本部
大根とライオン
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/25 19:00
- 完成予定
- 2015/10/04 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/22 20:41:36 -
相談卓
最終発言2015/09/24 21:41:27
オープニング
●親父の哀しき独り動物園
行楽シーズン。町の中心部からバスで20分ほどのこの小さな動物園にも多くの客がやってくる。親子連れやカップルの多い中、人気のあるライオンの檻の近くのベンチで浮かない顔をしているひとりの男がいた。
「はあ?私のこと何歳だと思ってんの?つか、今から友達と遊びに行くから」
「お父さん、暇なら大根買ってきてちょうだい」
せっかくの休日に家族サービスでもしようと動物園のチケットを三人分買った。だが、もう娘の年齢は家族で動物園を満喫するような可愛らしいものではなくなっていたらしい。
「まだ中学2年なのに……」
自分が中学生だった時代との激しいギャップを痛感しながら、仕方がないので一枚だけでもと男はチケットを消費しに訪れたのだ。けれどもやさぐれた親父ひとりでは1時間も経たずに動物園を1周してしまい、こうしてベンチで時間を潰している。ライオンの檻の前には人の石垣が形成されており、低い唸り声しか聞こえない。
「さて、そろそろ大根買いに行くか」
夕暮れどき、男が重い腰をやっと上げたときだった。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「きゃああああああああああああ」
凶悪な雄叫びとともに多くの悲鳴がまさに、男の目の前から上がった。あっという間に逃げ惑う人々と、阿鼻叫喚の原因であるそれが男の視界を飲み込む。
「あ、ああ、あ」
震える男を凶悪な目で捉えるのは、ライオンのようだがそうではない。ライオンより何倍も大きな身体と、毒々しい紫色のたてがみ、そして鋭い爪と牙、尻尾は蠍のように鋭く尖っている化物だった。
怯えながらも、死を直感した男は思った。
「今日の夕飯は大根抜きだな。すまん」
●ひとつの動物園の終幕
『再度任務の確認を行う』
能力者たちのつけた通信機器からHOPE職員の声が響く。
『任務内容はミーレス級従魔の駆逐。客や動物園の職員たちは一般人対応班が全員避難させたので存分に暴れてこい。残りの従魔の数や位置はこちらから指示する』
HOPE職員は通信機器へ向かい、溜息を吐く。動物園内に付けられたカメラには檻の中の動物たちが次々と姿を凶悪なものへと変貌させる様子が映っていた。
『幸いというか最悪というか……。動物の心配はしなくていい、全て従魔だ。駆逐しろ』
「お父さん!!お父さん!!」
「お嬢さん!!危険ですから!!」
「放して!!お父さん!!」
やれやれとHOPE職員が肩を下ろした時、今回の事件で司令室となった防犯カメラの監視室の外で激しいやり取りが聞こえた。HOPE職員が何事かと外へ出ると、一人の少女と一般人対応班の男が言い合っていた。
「おい、どうした」
HOPE職員が男に尋ねると、彼は困り果てた様子で答える。
「それが……このお嬢さんが動物園の中にまだ自分の父親がいると」
「なに!?全員避難したんじゃないのか」
嫌な汗がHOPE職員の背中を流れる。
「お父さんが動物園にいるのは確実なんですか?」
「避難者のなかにお父さんがいないの!!チケットがもったいないからって一人で動物園に行くって家を出たきり……私が家に帰って来てもまだお父さん戻ってなくて……ケータイも繋がらないし、きっとまだ中にいるの」
「おいおいおい……」
HOPE職員は急いで司令室に戻ると、通信機へ叫ぶ。
『至急任務を追加する!!』
現実は非情だ。
その日、ひとつの動物園が幕を下ろした。
解説
●目標
ミーレス級従魔の駆逐と逃げ遅れた男の救出
●登場
ミーレス級従魔『スクライディオン』多数
身体はライオンの3倍ほどの大きさ。毒々しい紫色のたてがみを持つ。鋭い爪と牙、蠍のような尻尾で攻撃してくる。知能は無く、本能のままに襲ってくる。
尻尾の針に当たるとバッドステータス減退(2)が付与される。
一般人多数
動物園の客及び飼育員
一般人対応班
HOPEの味方。一般人の避難誘導を行う。
HOPE職員
防犯カメラをチェックし、能力者たちに状況の伝達や指示を通信機器を通して行う。
男一名
ひとりで動物園を訪れていた男。大根を買いに行こうと動物園を出ようとしたとき、従魔が現れた。
●状況
動物園敷地内は一般人の避難経路以外、既に封鎖されている。小規模の動物園であるが戦闘には十分の広さである。出入り口から最も遠い位置にライオンの檻がある。
HOPE職員が、敷地内の防犯カメラを通して残りの従魔の数等を指示してくれる。
ライオンの檻近くに男がひとり取り残されている。植え込みの中に隠れてはいるが、従魔に見つかるのも時間の問題である。
マスターより
こんにちは、優です。
お父さん……。なんとか無事に助け出してあげてください。失うものの多い今回の事件ですが、皆さんなら最小限の被害にとどめてくれると信じています。
大根がなくても家族と一緒に食べるご飯はきっと美味しいことでしょう。
リプレイ公開中 納品日時 2015/10/15 19:45
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/22 20:41:36 -
相談卓
最終発言2015/09/24 21:41:27