本部

今日はただの飲み会だ・もう一回

雪虫

形態
ショートEX
難易度
易しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
能力者
12人 / 4~15人
英雄
12人 / 0~15人
報酬
無し
相談期間
5日
完成日
2019/03/12 21:18

掲示板

オープニング


「そう……今度こそ本当に帰っちゃうのね」
 キャシーの前には荷造りをした永平と花陣の姿があった。荷物は決して多くはないが、これがナニカアリ荘にあった二人の所持品の全てである。
「今度こそマガツヒの件にはケリがついたしな。兄貴に言われていたH.O.P.E.と古龍幇の橋渡しを……って役割も、もう必要はないだろう」
『つっても、こいつがそんなご大層な役割を果たしていたとは思わないけど……いて!』
 永平が花陣に蹴りを入れ、花陣は永平に『なにすんだよっ!』と噛み付いた。すっかり日常となった光景。だがあと数日でこの光景ともさよならになる。
 そしてナニカアリ荘を旅立つのは、永平と花陣だけではなかった。
「ガイルちゃん達も行っちゃうのね」
「ミーは決めたでござる。ワールド中を飛び回ると! アチコチで修行を重ね、世界最強のNINJYAになると!」
『ナニカアリ荘を出ていく必要はないんだけれど、どれだけ留守にするかわからないからねん。と言うよりガイルちゃんの退路を断つためにこっちの方がいいかなと思って』
 何やら怖いことを宣ってデランジェがにこりと笑い、ガイルは気付いていないらしく「世界最強のNINJYAに!」と元気いっぱい拳を上げた。物事は移り変わっていくのが常であり、変わらずに在るものの方が珍しい。若人達が旅立っていくと言うのなら、それを笑顔で見送るのが自分の役目。キャシーはそう心得ている。
「ところで、お別れ会はするでしょう? エージェントちゃん達にもいっぱいお世話になったのに、何も言わずにサヨナラ、なんてことはしないわよね~ん?」
 キャシーの言葉に永平とガイルは同時にびくりと肩を揺らした。別れと感謝を述べるのは当然のことではあるのだが、その場所が問題なのである。だがかぐやひめんの女王・キャシーを前にして逃げられるわけがない。
「餞別として、お代は特別にサービスさせていただくわ~ん」


「えっと……今日は、来てくれてアリガトウゴザイマス……」
 ステージに上がった永平の目はもう既に死んでいた。服装は浴衣(月下美人)。以前ほぼ無理矢理着せられたもので、返すのもなんだか怖く、しかし捨てるのもなんなので一応持っていたのだが、まさかもう一度着せられるとは露程も思っていなかった。
 そしてガイルは褌一丁で立っていた。こちらも以前着せられたもので、返すのは怖い以上に微妙であり、しかし捨てるのもなんなので(以下省略)。一応室内なので然程寒くはないのだが、誰かが扉を開けたりするとあああドアを開けないで欲しいでござる!
「アノ……今日はただの飲み会デス……遠慮なく飲み食いして下サイ……」
「ミーと永平殿のサンキューベリーマッチのキモチでござる! 楽しんでいってほしいでござる!」
 二人は乾杯の音頭を終えると、競うように更衣室のある方向へと走っていった。おいお前後にしろイヤでござるサムイでござるジャパニーズフンドシなんだろうサムイのはイヤでござるぅぅぅ!
「ガイルちゃんと永平ちゃんとキャシーオネエサンのおごりよ~ん。今日はどうぞゆっくりと羽根を伸ばしてちょうだいね~ん」
 男二人の争いの声をキャシーの挨拶が掻き消した。なおキャシーはミニウェディングドレス。ミニから覗く太腿がすごい。

解説

●やること
 食べて飲んで騒ぐ 

●かぐやひめん
 キャシーの経営するオネェバー。貸し切りのため他の客はおらず、スタッフもキャシーのみ。ドレスやタキシードはもちろんのこと、着物や袴、かぶり物などの貸し衣装ございます
 入れるのは1階:ホール、ステージ、キッチン、お手洗い、更衣室(貸し衣装着替え用)。2階:ベランダ(1階奥の階段から行ける。キャシーが気付いて人払いしてくれるので内緒話にどうぞ)
 
●飲食物
 酒、ジュース、お茶類、お菓子、フルーツ、おつまみ等が各種取り揃えてある。本格的な食事は要望があればキャシーが用意する

●NPC情報
 李永平/花陣
 この度本格的に古龍幇に戻ることになりました。花陣は実は女性だが、永平はいまだそのことを知らない/花陣も特に気にしていない。

 ガイル・アードレッド/デランジェ・シンドラー
 世界最強のNINJYAになるためムシャシュギョウに行くのでござる! ガイルちゃんがすぐ音をあげないようスパルタでいくわよん。

 キャシー
 身長192cmのオネェさん殿。OPで着用しているのは以前頂いたミニウェディングドレス。今日は盛大におもてなしさせていただくわ~ん。

●その他
・未成年の飲酒・喫煙禁止
・NPCは特に要望がなければ描写は最小限orなし
・キッチンに入りたい方は要望あれば可
・永平とガイルはリプレイ開始時いつもの服装に戻っています。キャシーはミニウェディングドレスのままです
・NPCに貸し衣装を着せたい場合はプレイングに着せたい衣装をご記入下さい
・英雄が二人いる場合は英雄の変更忘れにご注意下さい
・能力者と英雄の台詞は「」『』などで区別して頂けるとありがたいです
・プレイングの出し忘れにご注意下さい

リプレイ


『永平、丸くなったわねぇ』
「言葉のチョイス間違ってない、それ」
 まほらま(aa2289hero001)の発言に密かにツッコミを入れながら、GーYA(aa2289)は永平とガイルの挨拶に(少々の哀れみを込めて)拍手を送った。まぁキャシーさん主催だし……と何気なく主催者を見たところで、太腿に目がいってしまい超高速で視線を逸らす。
「そうか、そうだったなぁ……」
『……ん、変わらないことは……ないんだねぇ』
 麻生 遊夜(aa0452)とユフォアリーヤ(aa0452hero001)は挨拶の内容にしみじみしていた。御神 恭也(aa0127)と伊邪那美(aa0127hero001)も、しんみりとした心情を吐露する。
「もう少し後だったら、酒を飲み交わせたんだがな」
『少し寂しくなるね……』
「長かったような、短かったような、だな……」
 木陰 黎夜(aa0061)も呟きながら数年間を振り返った。色々なことがあったが、今日はそのエピローグと言って差し支えないだろう。アーテル・V・ノクス(aa0061hero001)は微笑みながら黎夜の言葉に続けて述べる。
『そうだな。心残りなくいくか』
 そう。心残りがあってはならない。遊夜は「確かにそうだな」と頷くと、インスタントカメラとハンディカメラを器用に両の手に構えた。ずっとこのまま続いていくと思いたかった今日この頃。しみじみしつつも見納めと言うことで浴衣・褌ズの雄姿を保存しようそうしよう。もちろん着替え終わるまでの攻防もキッチリ撮りたく思う。
「まぁ流石にあの格好のまま最後までは、な」
『……んー、ボクとしては……そのままで、良かったんだけど……ね』
 苦笑と笑みを漏らしながら、麻生夫妻はメモリアルをカメラの中に収めていく。
 一方その頃虎噛 千颯(aa0123)は、早々と颯爽とアルコールに手を出していた。
『千颯! お前は手が早すぎでござる!』
「永平ちゃんが『遠慮なく飲み食いして下サイ』って言ったんだからもういいの~。なーそうだよなーキャシーちゃん?」
「もちろんよ~ん。どうぞ遠慮なく飲んでちょうだいね~ん」
 ひゃっほう! と千颯はグラスを掲げ、白虎丸(aa0123hero001)はガクリと肩を落とした。店主がそう言うのであれば正義は千颯の方にある。無月(aa1531)とジェネッサ・ルディス(aa1531hero001)も杯を取り、皆の様子を眺め回して笑みを浮かべる。
「ふふっ、賑やかな飲み会だな」
『いいね、ボク達も楽しい気分になるよ。キャシーさん、今日は飲み会を催してくれてありがとう』
「あの子達とは何かと縁があるからな……ご主人、改めて感謝をさせて欲しい」
 無月とジェネッサは共にキャシーに礼を言い、そこにGーYAとまほらまもやってきた。GーYAはキャシーの太腿に目をやらないよう気を付けつつ、まほらまと共に挨拶を述べる。
「俺達も、招待ありがとう」
『楽しませて貰うわぁ』
「ええ、どうぞゆっくりしていってね~ん」
 

『タダのみで、飲んで食べて騒げるって聞いて!』
「………………」
 祭り(?)の気配を聞き付けやってきたLady-X(aa4199hero002)のその後ろで、バルタサール・デル・レイ(aa4199)はしっっっぶい顔を見せていた。とは言えバルタサールの表情が変化することはそうないが、Lady-Xに無理矢理引っ張られたこと、「……」の長さから心情はお察しである。
『依頼って、能力者同伴じゃないと受けられないんだよねえ~』
「……………………」
『素敵な時間と場所を用意してくれてありがとう、全力で楽しませてもらうわ。初めましての人も多いけど、楽しい時間を過ごしましょうね』
「…………………………」
『やだ、そのミニウェディングドレス、素敵ね! 似合ってる! 浴衣も褌も似合ってたのに、すぐ脱いじゃうだなんて、つまんないのー。あたしもなんか着てみようかな』
「………………………………」
 Lady-Xはキャシーや皆の下で既に楽しそうにしているが、バルタサールの台詞はその間ずぅっと「………………………」だった。なんというか、この店の空気がもういたたまれない。バルタサールは端の方でウィスキーを呷ることにした。

『デランジェちゃん~花陣チャン~』
 シルミルテ(aa0340hero001)は大好きな桃色瞳同盟(勝手に命名)のお膝でうだうだもだもだしていた。
 欲望だけを言うなら引き止めたい気分マックスだが、二人のためを思うからお見送りをするべきだ。
 なのでせめてこの会の間だけでもべったりべたべた甘えるのだ!
 もちろん独占などしない。他の人がお話しする時はススス……と離れていき、少しでもスキができようものならしゅばばっとうさ耳高らかに戻ってくる。
 もちろんガイルのことも忘れてはいない。
 ただお膝で甘えるにはちょっと硬いお膝なだけだ。
『ミンナに前アゲたぬいぐるみ、大事にシテね。アレは「森」ヘの招待状デモあルノ!』
 旅立つ皆に『魔女の子』の祝福を。シルミルテはうだもだしながらデランジェと花陣を見上げて述べた。デランジェも花陣もそれぞれに笑顔で応える。
『もちろんよ、大事にするわん』
『色々ありがとな、うさ耳』
『ウワーんデランジェちゃん~花陣チャン~』

 シルミルテが涙にくれ、デランジェと花陣のお膝をしとどに濡らしていた頃、ユフォアリーヤは物影に隠れ待ち伏せを行っていた。
 目標は当然、着替えを終えて出てくる永平とガイルである。「うー、サムかったでござる」とガイルが姿を見せた、瞬間、ユフォアリーヤはミサイルとなってガイルへと突撃した。
「ゆ、ユフォアリーヤ殿!?」
『……ん、あったかい? ……寒いの、治った?』
 言ってユフォアリーヤはガイルにすりすり。どうやらガイルが「サムイのはイヤだ」と言っていたので人間湯たんぽになるつもりのようだ。セクシーなお姉さんにすりすりされる図、実にうらやましい限りだが、ギッチリガッチリしがみ付いて離れる気配が皆無。あったかこわい。ガイルが捕獲されている間に永平はフェードアウトしようとしたが、ユフォアリーヤは目を光らせ、永平へと両手を広げる。
『……ん、よんぴょーも……おーいで』
「いや、俺は別に」
『…………』
 ユフォアリーヤは一瞬で目をうるうると潤ませた。女子供に甘い永平の弱点を突きに行く。久しぶりの展開ですね!
「…………」
 永平はうるうるおめめにものすごく苦い顔を見せ、「まあ、最後だからな」と肩を落としてユフォアリーヤの傍に寄った。ユフォアリーヤは両手に花、ならぬガイルと永平を同時に抱え、ご満悦の表情でガイルと永平をすりすりはぐはぐ。
『……ん、花陣と……デランジェも……』
 そしてユフォアリーヤはガイルと永平を抱えたまま、今度は花陣とデランジェの下へ赴いた。そうしたいというのもあるだろうが、暫く会えないのは確実だからという理由の方が大きいだろう。デランジェや花陣のこともぎゅうっとする妻を眺め、遊夜はジュースやらおつまみやらを頂きながら息を吐く。
「会いに行こうと思えば行けると思うが……ま、野暮ってもんだわな。
 しかし……何とも寂しいもんだ。やれやれ、年を取った気がすんなぁ」
 普段言いそうにないことを吐露するのも、歳のせいか雰囲気のせいか……さて、一体どちらだろうねぇ?
 などと独りごちた後、ユフォアリーヤ回収のためカウンター席から立ち上がった。主役をいつまでも拘束しておくわけにはいかないし。
「ほれ、こっち来い」
『……やーん……やーん』
 遊夜に首根っこを確保され、ユフォアリーヤは子犬のごとき鳴き声を残して連れていかれた。後ろ髪引かれまくりの渋々といった表情だったが、独り占めしてはいけないというのはわかっているのだろう。すんすんするユフォアリーヤを、遊夜は膝の上に乗せて横からしっかり抱きしめてやる。
「そうだな、おかーさんは寂しいよなあ」
『……ん、ん』
 ユフォアリーヤは遊夜の胸にぐりぐりと顔を押し付けた。飲み会が終わるまでしっかり抱きしめて甘えさせてやるか、と、遊夜はユフォアリーヤをよしよし撫でてやるのだった。

「ほら永平ちゃんも飲んで飲んでー。主役がまず飲まないと俺ちゃんも落ち着いて飲めないでしょー?」
「もう既に飲んでるじゃねえか」
 永平からのツッコミに、「まだ飲んだうちにはいりませーん」と千颯はケラケラ笑った。常から高いテンションが爆上げ上げになっている。完全なる酔っ払いテンションで永平の肩に腕を回す。
「永平ちゃんとは涙のお別れを前回したと思ったらすぐ帰ってくるんだもんなー。俺ちゃんのシリアス返して欲しいんですけどー?」
「あの時はただの飲み会だって言っただろうが。もう帰ってこないなんて言った覚えはないんだが」
 あの時は。その言葉に千颯の目元がわずかに歪んだ。しかしそれは一瞬で、すぐにわざとらしいほど明るい声を張り上げる。
「いやー。永平ちゃんとは色々あったなー。雄っぱい揉んだり雄っぱい揉んだり雄っぱい揉んだり……あれ? もしかして雄っぱいしか揉んでない!?
 はっ! またお別れってことは永平ちゃんの雄っぱいを揉むのも今回が最後ってことか! 折角だし揉み収めしておかないとだぜ! 大丈夫だぜ! ちゃんと優しくするんだぜ?」
『千颯、言ってることが前回と一緒でござる……永平殿は立派になられたのにお前は全く成長してないのでござるな』
 白虎丸は溜息を吐いたが千颯にはどこ吹く風である。うなだれる相棒を脇に置き、千颯は自分の胸部を寄せてあげる。
「えーじゃあ永平ちゃんが俺ちゃんの雄っぱい揉む? いいけど優しくしてな///」
「しねえ」
 永平は心の底から嫌そうな顔で言い、「永平ちゃんならいいのよー?」と千颯は永平にもたれかかった。
 そして琥烏堂 為久(aa5425hero001)は、琥烏堂 晴久(aa5425)の目を両手で塞いでいた。
「兄様、前が見えないんだよ」
 晴久は永平が古龍幇に帰ると聞き、「え、李さん帰っちゃうの? そういえばH.O.P.E.の人じゃなかったんだっけ」とお見送りをしに来たのだ。詳しいことは全然知らないけれど永平にもお世話になったし。「ついでにパーッと楽しく騒ぐんだよ♪」というつもりで来たのになぜ今目を塞がれているのか。
 だが為久にも事情はある。もし永平の胸がまた揉まれるようなことになったらハルの目は塞いでおかねばならない。どう(悪)影響を受けるかわからないからな。
『(しかしお別れ会と聞いていたけど……凄い所だな)』
 前のことは少し聞いていたが、為久の想像の遥か斜め上を行っていた。今日のスタッフはキャシーだけなので普段の五倍は薄いのだが、キャシー一人だけでも濃さとしては十分である。
 そして恭也も為久と似たようなことを感じていた。
「(……凄い所だな)」
 趣味趣向が年寄り方向に偏っている恭也だが、実年齢はお酒未解禁のピッチピチの未成年。普通のバーでも縁遠い。オネェバーは尚更である。キャシーについては余り見ないようにして、ガイルにこそりと……ガイルの性的趣向を疑いながら話し掛ける。
「人の趣味に口を出すつもりはないが、こういった店は良く利用するのか?」
「いっぱいお世話になってるでござる! キャシーオネェさん殿はナニカアリ荘のメンバーでござるので!」
 訳すると「キャシーもガイルもナニカアリ荘というアパートの住人であり、その縁もあってお世話になっている」ということなのだが、恭也はよくわからないまま「そ、そうか……」と言うに留めた。「いっぱいお世話になってる」で思考が停止してしまったし、ナニカアリ荘って何。
「ところで、俺も来年にはアルコールが解禁になるのだが、酒の席での失敗や注意することなどがあれば教えてもらえないか? 酒に溺れるつもりは無いが、醜態を晒すのも嫌なんでな。何か良い知恵があれば」
 皆に聞いてみるつもりの話題をまずはガイルに振ってみる。ガイルは拳を握り締め、元気いっぱいこう答えた。
「オサケでミステイクしたくなければ、オサケを飲まなければいいでござる!」
 一理ある。一理あるがそれは元も子もないというヤツだ。だが恭也はここでも「そ、そうか……」と言うに留めた。その質問はもっと大人にした方が良さそうだ。

「李さーん! いえーい飲んでるー!?」
 千颯の雄っぱい攻撃からようやく逃れた永平へ、今度は為久ガードを解除された晴久が突撃してきた。こちらも酔っ払いのようなテンションだが完全なる素面です。今握り締めているグラスの中身はジュースです。
「あれ、もう浴衣脱いじゃったの? 似合ってたのにっ!」
「いつまでも着てるわけないだろ」
「そっか残念。まあそれはさておき……キャシーさんの衣装、素敵だと思わない?」
 向けられた晴久の笑顔に永平は一瞬固まった。晴久は一層笑みを深めて永平ににじり寄っていく。
「李さんにもミニなドレスを着てほしいなー。せっかくだし化粧もする? メイクは任せろだよ!」
「誰がするか!」
「花陣さんも着よう♪ どういうのが好き? 一緒に好きな物選ぶんだよ。花陣さんが着たい物をって思うけど、迷うならタキシード! かっこいいと思うんだよ」
「なんで花陣はまともで俺には女装をさせるんだ!」
『あら、アタシはチャイナド……じゃなかった、チャイナ服を着て欲しいなって思ったんだけど』
 そこにワインレッドドレスが素敵な美魔女……もといロゼ=ベルトラン(aa4655hero001)が参戦した。チャイナ服……と呟く永平にロゼがさらに畳み掛ける。
『そうよーカッコイイやつ。それならどーお?』
「ま、まあ……そういうのなら」
『それじゃあ花陣ちゃんもご一緒に!』
 言ってロゼは永平と花陣の背中を押し、晴久へサムズアップした。晴久もサムズアップを返し、ここに「永平と花陣に衣装着せたい」同盟が設立される。


「黎夜ちゃんありがとね~ん。いつもお手伝いしてくれて嬉しいわ~ん」
 というキャシーの声に、黎夜は「うん……」と頷いた。今キャシーはキッチンで料理をしており、黎夜は手伝いを申し出ておつまみを皿に盛り付けている。
 かぐやひめんに初めて来たのは三年と少し前で、小学生だった黎夜がもうすぐ中学校を卒業するくらいの年月である。そう考えると非常に長いような、それでも短いような時間。
 ひょっとしたらこの先、キャシーお姉さんが困って依頼を出すことがあるかもしれないが。
 でもそうでなかったら。黎夜がキャシーに会いに来るのは年齢的に難しい。今日でお別れということだって起こりえるかもしれない。
「キャシーお姉さん……、もし、お店が続いてて、キャシーお姉さんがよかったら……、うちが成人した時にここで飲みにきても大丈夫、かな……? 具体的には、四年と、十ヶ月後くらい、だけど……。
 それから……今度、デートにお誘いして、いい……? どこかに、遊びにいきてーなって……。キャシーお姉さんの都合もあるから、行ける時に、なんだけど……遊園地とか、水族館で……」
 だから、黎夜は勇気を出してそう言った。キャシーは料理の手を止めて、とびっきりの笑顔で答える。
「もちろんよん。いつでも連絡してちょうだい。だって黎夜ちゃんとオネェさんはお友達でしょう?」
 そしてバチコーンとウインクをする。お友達と、キャシーはためらいなく、当たり前のようにそう言った。黎夜はその言葉に頬を緩め、キャシーを見て頷いた。
「……うん」


『永平さんも花陣ちゃんもとっても素敵よ。よく似合ってる』
 ロゼはハートを飛ばして己の作品をべた褒めし、永平は拳を握ってふるふるしていた。永平はロゼが呟きかけたスリットしっかりのチャイナドレス、花陣は白地に桃の花があしらわれた浴衣。作戦成功を祝し、晴久とロゼが両手を合わせてイエ―イする。
「李さん本当に似合ってるんだよ。この調子でミニなドレスも」
「着ねえって言ってんだろ!」
「ご無沙汰しています、永平さん。パンドラの件以来で……えっ?」
 永平が晴久に怒鳴ったところで、餞別の祝杯セットを渡しに高野信実(aa4655)がやってきた。そして永平の姿を見て固まった。真っ赤なチャイナドレスはどう考えても女性物。スリットから覗く太腿がすごい。
「さっきの浴衣といい……永平さんやっぱりそういう趣味が?」
「違う! これはお前のとこの英雄に着せられたものだ!」
 困惑して固まる信実に永平が必死に弁解し、その姿を晴久が後ろからパシャリした。般若の顔の永平に、晴久が天使の笑顔を向ける。
「李さん、一緒に写真撮影しよう?」

「……はあ」
 数分後、永平は普段の服装にきっちり着替えて戻ってきた。あの後晴久とロゼのダブル攻撃に遭い、ミニのドレス回避の代わりに写真撮影に応じたのだ。女子供には強く出られない弱点を的確に突かれている。
「永平さん、おつかれさまです」
 とGーYAが、少々の同情を込めて声を掛けてきた。「おう」と疲れた声で返す永平に、GーYAは今後について問い掛ける。
「古龍幇に戻ったあとはどうするんですか」
「兄貴の指示次第だな。とりあえずイントルなんちゃらの対応に当たるんじゃねえか」
 個人的な関わりも無くなるかなと思いながら、GーYAは右手を差し出した。永平と握手を交わしながら、彼の上司への言伝も頼む。
「劉さんにもよろしく言ってください。依頼……があればお手伝いしますって」
「ああ、伝えておこう」
 そして永平は離れていき、GーYAはその背を見送った。さてどうしようかと思ったところで、日暮仙寿(aa4519)と不知火あけび(aa4519hero001)がグラスを持ってGーYAの下へ歩いてきた。
「ジーヤ、元気そうで何よりだ」
「日暮さんと不知火さんも」
 GーYAは笑顔で応じたが、その脳裏を薄い本が彗星のように流れていった。H.O.P.E.オンリーイベントで出されていた仙寿とのカップリング本である。
 そして仙寿もまったく同じ薄い本を思い出していた。H.O.P.E.オンリーイベント(でジーヤと共に薄い本の餌食にされたの)が随分昔のことみたいだな。
 しかし、もう既に過去のこと。二人は思い出に蓋をしてグラスを交わし合おうとした。だが、そこであけびが何かを取り出し、思い出に乗せようとした蓋を粉々に破壊した。
『あ、まほらま! 約束してた仙寿サンド本持ってきたよ!』
 それはまさしく二人の脳裏をよぎっていった、共鳴後の大人仙寿と共鳴前の高校生仙寿×女体化ジーヤを描いた薄い本である。あけびが『読み終わったら貸す』とまほらまに約束していた品であり、今当人達の目の前で貸し借りされようとしている。
「俺とジーヤの目の前で堂々と貸そうとするなよ!」
「いやこっそり貸されてもそれはそれでいやだけど!」
 つまり「俺達をネタにしないでくれ」という切実なる叫びだが、乙女達は聞かなかった。むしろ目がきらりと光った。嫌な予感に後ずさろうとしたGーYAの腕を女子二人が左右から確保。と同時にあけびが晴久の姿を発見。
『ハル久しぶりー! あ、そうだお化粧協力してくれる?』
「お化粧って一体なに!? いやだ、俺もう女装はしなぃい!?」
 GーYAは全力で抗議したがそのまま引きずられていき、数分後、キャシーや晴久の技術により(仙寿サンド×女体化ジーヤ本の)表紙と同じ姿に変貌した。「っ……日暮、さん」と涙目で仙寿を見上げるGーYAに、あけびがテンションを上げて叫ぶ。
『似合ってるよ、可愛い! 仙寿様も並んで! ジーヤは表紙と同じポーズで!』
『そうそう。そのままGーYAの涙を拭いて。GーYAはその優しさに耐えかねて逃げ出して。ヒグラシはGーYAの腕を掴んで〈あいつじゃなくて、俺を見ろよ〉と……』
「薄い本を再現しようとしないで欲しいなまほらまさん!」
『為久! せっかくだから仙寿様と軍服合わせを! あ、仙寿様は共鳴で行こう! それで“お仕置きだ”って言ってみて! 録画するよ!』
「ボクからもお願いなんだよ兄様! キャシーさん軍服ってあるかな?」
 あけびと晴久の要望に「もちろんあるわよ~ん」とキャシーはバチコーンとウインクを飛ばした。GーYAは女装姿で床に座り、疲れた顔でぽつりと呟く。
「この中に薄い本の作者って居ないよな?」


『おい、この店に来るの俺は初めてなはずなんだが、なんだか初めてじゃない気がするぞ……』
 Bradley(aa4913hero002)は店を見回ししきりに首を傾げていた。来た覚えは一切ないのに何故か来たことがある気がする。こんな濃い店、一度来たら忘れるはずがないのだが……。
「気のせいじゃないー? 細かいことは気にしないで楽しも!」
 プリンセス☆エデン(aa4913)はBradleyの訴えをあっさり切り捨て、Bradleyも『……? ま、いいか』とあっさり疑問を打ち切った。初めてではない感じ継続中だが考えても仕方がない。それにここはバーである。バーですることは飲食を楽しむことである。

 伊邪那美は興味津々でキャシーの巨体を見上げていた。色々な意味で今まで自分の周りに居なかったタイプである。どう見ても男性だが服装や喋り方は女性。頭に飛来した質問をそのままキャシーに投げ掛けてみる。
『ねえねえ、キャシーちゃんって男の人なの? それとも女の人?』
「とっても難しい質問ねえ……あたしのことはオネェさんっていう人種だと思ってくれれば嬉しいわ~ん」
 答えになっていない気がするが、とりあえず男性でもなく女性でもなく「オネェさん」であるらしい。『そっか、オネェさんか』と伊邪那美が納得したところに、今度はエデンが元気はつらつで現れた。
「キャシーちゃん、そのドレスかわいーずるいーあたしも着たい!」
『お色直しするの? だったらあたしも!』
『ボ、ボクも! ボクも着ていい? あとキャシーちゃんにもいろんなお洋服を着てほしい!』
 楽しそうなイベントの気配にLady-Xも参上し、伊邪那美もぴょこぴょこしながら全力で手を挙げた。キャシーはミニウエディングドレス姿でたくまし過ぎる胸を張る。
「もちろんよ~ん。どれでも好きなの着てちょうだ~い。オネェさんへのリクエストも全力でお受けするわ~ん」
 かくして女性陣(?)はきゃっきゃしながら貸し衣装を選び始めた。まずは全員大好評のミニウェディングドレスに着替え、ブーケもつけて写真をパシャリ。
 

「……永平、ガイル。ちょっと」
 黎夜は永平とガイルの下へ赴くと、二人をこちらに振り向かせた。黎夜は男性恐怖症を抱えており、男性と会話をすることさえも怖がっていた。
 けれど今は。それなりに近付いて、きちんと二人の目を見据えて。たどたどしさは随分消えた、しっかりとした口調で告げる。
「永平。古龍幇に戻った後、頻繁に会えるかわからねーから、今、ちゃんと言う……。古龍幇とH.O.P.E.の関わり、最初はどうなるかって思ってた。でも、楽しかった。ありがとう。
 ガイル、NINJYAのシュギョウの結果、時々聞かせてな……。物盗られたりはダメ、だからな……。
 二人とも、また、一緒に戦える日が来たら、よろしくな……」
「……ああ、よろしく」
「こちらこそヨロシクでござるよ!」
 永平は微笑みながら、ガイルは元気いっぱいに黎夜に応えた。そこに「李くん、帰っちゃうのかー」と、すみれ色のドレスにチェンジしたエデンがぱたぱたやってくる。
「たまには遊びに来てね。んで、あたしのライブ見に来てね。あたしも香港に遊びに行くね! そのときは色々と案内してね! 香港は夜景がきれいなんだよね、楽しみー!
 そだ、このまえ真人くん……ステージに会ってきたよ。顔色悪かったけど、割と元気そうな感じだった」
 永平も関係者なので一応ご報告することにした。永平は割とやわらかい口調で「そうか」と言い、エデンは満面の笑みで元気に「うん!」と声を返した。

「はじめましてガイルさん! 琥烏堂晴久十五歳です☆ ハルちゃんって呼んでね♪」
 為久の軍服姿をほくほくと撮り終えた後、晴久は今度はガイルに声を掛けに来た。星と音符を飛ばした後、晴久はガイルとデランジェの全体をじっと見つめる。
「ガイルさんとデランジェさんは……忍者なの? ボクの知ってる忍者とは何か違うんだよ?」
「ミーはNINJYAでござるよ!」
『デランジェちゃんはASSASSINよ~ん。誰か殺したい人がいればよろしくねん』
 ガイルは元気いっぱいに答え、デランジェはウインクを飛ばしてきた。何か色々回答になっていない気がするが。
「まあとりあえず、修行の門出を祝って、かんぱーい!」
 乾杯を交わす三人を、軍服姿となった為久は少し離れて眺めていた。NINJYAのことはよく知らないが、褌一丁でハルの前に立つことがあれば外に放り出すつもりであった。上半身くらいならいいが下は良くない。断じて良くない。
 だがガイルは既に着替え、今はやけに派手なNINJYA装束に身を包んでいる。セーフ。なおキャシーについては……ギリセーフ。
『乾杯? 私も混ぜて混ぜて』
 と、そこに仙寿を連れてあけびもやってきた。あけびは持ってきたものを脇に置き、まずはガイルと握手を交わす。
『世界最強のNINJYAになるんだって? 全力で応援するよ! 私もNINJYAとSAMURAIのハイブリッドなガールを目指します!』
 変なスイッチが入ったな。と仙寿は密かに思った。「NINJYA!」『SAMURAI!』と盛り上がるガイルとあけびを放置して、仙寿はデランジェに話し掛ける。
「デランジェとももっと話したかったんだが残念だ」
『あらそうなのん? だったら今度帰ってきた時にゆっくりお話しましょ。デランジェちゃんもその時を楽しみにさせていただくわん』
『あ、そうそう、これ餞別!』
 あけびは幻想蝶から品の良い羽織袴を取り出した。ガイルは蜻蛉柄、デランジェは牡丹柄。ガイルもデランジェも素敵な品に目を輝かせて笑顔を見せる。
「ビューティフォーでござる!」
『素敵。ありがとねん』
『どういたしまして! それじゃあ改めまして、かんぱーい!』
 言ってあけびは脇に置いた品……大吟醸をグラスに注ぎ、一同と杯を交わし合った。仙寿は苦笑し、大吟醸の瓶を自分の傍に置く。注ぐのは自分の役割になるだろうから。


「いやー、なんか本当、すごいっすね」
 信実は飲食しながら皆のお祭り騒ぎを眺めていた。ステージではエデンが、
「キャシーちゃん、デュエット歌おー? キャシーちゃんがドレスなら、あたしはタキシード着るね!」
 とキャシーに声を掛け、タキシードを身にまとってデュエット曲を披露している。今日はもう一人の英雄(お世話役)がおらず、Bradleyは困った時は助けるが基本エデン放置スタイル。なので本日のエデンはノンストップで突っ走る!
『ん、つまみだけじゃ足りんな』
 Bradleyは適当に話したり、食べたり飲んだりしていたが、おつまみだけでは足りなくなった。なのでデュエットが終わったところでキャシーに声を掛けに行く。
『すまんが、なにか料理を作ってくれないか?』
「はいはい、なにがいいかしら~ん」
「ひな祭りなもの食べたい! ちらしずしとか!」
 Bradleyがお願いする前に、エデンが元気に手をあげてリクエストを投入してきた。ちらしずし……とBradleyは一瞬悩んだが、『ま、いいか』と結論付けた。足りなくなったらまた後でお願いする手もあるし。
『キャシーちゃん、アタシもご一緒していいかしら。唐揚げとかミニハンバーグとか家庭料理は得意なの』
 キャシーがキッチンに向かったところでロゼが声を掛けてきた。断る理由は一切なく、キャシーは嬉しげに笑みを浮かべる。
「助かるわ~ん。ありがとう」
『それと、後でベランダを使いたいんだけど、いい?』
 料理ができた後で、とロゼは言い添えた。キャシーはもちろんよんと答え、ロゼは一瞬だけ寂しそうな笑みを浮かべた。


「君には色々と助けてもらったな、ありがとう。君と出会えて本当に良かった」
 無月とジェネッサは永平を訪れ感謝の言葉を述べていた。「そんな大したことはしちゃいないぜ」と永平はそっけなく言い、そんな永平の様子を見てジェネッサは顎に指を添える。
『ん~、なんかぶっきらぼうだな~……ねぇ、ひょっとしてボク達のことが嫌い?』
 そして瞳をウルウルさせた。永平はギクリという顔をした。ジェネッサは中性的な顔つきでしゃべり方も青年ぽいが、立派なレディの一人である。しゅんとした声。ウルウルおめめ。女性にそんな真似をされて強気に出れる永平ではない。
「べ、別にそういうわけじゃ……」
『だよね! じゃあボクと一緒に飲もう! 花陣君も良いよね?』
 永平から返事が来た瞬間、ジェネッサはニヤリとし、永平の前にドンとお酒の瓶を置いた。キャンディを肴にして飲み明かすつもりである。
 その間に無月は一人、ガイルの下へと赴いた。他の皆と同じく、武者修行の件については最初の挨拶で聞いている。
「そうか、君は武者修行の旅に出るのか……。
 出来れば、仲間と協力して戦う技能も磨いておくといい。任務を一人でこなすだけでなく、仲間と協力することも出来る者こそ一流の忍び。君ならそれが出来ると私は信じているんだ」
 そして祝杯セットを取り出し皆と一緒に酒を飲む。宴もたけなわといって差し支えない状況だ。杯が空になったところで無月はそれを静かに置き、改めてガイルに視線を向ける。
「ガイル君、これから私と勝負してみないか?
 こう見えても私は本物の忍びだ。私との勝負は君にとってもいい経験になると思うが、どうかな?」
 試合場所はビルの屋上。キャシーに許可を求めると「他のみなさまのご迷惑にならないなら」と条件を出された。騒がしくしない、何も壊さない、事故を起こさないと約束し、ジェネッサとデランジェにも声を掛けて屋上へ向かう。
 怪我をして戻っては楽しい場を壊してしまう。なので双方ともダメージの出ない武器を使う。共鳴して対峙し、ガイルは二挺拳銃を構える。無月は何も持たずに告げる。
「……行くぞ」
「行くでござる!」
 先制を取ったのは無月だった。ガイルへと駆け出しながら牽制に縫止の針を飛ばす。ガイルはそれを横に躱すと、同時に拳銃の引き金を絞った。弾丸は無月へと真っ直ぐに飛んだ。が。
「こっちだ」
 命中した瞬間、無月の姿は影に溶け、次の瞬間には影渡でガイルの背後を取っていた。ジェミニストライクで姿を増やし二方からガイルに蹴りを入れる。ガイルは振り返り拳銃を無月に向けようとしたが、それより先に無月の刀がガイルの首に突き付けられる。
「……ミーの負けでござる」
「君の想い、見させてもらった。その想いが続く限り君はどこまでも強くなる。そう、私以上に、な」
 無月は覆面の下で笑み、ガイルと同時に武器を仕舞った。共鳴を解いてから、ガイルに優しく瞳を向ける。
「言ってみれば、私は月で君は太陽だ。一見、相反すると思うだろうが、両者に共通していることがある。
 それは、善悪問わず全ての人を平等に照らすと言うことだ。私は、君にそういう心を持つニンジャになって欲しいんだ」
 それを伝えたいのもあってこのような形を取った。ガイルはしっかり無月を見つめ「リョウカイでござる!」と元気に応えた。
「さあ、それでは戻ろうか。ジェネッサもまだまだ飲み足りないようだから、な」


『信実クン、いいかしら』
 とロゼに呼び出され、信実は何も言わずにベランダへとついていった。
 自分の過去と想い、そしてこれからについてを伝える。ロゼは信実に視線を合わせ、痛さと寂しさを織り交ぜた微笑みを添えて口を開く。
『アタシがパンドラちゃんに心惹かれた時、それでも信実クンはアタシを護ってくれたわよね。一時でも裏切ってゴメンなさい。それと……ありがとう。
 アタシはパンドラちゃんの改心を信じた。誰だって過去を捨てて変われるんだっていう「希望」が欲しかった』
 言いながら左の手首に巻いたリボンをほどいていく。その下にあったのは傷痕だった。それを確と、信実の瞳に映させながら言葉を続ける。
『信実クンと会う前、アタシには誓約者がいたわ。そのヒトはアタシのカラダを売る商売をしていた……アタシは貴方が思う様な「キレイな」女性ではない。
 過去は消えない、人は変われない。でも受け入れてくれる人がいればやり直せる。貴方が教えてくれたことよ。
 ……アタシはこの秋、旅に出るわ。アナタの第二英雄……アタシにとってはパパ同然の人と、よ。パパは元の世界に帰る研究に携わるわ。アタシも手伝うために行くの』
 信実は何も言わなかった。ロゼの想いも、今まで語られなかったロゼの過去も、ずっと真剣な顔をしてじっと黙って聞いていた。
 だが、ロゼが去ると聞いた瞬間、ぼろりと涙が零れ落ちた。涙は絶えず、むしろ量を増やしていき、ついに信実は堪え切れずに顔を覆った。号泣する信実の額に恋人のような口づけを落とし、それから今度は腕を伸ばして母のように抱き締める。
『つくりましょう、思い出を。いずれ来る別れの日まで。好きよ。愛してる』
「ぐ……う……っ」
 それは今すぐではない。けれどあと数か月で訪れる。受け入れるにはあまりにも、重く、大きな、喪失だ。
 けれど。信実は息を吐いた。涙はまだ止まらないし、息を整えるのも辛い。けれど。
「ただいまって言える場所を、幸せを、温もりをくれてありがとうございました。
 ロゼさん! あなたに会えて良かったっす……!」
 信実は笑った。涙しながら笑顔を見せた。限られた時間で思い出を作っていこう。どんな別れが待ち受けていても、こうして一緒にいられる『今』を、一所懸命生きていこう。
 もう泣かないと、信実は心の中で誓った。さよならを言う日が来てももう泣かないから。だから、もう少し。
 今は、もう少しだけ。


『永平殿、ちょっと良いでござるか?』
 白虎丸はちょいちょいと永平を手招きした。そして誰もいない所に連れ出し、さらに誰の耳にも入らないよう声を潜める。
『あの馬鹿が……千颯が必要以上に巫山戯るのは、自分の本当の心を誰にも見せないようにしようと直ぐ逃げようとするからでござる。本当は永平殿達とは別れたくないのでござるよ。
 お願いでござる。あの馬鹿がもう少し自分の心に向き合えるように、永平殿の気持ちをぶつけて貰えないでござろうか』
 よろしくお願いするでござる、と白虎丸は深々頭を下げ、さらに屋上で待っていて欲しいと永平に頼み込んだ。
 永平は「あまり期待すんじゃねえぞ」と言いながら屋上へと歩いていき、白虎丸は『屋上に来て欲しい』と今度は千颯に声を掛けた。「なんだよ~白虎ちゃん話があるって……」と言いながら屋上へ上がった千颯は、そこで永平の姿を認め「あれ?」と思わず声を零した。
「あっれ~今日の主役がこんなとこ居ていいの~?」
 千颯は状況を即座に理解し、茶化すような笑みを作ったが、内心では策を弄した相棒へ悪態をついていた。
「(ちっ、あのお節介白虎め、余計な入れ知恵しやがったな)」
 千颯は友人が多い。だが「特別な誰か」とまで呼べる者はひとりもいない。
 来る者拒まず去る者追わず。
 そうすればあの時のように、大切な誰かを失う悲しみを味わうことはないから。
 出会った人全てを大切に思ってしまう、それが千颯の本質だ。
 袖振り合うも他生の縁。
 一度でも繋がりを持った相手は本心では大切に思っている。
 本当は別れは寂しいし辛い。会いに行けばいいとわかっているが、その勇気は千颯にはない。
 別れたら会いにはいけないという自分がわかっている、だからこそ心に仮面をつけて誤魔化すのだ。
 千颯はおどけるような態度を見せたが、内心では警戒していた。白虎丸が何を言ったかわからないが身構えずにはいられない。
 永平は千颯を一瞥し、がしがしと頭を掻いた。そして放たれ第一声は思いも寄らぬ言葉だった。
「俺は死なねえぞ」
「……え?」
「お前言ったろ。『死ぬなよ』って。その時の返事、してなかったと思ってさ」
 確かに言ったが、まさか今返事を貰うとは思っておらず千颯はしばし呆気に取られた。永平は気まずそうに視線をうろうろさ迷わせ、頭をがしがし掻き続ける。
「俺はこういうの、苦手だからさ。なんて言えばいいのかよくわからねえが……その。
 こ、これからも、こっちには来ると思うから……その時に、また飲もうぜ。今回で最後って、そんなことはないだろう」
 千颯が会いに行けないなら、永平が会いに来る。その言葉が、千颯の心情を理解して出たものかはわからないが。
「まったく永平ちゃんは素直じゃないねー。俺ちゃんと離れるの寂しいの~?」
「さっ!? そ、それはお前の……」
 永平は言い掛けたが、しかし慌てて口を閉ざした。白虎丸に言われたことは明かさないつもりのようだ。
「(バレバレだっつうの)」
 千颯は笑みを漏らし、永平の肩に腕を回した。本心を明かせる日が来るかどうかはわからない。それでも。
「そうだなー永平ちゃんがどうっしても俺ちゃんに会いたいって言うのならー、雄っぱい一回で……いて」
「調子に乗るな」


「やぁ、ちょっといい?」
 千颯と永平が戻ってきてからしばらくして、今度は佐倉 樹(aa0340)が、誰もいないのを見計らって永平に声を掛けた。キャシーに断ってベランダに連れていき、
「まずは、帰還決定おめでとう。もうすっかり身近になってたから寂しいね」
 と切り出した。永平は樹の右目に視線をやり、それに気付いた樹は包帯を軽く叩く。
「右目? コレを対価に得た情報は古龍幇の名誉でもあったでしょう? だからこのままのつもり。
 贅沢言ってもいいなら『古龍幇』から『龍』の文様入りの眼帯を賜りたいかな。劉さんとか他の皆さんにきいてみてもらえる?」
 永平は頷いた。樹は「よろしくね」と言葉を添え、それから永平の方へと一歩、一歩と足を進める。
「……せっかくだからここでネタばらししようか。前に贈り物したでしょう?」
「ああ」
 樹はイタズラが成功した子供のような笑みを浮かべた。永平が聞きもらすことがないようにと、ことさら丁寧に音を紡ぐ。
「うちの英雄達には≪色の告白≫っていう風習みたいなものがあってね、それに沿った贈り物だったんだ。黄色は尊敬、白は感謝、黒は謝罪。
 ……青は男性から、赤は女性からの『好意』のアピール。同性に贈るのは『友情』を意味するけど、異性へは『好意や恋』を意味するんだって」
 永平は一拍置いてから「……えっ!?」と声を漏らした。確かに樹から『赤』を贈られたことは、ある。随分と間の抜けた反応の永平に、樹は笑みを穏やかなものへ。
「びっくりした? したら大成功。つまりそういうことだったんだよ。私はキミのことが好きだよ、永平。
 だから此処から先はキミを追いかけるよ。逃げるならがんばって逃げてね。佐倉の血筋も水落の血筋もどちらも執念深いから」
 樹は永平との距離を完全に詰め終わると、
「それじゃあ永平。『また』ね」
 そう言った。にんまりとした笑みを浮かべて。そして言うだけ言って満足そうに一階へと戻っていった。ひとり残された永平は髪をぐしゃりと掻き上げる。
「……まいった」


「そういえば日暮さんは、H.O.P.E.の法務部で働くために大学へ行くんだったね」
 GーYA(女装解除済)の言葉に仙寿は頷いた。仙寿もあけびも日暮邸近くの有名大学に合格した。仙寿は法学部。今後現行の法では対応出来なくなる可能性が高い。その時のために学びたいと思っている。一族の暗殺業を終わらせ、「剣術指南役」としての日暮家を打ち立てたいとも。
 あけびは文学部。世界の思想・歴史・言語文化・行動科学を学ぶことで仙寿のサポートをしたいと思っている。そしてあけびも、ゆくゆくは仙寿と同じく法務部に。
「俺は異世界に飛び込……むくらいの気持ちでっ! 現場の最前線に立とうと思ってる。未知の脅威に立ち向かうのは力を持った俺達がやるべきことだと思うから」
『大丈夫、無茶はさせないつもりよ。でもそうね、あたし達が遭遇した問題点に、日暮率いる法務部が素早く判断して現場に返してくれるなら動きやすくなるわ』
 GーYAは拳を握り締め、まほらまはGーYAの肩に手を乗せながらウインクした。GーYAが仙寿に右手を差し出し、はにかみながら口を開く。
「前に舞踏会場で、声をかけてくれありがとう、って言ってくれたけど、こちらこそだよ。友達になってくれてありがとう。これからもよろしくな」
「ああ、こちらこそ」
 仙寿はGーYAの右手を取り、改めて固い握手を交わす。まほらまとあけびは微笑んでそれを眺めていたが、
『ちょっと飲み物取ってくるわね』
『あ、私も私も』
 とその場を離れていった。
 GーYAは思う。かつて、大人になる前に心臓が機能しなくなると告げられた。その先を閉ざされ、英雄によってその先を生き、皆と繋いだ絆で勝ち取った「今」。
 世界が未来へと俺の背中を押すなら進んでいこう、まほらまと一緒に。
 そのためにはまず、まほらまに告白してプロポーズを……。
『でね、いつかあたし達に子供ができたらあけびの所で預かってもらえないかしらぁ。
 依頼で何日も帰れないこともあるだろうし、道場に通わせるのもいいかもね』
 だが、そんなGーYAの思考は、他でもないまほらま本人によって吹き飛ばされた。女の子って現実的だ。しかもGーYAの数倍先を行っている。焦るGーYAの横で仙寿が「言われているな」と苦笑を漏らす。
 でも、そんな未来もいいな。楽しく食べて飲んで観戦して、思い描いて笑みを浮かべる。
 思い切り今を楽しもう、そして未来へ。
 先の先へ。


 Bradleyは涼むためひとりベランダを訪れていた。
 酒に火照った体に夜風が染みて気持ちいい。遠くの夜景を眺めながらひとりぼんやりしていると、その裾を誰かにくいくいと引っ張られた。視線を落とすと追いかけてきたエデンが、常にない真剣な表情でBradleyを見上げている。
「ね、ブラッドリー。あたしこれからも歌って踊れるアイドルエージェントを続けていくんだ。
 三人ユニットずっと続けたいんだ。そのためにはブラッドリーが必要なの。
 これからも一緒にいてくれる?」
 Bradleyは一瞬宙を見上げた。だがほんの一瞬だけで、すぐに視線をエデンに戻して口を開く。
『嬢ちゃんといると楽しいし、構わんぜ』
 非常に軽い返事だったが、エデンは一切構わなかった。満面の笑みを浮かべBradleyの後ろから抱き付く。
「やたー、嬉しい! これからもよろしくね!」
 Bradleyからしてみると、騒がしいペットに纏わりつかれているような感じだったが、エデンといると楽しい、という言葉に嘘はない。自分といれて嬉しいと全力で喜ぶエデンの姿に、笑みがこぼれてしまうのをBradleyは自覚していた。


『大丈夫か? なにか複雑な顔をしているが』
「……ああ、大丈夫」
 為久からの問い掛けに永平は片手を上げた。『まぁ、なんだ、飲むか?』とグラスを勧めると、「サンキュー」と言って永平は受け取った。
『世話になったな。古龍幇では黒兵に戻るのか?』
「まあ、それができればな」
『そうか。向こうでも達者でな』
『俺もちょっとよろしいですか』
 と、為久と永平の下にアーテルが顔を出しに来た。アーテルは二人と杯を交わした後、永平に別れの前の質問を投げ掛ける。
『初めて会った時のこと、覚えていますか?』
 ガイルが古龍幇の幹部を殺害したと疑いをかけられた時のことだ。
『相手が冷静さを失っているなら時間稼ぎになるだろうと替え玉として動いた訳でしたが……あの時は騙してごめんなさいと、今更ながらに。それから、黎夜を斬らなかった事に感謝、ですね。
 H.O.P.E.の移籍……橋渡しを頼まれた時は不本意だったかもしれません。数年間のH.O.P.E.での生活、戦い、いかがでしたか?』
「悪くなかったよ」
 間髪入れずに永平は言った。それから「気にすんな」とも。アーテルは笑みを浮かべ、グラスを持ったまま立ち上がる。
『それじゃあ俺はキッチンの方に行ってますね。なにかリクエストはありますか』
「炒飯。べちゃべちゃしたヤツ」
『わかりました。少々お待ちくださいね』


 バルタサールはずっとひとり、端の方でいたたまれない感じでウィスキーを呷っていた。
 先にも述べたようにこの店の空気がもういたたまれない。Lady-Xは色んな人に絡んだり、エデンや伊邪那美と貸し衣装を堪能したりと場を楽しみまくっていた。が。
『バルちゃん、なにしみったれた顔してんの、もー。コミュ障なんだからー』
 端にいるバルタサールを発見し、連れ戻すべく腕を引っ張った。連れ戻すと言ってもバルタサールの定位置は最初からずっと端の方だが、Lady-Xは腕を引っ張り、そしてふと思いついた。
『バルちゃんひとりでいたら、きっとさみしーく孤独死しちゃうからさ、仕方ないからあたしが老後まで面倒みてあげるよ』
「…………………!?(何っ)」
 さすがにバルタサールも反応した。声になってはいなかったが。もうひとりの英雄とは別の依頼で、今後もエージェントとしてパートナー関係を続けることを取り決めした。
 が、Lady-Xとは殆ど働いていないため、正直なところ、どうしようかなと考えていたバルタサールであった。
 が、フツーに今後も居座ることが流れで確定しようとしている。
「…………」
 バルタサールは考える。Lady-Xの奔放さにはついていけないことも多いが。
 しかし、自分と、もうひとりの英雄にはない、この底抜けの明るさがあっても、まあいいのかなとも思う。
(毎日だと疲れるが、すぐ旅に出るので、たまになら良いのかもしれない……)
『稼ぐのはあっち(もうひとりの英雄)に任せるから、あたしは華やぎ担当ってことで☆』
 と星を飛ばして言いながら、Lady-Xはずるずるとバルタサールを引きずっていった。諦めて引きずられながら、バルタサールはさすがに思う。
 それは自分で言うことではないような気がするが。


『じゃ~ん、どうかな? ボクのプロデュースは?』
「……お前は何やってるんだ?」
 恭也は真面目な顔をして心の底から突っ込んだ。恭也の視線の先、そして伊邪那美の示す先には、舞踏会みたいなドレスを着た酔っ払いガイルの姿が。
『ガイルちゃんとはこれでお別れに成っちゃうでしょ。だったら最後が泣き顔よりも笑顔の方が良いかなと思って』
 というわけで酔って判断能力が下がった人から、キャシーの協力を得て強制的にコスプレさせたのだ。ガイルは栄えある生贄第一号である。
「別に今生の別れってわけじゃ無いんだがな……酔いが醒めたら地獄絵図になりそうだ」
 恭也は心の中で手を合わせた。酒で失敗したくなければ酒を飲まなければいい。元も子もない。だが一理はある。

「あけび、こっち」
 仙寿はグラスを持つように指示し、あけびを暗がりへと呼んだ。不思議そうな顔をするあけびに、仙寿は自分のグラスを掲げる。
「乾杯。合格祝いに」
『そうだね。乾杯』
 カツン、とグラスをぶつけ合う。あけびのグラスはアルコールだが、仙寿が持つのはノンアルだ。甘い液体を流し込みつつ、ちらりとあけびに視線を向ける。
 最近、あけびは友人の前では、俺を自然と呼び捨てするようになってきた。
 完全に呼び捨てにする日も近い。慣れることは大切だ。
 というわけで慣れさせるために、とりあえず人目のつかない所で急接近してみることにする。
『仙寿、ちょっと近くない?』
 急に近付いてきた仙寿に、あけびは上目遣いでそう言った。ものすごく可愛いが、顔をゆるめている場合ではない。
「いいだろ別に。これからずっと一緒なんだから」
 真顔でそう言った仙寿に、あけびは目を丸くした。そしてくすっと吹き出し、仙寿のグラスにもう一度自分のグラスを軽くぶつける。
『うん、そうだね』

 ユフォアリーヤはまだすんすんしていた。遊夜はよしよしとユフォアリーヤを撫でながら、ふと頭に飛来した思い付きを口にする。
「そうだなぁ、前よりは余裕があるだろうから追いかけに行くのも悪くないだろうさ」
『……ん、ん』
 古龍幇まで会いに行ったり、NINJYAの足跡辿ったり……アリだな!
 ま、今はただ最後までこの光景を見続けるとしようか。
 思い出を心に刻むのだ。

 バルタサールはLady-Xの指令で皿洗いをしていた。あの後も度々端に戻ったのだが、その度に引っ張り出され……「(-_-#)」というバルタサールを脇に添え、Lady-Xはごきげんに告げる。
『ありがとう、とっても楽しい!』
「そう言っていただけるとうれしいわ~ん」
「キャシーさん、お皿はここでいいだろうか」
「ええ。無月ちゃんもありがとうね~ん」
 それじゃみんな飲みましょう、とキャシーは一同の背を押した。バルタサールは端に行こうとしたが『バルちゃんもこっち~』とLady-Xが引きずって行く。
 宴はまだ続く。伊邪那美はプロデュースの出来栄えを色々な人に見せに行き、信実はロゼと並んで楽しそうに笑っている。エデンとLady-Xのドレスを『とても綺麗ですよ』と為久が面の下で笑んで褒め、ユフォアリーヤは耐え切れずガイルにすりすりしに行った。
 お開きまでいるつもりで、無月は再度ソファの上に腰を下ろした。そして皆と一緒に杯を傾けながら祈る。
 皆の未来に幸多からんことを。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 薄明を共に歩いて
    木陰 黎夜aa0061
    人間|16才|?|回避
  • 薄明を共に歩いて
    アーテル・V・ノクスaa0061hero001
    英雄|23才|男性|ソフィ
  • 雄っぱいハンター
    虎噛 千颯aa0123
    人間|24才|男性|生命
  • ゆるキャラ白虎ちゃん
    白虎丸aa0123hero001
    英雄|45才|男性|バト
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • 深淵を見る者
    佐倉 樹aa0340
    人間|19才|女性|命中
  • 深淵を識る者
    シルミルテaa0340hero001
    英雄|9才|?|ソフィ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • ハートを君に
    GーYAaa2289
    機械|18才|男性|攻撃
  • ハートを貴方に
    まほらまaa2289hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • Trifolium
    バルタサール・デル・レイaa4199
    人間|48才|男性|攻撃
  • エターナル・ニクヤキマス
    Lady-Xaa4199hero002
    英雄|24才|女性|カオ
  • かわたれどきから共に居て
    日暮仙寿aa4519
    人間|18才|男性|回避
  • たそがれどきにも離れない
    不知火あけびaa4519hero001
    英雄|20才|女性|シャド
  • 特開部名誉職員
    高野信実aa4655
    人間|14才|男性|攻撃
  • 親切な先輩
    ロゼ=ベルトランaa4655hero001
    英雄|28才|女性|バト
  • Peachblossom
    プリンセス☆エデンaa4913
    人間|16才|女性|攻撃
  • エージェント
    Bradleyaa4913hero002
    英雄|62才|男性|ブラ
  • 奪還屋
    琥烏堂 晴久aa5425
    人間|15才|?|命中
  • 思いは一つ
    琥烏堂 為久aa5425hero001
    英雄|18才|男性|ソフィ
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