本部

【宇宙開拓】暗夜焼き尽くす閃光

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
5人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2018/06/11 09:17

掲示板

オープニング

●大反撃

 宇宙にあふれかえる従魔たち。その多数をリンカー達の活躍によって、前回打ち破ることに成功した。
 さらにである。
 宇宙拠点に天翔機、つまり背中に翼を生やして飛ぶ機械の充電施設が設置された。
 これによりリンカーたちは宇宙の不自由から克服された。
 翼を操作することによって自由自在に宇宙を駆け廻ることができ戦えるようになった。
 さぁ、見よ、その翼の輝かしきこと。
 グロリア社によって集められたリンカーの先発隊は隊列を組み、その翼を大きく広げて敵の陣形を食い破る。
 高密度の霊力の塊であるそれは体やAGWに力を与える。
 その勢いでインベーダーたちを散り散りに、そして倒していく。
 その時だ。
 リンカー一人が広範囲を薙ぎ払うと爆炎の向こうに何かが見えた。 
 もともとは敵がわらわらと集まり視界をさえぎっていたのだが、その一部分から従魔が焼失したことで隠されていた何かが露わになったのだ。
 それは緑色の巨大な卵のようで、その周囲に空いたあなから大量の従魔が送り出されている。
 それは卵というには巨大すぎ、月よりは小さいがそれでも星と言えるほどの大きさ。
 多数の従魔反応。あれが巣のようだった。
「いったん撤退する。支援を」
 告げたリンカーは振り返り、他のリンカー全員に声をかける。
 しかしその撤退は叶わない。
 突如弧を描いて飛来した長刀がリンカーの腹部を食い破ったのだ。その長刀はブーメランのように戻ると、その手に握られる。

 愚神名 コレクター

 この宇宙に君臨する残虐なる兵士である。
 そして愚神は笑うと長刀を振りかざす。
 今度は排水の陣。敵は、どうでるだろうか。 



● 作成できる施設(連結可能施設一覧)
 詳細説明については過去の宇宙開拓を参照していただけるとありがたいです!  ありがとうございます!!

・ 生活管理室【必要理解度1 物質重量1】
 最初に連結した場合、皆の理解度が3上がり、これ以降連結に成功すると1ずつ効果が上がっていきます。
 生活管理室の連結されている数によって新しい施設が追加されるかもしれません。

・迎撃砲台【必要理解度3 物質重量1】
 インベーダーを迎撃する施設。
 設置した数によって連結時に襲われる危険性を減らせる。

・戦闘準備室 【必要理解度18 物質重量32】
 最終的にはこの施設を作ることが目的。
 リンカーの戦闘指揮や、回収、再出撃などさせるための施設。
 戦闘準備室を稼働させるためには『生活管理室』『ソーラーパネル』『マスドライバー』の連結が必要。

・採掘室【必要理解度4 物質重量1】
 隕石から希少な鉱石を取り出す。
 参加したリンカーの報酬(G)を一定数増やす。
 この効果は重複する。

・ソーラーパネル【必要理解度7 物質重量2】
 リンカーをサポートするためには多大な電力を消費する。それをサポートするために必要。
 

・医務室【必要理解度3 物質重量1】
 リンカーが重体程度の傷を負った場合。重体を回復し生命力0点で地球に送り返す施設。 


・ 無重力下研究施設【必要理解度14 物質重量14】
 宇宙でしかできない研究を行う施設。これを作ると全員の理解度が2上昇し、新たな施設が連結可能施設一覧に登場する。

ブースター【必要理解度11 物質重量1】
 これは複数連結する場合。連結する個数分必要理解度が上がります。 
 ブースターは拠点を移動するためのものです。
 一つのブースターで物質重量50までの施設を動かせることになります。

・NEW マスドライバー【必要理解度30 物質重量2】
 リンカーを高速射出するための装置。全長30メートルの砲塔にリンカーを二重の霊力コーティングをして放り込み射出する。
 音速を超える速度でリンカーを叩きつける上に、リンカーがそれなりの訓練を積めば、武器を振り回しながら飛んで行けるので直線状の敵を皆殺しにできることはもちろん。硬い装甲などもやすやす貫ける。 
 ただし、リンカーにはそれなりの生命力が要求される。

● 鋼の翼か、翼か

 今回は小型シャトルに武装を施したものか。天翔機で戦闘に出ていただきます。
 小型シャトルはAGWとして扱われ荷物を載せることができますが破壊されると飛べなくなります。
 一長一短ですので戦闘スタイルに合わせてください。


〈小型シャトル改―プロミネンスー〉積載可能物質重量8 

装備  
・近距離AGW拡張
 近接系AGWを拡張し、巨大化して装備します。攻撃範囲が+5SQされます。

・遠距離AGW拡張
 遠距離系AGWを拡張し、巨大化して装備します。攻撃範囲が+7SQされます。

〈小型シャトル改―メテオ―〉積載可能物質重量8 

・防御系AGW拡張
 盾や防具と言ったAGWを大型化しシャトルに搭載します。
 1ラウンドに1回のカバーリングおよび。1ラウンドに1回の両防御力+300のボーナスを得ます。

・AGW攻撃力拡張
 AGWに大型霊石を接続することで単純にスペックをあげます。AGW一つのステータスを1.3倍します。



《エネルギーウイング・メギド》

 戦闘を想定し作られており、翼が自動で攻撃、防御の補助を行うように設定されている。
 その翼は巨大になりがちだがコントロールすればオーラのように纏うこともできるようになる。
 さながら神の再現である。
 両攻撃力を+150し、両防御力を+50する。


《エネルギーウイング・フレア》
 エネルギーを収束コントロールすることに秀でた翼。
 この翼を装備するとあまりの速度に、分身したようにみせたり、ブレーキと急加速で視界から急に消えたように見せられる。
 もともとレーシング用に開発されていた翼であり。持続力と自在に飛ぶことに秀でている。
 イニシアチブに+3 回避+200






解説

目標 コレクターの討伐。

●ケントゥリオ級愚神 コレクター
 リンカーたちのAGWを体に直接つなぎ戦闘を行える愚神。
 今回は彼の討伐が最優先となる。
 装備は長刀だったのだが、前回の戦いで折れて長さが3SQ程度になっている。切れ味は健在。
 今回は見た目が鎧武者のようになっているが、それはAGWの断片を取り込んで防御力をあげているだけである。肩に備えつけらえた改造フリーガーに気負つけるように。
 高速戦闘を得意とする連携して背後をとらせないように立ち回るべし。

● 宇宙に荷物をお届け。
 今回は強襲目的のため小型シャトルのみ使用可能ですが、小型シャトルに積むのであれば、敵の妨害を振り切れる程に手薄になっているので、ほぼリスクなしでパーツを宇宙に届けることが出来ます。
 シャトルを使用するリンカーは何を詰むのか分割するのか選んでください。
 さらにその積載物の材料も保管庫に多く備蓄されているため重要パーツを運ぶだけで済み、大幅にコストダウンされています。
 これはチャンスです、一気に敵を押し返して宇宙拠点を完成させてしまいましょう。


〈設置完了施設〉
生活管理室×4
寝室×4
ソーラーパネル×2
エネルギーウイング充電施設×1
修繕ロボット×1
シールドタワー
迎撃砲台×2
備蓄室×20
 現在リンカー一人の理解度は10上昇中

リプレイ

プロローグ
「そろそろあいつを仕留めておかないと、後々が面倒になるぞ」
 無限の闇を航行する宇宙船その中で『ベルフ(aa0919hero001)』はそう語る。
「これ以上成長されても困るしね。今度こそ逃がさないよ」
「得物が損傷している今が良い機会だ。確実に仕留めろよ」
 その言葉に『九字原 昂(aa0919)』はシャトルのアクセルを踏んだ。
「どうやら今回は大物取りに専念できるみたいだな」
 敵の拠点の発見に胸を躍らせるのは『リィェン・ユー(aa0208)』
 リィェンは今回敵の大将を見すえ背中に天翔機としてバージョンアップされたメギドを背負っている。
 その隣で『赤城 龍哉(aa0090)』は拳を握りしめた。
「相変わらずと言うか中々粘るな、連中も」
「やはりあの門のような場所を封鎖しないとキリが無さそうですわ」
 告げる『ヴァルトラウテ(aa0090hero001)』
 次元に開かれた門。戦いの始まりとなったあの事件を思うと何とも言えない思いが湧きあがってくる。 
 しかし今回は遅れをとらない。
 何せ今回は宇宙を自在に飛び回れる翼が背中についているのだから。
「今回でとる」
 その短い言葉にリィェンは頷くと停止する宇宙船のわずかな重力を感じて体制を低くした。
 シャトル内部の積み荷を降ろした後に、一同は戦いへと赴く。

第一章

 宇宙施設は最初のころからすると考えられないほど、施設として完成し始めた。
 天辺となる部分にはエネルギーウイングの充電施設、シールドモジュールにソーラーパネル。この施設のエネルギーを司る部分に翼の格納スペースをつけた。ここから四角錐状に施設は伸びる。医務室と寝室。その下には生活管理室備蓄室、四方を囲むように迎撃砲台が並ぶ。
「前回参加した時よりも、宇宙開発が進んできたみたいですね」
「今回は(ラシル)先生がスケジュールの都合で出られないから、あたしが代わりに出るよ。宇宙ってワクワクするね!」
 そう告げたのは『月鏡 由利菜(aa0873)』と『ウィリディス(aa0873hero002)』二人はプロミネンスやメテオから運び出されるパーツ類のチェックをしていた。
 最下層には迎撃施設と備蓄庫。その一つ上が研究室となっている。
 ブースターは力学的に最適と思われる個所に九つ。
 これで宇宙での活動はほぼ支障なく行うことができるだろう。
 そして忘れてはいけないのがマスドライバーである。 
「ふぅ、こりゃ男のロマンだな」
 設置し終えると龍哉が額の汗をぬぐって告げた。
 ボルトを高速で締める『シエロ レミプリク(aa0575)』の動きを眺めながらマスドライバーを眺める。
 バカのように太く長い銃身。あれを使う時が待ち遠しい。
「あー……?多分そこじゃない? ジョイント部の形状同じだし」
(初見の物をここまでスラスラと……) 
 そう着々と組み立て作業を終えていくシエロ。もはや工兵として生きていけるレベルである。
――夜空の中に……自分が入り込む日が来ようとは…………!!
 告げる『ジスプ トゥルーパー(aa0575hero002)』
「意外とロマンチックなこと言うね」
 そう足を全自動ねじ止め機に換装してもらったシエロは言う。
 ちなみにこれは遙華からの贈り物だそうだ。同時に10のねじを止められる。形状は想像にお任せする。
「そろそろ施設作りも完成に近いかしらね」
 そう作業が完了した施設を見あげて『水瀬 雨月(aa0801)』は告げる、すでに『アムブロシア(aa0801hero001)』と共鳴済み。
「お邪魔虫も片づけてしまいたい所だけども」
 そして雨月はプロミネンスに乗り込んだ。
 今回で何らかの決着を、そう望むのははたしてリンカーたちだけだろうか。

   *   * 

 今までと違い、戦場はこちらが出向かなければならなかった。
 宇宙を駆けた先に従魔がうねうねと固まる一帯がある。そこに彼らの卵? 母艦? が存在する。
 先ずは昂がアクセルを踏み込んで先陣を切った。それに由利菜が追従する。
 電撃作戦である。
 従魔や障害物排除を行い、前衛が愚神攻略に集中できる環境を作る。
 前衛が愚神の相手をしている間に、輸送物を運ぶのを狙っていく。
――ユリナ、これ……絶好の輸送チャンスじゃん! 今回の内にガンガン運ぶよ!
 告げるウィリディスに由利菜は言葉を返す。
「ええ……ですが、愚神を倒さなければ施設の安全も保証されません」
――分かってるって! このライラプスの槍を手に……愚神に負けない勢いで高機動戦闘だよ~!
 その動きに合わせて従魔たちが散会しそして包囲しようと四方から押し寄せた。
 ここからが腕の見せ所。
「作戦を再確認しましょう」
 告げたのは昂。その体に由利菜がリジェネーションをかけそして離れる。
「母なる星離れど、大地の息吹はここに在りて! レナトゥス!」
「基本方針としては、コレクターを足止めしながら交戦。します。
 無線機の調子は皆さんどうですか? 離れてしまってもそれで連絡を取ってください。
 コレクターは絶対に自由にしないでください、それはお二人にお任せします」
 背中に翼を生やした二人が暗がりで微笑んだ。
「そして、敵にとって有利な位置へ立ち回れない様に追い込みます。
 追い込めたら一気に畳みかけ、仕切り直される前に仕留めたいですね」
 告げると昂は全ての武装を展開。敵を迎撃していく。
 その隣を左右非対称の翼をもつシエロのシャトルが突っ切った。
 その翼は強固な盾であり、敵従魔を押しのけながらもかき分けていく。
 その光速のタックルはもはや刃となっており、従魔たちを切断しながら進んでいく。
「敵がおおいなぁ!」
 シエロはいったん加速を停止、旋回しながら速射砲で次々と敵を撃ちぬいていくと、敵の塊がまるで生き物のようにうねり、シエロを飲み込もうと突進してきた。
 その前面に魔力の塊を差し込む雨月。
 大爆発の間にシエロは機体を反転させ後退する。
――多少勝手の違う場でも……消耗戦はお手の物よ!
「削り切れるもんならやってみなぁ!」
 そう告げたシエロの瞳は手薄になった卵を防衛する部隊の、その中心に注がれている。
「出たわね」
 前月が進路を敵にとった、コレクターがそこにいた。

第二章 戦い。
「さぁて……それじゃ、一狩り行こうか相棒」
 リィェンは闇の中央、敵の巣を見あげる。そこではすでに敵従魔が展開して陣形を整えており、中央にコレクターと呼ばれる愚神が刀を手に佇んでいた。眼光が鋭く光る。
「ここで終わらせる」
 龍哉が告げると二人はありったけのエネルギーで翼を吹かせた、二色の霊力光が暗闇を照らすようにまい、二人は細かく軌道を変えながら突き進む。
 長年連れ添った相棒だ。慣れない戦場、翼。だとしても彼がいるならば、負ける気はしないのだ。
 昂は操縦桿を引く。気流のない宇宙空間であるが地球上で操作するのと同じように機体を持ち上げて進行方向に向けて腹を出す。
 そのまま減速、後に加速し後ろに張り付いていたインベーダーたちを振り切った。
 メルトシャドウ・プロミネンスはその機体をきしませながらも昂の操縦に反応してくれる。
 攻撃は積極的には行わない。それは敵が多すぎるという理由と共に、邪魔をしないという理由でもそうだ。 
 昂は上下反転した宇宙でリィェンを見上げる。
 リィェンが真正面からコレクターに接触した。
 その刃を打ち合わせると宇宙空間に霊力を伝って硬質な音が響く。
 素早く切り上げ、半歩離れ。最接近し。
 体バランスの調整は翼で行い、背後から龍哉が迫る。
 それをコレクターは上空に飛び立つことで回避。
 そのままショルダーの散弾をばらまこうとするが二人は逆にお互いの剣を撃ちつけることで斥力を生んで回避した。そのままブレーキ、さらに加速。円を描くように二人はコレクターを包囲するもそれを襲うのはコレクターのもつ刀。その切れ端。残骸。
「うお!」
 その鋭利な切っ先を何とか刃ではじくとリィェンは実感する。
「しかし……折れてるとはいえ基本の間合いは負けてるか、まぁ……俺の神斬相手じゃそうは問屋は卸さねぇがな」
 真っ直ぐ肉薄するリィェン。
 実を言うとリィェンの調整ではコレクターを追い詰めるに至らない。
 それ故に龍哉がコレクター攻略の鍵である。
「弧を描くこの軌道…………折られてもただでは起きねぇ訳か」
――ですが、知っていますわ。
 リィェンに向かって打ち出される刃の残骸。それに。
「俺もブーメランは良く使うんでな」
 龍哉もブーメランを投擲。
 それと同時に走り。刃がはじかれ、振り返るコレクターへと。
 格闘戦を仕掛ける。
 逃げ道を素早くふさぎ。上空から拳を振りかぶって下ろすようにコレクターへ。
 体勢を制御するコレクターの下方に回り突き上げるように腹部を撃つ。
 そして剣を握ると叩きつけるようにきり。戻ってきたブーメンランを受け詰めるためにコレクターは左手をも使った。
 その背後からリィェンが襲う。
 斬撃、直後雨月からのブルームフレア。
 爆発で前後不覚に陥るコレクターへ。
 ブーメランをその手につかみ、剣へと変形させた龍哉がゼロ距離から腹部にそれを押し当てて、最大加速と共に切り上げた。
「うりぃいいいいいいい」
 初めて聞いたコレクターの悲鳴に二人は確実な手ごたえを感じる。
「今回は逃がさねぇぜ。覚悟を決めるんだな!」
――もうこの宙(そら)はあなたの独壇場ではありませんわ。
「あちらは調子がよさそうですね」
 告げたのが昂。
 昂の仕事は彼らの戦闘をより有利なものにするための牽制作業が昂の仕事である。
 もし、インベーダーが2人に接近しようとするならその行く手を遮るように通過してみせ、適度に反撃を加える。
「ああ、あんなに無茶を」
 そんな龍哉とリィェンをはらはらと見守るのは由利菜、隙あらば接近し二人を回復する。
――えっと、宇宙でも風って吹くんだっけ? ……まあいいや。吹け、生命の風!セラピア!
「敵が本当に多いわね」
 そうシャトルから魔力弾を放っているのは雨月。
 その武装は巨大化され、出力も補助されている、一撃で複数体のインベーダーを葬ることが可能であり、彼女の制圧力の前には近づくこともできない。
 ただ、コレクターの高機動にはついていけていないようだ。
 動きが止まった時にのみ手を出している。
「向こうの動きに法則性があるなら逆手に取って誘い込む事も出来そうだけども。何かを優先的に狙うとか、右と左どっちに避けるとか」
 そう雨月は敵を観察した。
「熱き戦傷、直ちに冷えよ! フリグス・クーラーティオ!」
 そう前に出る由利菜、その背後に迫るインベーダーを排除しながら。
「近付かれたらディープフリーズ……といきたい所だったけど、あれ無差別攻撃だから自分のシャトルを壊しかねないしね。流石に断念せざるを得なかったわ」
 雨月はシャトルの前後を入れ替える、自身の周囲を旋回するインベーダーを無理やり突破し。フロントガラスに張り付いたインベーダーはハッチを明けて攻撃、倒す。
 拒絶の風を纏いブルームフレアで敵の固まる一帯を爆破した。
「今よ!」
 そして雨月は機体を反転。上下さかさまになりながらも幻影蝶を放つ。
 それは奇襲的にコレクターへと決まりその動きを完全に縛った。
 その好機をシエロが逃すはずがなく。
「いらっしゃーい」
 背後に迫ったシエロはシールドを分離、展開。
 クロスシールドでコレクターをサンドイッチするように拘束した。
「捕まえた」
 そうぎにゃりと悪辣な笑みを浮かべるシエロ。
――さあ……覚悟を決めろ!
 告げるジスプの声に苦しげに暴れるコレクター。
 そのままシャトルはいったんコレクターから離れ、彗星の様な角度で戻ってくると、そのまま。
「羽が無くても突撃はできる!!」
 コレクターに突っ込んだ。
「いけえええええ!」
 コレクターの吐いた血がシエロのシャトルを汚すがそれでも絶命に至らない。
――おのれしぶとい……!!
「なら大技でもかましてみようか!」
「ええ! 行きましょう」
 その言葉に頷いたのは昂。
 コレクターはシエロのシャトルに刃を突き刺すとそれを起点に足をシャトルに押し付け跳躍力で離脱。
 そのまま逃走を図ろうとした。
 しかし逃がすリンカーたちではない。
 迫ったのは昂だ、舵をきり、半ブレーキ。体制をすぐに変換させ頭をコレクターの背中に向けた。そしてトリガーを絞る。
「あたりませんか」
 それだけではない、昂は自爆覚悟での特攻、突撃したシャトルは機体を歪めながら爆破。そして空中にオレンジ色の花が咲くと。昂は慌ててその中から姿を表した。
 彼は無事だ。そしてその手の先の糸を手繰るとコレクターががんじがらめにされている。女郎蜘蛛を使用し動きを縛ったのだ。
 その体に斬撃が走る。
 神斬の斬撃飛ばし、コレクターをひるませると、龍哉が背後から切りかかった。
 コレクターは拘束を逃れるためにフリーガーを射出しようとしたが。
「おっと……そいつを素直に打たせるわけねぇだろ」
 その発射口は真下から迫るリィェンが切りつぶした。
 驚きで目を見開くコレクター。その背後で龍哉はザンバーにありったけの霊力を注ぎこむ。
 <チャージラッシュ>からの<タイラント>にて、頭上からの素直な斬撃一閃。
 真っ向唐竹割りというやつである。
「行くぜ相棒!」
「おう!」
 リィェンはそれと重なるような横なぎの一閃を敵に見舞う。
「とっておきの大津波だ。喰らえっ!!」
 十字の斬撃が霊力の余波を伴って、空間に焼きつくようにでかでかと闇夜に映し出された。
 だが、まだだ。まだ終わらない。 
 そうコレクターは体の大部分を破壊されても頭だけで、ちいさなインベーダーの姿となって離脱を試みた。
「なんだあの速さ!」
 絶句する龍哉。
 しかし昂が素早く回り込むとパチンっと猫だまし。
「御首頂き…………なんてね。」
――こういう使い古されたような手ほど、良く引っかかるもんだ。
 それにひるんだコレクターを掴みあげると昂は告げる。
「ミッションコンプリートですかね」
 見れば従魔たちは闇夜に散って行く。残されているのは敵の母艦? なのだが。あれの調査までリンカーがしなければならないのだろうか。
「あれは。遙華にまかせましょう」
 そうシャトルの中でため息をつく雨月であった。


 エピローグ

「ま……やりがいのある敵だったけど所詮はコレクターってところか」
 そう空中で漂うコレクターを蹴り上げるリィェン。
 そんなリィェンを含むリンカーたちは施設内部にいた。
「宇宙開発は、言ってみれば異世界の研究と同じ未知の領域です。……愚神が漂流していなければ、もっと純粋に研究できるのでしょうけれど」
 告げる由利菜は物珍しそうに、自分たちが作り上げた施設を眺めている。
「あたしは、星座の領域に直接入って探索してみたいな~。ギリシャ神話には、星座に関する逸話が多いしね」
 研究室の前で足を止める雨月。
「研究施設って何が作れるのかしら。遙華がやらかして敵に取られた物みたいに変わった物でも作れるのかしらね?」
 対してシエロは宇宙にいた。宙を漂いながらシエロは完成間近となった施設を眺める。
「いやー、ここまで来たって感じだねえ」
――改めて見ると本当に大きいですな……。
 最初はシャトルと変わらない大きさだったのだが。今はちょっとした公共施設並の大きさである。
――…………ちなみにこれ、何割ぐらい主様が組み上げたのですか?
「え? あー、いや……たしかにウチが一番多いのかなあ?」
 これまでの思い出を振り返りながら予測をたてるシエロである。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575

重体一覧

参加者

  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 義の拳客
    リィェン・ユーaa0208
    人間|22才|男性|攻撃



  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575
    機械|17才|女性|生命
  • 解放の日
    ジスプ トゥルーパーaa0575hero002
    英雄|13才|男性|バト
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 難局を覆す者
    アムブロシアaa0801hero001
    英雄|34才|?|ソフィ
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 花の守護者
    ウィリディスaa0873hero002
    英雄|18才|女性|バト

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
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