本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/14 07:30
- 完成予定
- 2016/03/25 07:30
このシナリオは2日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/03/13 09:39:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/11 22:23:29
オープニング
●暗がりにて
何処とも知れぬ薄闇の中、誰とも知れぬ輩が細く告げた。
「闘技場がHOPEの介入によって壊滅しました。これによってスポンサーの2割が捕縛され、我々に助けを――」
その報告を、艶やかな声音が遮った。
「司法ごときに潰される程度の小物はいらん」
「……では、自決用の毒を差し入れさせていただきます」
声の主は、その言葉にかるくうなずいて。
「あれはどうなっている? 安定しているのか?」
「は。それは滞りなく。遠からず成果をご確認いただけるかと」
黒地に金の輪を描いた布に隠された目を細め、比良坂清十郎は薄く微笑んだ。
●あの子とふたりで
「あの子の様子はどうだい?」
ホテルの一室でベッドに腰かけ、水出しのアイスコーヒーをすすったアフリカンが、顔を上げずに言った。
「ベンキョー中だってよ」
床の上にあぐらをかき、背中を壁に預けた赤毛の男が、こちらも相手に目を向けることなく言葉を返す。その手にあるのは中国産の蒸留酒、白酒(パイチュウ)の瓶である。
「きっと楽しんでいるんだろうね」
「おもしれぇヤツなんだがよ。打たれ弱ぇ」
アフリカン――通称ソングの目に、三つ編みと2台のチェーンソーを振り回す少女の笑顔を浮かぶ。
屠宰鶏。世にも希な資質を持つナチュラル・ボーン・キラーだが……
「契約者のせいもあるだろうけど、心も体もまだまだ弱い。いったん守りに回ればあっさり崩される」
「まぁな」
赤い髪の男――エクスプローションが酒瓶をあおり、中身を一気に飲み干した。
「ボスのご命令ってやつがあっからよ、そろそろ行くわ。てめぇはどうすんだ?」
「僕? 僕も仕事さ。例の件を隠すための……陽動だね」
「てめぇが人前にツラぁ晒すってのか? なに考えてやがる?」
「せっかくだからさ。僕みたいにいじめられた女の子を誘って、いっしょにしかえししに行こうと思うんだ。きっと楽しい1日になるよ」
エクスプローションの眉尻が跳ね上がる。
この男は、誰を誘ってどこへ出かけるつもりなのか?
「……てめぇ、屠宰鶏と行く気か。あいつが死んじまったら、俺のお楽しみが減っちまうじゃねぇかよ」
エクスプローションから投げつけられた空瓶が、宙で止まった。
ソングの左ジャブがトップ・ボトム・ボディの順で瓶を叩き、運動力を奪い去ったのだ。
まっすぐに落ちた瓶を、ソングは危なげなくすくい上げ、
「今は僕があの子を守るさ。あの子が大人になって、僕と同じくらい強くなるまでは」
僕は強い子が好きだからね。そう言って、アフリカンは黒ずんだメギンギョルズを手へ巻きつけ始めた。
強者との死闘、ただそれだけを求めて黒社会に身を沈めたソングは、経歴だけ見ればめずらしくない存在と言える。黒社会には戦闘狂が多いからだ。しかし。
新人並の低リンクレートでありながら、数ある能力者をことごとく撲殺してきたこの男は、やはり特異としか言い様がなかった。
●隠蔽、あるいは陽動
香港には今、国際会議に出席するためHOPEの要人が集結しつつある。
その中に、道中くらいは普段かなわぬ骨休めを……そう考えた者たちがいた。
果たして短い休日を満喫し、豪華客船を後にする彼ら。
そのひとりの頭が、スイカのように爆ぜた。
「弱い者いじめはキライなんだけどね。今日は徹底的にやるよ。僕らには隠しておきたいことがあるから、そこからみんなの目を反らすんだ」
「大人の事情ですね! 勉強させてもらいます!」
先ほどまで頭があった場所から拳を引くソングに、黒髪を三つ編みにまとめたベトナム少女が笑顔で応えた。
その両手には、屈強な男の両手でも押さえ込めまいチェーンソーが1台ずつ握られていた。
要人を殺しながらソングがつぶやく。
「船の中にいるお友だちに逢いに行こう」
「はい! ……でも、もし誰もいなかったり、逃げちゃってたら?」
要人を切り刻んでいた屠宰鶏の問いに、ソングは困った顔をして。
「腹いせに、その辺りの人を殺すしかないね。そんなつまらないことはしたくないんだけどな」
逃げ惑う人々の間を悠々と、ふたりのヴィランが進み行く。
隠蔽のための陽動を成すために。
解説
●依頼
ソングと屠宰鶏を全力で撃退してください。
●状況
・参加リンカーのみなさんの初期設定は、「要人を迎えに港へ来ていたところ、船のほうが騒がしいことに気づく」になります(気づきかたは自由です)。
・客船の中にもう要人はいませんが、当シナリオは完全戦闘シナリオですので、虐殺は起こりません。
・ソングたちとの接触場所は自由です(地形の項目を参照)。
・ソングたちと接触した瞬間、戦闘が始まります。
●地形
客船で戦場として機能するのは、
1.障害物のない甲板
2.展開しづらいが立体的な行動ができる通路と階段
3.各種器具が置かれたトレーニングスペース
4.個室が並ぶ客室スペース(部屋の中も使えます)
移動しながら戦うことは可能です。
●敵
1.ソング
・歌うボクサー。両腕が健在なうちは各種パンチによる1ラウンド2回攻撃を行います。
・回避に成功する度、攻撃者(距離不問)へ「カウンター攻撃(気絶のBS付与)」。
・ダメージを軽減する「ブロック」を使うことも。
・基本的に屠宰鶏をかばいます。
・いい連携攻撃や工夫を見せられると、守護を中断してそちらへ向かいます。
・彼との直接攻防中、『ライヴスで爆薬を生成する英雄をテロに使う実験が進められている』ことと、『その実験場の場所』を聞き出せます。うまく水を向けてみてください。
・メギンギョルズ:(格闘武器)
一見するとボロ布にしか見えない帯。「力の帯」という名の通り、巻きつける事で持ち主の周囲に高密度のライヴスを纏わせ、素手による戦闘を可能にすると共に耐久性まで高める攻防一体の武器である。
2.屠宰鶏(トザイジィ)
・2台のチェーンソーを振り回し、2連撃を繰り出します(攻撃対象1~2)。
・回避力が高く、さらに敵の技や攻撃のクセを学びます。
・「死なないために殺す」という理屈を崩せれば、攻撃力を削ぐことができます。
・生命力が半減するとアクティブスキル「パワードーピング」と「オーガドライブ」を同時使用し、毎ラウンド狂乱の4~6連撃を繰り出します(攻撃対象は1~6/発動中は2ラウンド以降防御力が半減)。
・狂乱状態になると共鳴した英雄が表面化しますが、3歳児相当ですので会話には気づかいが必要です。
マスターより
はじめまして。電気石八生(でんきいし はちお)と申します。
当シナリオは、大規模作戦の先行連動シナリオ『龍城の深淵』のシリーズシナリオ第3弾で、シリーズ最後のEX、そして完全戦闘メインの内容となります。
みなさまのお力で迫る強敵を退け、さらには彼らの隠しているものの正体を暴き、国際会議を護っていただければ幸いです。
リプレイ公開中 納品日時 2016/03/21 19:34
参加者
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相談卓
最終発言2016/03/13 09:39:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/11 22:23:29