリエは自分と背中を預け合った戦乙女で、太陽と月で。それはつかず離れず地球を照らす守り手のはずだ。
 だからこれは何かの間違えだ、明日葉は騙されているのだ。
 いや、もしかしたら愚神に洗脳されているのかもしれない。
 なんということだ、そうであれば一大事。H.O.P.E.は何をしている、殺すしかない。
 あの愚神を殺すしかない。
 
「おねええええええさまあああああああ!」

 乾いた。命尽き果てる地に、明日葉の叫びがこだまする。


 
● 荒野にて遙華
「はい、注目!」
 遙華は広大に広がる荒野の真ん中で手を挙げた。
「この広い荒野のどこかに」
 そこは直線に30km程度進んでも端が見えないほど広大な荒野。さすがアメリカ、スケールが大きい。
「ここで従魔を探してもらうわ。大丈夫、グロリア社の開発した邪魔者ソナーがあるから」
 そう言うと遙華はあなたの邪魔者ソナーを覗き込んで使い方の解説を始めた。
「青い点が従魔、そして赤い点が明日葉よ」
 君たちの目が点になる、いま明らかに人命が読み上げられたと思ったが、一体どういうことだろう。
「ああ、明日葉の動向を逐一追っていてね。ここに来ることもわかってたからいろいろ仕込んでみたの」
 つまりこうだった。明日葉が挙式を妨害してくることは予想の上、その上で泳がせてほしいというのがアリエの依頼に含まれている。
「フラストレーションって暴れて解消するのが一番なのよね。だからちょっと厳しいかもしれないけど彼女に付き合ってあげて」


* アイテムについて

1 『邪魔者ソナー』
  広大な荒野で敵を探索するために使うソナー。
 赤が明日葉、青が従魔、黄が仲間たち、黒が今回君たちを運んできたバスである。


2 『永久の眠りにいざなう糸巻機(ドルミールオブザデス)』
 一辺一メートル程度のやや大きい箱。
 全員に特殊な鉄の棒を支給するので、その棒に糸を絡めてこの箱にセットすると糸が巻き取られる。糸を巻き取っている間は従魔と綱引きみたいになることに注意。

解説

目標 ウエディングの成功。


*従魔について

体長一メートル程度の蜘蛛。イマーゴ級の中でも特に弱い代わりにたくさんいる。30体くらい。
敵が遠くにいると糸で引き寄せようとして来る。
近距離の敵にはカギヅメで攻撃する。


『字名 明日葉』 について
 燃えるような赤い髪はウエーブし腰まで届く、日本人。ドレッドノート。
 獲物は今回は長剣。
 明日葉は二度のタイミングでことごとく邪魔をしてきます。
1 まず従魔狩りのタイミング。こちらは最初は従魔を積極的に倒しますが、リンカーからの挑発などを受けるとリンカーに怒り狂って殴りかかってきます。
  どうやら明日葉が雇ったバックアップメンバーがいるらしく、ここで彼女を捉えることは不可能です。

2 結婚式当日。
  愚神に戦いを挑みに行くようなフル装備で真っ向から突破しようとしてきます。
  多対一でも構わず突っ込んできます、なので戦闘難易度は高くないでしょう、むしろ彼女を捉えて、落ちつける方が大変かもしれません。
 彼女の頭を冷やしてやってください。

『アリエ・トールソー』
 銀糸の髪を持つロシア系の女性。
 今回めでたく結婚する、しかし明日葉を置いて夫の元に行ってしまうことが明日葉を傷つける行為だと理解しているので、明日葉にもドレスをプレゼントすることに。
 自分が添い遂げる人はあなたではないけど、だからと言って私とあなたの絆は消えることはない。 そう伝えたい。
 

*番組構成について
1 従魔狩り(尺大め)
2 ドレスづくり(希望する者のみ参加)
2 結婚式警護

マスターより

どうもこんにちは鳴海です。
今回は、結婚式をテーマにOPを書いてみました。
この一連のごたごたをどう解決するのか、楽しみにしております。

関連NPC

  • エージェント
    西大寺遙華az0026
    人間|16才|女性|防御適性

リプレイ公開中 納品日時 2016/06/03 13:39

参加者

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • Sound Holic
    レイaa0632
    人間|20才|男性|回避
  • 希望を歌うアイドル
    斉加 理夢琉aa0783
    人間|14才|女性|生命
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 捕獲せし者
    骸 麟aa1166
    人間|19才|女性|回避
  • しあわせの白
    蒼咲柚葉aa1961
    人間|19才|女性|回避
  • グロリア社名誉社員
    防人 正護aa2336
    人間|20才|男性|回避
  • 愛しながら
    宮ヶ匁 蛍丸aa2951
    人間|17才|男性|命中
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃

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