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【東嵐】連動シナリオ

【東嵐】幽霊船の歌声を潰せ

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
7人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/04/02 19:10

掲示板

オープニング

●希望の船
 香港での戦闘に伴い、横浜港より数隻の船が出港した。
 軍艦、武器を積んだ輸送船、そして多数のリンカー乗組員からなるH.O.P.E.の船団である。
 香港支部への援軍派遣を主眼としたそれは、言うまでもなく大規模作戦にて最大限機能するべきものだ。
 然るに到着は前提にして必須、事前に危ぶまれる事などあってはならない。
 幸いにして出港時は天候に恵まれ、予報上も時化などの気配はなく、順調な航海が期待された。
 だが、忘れるなかれ。
 全てを得んとする者は、全て失う覚悟をしなければならない事を――。


●司令室
「ハール(海霧)ですって? 聞いてないわ!」
 テレサ・バートレット(az0030)は苛立たしげに天気図が表示された気象予報のモニターにかぶりついた。
 H.O.P.E.の船団が小笠原諸島沖に差し掛かった途端、この海域に濃霧が立ち込めたのだ。
 仕事を奪われたスタッフがおろおろと見守る中、何度確かめてみても現時刻に霧が発生する見込みは、ない。
「待ってテレサさん」
 ミュシャ・ラインハルト(az0004)がそれを制する。
 船窓を見遣り、あたかも異界へ紛れ込んだかの如く薄ら寒い光景に、眉をひそめ。
「……タイミングが良すぎると思わないか?」
「同感だ。恐らく――」
「小笠原諸島周辺のライヴス濃度急激に上昇中!」
「――ね?」
 頷く圓 冥人(az0039)の示唆を、ほぼ同時にレーダー技士が補完した。
「前方より所属不明船舶数隻、及び二十――五十――夥しい数のライヴス反応が接近中! 従魔です! ミーレス級からデクリオ級相当! 更に高ライヴスの個体が二点。うち一方の波形は生駒山近郊、並びに明石海峡大橋のデータと酷似!」

 即ち――ヴォジャッグ!

「最悪の船出ね」
「まだ生きてたのか……!」
「で、もう片方は? そっちもモヒカンなのか?」
「データありません、ただしケントゥリオ級と推定――」


●海の絶望
「――ククク、これで奴らは死んだも同然」
 そのケントゥリオ級の愚神ことキャプテン・リーチは、船の甲板に立ち、邪に口元を歪めていた。
 自らが展開した霧のドロップゾーン、その首尾に満足して。
 今から襲い、奪い、踏みしだける事に満悦して。
 やがて、彼は右手代わりの巨大なフックを掲げる。
「よォし野郎ども! 何から何まで奪ってこォい! 皮も、爪も、髪の毛の最後の一本まで余さずむしり取ってきやがれぇぇ!」
 リーチの威勢の良い号令に伴い、ボロボロに傷んだ胡乱な船が、大砲を積んだボートが、無数の大きな魚影が、首なしライダーの集団が、そして――
「へっへっへへへ見てやがれあのエージェントのクソ虫のクソ以下のクソにも劣る最悪のクソから生まれたクソオブクソどもぉお――クジラの餌はやめだ、どいつもこいつも片っ端からぶっ潰してぎっちぎちに丸めてクジラに玉芸仕込んで見せびらかしてやるずぇぁああ~~!!!」
 そして、ヴォジャッグが。
 耳障りな声で罵詈雑言を並べ立てながら、暴虐的なカスタムを施した水上バイクを悪辣に唸らせ――進撃を開始した。
「ヒィイイイヤッハアアアアアーーーー!!!」

●紙より脆き海賊たち
 幸い、このドロップゾーンは通常のそれとは違い人間の精神支配は無かった。海上を滑る舟にはリンカー以外にも操船技術を持つたくさんの人間が乗った船がいくつも浮かんでいた。

 進路を拓くために先行した小さな船。その舳先で身をかがめて先を見ていたミュシャが固い声を上げた。
「あれはなんだ」
 彼女が指した霧の中には黒くくすんだ大きな船があった。帆布が裂け、いくつものマストが折れているにも関わらず、それは一定の速度でこちらを目指す。
「ヒト──違う!」
 船首には白く長い布を海水に浸した一人の女が括りつけられていた。神話の女神が纏うキトンのように布地を身体に巻き付けて白い肌を海風に晒す。けれども、ミュシャの声に応えるように見開かれたその両眼には黒々とした窪みがあり、小さな眼球が浮かんでいた……。眼球がミュシャを捕らえ、悲鳴のような歌声が海域に響き渡った。ガリガリガリ、錆びた錨が飛沫を上げて海中へと投げ込まれ船が停泊する。すると、幽霊船とこちらを結ぶ海面に白い道のような仄かな光が生まれた。船員の一人が悲鳴を上げる。
 海から生まれたのは襤褸のパイレーツシャツに海賊帽を被った無数の骸骨たちだった。それらが、カットラスを下げて波間から現れる。光の道は海にいくつもの道を作り、髑髏の海賊たちは船の上によじ登って来る。
 共鳴したミュシャは剣を振るう。それは刃に触れると霧散した。だが──。
「や、やめてくれえっ!」
 一人の船員が叫ぶ。はっとしたミュシャが弾かれたように同じく甲板に出ていた船員に駆け寄り剣を振るう。間一髪、彼はカットラスの餌食にならずに済んだ。彼女はへたり込んだ屈強な彼の姿を見て、ぎり、と唇を噛む。

 甲板に出てきたエージェントたちにミュシャは……いや、共鳴したエルナーが代わりに彼女の口を借りて語る。
『彼らはAGWの武器には非常に弱い──けれども、それ以外の攻撃は効かないようだ。今、この海に居る船に居るのはリンカーだけではない。見て欲しい、あの数を。例え、僕達リンカーには羽虫ほどの存在だとしても、このままでは戦えない』
 指した細い指先にはうぞうぞと海中から身を起こす白い海賊たちの姿が見えた。エルナーの言葉をミュシャが引き継ぐ。
「この船はあたしたちが守る。こいつらの主はあの従魔だ。……あたしたちを信じてここを任せて、あいつを倒して欲しい」

 ──振り返るな。海上を奔り切れ。

 悲鳴のような歌声が空気を震わせる。いくつものライヴスを前にした歓喜の歌。また次の白い骸骨の指が舳先に見えた。
 ミュシャは一人、先行する船で骸骨海賊を払う仕事を引き受けた。後から来る仲間の船にも骸骨たちの光の道が伸びる。




 討て──さもなくば、海域の船は沈む。




 エージェントたちは先行する船から幽霊船へ向かうため海上へ降り立った。
 耳に装着された通信機か、波の音に負けずにH.O.P.E.からの通信を伝えた。

『船からの映像を元に、H.O.P.E.の過去データから対象従魔のデータを入手致しました。
 敵の名前は『真珠姫』。以前、エージェント十人が討伐に向かって討てずに捕り逃した従魔です──』

解説

●目的
従魔『真珠姫』の早急討伐

●舞台
ゾーン内部。濃霧に包まれ、暗い空、海は荒れている。

●敵情報
『真珠姫』デクリオ級従魔(Lv.2)
 デクリオ級だが名を与えられゾーンにより力を増している。
 大きく歪な幽霊船形態。小さな海賊船を幾艘も率いている。
 海上8m程の船首に括りつけられた女性体が本体であり、女性体以外の船体に攻撃してもダメージは与えられない。BS耐性が非常に高い。
・パールソング
 女性体の発する歌により女性体を中心に白い道を数本発生させ、そこから骸骨海賊を複数召喚する。女性体が歌を歌っているように見えるがそれは見せかけのため喉を潰しても攻撃を止める事は不可。
・変形
 HPが30%を切ると船体部分は崩壊し醜悪な蛸のような姿になり、パールショットとパールウェーブを放つ。髑髏海賊の出現率が1/3に低下。頭部は5m、8本の触腕の長さは変動。
・パールショット:口から砲弾を発射する。当たると1D6後退する。1ターンのクールダウンが必要。
・パールウェーブ:範囲内の敵に全体攻撃。1ターンのクールダウンが必要。

髑髏海賊
 海賊服を着た髑髏戦士。カットラスや銃を装備している。AGWの武器・攻撃に少しでも触れれば装備もろとも霧散するが、それ以外の弱点は無い為ゾーン内の一般人には抗う術がない。
 放置するとH.O.P.E.側の船に乗り込み、襲撃する(乗務員を襲う、舵の強奪、船装備の武器の乱射等)

小さな海賊船
髑髏海賊が乗る小回りの利く素早い船。複数有り、真珠姫の後方から現れる。砲撃・銃撃を味方の船に仕掛ける。17~22ターンでエージェントたちの味方の船に攻撃開始。

●その他
・最も近くにいる真珠姫との距離は30m(15スクエア)
・ALブーツ・ヘッドセット式通信機は全員配布・装備済とする
・濃霧により命中にマイナスが入る(状況により変動)
・真珠姫が退治・撤退されると髑髏海賊・小さな海賊船は消える

リプレイ

●海上に降りたエージェントたち
 ──この霧が愚神の力でつくられているなら、幻影蝶で影響を与えることができるはず……。
「アリス、幻影蝶で霧は消せる? それかゴーストウィンドで吹き散らしたりとか」
 北里芽衣(aa1416)の言葉に共鳴したアリス・ドリームイーター(aa1416hero001)はからかうような声を返す。
『相変わらず共鳴してると声がこわいのねー、芽衣ったら』
「霧は消せるの? 消せないの?」
『もー。わかんないからやってみるわよー!』
 海上の白の道を伝って歩いてくる髑髏海賊に向かって不浄の風を吹かせた芽衣だったが、骸骨が塵と化しただけで霧は揺らぐことは無かった。
「これだけの数を生み出して使役するなんて、デクリオ級にしては強すぎる……どうやら、このゾーンもかなり厄介みたいですね」
 周りを見渡した後、秋津 隼人(aa0034)は仲間を振り返る。
「状況は悪いが、まだ最悪じゃない……いくらでも、覆しようはあるという事です。気休め程度、かもしれませんが……」
 隼人のライトアイがその場のエージェントたちの視界を助ける。
 六鬼 硲(aa1148)は、霧によって閉ざされた海域を見ながら眉をひそめた。
「障害があればALブーツの走行の邪魔になります。──岩場になる浅瀬などは無いでしょうか?」
 後半は通信機の向こうの船員への問いかけだ。ドロップゾーン内ではあるもののその辺りは考えなくても済みそうだという答えに一応、安堵する。
 早瀬 鈴音(aa0885)は船を見上げる。
「一人で無理はしないでね……て、言いたいとこだけど無理するとこっぽいよね」
 警戒しながら、見送るために船べりに立って居たミュシャは頷いた。
 彼女は共に戦った『友人』である自分たちを、H.O.P.E.のエージェントたちを信じている──。
『確かに、延々と湧き出るのなら守勢に回るのは得策ではありませんね』
 共鳴したエミナ・トライアルフォー(aa1379hero001)の言葉に唐沢 九繰(aa1379)は力強く頷いた。
「この場はミュシャちゃんに任せて、さくっと親玉を倒しに行きましょう!」
 鈴音は凛とした眼差しを正面へと向けた。本来、鈴音も彼女と共鳴しているN・K(aa0885hero001)も世界の危機を斬り伏せるより身近な誰かを守ることの方が実感が沸く。
 けれども。
「N・K。悪いけど倒す仕事するよ」
 鈴音の声に、争いごとは得意分野では無いはずの彼女は答えた。
『心配しすぎよ? 私達だって頑張ることはできるわ』
 ──乗ってた船だけ守っても、『足りない』ことを鈴音は理解していた。

「一度は取り逃がした敵、ここで仕留めたいな。オペレータ、前回討伐失敗時の詳細は?」
 H.O.P.E.からの通信で従魔『人魚姫』の名と経歴を聞いた海神 藍(aa2518)は、問い返す。
 かつてH.O.P.E.の十人のエージェントたちが取り逃がした従魔────しかし、H.O.P.E.は、エージェント達は日々力をつけている。
 また、甲高い悲鳴のような歌声が上がる。髑髏海賊を生み出す白い道が伸びた気がした。
「耳障りな……早いところ黙ってもらおうか」
『……海の歌声は人魚の誇りなんですよ? ……この歌は、きらいです。……行きましょう』
 紫の瞳に怒りと嫌悪を混じらせて藍は歌声の主を睨む。藍と共鳴した彼の英雄、黒鱗の人魚であったという禮(aa2518hero001)は彼以上に怒りと嫌悪を浮かべていた。
「道を拓く船の、その道を拓く役目、果たしに行くとしましょうか──」
 隼人の言葉に、エージェント達はそれぞれの場所へ動き出した。



●その場で討つもの
 「信じて」。そう言い残したミュシャの姿が船上から見えなくなるのを眺め、ALブーツを履いた茶髪の女性が紫の瞳を細めた。脳裏に先程の英雄との会話が蘇る。

 言峰 estrela(aa0526)は何食わぬ顔で海上を渡る風に揺らぐ髪を片手で払う。
「……信じるって言葉の意味知ってる?」
『知らん』
 濃霧の中でも輝くような白髪を風に遊ばせたまま、キュベレー(aa0526hero001)は嘲り笑う。
『奴の信用に応えてやるのか?』
「そうね。初回限定サービスよ」
『……児戯だな』
 エストレーラの周りに常に浮遊していたライヴスの蝶が烈しく舞い二人を包み込む。
「とか言ってやる気十分じゃない?」
 光の中でエストレーラはキュベレーを流し目で視てわらった。
『まさか』
 応える英雄の表情は冷ややかだが口角は吊り上っていた。
「万象罪深き無価値なる者よ、贖罪の時は来たれり」
 光の蝶は一気に炭化した。黒く変質した蝶は二人を包み──それは、人ならざる笑みを浮かべる。

 エストレーラの手に握られたるは猟犬の名を持つ狙撃銃。共鳴したエストレーラはその銃弾に毒刃を込めて、従魔へと向ける。


 奈義 小菊(aa3350)は、船を背にその場で銃を構えた。15式自動歩槍の射程は幽霊船の船首を確実に捕らえる。波に揺れる船上よりもALブーツを使用した方が足場は安定すると判断したためだ。
 ──レクイエムを唄うのはこちらだ。銃弾の葬送曲を贈ろう。
「味方の船は守りきる。香港で戦っている者たちのためにも、負けることはできん」
 忌まわしい髑髏海賊が這い上がる光の道が収束する場所、とにかく船首の真珠姫のもっとも当てやすい胴体に狙いを定める。
 この霧の中では連携は必須──狙いを定めたまま、小菊は通信機からの声に耳を傾けた。



●残るもの
 ミュシャ・ラインハルトは目の前の髑髏海賊を斬り伏せた後、船室へと続くドアに向かう新たな一匹へナイフを投げる。
『力が入り過ぎだ』
「わかってる!」
 AGWに触れれば霧散するとはわかっていても、手ごたえの無い敵がミュシャを疲弊させる。
「手を貸そう」
 声と同時に船べりによじ登った髑髏海賊が弾けた。
「なぜここに!」
 カグヤ・アトラクア(aa0535)の姿に驚き責めるように言葉を発したミュシャだったが、にやりとカグヤが構える武器を見て言葉を飲んだ。16式60mm携行型速射砲、全長2000mmの対愚神用支援火器。
 ミュシャと仲間を信じる、その上でカグヤは敢えて選択した。
 船に残り、射撃で味方の進軍を助け……そして船と人を守る為に動くことを。
「ミュシャも一人でがんばっているようじゃからな。戦場で一緒に戦えることになった挨拶じゃ。なにも、わらわ一人ではない」
 すっとずれたカグヤの背後、船首にて弓を構える黒い和服姿の少女。
「真琴さん……」
 カグヤはそのままミュシャの隣を通り過ぎ、彼女が守る船室のドアに手をかけて語り掛けた。
「敵を恐れる必要は無い。わらわ達が守り、そなたらの力となる。じゃから声をあげよ! 誰よりも海を知るそなたらであれば霧であろうと見通す目があるはずじゃ。敵を見つければ呼ぶがよい」

 濡羽色の袴を履いた和装でフェイルノートを構えた今宮 真琴(aa0573)は真珠姫をきつく睨む。
「あれが親玉か……」
『狙えるか?』
 英雄の奈良 ハル(aa0573hero001)が確認する。射程には入っている。問題はこの霧だ。ライトアイで緩和されているものの、やはり視界が悪い。
「霧が濃いけどやって、みる!」
 揺れる船首の上、引き絞った真琴の弓から飛び出した矢は霧に飲み込まれて見えない。
『やはり厳しいか……』
「……近づけばいける」
『……それしかないか……』
 いつものように口にチョコバーを加えて振り返るとまたじわじわと髑髏海賊が囲むように船へと登って来るのが見えた。ラジエルの書を取り出した真琴は髑髏骸骨の方へと攻撃を放つ。
「急急如律令……白羅の舞……!」
 最後に三発の矢を放ち、敵を霧散させると、真琴は船べりを飛び越え、海上へ降り立った。
 ──ミュシャちゃん、行くからね……! 無事で!



●道を拓くもの
 海面に生まれた仄かな光、近場の白く輝く道を九繰は走る。幸いと言うべきか、船から即座に走り出したお陰で白い道から髑髏海賊だちは完全に這い出していなかった。それを見ていたエミナの脳裏に閃くものがある。
『ライヴスを介した攻撃に弱いのであれば、結界の力で或いは』
 真珠姫はもうすぐそこだが、九繰は考えた。やってみる価値はある。
「本来の用途とは違いますけど、ちょっとでも湧きが緩めばラッキーですね!」
 九繰を中心に弱体化の結界が広がり、髑髏海賊たちを捕らえていく。
「……ダメです。それに数が多すぎます!」
 確かに動きは緩められたように感じたが、その骨だけの手が頭が霧散することはなかった。それに、光の道は一本ではない。九繰のライヴスフィールドだけではカバーしきれない。
「そのまま進んでくれ、道を開く」
 海軍の礼服にも似た衣装の裾を翻した藍が九繰に並ぶように現れて、薙刀を振るう。たやすく刈り取られるように髑髏たちは消滅する。
「ありがとうございます!」
 再び走り出した九繰の後ろで藍はブルームフレアを新たな髑髏海賊に向けて放つ。

 九繰や藍より少し遅れて走る芽衣。彼女と共鳴したアリスがはしゃいだ声を上げる。
『きゃー骸骨ちゃん! 可愛いわねえ。壊すとぱきぱき言うのかしら? 叫ぶのかしら? 芽衣、どう思う?』
「ぱきぱきは分からないけど、口がないと叫べないよ?」
 這い出そうとする髑髏海賊の黒々とした眼孔が白の上に覗く。人魂のようなものを纏わせた共鳴姿の芽衣は身構える。
『……ほんとだわ! 芽衣ってやっぱり頭良いのね! アリスちゃんもいいけど!』
「もう。冗談はそれくらいにして、そろそろやるよ。みんなを助けなきゃ」
 芽衣の起こした不浄な風が髑髏海賊の影をさらって霧へ返した。
 そんな芽衣の後に続く硲はライヴスゴーグルを駆使してその場の様子を確認していた。十メートルまでしか視ることはできないが、ある程度真珠姫に近づけば、辺りのライヴスの流れを補足できた。仲間の銃撃を確認するとライヴスの流れによって把握した正確な敵の位置を味方に伝える。
『今は皆さんの支援に回りましょう』
 英雄、ラウラ スミス(aa1148hero001)の言葉に共鳴した硲は頷く。
「長期戦は不利になりそうです。出来ることをします」
 硲の指先で弾かれた烏合の弦がむせび泣く声のような音を立て、九繰を追う海賊従魔の頭蓋を打ち抜き霧散させた。
 そんな硲の隣を隼人が駆け抜ける。
「髑髏と同じように、AGWの攻撃に弱い、可能性もありますが──」
 走りながら、フラメアの刃の先を白い道に突き刺す。刃に当たって砕けた水しぶきが上がる。
「さすがに、無理ですね」
 巻き込まれて霧散した髑髏を横目に、真珠姫の後方に並ぶ小舟の影を発見して顔を歪めた。
 背筋に流れるねっとりと冷たいものは、海水なのか汗なのか……。


 船首から飛び降りた真琴の足元で海面が大きくうねり、飛沫が上がる。
 土とは違う感触を感じながら水面を走る。十メートルほど近づくと足を止め弓を構えた。
「援護する……今のうちに……!」
 一撃、当たったか。霧によって真琴の矢はまた隠された。即座に次の矢を番えながら駆け出す。
 同じく船からの遠距離攻撃が芳しく無かった鈴音が海面を駆けて来る彼女に気付いた。芽衣たちの攻撃により髑髏海賊はここには居ない。
 着弾を問う鈴音の問いに、無線機から硲の声が聞こえる。
「ここからなら」
 一度下げた16式60mm携行型速射砲をもう一度霧の向こうへ向ける。集中する。放たれる一撃。鈴音の眼が今度ははっきりと着弾を確認した。
『スピード勝負じゃぞ!』
 鈴音に並んだ真琴が同じく神経を研ぎ澄ませる。無線機から再び仲間と敵の動きを知らせる硲の声が聞こえる。
「今……! ………穿て……神薙……!」
 ジャックポットの高い命中力を、更に高めた一撃が霧を裂いた。


『芽衣、あれ見て、登ってるわ! 楽しそうねえ』
「……」
『あー、落としちゃった! 芽衣が落とした! 骸骨ちゃんおとしたー!』
 感情を殺した芽衣は淡々と沸いてくる髑髏骸骨たちを魔力と死者の書から生み出される白い羽の攻撃によって払っていく。
 隼人の弓は何艘かの船に乗る髑髏海賊を打ち抜いた。 正直、きりがないと思い始めた時に小さな海賊船の群れはスピードを落とし、隼人たちを大きく避ける進路を取る。
「あからさまです」
 弓を下げる。そう、あれは、隼人たちを誘う陽動だ。
「ならば、今は元凶を刈り取るべきですね」
 隼人と芽衣は頷き合うと、真珠姫へ向かい走り出した。



●歌う船首像
「薙刀のまま真珠姫と戦うのは無理だな……」
 海上よりかなり高くに位置する歌う従魔の身体を見て藍は己の手に握った得物を見る。
「よし……折角だ────」
 藍の手が大きく後ろに退いたかと思うと。

「────行け!」

 強化した二メートルを超える巴の薙刀が、力強く前方の真珠姫に向かって放たれる。

『兄さん!? ……勿体ない』
 狙いから外れたものの、薙刀は見事に真珠姫の腹部を抉り、かの従魔は歌ではなく悲鳴を上げた。
 これが、真珠姫へ今まで一番強く食い込んだ一撃。
 ──さようなら、巴の薙刀。お前は良い武器だった。
 続けて、鈴音たちの遠距離攻撃が従魔に撃ち込まれ始めた。

「あの高さは、普段の武器だと難しかったですね。ラッキーでした!」
 全長百三十メートルもある一対の巨大なブーメランを持った九繰は、藍の一撃を見て呟いた。狭い船上での戦いを想定し、モア・ストライクを装備して来たのだ。
 蠢く波をものともせず、海面を叩くように走りモア・ストライクを構える。
『投擲のコツは、シュッとやって、バッ! です』
「……えっ?」
『シュッとやって、バッ! です。忍者直伝です』
「えっと…」
 あまり慣れていない武器での勢い任せの運用だが、エミナは投擲の訓練をしたことがあるのか九繰にアドバイスをする。が、伝わらない。
『敵船に乗り込んでの攻撃は、味方の射線を遮る可能性があります』
 続けざまにエミナは次のアドバイスを発する。九繰は真っ直ぐに真珠姫の真下を目指す。白い道の収束点、髑髏海賊がこちらを見る。そんな彼女を追い越すように白い羽が走った。後方の芽衣の死者の書による攻撃だ。
『芽衣、すごい! どんどん消えるわ!』
 芽衣と、そして共に走る藍の姿を認め、九繰は足を緩めずそのまま蠢く髑髏海賊の中へ走り込んだ。仲間を信じて走る九繰の周りで海の飛沫に混じって髑髏骸骨たちが霧散していく。やがて、真珠姫の真下へと滑り込んだ九繰はフルスイングしてモア・ストライクを頭上に向かって投擲した。
「せー、のっ! とりゃああああ!」
 そこには霧も髑髏海賊の壁も無い。戦斧のような一対のブーメランが真珠姫の身体を切り裂く。
『あぁあああああああああ!』
 歌声が、完全に悲鳴に変わる。白い道が海面を揺らす振動を起こした。
「もいっちょ、いきますよ!」
 走る九繰は落下してきた一対のモア・ストライクをキャッチすると真珠姫の真下へと滑り込む。そして再び、構え、暗鬱とした空気を裂くようにそれを放る。
 真琴、鈴音の狙撃も始まった。
「姫を名乗るつもりならもっと綺麗な歌で、美しいまま、儚くさっさと死になさいよッ……!」
 駆け付けたエストレーラの雷神ノ書を使った鋭い雷撃が姫を名乗る従魔を撃つ。
「……その方がずっと、大衆好みな悲劇のお姫様みたいでしょ?」
 僅かに黒い煙が上がったのを認めて、エストレーラはニタリと悪辣な笑みを浮かべて言い捨てた。


 骸骨海賊を撃ちながら、硲は無線に話しかけた。
 それに射撃で応えるのは小菊だ。
 船の前で真珠姫を撃ち続ける。小菊。霧による視界の悪さがあったが、硲の指示もあって、真珠姫の身体を捕らえるようになった。背後ではミュシャとカグヤが髑髏海賊と戦っているのがわかる。
 ──私の役割は真珠姫への攻撃。それだけだ。
 例え戦闘が長引いてさらに髑髏が湧いてきたとしても、ひるまずに射撃を続け持ち場を守る。



●真珠姫の正体
「……倒した!?」
 不快な湿気の中、鈴音は射撃の手を止めた。

 ──悲鳴と歌は止んだ。

 けれども。

 ギシギシと幽霊船が音を立てる。

「違う──離れて下さい!」
 硲の叫びに一番近くに居た九繰が、次いで藍が離れる。
 そんなふたりを追うようにバラバラと瓦礫が降り注ぎ……まるで卵を割る雛のように……額に女性の姿を埋め込んだまま、白くぬめる巨大な球体現れた。
『真珠なのに蛸ですか!?』
 藍と共鳴している禮が叫ぶ。
 それは……醜悪な蛸のような生き物だった。白く光る道がずるずると下がると、うぞうぞと波の中から浮かび上がる。海を白く輝かせた白い道、それはぬめぬめと輝く吸盤のついた脚であった。
「……これがお姫様だなんてまるで喜劇ね」
 エストレーラは目の前の醜い怪物を前に無邪気に微笑む。そんな彼女の中でキュベレーが淡々と言葉を紡ぐ。
『姫を騙る怪物は傲慢な騎士の手で磔刑に処す────祀り上げられるべき姫は騎士達の意匠に沿う操り人形だけだ』
 それは嘲笑。エストレーラの笑みが彼女と同じ悪辣なものへと変わった。


 思わず間の抜けた声を出す真琴。ハルの戸惑いが伝わる。
『……蛸じゃな……』
「……あれが本体か!」
『変形とかお約束というやつか……』
 狙撃音。
 真琴が撃つより早く、大きくなった的にファストショットを使った小菊の弾丸がめり込む。銃弾は効いたようで、醜悪な従魔は痛みに反応して長い足をうねらせた。
 続いて隼人がフラメアを構えた。
 ぱかり。海水を飲み込みながら、蛸にはあるはずの無い大きな口が開いた。悪臭が漂い、そして、衝撃が一同を襲う。
「……うっ!!」
 凶悪な一撃にエージェントは辛うじてALブーツの履いた両足でバランスを取る。思わずつこうとした指先が思ったよりぬるい海水に洗われる。
 硲が周囲を見渡すと、今まで傷一つなかった仲間たちがそれぞれ血を流しているのが見えた。音波なのか、それとも微細な何かなのか……広範囲に攻撃する強力な技だと言うことを理解する。
 一番傷の深かった九繰は自身の傷を見て、まだ戦えると判断した。彼女は自身の回復魔法は仲間を癒すために使おうと決めていたのだ。
「……あ」
 治癒の光が九繰を包む。振り返れば、硲が回復の力を使っている。
「ありがとうございます」
 彼は頷くと他の仲間の元へと走って行った。

 爆音が上がったのはその時だった。
 彼らの後方、護るべき船から黒煙が上がる。
『追加来たぞっ!』
 ハルの言葉に、離れていたためそれほど深くなかった傷口をぬぐい、真琴は得物を構えた。
「………ごめんっ、皆任せた! ボクはアイツを!」
 弓を手に距離を取りながら場所を変える真琴。それに自身にリジェネーションをかけた鈴音が続く。


●破壊された船
 爆音が響き、後方に浮かぶ一艘の駆逐艦が同じ味方の船から狙撃されて損傷した。
「……髑髏海賊か……!」
 ミュシャが舌打ちする。彼女たちが乗っている船の後方に浮かぶ一艘の駆逐艦が幾艘かの小型の海賊船に囲まれており、それが味方を攻撃をしたようだった。進路を変えていたため、ミュシャたちが気付くことはできなかった。
「間に合わなかった……けれども、あの船にもエージェントは乗っているはず……!」
 船室に篭る一般船員たちを庇いながら、ミュシャは歯を食いしばる。背後から動揺が伝わる。
「行ってくる」
「待て!」
 扉が開き、強張った顔の一般船員がカグヤを止めた。
「ふたりのお陰で、今、この船も少しなら動かせる。少し近づけば、あの小型海賊船を撃つことができないだろうか……」
 船員の言葉にカグヤは笑む。

 海上で目標を捕らえていた小菊は僅かな焦りを抑えて狙撃する。
 ──前線で戦う仲間が危なくなる。早く戦闘を終結させないと!
「小菊さん!」
 ミュシャが船べりから顔を出す。仲間の船を応援に行くと言う。白い道の消えた海、周囲に髑髏海賊の影は見えない。小菊はかぶりを振った。
「……よろしくお願いします」
 ミュシャの改まった言葉に少し目を丸くした後、ゆるゆると旋回する船を見送ることもせず、小菊は再び従魔へ狙いを定めた。
 次の一撃こそが真珠姫を倒す一撃だと信じて。


 海上を駆けながら、モア・ストライクによる攻撃を続ける九繰の邪魔にならないように走る藍。
「喉は見せかけらしいが、目はどうだろうね?」
 ブルームフレアで目を狙い放つ。ライヴスの炎がぬるぬるとした白い身体を炙る。
 襲い掛かる蛸の足を避けながら、真琴は狙いを定め続ける。
「触腕に捕まったら……酷い未来しか見えない……」
『……お約束じゃのぅ……あと結構おぬし余裕あるのな?』
「……無いから!」
 そこで、真琴は真珠姫の周囲にしか髑髏海賊が生まれていないことに気付く。
「骸骨減ってきてるし結構辛いのかも!?」
『もうひと踏ん張りじゃな!』
 真琴は集中し、射撃の精度を高めた一撃を放つ。
「しぶといっ!」
『焦るな……まだ大丈夫じゃ……確実に当てていけ……!』
 途端、世界が暗くなった。
「真琴!」
 飛び出した鈴音が真琴の一撃を代わりに受ける。
「鈴音さん!?」
「凄く、痛いから全力で早く倒しちゃって、お願い!」
 鈴音の言葉に真琴はまた走り出す。
『普通は私に構わず撃って。とか言うんじゃないのかしら……』
「そこまで自己犠牲できないじゃん?」
 N・Kの言葉に鈴音が思わず苦笑する。
 ──うん、まだイケる。
 先程かけたリジェネーションがやんわりと鈴音の傷を癒している。……ふたりの強い絆によって鈴音の回復力は高いのだ。


 数々の攻撃に真珠姫の動きは鈍くなる。
「邪魔よ。用済みの役者は舞台から降りなさい? ……Auf Wiedersehen」
 エストレーラの雷槍が巨大な従魔の頭部へと放たれる。額に浮かぶ女性型が苦悶の表情を浮かべる。
 そこへ隼人が剣を突き立てる。
「……く……っ!」
 暴れた従魔の触手が何度も隼人の身体を打つが、彼は退かなかった。
 ぱかり、従魔の口が再び開く。エージェントたちは先程の攻撃を予感して背筋を凍らせる。
「うわああっ!」
 しかし生み出されたのは砲弾。ほぼゼロ距離でそれは隼人の身体を大きく後方へと弾き飛ばした。
「……真珠には水底が似合いだ、沈め」
 大きく開いた悪臭放つ口に藍が銀の魔弾を立て続けに放つ。
 重ねるように銃撃。
 霧の中に赤い血煙が上がる。
 霧を裂いて、芽衣の死者の書の白い一撃が、小菊の強化した一撃が、また赤く濁った霧の中に吸い込まれていった。

 海域を揺らす、絶叫。それは悲鳴か、最後の歌声だったのか。



●歌が止むとき
「……骸骨が……!」
 真珠姫の断末魔と同時に海域の髑髏海賊たちはまるで弾けるかのように霧散していった。ミュシャと共に仲間の船の救助に向かったカグヤによって船体に穴をあけられた海賊船も、霧散する髑髏海賊と同じだ。まるで、それはすべて悪夢だったかのように、船ごと崩れ、消えてゆく。
 カグヤとミュシャは従魔の居た方角を振り返った。赤く濁った霧が、まだ僅かに見えた。


「……終わった?」
『うむ、なんとかなったな』
「海上狙撃とか……疲れた……」
 はっとした真琴が耳元の無線機を押さえる。
「そうだ! ミュシャちゃんそっちは大丈夫!? みんな無事……!?」
 その返答に、放心しかけたエージェントたちの表情が曇った。


 合流したエージェントたちは、すぐさま損傷した船に向かった。
 硲、隼人たちは仲間と共に船の乗組員達の負傷治療にあたる。なにしろ、彼らの船は半数がバトルメディックである。回復術には長けており、死者や重傷者を出すことはなかった。けれども、さすがに人数が多すぎて全てを完治させることはできない。また、エルナーの提案により、次の襲撃を警戒してエージェントたちを優先して回復した。
 共鳴を解いた芽衣も医者の卵である硲や船医の指示を受けて一般人の治療を手伝う。
「あの、大丈夫でしたか? その、もう終わりましたから、安心してください」
「むーむー、退屈だわ。芽衣ってば治療してばっかで、誰かかまってくれそうな人さがしましょー」
 暇を持て余したアリスがそう言うと、その手にさっと包帯が渡され、彼女も手伝いを余儀なくされた。


 真琴に渡されたお菓子をかじりながら、周りから休憩を促された鈴音は呟く。
「被害無く護れたら、万々歳だったんだけどな……」
 船内を見渡した鈴音だったが、ぱんと軽く自分の頬を叩く。
「守れた物、確り運んでかなきゃね」


 騒がしい船内から外れてエストレーラとキュベレーは海を見ていた。霧は相変わらずだ。
「……ずっと思ってたけれど、この海の匂いって慣れないのよね」
「生物の死骸の匂いが大半だからな」
「へえ? ……どおりで」
 一度口を閉じると、エストレーラは視線を船の向かう先へと向けた。
「香港もすぐこんな匂いになるかしら?」
「人の死臭はこの比ではないぞ」
 クク、と押さえた笑いが漏れた。


 ──船員たち、非戦闘員は恐怖ですぐには動けないだろう……。
 治療を手伝っていた藍だったが、動けるようになった船員と交代して船外で休憩を取っていた。
「無理もありません、あんな歌……」
 禮が顔を曇らせる。そんなパートナーを見ながら、藍はあることを思いつく。
「禮、本当の海の歌声をみんなに聞かせてあげてくれないか?」
「……はい、少し恥ずかしいですが……それでは」
 船べりに立ち、本物の人魚が癒しの歌を歌う。それは優しく船内に響いて、人々は目を閉じそれにじっと耳を傾けた。

「霧が……晴れてく!」

 船員の声が聞こえた。思わずそれぞれが視線を動かすその先に、じわりじわりと広がる青。
「ゾーンルーラーが……倒されたのか……」
 そう呟いたのが船員の誰かなのか、それとも自分なのか、わからなかった。

 空が、海が、本来の色を取り戻した。

 彼らは海の向こう、香港への道を拓き、船をかの地へと届けることに成功したのだ──。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 高校生ヒロイン
    早瀬 鈴音aa0885
  • 天啓の医療者
    六鬼 硲aa1148
  • Twinkle-twinkle-littlegear
    唐沢 九繰aa1379
  • マーメイドナイト
    海神 藍aa2518

重体一覧

参加者

  • 挑む者
    秋津 隼人aa0034
    人間|20才|男性|防御



  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命



  • 撃ち貫くは二槍
    今宮 真琴aa0573
    人間|15才|女性|回避
  • あなたを守る一矢に
    奈良 ハルaa0573hero001
    英雄|23才|女性|ジャ
  • 高校生ヒロイン
    早瀬 鈴音aa0885
    人間|18才|女性|生命
  • ふわふわお姉さん
    N・Kaa0885hero001
    英雄|24才|女性|バト
  • 天啓の医療者
    六鬼 硲aa1148
    人間|18才|男性|生命
  • 羊狩り
    ラウラ スミスaa1148hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • Twinkle-twinkle-littlegear
    唐沢 九繰aa1379
    機械|18才|女性|生命
  • かにコレクター
    エミナ・トライアルフォーaa1379hero001
    英雄|14才|女性|バト
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416
    人間|11才|女性|命中
  • 遊ぶの大好き
    アリス・ドリームイーターaa1416hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
  • マーメイドナイト
    海神 藍aa2518
    人間|22才|男性|防御
  • 白い渚のローレライ
    aa2518hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
  • 心頭滅却、人生平穏無事
    奈義 小菊aa3350
    人間|13才|女性|命中



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