本部
囚われた心
掲示板
-
質問卓
最終発言2018/01/06 17:55:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/04 20:02:01 -
ガデンツァ前哨戦
最終発言2018/01/07 23:23:32
オープニング
● それは少女の懇願
クルシェはその光景をモニター越しに眺めていた。
「彼女たちは法で保障されています」
――中断したライブの分も含め、威力業務妨害で刑事告訴です。
起きる暴動、それを言葉で、心で止めるリンカーたち。
仲間たちの涙。
そして体に水晶の花を咲かせて倒れる少女。
クルシェは思う。この結末をもたらしたのは自分だ。
なぜなら。
「情報提供ありがとうございます、けどお話はめでたしめでたしといかなかったみたいだけど」
そこには白いワンピースを纏った少女がいた。
名前を瑠音という。
ディスペアのメンバーの一人。そしてディスペアのツートップと呼ばれた片方だ。
「どうなってんだよこれ!」
クルシェは瑠音に掴みかかる。
「あたしは、あんたらが、これで全部終わるっていうから」
クルシェの視界の端に佇むのはアネット、穏やかな笑みを湛えて何も言わない。
「信じろって言ったよな。もうアイドルはできないけれど、みんなで穏やかに暮らしましょうって。言ったよな。それは嘘だったのかよ」
「嘘じゃない」
「だったら何であいつが襲われてんだよ。それに、説明してくれるって話だろ。何が起こったか。あたしに」
クルシェは涙を流しながら懇願するように少女へと告げる。
「あなたが呼んだのよ。だから戻ってきた」
クルシェは確かに呼んだ。何かの間違えだろうと。かつての日々を懐かしんだ。
そんな時だ。瑠音を名乗る人物からメールが届いたのは。
ききたかった、事情を。違う、声が聴きたかった。
自分たちを騙していたなど、そんな話聞きたくなかった。
だって。辛い時も楽しい時も、一緒に乗り越えてきた仲間なんだ。
突然いなくなって。実は愚神でしたと言われて。お別れも無くて、納得なんてできるはずがない。
だからクルシェはここまで来た。仲間の情報と引き換えに、会ってもらえるようにこじつけた。
けれど、みせられたのはこんな映像だ。
「あたしたちは利用されただけなのか?」
「そう、元々は希望の音と呼ばれる歌の利権を奪うため。でもあなた達は役に立たなかった」
「あの笑顔も、かけてくれた言葉も全部操るためなのか?」
その時、声がした、アネットの体の中から。
そしてその顔がぐにゃりと邪悪に歪む。
「すまんのう、我はお主らとの会話は把握せん」
「死んだよ、奴らによって殺された」
その言葉にクルシェは嗚咽をかみ殺して涙を流した。
「恨めしいじゃろ、奴らが」
「そんなことはない」
クルシェは思い出す。沢山助けてくれてきた。彼女らの事。
「では、瑠音やアネットなどどうでもよかったと?」
「そんなことも無い」
「なんじゃ、何も分かっておらんではないか」
「あたしは、なにを信じたら」
そう蹲るクルシェ。そんな彼女へガデンツァが歩み寄り、肩を叩いた。
「……話をするのが面倒臭い。欠員がでてのう、お主には変わりを務めてほしいのじゃ」
クルシェは驚きで顔をあげる。ガデンツァには何の表情もなかった。
「嬉しかろう? お主が瑠音になれるのじゃ。素質は十分。さぁ、共にこの世界を滅ぼそうぞ」
クルシェは立ち上がり、距離をとろうと後ずさる、しかし足が地面に縫いつけられたように動かない。
見れば足首から膝にかけて水晶が覆っている。
「ああ」
その体は徐々に水晶に覆われて心すらも、形を奪われていく。
「特別な瑠音には特別な才能が必要じゃ。死しても歌を続けられるなど、本望じゃろ?」
心が蝕まれていく、何も感じない。もう命が閉じてしまう、そんな悲しさすら。胸の奥で消えていく。
その時ポケットの中でスマートフォンが震える。
ディスプレイには、何かと気遣ってくれる少女の名前。
友達と呼べる存在だと、クルシェが思っている人。
「通信か……とっても良いぞ。まぁ、まともに人語を解すかどうかは分からんが」
ガデンツァの言葉に従ってクルシェの指が動く、すでに受話器を耳につけるという動作ができなくなっている。
だが、最後に、最後に。伝えないといけないことがある。
自分が死んでもこの世界にいなくなっても伝えないといけないこと。
「……ニゲロ」
それはクルシェにとって、謝罪でも、感謝でもなかった。
それは仲間に対する警告。
ここにきてはいけない。そんな命を賭した贈り物であった。
● 尻尾を掴んだ。
前回、リンカーの一人九字原 昂(aa0919)によりつきとめられた愚神の拠点。
そのゾーンは家の形に定着をしていたが、その窓や隙間から内部を覗くことはできなかった。
ただし、声は聞こえてくる。
少女の声と、嫌に甲高い鋭い声。
その報告が持ち返られた次の日には、少女の失踪がH.O.P.E.にとどけられた。ディスペアのメンバーで、リンカーたちの報告から、その家がクルシェ、そしてガデンツァに何らかのかかわりがある物と推測できた。
「まだ、間に合うわ。調査と報告が早かったおかげね。ここまで状況証拠がそろっているなら、断定して乗り込んでもいいでしょう、失うものは経費くらいよ」
遙華は告げると、すぐに部隊を指揮する。
今回は小細工の必要のない戦闘となる。
また、直接ガデンツァと戦うことになるだろう。
そんな予感もあった。
準備は怠らないように。そう遙華は告げると、すぐにH.O.P.E.の医療部隊の編成にうつる。
クルシェをすぐに治療するためである。
「バックアップは気にしないで、思う存分やってきて。クルシェをお願いね」
作戦開始は三十分後、一刻を争う任務であるが、皆さんには対応できる力があると信じている。
● 戦闘フィールドについて。
今回はガデンツァのドロップゾーンに飲み込まれてしまいました。
縦も横も50M程度しかない四角い空間での戦闘で、クルシェは端に水晶の繭となって存在している。
この水晶を砕かないことにはクルシェを救出できないが。分析が遅れているので、現状だと、物理的に繭を破壊するしかないと思われる。
クルシェの英雄についてはその隣に転がされていて、クルシェが目覚めない限り意識は戻らないようです。
● クルシェについて
クルシェについては邪英化進行度が進みすぎていたなら、処分することが許されています。
ただ、繭を除去できたなら言葉を交わすこともできるでしょう。
彼女は呻くように謝罪と胸の内の葛藤を皆さんにぶつけてくることでしょう。
「私は、信じてみようと思ったんだ」
「あたしは、なにを信じるべきなんだ」
「あたしにはあいつを疑うことがどうしてもできないんだ」
そんな言葉を聞き流すもいいですし、真剣に向き合ってあげるのもいいでしょう。
ガデンツァは繭からクルシェが脱出した場合、殺そうとしてきます。
彼女を連れて脱出するためには、ガデンツァの風の歌と水の歌に対策を立てる必要があるでしょう。
解説
目標 クルシェの救出
今回はガデンツァとの戦闘が含まれます。
リンカーの募集を十二名かけておりますが、この人数では倒し切ることは難しいでしょう。
ただ、今回の目標はクルシェの救出ですし、時間を稼げば稼ぐほど不利になるのはあちらです。
連携を大事に、被害を大きくしないようにガデンツァを抑え込みましょう。
ガデンツァの能力について紹介します。
ガデンツァは典型的な魔法使い型の戦闘スタイルです、特異なのは中距離、遠距離戦闘。
彼女を攻略するには単騎で挑むより、チームワークを意識した方がよさそうです。
彼女のスキルについてまとめます。
特殊能力:
《シンクロニティ・デス》
至近距離単体技、超強力な物理、魔法ダメージが同時に発生する。
振動させることによって分子レベルで分解、内部から破壊する。
ただし、相手に合わせて振動を微調整しているために、見た目よりかなり繊細な技。カバーリングされると無効な上に、地肌に攻撃が届かなければ無効と報告がある。
さらに別の発動条件もあるかもしれない。
《ドローエン・ブルーム》
自身中心範囲魔法攻撃
広範囲を歌によって攻撃する、ノックバック効果を持つ。
かなり使い勝手がいいが、飛距離は短いという弱点を抱える。
《アクアレル・スプラッシュ》
遠距離複数選択型魔法攻撃。
下から水の柱で突き上げる、同時に複数の敵を攻撃することができる。
甲高い音が鳴るのでなれると回避は楽。
《ヴァリアメンテ》
邪英化スキル、詳細不明
リプレイ
プロローグ
「経費が無駄にならなくて何よりだ」
『麻生 遊夜(aa0452)』はその民家を眺め、おもむろにそう告げた。
――…………ん、大当たり。
『ユフォアリーヤ(aa0452hero001)』はあたりの様子をうかがいながら頷く。
ここは町はずれにぽつりと立つ一軒家。その人目をはばかるようにたてられた家屋から『卸 蘿蔔(aa0405)』は一つ憶測をたてる。
「ここは…………瑠音さんとクルシェさんが一緒に住んでいた家、なのでしょうか」
実際は彼女らの資産の内の一つ、だったようだが、隠れ家としても機能していたようだ。庭先に人が出入りしていた痕跡がちらほら見える。
――中はガデンツァが戦いやすいようになってるみたいだけど。
『レオンハルト(aa0405hero001)』が告げる。
前回の偵察からの内部情報だとゾーン内は小さな一室になっている様子。
「急ごう」
『蔵李・澄香(aa0010)』が告げると『クラリス・ミカ(aa0010hero001)』と共鳴。
ドアをぶち抜いてクラリスが指示を飛ばす。
「全方位散開してください、ガデンツァの反応には特に注意を」
「騒々しい来客じゃ」
次いで放たれたのは叩きつけるような風と音。
侵入を試みたリンカーたちは風に吹き飛ばされて壁に叩きつけれてしまった。
「ガデンツァ!」
『斉加 理夢琉(aa0783)』が声を上げる。
その視線の先にはガデンツァが、安っぽい椅子に座りこちらを眺めていた。
「直接まみえるのは初めてでしたか……?」
『構築の魔女(aa0281hero001)』は問いかける。『辺是 落児(aa0281)』とはすでに共鳴済み、銃を構えてガデンツァを睨んだ。
「さしずめクルシェの救出じゃろうか」
「ああ、そうだ」
遊夜が告げる。
「悪いがその子は先約済みだ、お前さんにやる訳にはいかん」
――……ん、助けてと言われた……だから、返して貰う。
その隙に、澄香はマナチェイサーを走らせる。すると、一際霊力を強く放つ物体に気が止まった。
水晶の繭の中にクルシェが捕えられているようである。
その周囲には二人の人影、おそらくは英雄だろう。
構築の魔女は扉を確認する。扉はドロップゾーンに接着されたかのように閉ざされている。ただ、外界との接続は断たれていない様だ。これなら脱出できる。
構築の魔女はそう睨む。
状況は…………かぎりなく単純なようでややこしい。
「人質か、相変らずこすいこと考える婆だな」
そう告げたのは『火蛾魅 塵(aa5095)』である。
「俺は、あの従兄弟の甘チョロい考えとは違ぇぞ。この世で絶対的な良し悪しがあるとしたら『力』だ」
だから、そう塵はにたりと笑ってガデンツァだけではない、全員に告げる。
「俺はよ、その女が死んでも愚神を倒すぜ。強くて悪い事は何一つねぇ、弱くて良い事も何一つねぇ。弱ェ奴はそうなる運命だったってことだ」
その言葉を顔をしかめた理夢琉。
理夢琉は彼女の真意を知りたかった。
――クルシェが情報を流していたのか。
そう『アリュー(aa0783hero001)』が理夢琉に言葉をかける。
「ディスペアの今後をクルシェさんなりに考えての行動だと思う」
愚神ネヘモスを天に返した時ガデンツァの痕跡を確認していたのに、なのに先手を打てなかった。そう理夢琉は拳を握りしめた。
「それを利用されてしまった、まだ終わってなかった」
だが、理夢琉はここで終わらない、顔をあげて敵を見すえる。
「ここで終わらせる、いくよ、アリュー」
その声を皮切りに澄香はエンジェルスビットを射出し、クルシェの周囲に浮かべた。
第一章 武闘の調べ
四基のエンジェルスビットは口々にクルシェの名前を呼んだ。
それは小雪や梓。仲間たちからの言葉。ファンからの言葉、関係者からの、そして自分たちからの想いの塊。
ここで眠っていてはいけない。そんな励ましの言葉たち。
結果、繭の中でごぽりと、クルシェは息を吐いた。
「まだ、意識があるじゃと…………」
戸惑いの声を上げるガデンツァに生首。もといゆっくり杏奈が投げつけられる。
「ヤローオブクラッシャーー!!」
放った主は当然『世良 杏奈(aa3447)』である。
「クルシェちゃんにはもう手は出させないわよ!!」
――いっけ! 杏奈!
『ルナ(aa3447hero001)』の声援を受け、杏奈はガデンツァをその場に押しとどめようとありったけの霊力を叩き込む。
そんなガデンツァが爆炎を払って一歩前に出れば、そこには『アイギス(aa3982hero001)』が立っていた。
アイギスは秘薬の瓶を投げつけると、ガデンツァを睨む。
『東宮エリ(aa3982)』は内部で気絶中。雑音ひとつ許されない戦いにエリは眠っていてもらうほかなかったようだ。
「どくがよい」
ガデンツァのしなやかな指が伸びる、指先一本一本がスピアのように研ぎ澄まされ、それがアイギスに叩きつけらようとした瞬間。
澄香がカバーに入った。
その指を砕く勢いで盾を押し出す。
ガデンツァと澄香の視線が交差した。
「なるほど、それなりに対策はしておるようじゃな」
――澄香ちゃん、足元!
クラリスの声が響く、次の瞬間盾を撃ちあげようと足元から水の柱が立ち昇るが、それを澄香は最小のダメージで受け流す。
同時に二人はある程度距離をとって救出班の盾になる。
「早く行け!」
アイギスはクルシェや、それを助ける者の盾になれるように構える。
澄香は『小詩 いのり(aa1420)』と合流して、肩を並べて、ガデンツァの風音を受けた。
「澄香! 行けるよ!」
「うん! 私たちの歌をきけぇ!」
エンジェルスビットが展開される。
それが希望の音を大音量で響かせた。
その歌に顔をしかめるガデンツァ。
「耳…………触りじゃな!」
即座にドローエン・ブルームの対象をエンジェルスビットに絞るガデンツァ。
一瞬のうちにそれは吹き飛ばされて、壁に叩きつけられて動かなくなった。
「ああああ! 修理費高いのに!」
「そんなことを言ってる場合じゃないって、澄香! 下!」
アクアレル・スプラッシュ。
地面から不意打ちのように射出される水と、ガデンツァを中心に渦巻く風が彼女への接近を許さない。
そんな暴風、水の暴力に負けず、いのりは宣言した。
「とりあえず、クルシェちゃんは返して貰うよ!」
「お主は持ち返る! バラバラにしてルネに変えてやろう。さぞかしいいい悲鳴(ねいろ)を響かせてくれるのじゃろうな」
――そんなことさせないよ!
風を追い風に翼でまいあがり、ガデンツァの事情をとったのは『イリス・レイバルド(aa0124)』。
「いや、アイリスじゃな」
「ははは、久しいじゃないか、今日でお別れだなんて悲しいよ」
『アイリス(aa0124hero001)』は盾を地面に叩きつけ、巻き上げた風でドローエン・ブルームを緩和。
振り上げられたガデンツァの右腕に対して、いのりが前に出てその手を受けた。
「本命はこちらじゃ」
「そのために私がいるんだ!」
澄香が前に出る。
両手をふさがれたガデンツァの目の前で妖精の羽が広がる。
「私にも謳わせてくれよ。君ばかりずるいじゃないか」
響く妖精の歌は何重にも重なる讃美歌のように室内を満たした。
ガデンツァの認識どころか、ドロップゾーンにも影響を与え、世界の法則を乱す。
「最善席で聞きたいか! よいじゃろう、とっておきをくれてやろうかの!」
放たれるドローエンブルームを前方に、つまりアイリスだけに圧縮。
「ドローエン・ブルーム・フルオーケストラ」
だがそれに対して十字盾を地面につき刺し、それで耐える。叩きつける暴風がアイリスの肌を翼を切り刻むが、それでも盾の精霊はびくともしなかった。
「これで終りかな?」
隙ができた『黛 香月(aa0790)』がLSR-M110のスコープを覗く。そして彼女の発砲に合わせ構築の魔女、遊夜、いのり、杏奈、塵からの一斉射撃がガデンツァを襲う。
「くっ…………、何故ダメージが…………」
杏奈はダメージコンバートを一瞥する。聞いている、確かに自分でもガデンツァにダメージを与えられている。
「あの時の私達ではない」
アイリスは盾を引き抜くと、ふらつく体を澄香が支えた。
その脇を駆け抜けていく香月。
風がやめば接近するチャンスもできると言うもの。
「どうやら先は永くないようだな、ガデンツァ?」
その刃を叩きつけるとガデンツァの腕に亀裂が入る。
その影から塵が暗黒物質をガデンツァに叩きつける。
「……前々からこの水晶ってヤツよ…………穢したかったンだよなぁあ~……《亡魂咆哮》ォ!」
それは魂さえ腐蝕させる一撃。
ガデンツァはそれを音の壁で遮りながら、体の軋む音を聞いていた。
「やはり、この体では…………」
直後突き上げる水の柱でリンカーたちを遮りながら、体勢を立て直した香月を見すえる。
その香月の瞳は怒りで燃えていた。
かつて自分の人生を歪めた愚神…………そいつの素性は知れないが、ガデンツァはそいつに通じるものがある。
「それだけでも滅ぼすには十分な要件だ」
「お主程度が、二度も我に触れられると思うな!」
その刃を手のひらで受け止める動作。それは風の防壁で防がれるが、衝撃を殺し切れず踵にひびが入る。
「…………くっ」
塵がその表情を眺めてにやりと笑った。
「シンクロニティ…………」
いのりはガデンツァの唇の動きを読む。彼女の声は飽きるほどに聞いた。アクセント一つ、口の動きひとつで、彼女がなにを言いたいのか予測できるほどに。
いのりが、ガデンツァの目の前に立つ。
その身が狙われていようと真っ直ぐ立つ。
「なぜ、わらわを恐れぬ」
その視界の端から飛ばされた弾丸を脇腹にうけてよろめくガデンツァは、風により周囲すべてを薙ぎ払う。
だがその風の中でもやはりアイリスは体制を保っている。
ガデンツァの風の音に対して、防御結界エイジスを最大展開することにより歌が攻撃へと変じる前に音を伝達する空気ごと拡散し弱体化させる。
「勢いがつく前に封殺する。ラジェルドーラにやった旗封じと考え方は一緒だよ」
結果ダメージの無効化、そして吹き飛ばしの阻害を行っている。
「きみとの戦いで得た発想をヒントに作り上げた。存分に楽しんでいってくれ」
「減らず口ばかりを。また口をきけぬようにしてやろうかの。その黄金を黒に染めて」
ガデンツァは口元を釣り上げて笑う。
「そしてその幼子の体に消えぬ傷を刻みつけてやろう。のう、アイリス!」
叩きつける拳は高速で振動している。ガデンツァの攻撃を防ぐために、澄香が前にでた。
「水と音……特に振動に関しては厄介ですが……正しく聞こえる必要があるなら……?」
試験的に配置した白い煙の壁、正体は液体ヘリウムの急速的な気化による、気圧と気体の密度操作。
狙いはよかった。だが霊力を伴わないあらゆるものが、ガデンツァにとって障害にならない。
「吹き飛ばしてやろう」
突き上げる水の柱に体を撃たれながら、構築の魔女は冷静にガデンツァを分析する。彼女のいびつさの正体を突き止めるために。
第二章 少女の傷
『ヴァイオレット メタボリック(aa0584)』は風に吹き飛ばされそうになるベールを抑えながら、繭とガデンツァを交互に眺める。
まるで吹雪の中を進んでいるように歩みが思うように進まない。
「姉者、わらわは出し抜かれてはならぬ」
――妹よこやつも相当のくせ者ぢゃ気負うでない。師など比べものにならぬ。
『ノエル メタボリック(aa0584hero001)』の言葉に頷きながら攻撃を避けることに注力する。
――あの繭…………なんだ。邪英化とも愚神共鳴とも違うな。
レオンハルトがそう声を潜めた。
そのつぶやきを受け蘿蔔は眉をひそめる。
「急ぎましょうか、嫌な予感がします」
そう一瞬ガデンツァからの攻撃が止まったタイミングを見計らって全員が走った。
繭、そしてその脇に散らされている英雄たちのもとに救出班がたどり着く。
蘿蔔は英雄を一人抱きかかえる。まだ息は有るようだ。薄い意識のまま英雄はこう口にする。
「クルシェを、助けてやってくれ」
その言葉に頷いて蘿蔔は英雄を幻想蝶に収容した。
「妙ですね、仕掛けがなにもない……」
――ガデンツァに余裕がなかったんじゃないか?
そのあいだに遊夜が眉を調べている。
相当に硬いが遊夜は44マグナムの持ち手で眉を叩くと、そこにひびが入る。
脆い箇所を見つけた。だがここを叩いていてもかなり時間がかかるだろう。
「中々に硬い……やれやれ、厄介だな」
――……ん、効率良く……削って割る、次は……ここと、ここ。
「手伝います」
蘿蔔が加勢する、二人は慎重に、迅速に繭を破壊していく。
「クルシェさん、絶対助けます」
理夢琉が繭に両手を当て、霊力を流し込んでいく。すると繭の表面に亀裂が走った。
「アリュー……」
――心配するな、大丈夫だ、クルシェに異常はない。
エンジェルスビットから流れる声援。そしてディスペアの曲たち。それを背景に理夢琉は楽しいことを考えた。
きっと、きっと助けて、みんなで遊びに行こう、ライブに行こう。曲を作るんだ。
また、大切な物を壊してしまう恐怖を何度も何度も上塗りしながら、解体作業を続けると、ふいに。
繭から大量の水があふれ出した。
「離れるんじゃ」
ヴァイオレットが告げる。繭から滑り落ちたクルシェ。彼女へパニッシュメントを放つも反応はない。寄生型ルネもいなかった。
「不気味じゃな」
ヴァイオレットは顔をしかめる。
確かに、ガデンツァ側に対応する時間が無かったと言われればそれまでだが。あのガデンツァだ。何もなければないほどに不気味さを感じる。
その様子に舌打ちして見せたのは塵である。
「おおう、火蛾魅よ、その殺意をしまうのじゃ」
「なんでそんなに攻撃したがるんだ」
遊夜がやれやれと言った調子で項垂れる。その様子に塵は悪びれもせずに答えた。
「俺ちゃんはよぉ。ヴィランだからよ」
――火蛾魅よ、わらわはヴィランだからといって拒まないのぢゃ。
ノエルが告げる中。
目を覚まさないクルシェに蘿蔔と理夢琉が必死に呼びかける。
「あんたら……」
その声にクルシェが薄目を開けた瞬間。甲高い音が足元から響く。
吹き上がる、水の柱を前に、アイギスが間に割って入って三人を突き飛ばした。
次いで足元の水が塊となって立ち上がる。ルネである。
だがそのルネは予測済み。
ヴァイオレットがトリアイナを突き立てると、まるでコイのように口をパクパクさせ。ルネは動きをとめたのだ。
「ぐ……もういいか? 脱出するぞ」
アイギスが膝をつきながら荒い息をあげている。救出班にヘイトが向かないように管理していたのはアイギスである。限界が近い。というかもう超えている。
「待って!」
だが、しかし。そう叫んだのはクルシェである。
「ルネを置いていけない」
耳を疑った。蘿蔔は目を見開く。
「きっと、なにか、何かあるはずなんだ。事情が、だって、だって仲間だったんだ。あたしは。置いてなんていけない」
震えるクルシェ。その目は狂気を孕んでいる。
クルシェが立ち上がり走り出そうとした。
だがその腕をとって蘿蔔はクルシェを抱きしめる。
「クルシェさんも戦ってたんだね…………気づくの遅くてごめんね」
「あたしは、そんな。戦う必要なんてないんだ。だって。だって」
クルシェは涙を流す、それを隠すように蘿蔔の肩に瞼をこすりつけた。
「ひどい、ひどいよ。嘘だったって? あたしたち、頑張ってきたのに。アイドル活動なんてって、思ってた。けど、頑張れたのは五人でいたのが楽しかったから、なのに!」
――何も知らないのに疑うことや信じることは難しい。
レオンハルトの言葉に蘿蔔は頷き告げる。
「無理に疑う必要はないと思うのです。信じたものが何なのか、何を信じたら良いか、分からないなら一緒に探そ?」
「信じていてもいいと思います」
理夢琉が言った。理夢琉の言葉にクルシェは顔をあげる。
「私も信じたよ。クルシェさんと同じ。瑠音さんが英雄ルネさんの生まれ変わりって信じてみようと思った。私はその思いを否定しない、クルシェさんも否定しなくていいと思う。だってそれはクルシェさんにとって、大切な想いでしょ?」
「うん」
「でも、相談して欲しかった」
「クルシェや、一人で悩むでない。出逢った仲間を信じたいんぢゃろう」
ヴァイオレットが告げる。その声にクルシェは涙声で頷いた。
――理夢琉は時を共有し絆を結んだ存在が本物だとガデンツァに言ったことがある。
アリューは淡々と告げる。
「向けてくれる笑顔や言葉までガデンツァが指示しているとは思えない
一緒に歌い悩み笑いあった瑠音さん達は本物です、悪いのはガデンツァなんです」
そして、理夢琉はクルシェに手を差し伸べた。
「約束、覚えてますか? 一緒に歌う未来、頼っていい仲間、その絆を信じてほしい」
もう何を信じていいか分からない彼女に、たった一つ確かなもの。
それを差し出す。
「私の事、私達の事…………頼ってほしいなーって」
蘿蔔がそう微笑みかけた。
「前も言ったけど私はクルシェさんの味方だから」
クルシェはルネを一瞥する。かつて尊敬した仲間の一人。ケンカもした、最初は嫌いだった。それでも最後は尊敬して、大好きだったのだ。
「今度、私の知ってることは全部話すから、私の知らない瑠音さんやアネットさんのことも教えてほしいな」
そして理夢琉はクルシェの手に水色の石を握らせる。
「持っていて下さい」
――後で返してやってくれ、無くすなよ。
そして理夢琉はガデンツァの注意を引くために走り出した。
――石を返してもらう為にも死ねないな。
そう告げるアリューの声音は嬉しそうで。
「約束は守らなくちゃね、アリューテュス」
二人は一時恐怖を忘れてガデンツァと相対した。
――かなり前からクルシェを搦めとるつもりだったようだな。
「あくまでセカンドプランじゃったが、お主らのせいで入用になった」
「渡さないし殺させない、警戒を!」
クルシェはその背を見送ると涙を拭いて遊夜や蘿蔔を見た。
「ここから出たい、そしてみんなに謝る」
そう頷くクルシェはもう、泣いていなかった。そのまま蘿蔔の幻想蝶に手を重ねると内部の英雄と共鳴、スパナを取り出してルネを砕く。
「いい顔になったな!」
そう遊夜はクルシェを抱き留める。その耳元で風切音が聞こえた。
「そんな! 私を庇って」
遊夜は口から血を流しながらもクルシェに微笑みかける。
「ここからが本番だ」
遊夜は振り返ると弾丸を放つ。その弾丸には切れ目がはいっておりガデンツァの風にぶつかると分裂、それぞれが跳弾し。予想外の角度からガデンツァを襲う。
「おっと、油断してると風穴開いちまうぜー?」
弾丸の一発がガデンツァの腕を撃ち砕き。香月への攻撃をキャンセルした。
――……ん、鬼さんこちら……でも余所見はご用心、だよ?
ユフォアリーヤの言葉とかぶらせるように遊夜は身を翻すとクルシェを担ぎ上げる。
「すみちゃん! こっちは終わりました!」
蘿蔔が声を上げる。だが澄香はその言葉に苦笑いしか返せない。
「うん、こっちはまだまだかかりそう」
本来トリブヌスは50人単位で相手取るべき相手だ。いくらガデンツァが直接戦闘が苦手な愚神とはいえ。
数人程度で相手取れるものではない。
いのりが、息を切らせながらアイリスの傷を癒す。
「そうそう、逃すと、おもうかの?」
体のあちこちにひびをうかべたガデンツァ。ガデンツァは指先にて音を操り、更なる攻撃をクルシェに見舞おうとするが。
それに待ったをかけたのが澄香の言葉。
「音の街で君の欠片に触れた時、闇を見たよ。悲しみを感じたよ。聞こえたよ。作られた自分だからいけなかったのかって」
その言葉に動きを止めて、じっと澄香を睨むガデンツァ。
その表情にいつもの恍惚とした笑みも、サディスティックに吊り上った口元もなく、ただただ澄香を見つめるのみだった。
「ガデンツァ、君も大きな悪意に存在を染められた被害者だった」
ふらつく足で立ちあがる澄香。一歩前に出る。いのりの静止を振り切って。君には役目があると言い含めて。澄香はガデンツァの前に無防備をさらした。
「なら、けじめとして言わなければならない」
そうでもしなければ伝わらない言葉があると思った。
事実ガデンツァは澄香の事を見つめている。何も言わずただ、じっと。
「ルネみたいに、自分を犠牲にして世界を守るのも。自分を犠牲にして世界を壊すのも、もう。疲れたよね?」
「何を告げる気か知らぬが、お主の言葉は誰にも届かん。その無力さ命をもってあがなうがいい」
振り上げた拳は澄香に向けられる。叩きつけられた風をいのりが遮り澄香は堂々と立つ。
その行動を見つめながら殿をまかされているのは構築の魔女。
戦うと言って効かないクルシェを説得して、ゾーンから逃がすと、室内で蹲っている仲間たちを見た。
今度は彼らの逃げ道を自分が作らなければならない。
だが、その前にだ。
「澄香ちゃんがどうなるかですね……」
次いでアイリスがガデンツァの風を受けて舞い上がる。
「はははっ邪英化した時にやったじゃないか。懐かしいだろう?」
そのままガデンツァに肉薄して動きを封じる。
「レディケイオス、CODE:000」
盾の重量など感じさせない軽やかな武闘。それがガデンツァの肌を削り、水晶色の破片をまき散らせる。
「あと少し!」
いのりは軋む体に鞭打ってガデンツァにさらに肉薄した。
その後ろで澄香は叫ぶ。
「もう。やめよう。君は休んで良いんだ」
その言葉にガデンツァは更なる攻撃で持って答えようとする。
「澄香。お前がわらわに許しを与えると? とんだ、傲慢じゃな」
次いでいのりがさらに前に出る。ただ、それは澄香を守るためだけではない。いつの間にかいのりはガデンツァに触れられそうな距離まで近づいていた。
「傲慢だと言われても構わない!」
鼻で笑われようとも、ディスペアや春香と同じくガデンツァもそうするべきだと、澄香は思った。
――だめです、あちらも警戒している、あと一手届かない。
クラリスの声が響く。
「だったらもっと腕をのばせばいいだけだ」
いのりの背中に体当たりするように風に逆らって突撃する澄香。
二人は体をズタズタに引き裂かれながらガデンツァの喉元に手を伸ばし。
そして。その喉元に輝く欠片に手を伸ばす。
「させん!」
直後、遊夜と蘿蔔の射撃、それはガデンツァの動きを一瞬縫いとめそして。
「とった」
いのりと澄香の拳はガデンツァの水晶へと届いた。
ガデンツァの顔面にブルームフレアを炸裂させる。それは見事に紐を焼き切り、二人はその勢いのまま地面を転がった。
追撃に走ろうとするガデンツァを構築の魔女はフラッシュバンで遮る。
その隙にいのりは本物と偽物の欠片を入れ替える。人の視覚、感覚を錯覚させる手品の技術。それを遺憾なく発揮すれば、視界に多くの情報を頼るガデンツァは騙されると思ったのだ。
「さぁ、正念場ですか……!」
構築の魔女が告げ、射撃の手を緩めず弾丸を放つ。
転がったいのりと、澄香はヴァイオレットが回収し入り口をめざし走る。
「澄香……大丈夫?」
「ちょっと、動けそうにないかも」
「それを……返せ!」
怒気が膨れ上がる、いつかの大戦で感じた時の様な殺気が。
「シンクロニティ・デス・レク……」
その瞬間ガデンツァの目の前に飛び込んだのは杏奈。
「お主から血祭りに上げてやろう」
ガデンツァは対象を切り替えて杏奈に腕を伸ばす。
カバーリングに入ろうとする、アイリスやアイギスを静止して。杏奈は振り返り微笑んだ。
彼女のアミュレットが輝きを増す。
「シンクロニティ・デス」
放たれた音は杏奈の体を駆け巡り、血を沸騰させ、肌を焼き切る。血管のあちこちが千切れて黒々とした痣が体中に浮かび上がり、目から、口から、血があふれた。
「ガデンツァ、貴方は物凄く不幸な身の上だったのかもしれない」
だが、その音はガデンツァにも返る。
「自分の住んでいた世界を破壊する為の最終手段として生み出されて、だけど誰かに悪用されて、いくつもの異世界を破壊させられていた」
濡れた声で、確かに杏奈は力強く告げる、ガデンツァの腕を掴んで真っ向から。その瞳を見すえる。
「多分性格とかも色々いじくり回されて、今の貴方になっちゃったんだと思う」
次いで香月が、ガデンツァの腕を断ち切った。香月自身も相当なダメージを負っていたが、崩れ落ちる杏奈の体を抱えて、出入り口まで走る。
「でもね、私は貴方に同情なんてしない。嫌々悪事を働いていたのならまだ良かったけれど、貴方は悪事を楽しんでいる。人間が、心が傷付いて壊れていくのに愉悦している」
かっこわるいなぁ。そう杏奈は思いながらも言葉を止めることはしなかった。
担がれたままにガデンツァへありったけの想いを訴えた。
「今の貴方と分かり合うなんて、少なくとも私には出来ない。だからこれ以上、他の世界に被害が広がる前に、貴方を倒す!」
「美しく残酷に、この世界から往ね!」
第四章 脱出
走る香月の足元から水の柱が吹きあげた。それにアキレス腱を穿たれボールのように吹き飛ぶ香月。だが、すぐさま受け身をとると、使えなくなった足を庇いながらも刃を構えて見せた。
「人様を玩具にしているとどうなるか、いずれ思い知ることになる。この世には貴様如きに従順ではない奴がどれほどいると思う?」
「さぁの、おそらくはごまんとおるじゃろう。しかし、それは問題ではない、従わぬものは殺すまで」
告げたガデンツァを香月は睨む。
「改めて忠告する。貴様がこの世界で狼藉を続ける限り、貴様はそう永くはないとな」
ガデンツァの腕の断面が鋭くとがる、それが香月に伸び突き立てられそうになった瞬間、アイギスがカバーに入った。
「つれないねDIVA。俺には歌ってくれないの?」
その言葉に睨みのみ返すガデンツァ。アイギスを風で吹き飛ばすと支え合いながら出口を目指す、杏奈と香月の背に向けてさらに攻撃する意志をみせる。
「二人は先に行くといい」
――……ん、クルシェがまってる。
遊夜が二人の背中を押すと、先ほどまで二人が立っていた場所から水の柱が突き上げた。
そして遊夜の背後には出入り口、リンカーたちは死に体になりながらもドロップゾーンの終端にたどりついたのだ。
しかし、なおリンカーを追おうとするガデンツァ。それに対して蘿蔔は炎弓にて火を放つ。それはガデンツァの顔面へと飛来し、それをガデンツァは腕で受ける。しかし膨大な熱量と思考外からの一撃からか、ふらついてその場に膝をつく。
「ガデンツァ…………あなたには、大事なものはないのですか?」
熱の塊を握り潰し立ち上がるガデンツァへ蘿蔔は告げる。
「わらわ自身じゃな」
その言葉に塵は何かを思い、前に出た。
そしてガデンツァに言葉をかける。
「なぁ婆さん」
その言葉に失笑をうかべつつガデンツァは塵を眺める。
「俺ぁ気になンだよ。何でそうまでして世界だの人間の心だのをブチ壊そうとするか……ってなぁ」
「それがわらわの使命ゆえ……のう」
「ちげぇなぁ、俺ぁ思うんだよ。テメェは案外『そういう存在だから』『そう誓ったから』……って、自分の《意志》が無ェのかなってヨ?」
「意志……」
――…………『お前らには自分の《いし》がない』…………です。
『人造天使壱拾壱号(aa5095hero001)』がそう声を発すると、塵は手を叩いてその言葉を賞賛する。
「はい良く言えましたぁ~、甘ちゃんにも言われたんだろ?」
そう盛り上がる塵を尻目にガデンツァは不意にしゃがみこむと、足元に落ちていた水色の欠片を拾い上げる。するとガデンツァはそれを握りつぶすと告げた。
「中身が無い……ダミーじゃな」
――引きなさい。
クラリスが告げる。
――外に出れば袋叩きです。今のリンカーは、30もいれば貴女を殺し切りますよ。
その言葉に大人しくガデンツァは従った。徐々に閉じていくドロップゾーン。
気が付けば一行は女性が好みそうな内装の家の中を覗くように立っていた。
嵐のような戦いの序章。それがなんとか生還という結果で幕を下ろした瞬間だった。
結果
シナリオ成功度 | 大成功 |
---|