本部

合コンの練習!

落花生

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
5人 / 4~10人
英雄
5人 / 0~10人
報酬
少なめ
相談期間
5日
完成日
2018/05/27 14:11

掲示板

オープニング

 季節は五月――つまりは春。
 恋の季節である。
「なのに、なんで浮いた話の一つもないんですぅ!!」
 小鳥は悩んだ。
 自分のパートナーである正義に、浮いた話一つもない。
「うーん、正義はいいやつのはずなんですぅ。まったく、小鳥のタイプではないですが……」
 そこで、小鳥ははっとした。
「まさか、正義はやっぱり屈強な男性がタイプなんですぅ!? でも、シャイな奴だから声をかけられないに違いないです!!」
 そうと決まれば話は早い、と小鳥はとあるチラシを制作する。
「正義が好みのタイプとちゃんと話せるように……合コンの練習をするのですぅ!!」
 だが、小鳥は肝心なことを忘れていた。
 小鳥自身も合コンというものに参加したことはないということを。

●合コン会場
「なんや、ずいぶんと洒落た店やな」
「ふふふっ。最近できたイタリアンのお店です」
 小鳥が選んだ店は、おしゃれなイタリアンの店だ。カジュアルな雰囲気なために、若い女性客が客層の中心であった。
「しっかし、合コンの練習なんて……ずいぶんと恥ずかしいことを考えたんやな」
 正義は、照れ隠しにサングラスをかけ直す。
 この男、合コンの場でもサングラスを外さないこだわり派だった。だが、そのこだわりがモテない原因だとは考えていない。
「女性は参加費が半額で良いんだな?」
「……半額」
 嬉しそうに確認するエステルとアルメイヤに、小鳥はうなずいた。
「合コンとはそういうものですぅ。料理はパーティーコースで、サラダとかピザとかフライドポテトとか皆でつまめるものが出るですぅ。飲み物も飲み放題にしておいたですぅ。あ、正義はこっちですぅ」
 小鳥は手招きして、正義を自分の隣に座らせる。
「おおきに……って、こっち女側やん!!」
「安心してください、正義。小鳥がばっちり、好みのタイプとの会話術を教えてあげるのですぅ!!」
 勘違いしている小鳥をしり目に、リンカーたちのテーブルには料理が運ばれてきた。

解説

合コンの練習をしてください。

・イタリアンレストラン(13:00)――若い客層多めの、リーズナブルなレストラン。出てくる料理はサラダ、ピザ、スパゲッティ、フライドポテト、アイス。すべて全員で取りわける形式のもの。なお、席は男側と女側に分かれている(性別不明のかたは、ご自由にお座りください)

正義――女性との出会いの場のはずが、なぜか女性側に座らされている。好みのタイプは、守ってあげたくなる女性。

小鳥――男性と正義をくっつけようとする。正義の好みだと思っているタイプ、筋肉ムキムキな頼れるアニキ。

アルメイヤ――ご飯を食べに来た。好みのタイプ、エステル。

エステル――ご飯を食べに来た。好みのタイプ、自分やアルメイヤを父親のように守ってくれる人。

小鳥が考えた理想(はた迷惑な)合コン進行表
・自己紹介
・フリートーク(趣味、好みのタイプといったこと大歓迎ですぅ。女の子気になる人に、アプローチしてみては?)
・席替え
・フリートーク(最近、ドキドキしたことを話してみては? 男子はここで女の子を褒めるのが得策かもですぅ)
・カップリング(気になる人の名前を紙に書いてもらい、カップルが成立していたら小鳥より発表あり)

リプレイ

「皆さん、今日はお集まりいただいてありがとうなのですぅ! 合コンだけど、練習だから気を楽にしてたのしんで欲しいですぅ」
 カンパーイ!
 小鳥の音頭で、全員が思い思いの飲み物を掲げる。
『フライドポテトは後だな』
 レオン(aa4976hero001)は、ざっとメニューをみた。どれも美味しそうだが、たくさん食べるには順番が重要だ。先に油っぽいものを食べたら、その分だけ腹が膨らんでしまう。それに何より葛城 巴(aa4976)から言い渡されたミッションが遂行できない。
 ミッション、その2。
 ――飲食物を取り分けてあげる。女の子はサラダから食べるものだから、特にサラダを分けてあげること。
 なぜ、女の子はサラダから料理を食べるのか。
 そして、なぜ男であるレオンが取り分けなければならないのか。
 残念ながら、レオンにはこの二点を理解するだけの女性との付き合いがなかった。
『動物界では、餌の取れる雄が生き残るからな』
 そう自己解釈して、サラダを取り分けるための道具を探す。
「俺達は随分と場違いな気もするが……まぁ、練習だしいいか」
『……ボク達は食べ放題、皆の練習にもなって……一石二鳥』
 麻生 遊夜(aa0452)とユフォアリーヤ(aa0452hero001)の夫婦が、手早くサラダを分けていた。すでにサラダは人数分に分けられている。さすがは大家族。こういうときは、素早い。レオンは、ぼんやりと巴のことを思った。
「言う通りにしないで変な事しちゃったら、後でお仕置きだよ!」
 笑顔でそういっていた、巴。
 すでに第二ミッションは失敗した、レオン。
『合コンに自己紹介はつきもの。さっそく自己紹介するですぅ!』
 小鳥の言葉に、藍那 明斗(aa4534)が手を上げる。
「藍那だ! 趣味は筋トレと読書。文学はいいぞ、本はダンベル代わりにもなるしな! 普段は、和雑貨を取り扱う『伽藍堂』で働いてる。女子の好きそうな簪や和風小物もあるんだぜ。意中の相手や大事なヤツへのプレゼントにも是非!」
 ほとんど店の宣伝であったが、明斗は「よろしく頼むぜ」と笑う。
『じゃあ、次は僕の番でいいかな? クロセルです。ミントくんの保護者してます。どうぞ宜しくねー』
 クロセル(aa4534hero001)は自分が座らされている席に、若干の疑問を覚えた。なぜか、女性比率が高いような。だが、正義もちょこなんと女性側に座っている。きっと席が足りないせいなのだろう、とクロセルは深く考えるのを止めた。
「あっ……私の番ですね。紺野 あずき(aa3833)です……。 REVERSi! っていうグループでアイドルをしています。 今日はよろしくお願いします」
 あずきは緊張しながらも、ぺこりと頭を下げる。
 一生懸命なあずきの姿に、席からは何故か拍手が響いた。その拍手を聞きながら、あずきはおずおずと顔を上げる。目に入ったのは、隣に座るアルメイヤであった。座っていても分かる豊満な胸部に、あずきの顔は真っ赤になる。
「すごく……大人の女の人です」
 そんなあずきの様子には気づかないシミズ(aa3833hero001)は、にこやかに挨拶をする。
『シミズです。好みの女性は、強い心を持った女性でしょうか?』
 そして、紳士的な笑みのままクロセルの目を見つめる。
『お久しぶりですね、麗しきクロセルさん。おや、俺の記憶の中の貴女よりもお美しくなられたような……。是非この欠けた記憶のページを埋めるお手伝いを聡明たる貴女にお願いしてもよろしいでしょうか?』
 シミズのことをよく知らない人間は、彼の難解な口説き文句に首を傾げた。通訳すると「楽しくおしゃべりしましょう」なのだが、初対面ではなかなか理解されない口説き文句であった。クロセルは、複雑な表情を浮かべる。
『……うん。楽しいお食事会にしようね』
 シミズが自分のことを女性だと勘違いしていることは理解しているが、クロセルはきっぱりと「自分は男だ」と夢を切り捨てられるほど鬼にはなれない。明斗は大爆笑しているが。
「……何故、俺は此処にいるのだろうか?」
 御神 恭也(aa0127)は、虚無のなかにいた。自分がどうして生まれてきて、どうして生きているのかが上手く理解できない。なぜ、彼がこんなにも虚しくなっているのかと言うと――女装して女性側の席に座っていたからである。
『合コンは初めてですが、面白そうな気がしますね』
 不破 雫(aa0127hero002)は、ジュースを飲みながら『不破雫です。今日は、友達の付き添いできました』と簡単に自己紹介をすませる。ちなみに、友達とは恭也もとい恭子ちゃんである。
「今日は、お前の送迎だけだったはずだが……」
『まぁ、良いじゃないですか。参加料は半額なんですから』
 変わりに恭也は、色々なものを失ったような気がした。ちなみに、今日の恭子ちゃんのお召し物はピンクのカーディガンに白いワンピース。耳には、揺れる系のイヤリング。男ウケを狙った、清楚なコーディネイトである。頭にはセミロングのカツラもしっかりかぶせ、コロンは石鹸の香りのものをチョイスした。
「……なぜ、お前がこの道具を持っている?」
『家を出る前に、ある方に渡されました。やる気が見られないなら、強制的に着せて参加させろと』
 ある方とは、間違いなく恭也のもう一人の相棒である。
『その服装は、友人のチョイスなのですか?』
 シミズは、うっとりとした顔で恭也に語りかける。
『とても、あなたに似合っています。ご友人のセンスには脱帽しますが、普段のあなたも見てみたいものです』
 シミズの口説く文句に、あずきは硬直していた。
 女装して女性席に座らされている男性を嬉々として口説いているシミズのことが、あずきにはよく分からなかった。
 恭也は、嫌な予感がした。
 今ここで勘違いと解かないと絶対に碌でもないことになる。
『彼女の名前は、御神恭子です。趣味は鍛錬と盆栽、好みのタイプは包容力が高い人。で、よかったんですよね?』
 だが、恭也が何か言う前に、雫に自己紹介されてしまう。
 これで、本名で男と察してもらう作戦は泡と消えた。
「……何故吉田さんと御神さん、そっちに?」
『……女の子、だった?』
 ユフォアリーヤの言葉に、そんなはずはないと遊夜は首を振る。考えられる可能性は唯一つ。
「遊ばれているんだな……」
 とりあえず、ここは遊夜が「懐かしい雰囲気だ」と感じるような合コンではない。しいていうならば、合コン(笑)だ。さて、と遊夜は考える。
 女性席に座らされた可愛そうな男たちに手を貸すか――貸さないか。
「麻生遊夜……特技は射撃、趣味は日曜大工だ。小道物から遊具、アスレチックに仮設舞台……最近は畜舎の建造なんかも学んでる所だな。宜しくな」
 遊夜は、助けないことに決めた。
 既婚者の自分には被害はないし、どうせ練習である。
『……ユフォアリーヤ。……特技は狩り、好きな物はお肉……と、ユーヤ』
 少しばかり照れながら自己紹介もといのろけを話しているユフォアリーヤに、誰も突っ込まない。幸せそうな妊婦さんは、最強なのである。
「最後は、僕ですね。レオンです。趣味は食べ歩きで、好みのタイプはツッコミ甲斐のあるお姉さんです」
 ちなみに、レオンの向かいに座っているのは恭也である。ツッコミ甲斐のあるといより、ツッコむところしかないお姉さんの姿であった。
『とても素敵な香りですね。清潔感があって――若々しい。新作のコロンをお使いになっていると思うんですが、石鹸の香りが好きなんですね。それに、鍛錬と盆栽が趣味なんですか。この香りのチョイスといい、趣味といい、きっと落ち着いた方なんでしょうね』
 とりあえず、レオンは恭也のことを褒めた。
 巴から「女性を褒めること。ただし、外見褒めはNG」というミッションを与えられていたからである。「美人は外見を褒められ慣れている。だから自分を印象を強くするために内面を褒めろ」というのが巴の指示であるがレオンからしてみたら初対面の女性の内面を褒めるのは結構面倒なことであった。恭也の耳元で揺れるイヤリングを褒めるほうが、もっと楽なのにとレオンは思った。 
 一方で、恭也は自分がナンパされているという事実を認めきれずに無心でお茶を何杯も飲んでいた。
 明斗は、相変わらず大爆笑だ。合コンのはじめから、女装男子が男性二人にアプローチをかけられるモテモテぷりを発揮していたからである。
「よっ、予想以上に先が読めない合コンになったな」
『これって、本当に合コンなのかな?』
 「なんか、もう違うよね」とクロセルはため息をついた。
 男女の出会いとか、恋のときめきとか、そういう当たり前のものがここにはない。
「まぁまぁ、こういうところに出会いが落ちているもんだ。よし、せっかくだから王様ゲームをやろうぜ!」
 明斗は、わりばしで作った籤を全員に配る。ルールは簡単で「王様に指名された人間のいうことを何でも聞かなければならない」という合コン御用達のゲームである。なお、王様も番号でしか個人を指名できないのがミソだ。
「王様、だーれだ!」
 明斗の声に、ガッツポーズをとったのはシミズだ。手には、赤い印のついた籤。頬を赤くした彼は、緊張したように震えながら命令を下す。
『そ、それじゃあ王様と……13番が、ちちち、チューを、だ……!』 
『ほほう――』
 アルメイヤの冷たい視線が、シミズに突き刺さった。おそらく彼女の握っている籤は13番。なのに、アルメイヤから発せられるのは「近寄ったら殴る」という拒否の雰囲気である。王様ゲームってなんだっけ、とシミズは思った。
「ダメです。そんな……恥ずかしい命令は、クロセルさん以外にしちゃダメです!!」
 あずきが、シミズの籤を奪い取る。
「代わりに、私が……えっと13番さん。抱きしめてください!!」
 あずきの言葉に、アルメイヤはこほんと咳払いをする。そして、両手を広げた。
「来い――」
「――はい!」
 あずきは、アルメイヤの胸の中に飛び込む。
 力強い腕に、柔らかな胸、あったかい体温――大人の女性ってすごいと思いながら、あずきは抱擁タイムを満喫する。シミズは思った。王様って何だっけ、と。
「2回目は、俺だな」
 遊夜は、むっとしているユフォアリーヤの視線を感じながら命令を下す。
「10番が俺の隣に座る」
 実はさっき遊夜は、全員の籤を盗み見ていた。そして、正義が10番の籤を持っていると知っていたのだ。
――好みのタイプからして良田さんとエステルさんは。いけるのでは? 障害になっている壁(アルメイヤ)は厚いようだが……ま、動いてみるか!
 正義が遊夜の隣に座れば、エステルと向かい合う形になる。それに、正義と男をくっつけようとしている小鳥の目もかいくぐれるはずだ。完璧な作戦だと思いつつ、遊夜は小鳥のほうを見た。小鳥はスケッチブックで、正義にメッセージを送っていた。
『相手は既婚者。浮気はダメですぅ』
 ユフォアリーヤも、うんうんと頷いている。
 遊夜は「くっ」と人知れず、唇を噛んだ。この流れでは、正義を隣に座らせるのは難しい。なにより、あとでユフォアリーヤが怖い。
「じゃあ。10番と9番が抱き合うだ」
 遊夜は、作戦を立て直す。全員の番号は把握しているのだ。エステルは9番を持っているから、きっと恥ずかしがりながら正義と抱き合ってくれるはず……。
「おっ、9番は俺だな」
 手を上げたのは、明斗だった。
 遊夜の表情が、死んだ。9と6を見間違えたのだ。
「行くで!」
 正義と明斗が、がっしりと抱き合う――いや、ぶつかり合う。合コンというよりは、レスリングや相撲のようになってしまっている。二人とも筋肉だから、見た目は筋肉×筋肉である。とても、暑苦しい光景だった。
『キョウの好きな時代には衆道が一般的でしたよね……キョウの性癖を修正するべきか、肯定するべきか』
 雫はぶつぶつと呟いていたが、恭也の目は死んでいた。
「遠くない未来の俺の姿だな……」
 これが、自分の未来だと思うと笑えない。
『大丈夫です』
 レオンは、恭也に向って頷く。
『僕も、先日の依頼で男のヒトに抱きしめられたてドキドキしたことがあります』
 大丈夫な内容ではなかった。
 恭也は、無言でレオンから距離をとった。身の危険を感じたせいである。
「はっ、正義の好みって、筋肉ムキムキじゃん。ヤダこわい……俺じゃん……狙われちゃうッ!」
 きゃっと悲鳴を上げるふりをして、明斗は正義から離れる。あんたも大変だな、という同情を隠して。だが、隠したせいもあって正義にはいまいち伝わってなかった。
「なんや、そのムキムキが好みって? ともかく、冗談に付き合ってくれておおきに」
 シミズは、席に着いた正義の手を握る。シミズは、正義を女子プロレスに所属している女性だと勘違いしていた。
『良いサングラスですね。まさに貴女を表すかのような鋭いデザインだ。これも何かの縁です、俺は今日雄々しくも可憐なる貴女のものになる事を誓いましょう』
 決まった、とシミズは思った。
 完璧な口説き文句である。
「おおきに! 僕らグラサン仲間やな。ちなみに僕のは××っていう、ところのサングラスなんやけど――……」
 正義の言葉に、シミズは硬直する。正義の口にしたサングラスメーカーは、メンズものしか作っていないことで有名なメーカーである。つまり、正義は女性側に座らされていた男性だったのだ。
 ぱりーん、とシミズの男心が砕け散った。
 見ていられないと全員がシミズから目をそらしたが、参加者全員と喋るミッションを果たしたいレオンだけが必死にシミズに話しかける。
『僕は昔の記憶が無いんですが、もしかしたら前は女の子だったのかもしれません。巴も、僕と最初に会った時、女の子だと思った、って言っていたし……。その……また会えたら嬉しいです』
 巴からのミッションで、気になった子にはこういうように指示されていたのだ。今この場で、シミズ以上にレオンが興味を惹かれるものはいなかった。
 恭也は、さらにレオンから距離をとった。
 レオンに、下心はなかった。
 単に、これほど傷ついた男を見たことなかったので気にかかっただけである。だが、シミズの砕け散った男心には止めを刺した。
 ――男好きだと思われている!!
 女性好きなシミズにとっては、屈辱的な勘違いであった。
『く……クロセルさん。もう、貴女しか』
 シミズは、クロセルに助けを求めた。
 だが、クロセルはこの世で一番残酷なことを言うしかなかった。
『ごめんね、僕は男だから……奥さんもいるし』
 シミズは、この世の全てに裏切られたような顔をしていた。
 こほん、と明斗は咳払いをする。
「お前ら行くぞ! 俺達の出逢いはこれからだ! 思う存分に酒が飲める店にいって、二次会をするぞ!!」
 そもそも、この面子で合コンをすること事態が無理だったのだ。女子が少ないし、既婚者が三人もいるし。明斗の言葉に、恋敗れた男子たちは立ち上がる。ついでに、無意味の女装させられていた恭也も立ち上がる。
 ぞろぞろと店を後にする、レオンと遊夜以外の男子たち。
 残された女子たちは――
『キョウ、私たちを不良物件扱いするんですよ。酷いですよね』
『……ん、お肉はやっぱり美味しい』
「あの……アルメイヤさん。あーん、もしてもらっていいですか?」
 女子会をしていた。
 遊夜はやっぱりこうなったか、と思いながら自分の伴侶と見目麗しい女性たちの保護者となっていた。役得かな、とひそかに思う。口に出さないのは、可愛い妊婦さんの嫉妬が怖いからだ。
『独りで来て正解、だったかも……』
 女性に囲まれながら、律儀にレオンは参加者全員の女性の名前を使われる予定のなくなった紙に書いていく。義理で書かれる名前よりも、レオンには強く思い浮かべる名があった。
 ――巴。
『頼れる兄貴……恰好いいって言われたら、僕が困る』
 数十分後、用事を済ませた巴がレオンを迎えに来た。
 だが、そこにいたのは合コンとは名ばかりの女子会に混ざれず、ひたすら料理を口に詰め込んでいる相棒の姿であった。
「うーん、初めての合コンは失敗だったかな。でも、なんだか嬉しそうだからいいよね」
 合コンなんて、楽しめたものが勝ちだ。
 誰よりも男らしい言葉と共に、巴も女子会に参加すべく店のなかに入った。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 久遠ヶ原学園の英雄
    不破 雫aa0127hero002
    英雄|13才|女性|シャド
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 全米お茶の間デビュー
    紺野 あずきaa3833
    人間|18才|女性|防御
  • 失恋男
    シミズaa3833hero001
    英雄|27才|男性|ジャ
  • 飛込みイベントプランナー
    藍那 明斗aa4534
    人間|26才|男性|命中
  • アホ毛も武器
    クロセルaa4534hero001
    英雄|16才|?|カオ
  • 新米勇者
    葛城 巴aa4976
    人間|25才|女性|生命
  • 食いしん坊な新米僧侶
    レオンaa4976hero001
    英雄|15才|男性|バト
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