本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 7人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/25 22:00
- 完成予定
- 2016/04/03 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/25 19:36:20 -
れっつぱーるはーばー!?
最終発言2016/03/25 19:46:24
オープニング
●希望の船
香港での戦闘に伴い、横浜港より数隻の船が出港した。
軍艦、武器を積んだ輸送船、そして多数のリンカー乗組員からなるH.O.P.E.の船団である。
香港支部への援軍派遣を主眼としたそれは、言うまでもなく大規模作戦にて最大限機能するべきものだ。
然るに到着は前提にして必須、事前に危ぶまれる事などあってはならない。
幸いにして出港時は天候に恵まれ、予報上も時化などの気配はなく、順調な航海が期待された。
だが、忘れるなかれ。
全てを得んとする者は、全て失う覚悟をしなければならない事を――。
●司令室
「ハール(海霧)ですって? 聞いてないわ!」
テレサ・バートレット(az0030)は苛立たしげに天気図が表示された気象予報のモニターにかぶりついた。
H.O.P.E.の船団が小笠原諸島沖に差し掛かった途端、この海域に濃霧が立ち込めたのだ。
仕事を奪われたスタッフがおろおろと見守る中、何度確かめてみても現時刻に霧が発生する見込みは、ない。
「待ってテレサさん」
ミュシャ・ラインハルト(az0004)がそれを制する。
船窓を見遣り、あたかも異界へ紛れ込んだかの如く薄ら寒い光景に、眉をひそめ。
「……タイミングが良すぎると思わないか?」
「同感だ。恐らく――」
「小笠原諸島周辺のライヴス濃度急激に上昇中!」
「――ね?」
頷く圓 冥人(az0039)の示唆を、ほぼ同時にレーダー技士が補完した。
「前方より所属不明船舶数隻、及び二十――五十――夥しい数のライヴス反応が接近中! 従魔です! ミーレス級からデクリオ級相当! 更に高ライヴスの個体が二点。うち一方の波形は生駒山近郊、並びに明石海峡大橋のデータと酷似!」
即ち――ヴォジャッグ!
「最悪の船出ね」
「まだ生きてたのか……!」
「で、もう片方は? そっちもモヒカンなのか?」
「データありません、ただしケントゥリオ級と推定――」
●海の絶望
「――ククク、これで奴らは死んだも同然」
そのケントゥリオ級の愚神ことキャプテン・リーチは、船の甲板に立ち、邪に口元を歪めていた。
自らが展開した霧のドロップゾーン、その首尾に満足して。
今から襲い、奪い、踏みしだける事に満悦して。
やがて、彼は右手代わりの巨大なフックを掲げる。
「よォし野郎ども! 何から何まで奪ってこォい! 皮も、爪も、髪の毛の最後の一本まで余さずむしり取ってきやがれぇぇ!」
リーチの威勢の良い号令に伴い、ボロボロに傷んだ胡乱な船が、大砲を積んだボートが、無数の大きな魚影が、首なしライダーの集団が、そして――
「へっへっへへへ見てやがれあのエージェントのクソ虫のクソ以下のクソにも劣る最悪のクソから生まれたクソオブクソどもぉお――クジラの餌はやめだ、どいつもこいつも片っ端からぶっ潰してぎっちぎちに丸めてクジラに玉芸仕込んで見せびらかしてやるずぇぁああ~~!!!」
そして、ヴォジャッグが。
耳障りな声で罵詈雑言を並べ立てながら、暴虐的なカスタムを施した水上バイクを悪辣に唸らせ――進撃を開始した。
「ヒィイイイヤッハアアアアアーーーー!!!」
●紙より脆き海賊たち
幸い、このドロップゾーンは通常のそれとは違い人間の精神支配は無かった。海上を滑る舟にはリンカー以外にも操船技術を持つたくさんの人間が乗った船がいくつも浮かんでいた。
進路を拓くために先行した小さな船。その舳先で身をかがめて先を見ていたミュシャが固い声を上げた。
「あれはなんだ」
彼女が指した霧の中には黒くくすんだ大きな船があった。帆布が裂け、いくつものマストが折れているにも関わらず、それは一定の速度でこちらを目指す。
「ヒト──違う!」
船首には白く長い布を海水に浸した一人の女が括りつけられていた。神話の女神が纏うキトンのように布地を身体に巻き付けて白い肌を海風に晒す。けれども、ミュシャの声に応えるように見開かれたその両眼には黒々とした窪みがあり、小さな眼球が浮かんでいた……。眼球がミュシャを捕らえ、悲鳴のような歌声が海域に響き渡った。ガリガリガリ、錆びた錨が飛沫を上げて海中へと投げ込まれ船が停泊する。すると、幽霊船とこちらを結ぶ海面に白い道のような仄かな光が生まれた。船員の一人が悲鳴を上げる。
海から生まれたのは襤褸のパイレーツシャツに海賊帽を被った無数の骸骨たちだった。それらが、カットラスを下げて波間から現れる。光の道は海にいくつもの道を作り、髑髏の海賊たちは船の上によじ登って来る。
共鳴したミュシャは剣を振るう。それは刃に触れると霧散した。だが──。
「や、やめてくれえっ!」
一人の船員が叫ぶ。はっとしたミュシャが弾かれたように同じく甲板に出ていた船員に駆け寄り剣を振るう。間一髪、彼はカットラスの餌食にならずに済んだ。彼女はへたり込んだ屈強な彼の姿を見て、ぎり、と唇を噛む。
甲板に出てきたエージェントたちにミュシャは……いや、共鳴したエルナーが代わりに彼女の口を借りて語る。
『彼らはAGWの武器には非常に弱い──けれども、それ以外の攻撃は効かないようだ。今、この海に居る船に居るのはリンカーだけではない。見て欲しい、あの数を。例え、僕達リンカーには羽虫ほどの存在だとしても、このままでは戦えない』
指した細い指先にはうぞうぞと海中から身を起こす白い海賊たちの姿が見えた。エルナーの言葉をミュシャが引き継ぐ。
「この船はあたしたちが守る。こいつらの主はあの従魔だ。……あたしたちを信じてここを任せて、あいつを倒して欲しい」
──振り返るな。海上を奔り切れ。
悲鳴のような歌声が空気を震わせる。いくつものライヴスを前にした歓喜の歌。また次の白い骸骨の指が舳先に見えた。
ミュシャは一人、先行する船で骸骨海賊を払う仕事を引き受けた。後から来る仲間の船にも骸骨たちの光の道が伸びる。
討て──さもなくば、海域の船は沈む。
エージェントたちは先行する船から幽霊船へ向かうため海上へ降り立った。
耳に装着された通信機か、波の音に負けずにH.O.P.E.からの通信を伝えた。
『船からの映像を元に、H.O.P.E.の過去データから対象従魔のデータを入手致しました。
敵の名前は『真珠姫』。以前、エージェント十人が討伐に向かって討てずに捕り逃した従魔です──』
解説
●目的
従魔『真珠姫』の早急討伐
●舞台
ゾーン内部。濃霧に包まれ、暗い空、海は荒れている。
●敵情報
『真珠姫』デクリオ級従魔(Lv.2)
デクリオ級だが名を与えられゾーンにより力を増している。
大きく歪な幽霊船形態。小さな海賊船を幾艘も率いている。
海上8m程の船首に括りつけられた女性体が本体であり、女性体以外の船体に攻撃してもダメージは与えられない。BS耐性が非常に高い。
・パールソング
女性体の発する歌により女性体を中心に白い道を数本発生させ、そこから骸骨海賊を複数召喚する。女性体が歌を歌っているように見えるがそれは見せかけのため喉を潰しても攻撃を止める事は不可。
・変形
HPが30%を切ると船体部分は崩壊し醜悪な蛸のような姿になり、パールショットとパールウェーブを放つ。髑髏海賊の出現率が1/3に低下。頭部は5m、8本の触腕の長さは変動。
・パールショット:口から砲弾を発射する。当たると1D6後退する。1ターンのクールダウンが必要。
・パールウェーブ:範囲内の敵に全体攻撃。1ターンのクールダウンが必要。
髑髏海賊
海賊服を着た髑髏戦士。カットラスや銃を装備している。AGWの武器・攻撃に少しでも触れれば装備もろとも霧散するが、それ以外の弱点は無い為ゾーン内の一般人には抗う術がない。
放置するとH.O.P.E.側の船に乗り込み、襲撃する(乗務員を襲う、舵の強奪、船装備の武器の乱射等)
小さな海賊船
髑髏海賊が乗る小回りの利く素早い船。複数有り、真珠姫の後方から現れる。砲撃・銃撃を味方の船に仕掛ける。17~22ターンでエージェントたちの味方の船に攻撃開始。
●その他
・最も近くにいる真珠姫との距離は30m(15スクエア)
・ALブーツ・ヘッドセット式通信機は全員配布・装備済とする
・濃霧により命中にマイナスが入る(状況により変動)
・真珠姫が退治・撤退されると髑髏海賊・小さな海賊船は消える
マスターより
・こちらはCdivの一部【東嵐】シナリオと連動しておりますが、シナリオとしては単体の扱いになりますので、他のシナリオとプレイングの連携などはできません。
・NPCミュシャ・ラインハルトの能力値はマイページのものとは異なります。
・全力移動についてはルールの移動と射程をご覧ください。
・先行した船は、現在、骸骨髑髏に囲まれ船は動くことはできず、ミュシャが一人で髑髏骸骨を倒しています。
船にはミュシャ以外、一般人の船員が多数乗り込んでいます。
今回は選択肢により仲間の船が被害を受けたり、
重い傷を負う可能性があるので気を付けて頂ければと思います。
どうか、ご無事で。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/04/02 19:10
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/25 19:36:20 -
れっつぱーるはーばー!?
最終発言2016/03/25 19:46:24