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そうだんたく
最終発言2018/01/09 20:43:42 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/07 22:48:51
オープニング
この【初夢】シナリオは「IFシナリオ」です。
IF世界を舞台としており、リンクブレイブの世界観とは関係ありません。
シナリオの内容は世界観に一切影響を与えませんのでご注意ください。
●仲良くお買い物できるかな?
「さあ、みんな聞いて聞いて」
赤い髪のお姉さんがぱんぱんと手を叩きました。お姉さんの名前はレター・インレット先生。お泊まり学校の先生です。お部屋にはあちこちの幼稚園や保育園や学校から来た子供たちが集まっています。そしてみんなはじめましてさんです。
「あなたたちが来たとき、わたしは自分の名前を言ったわね。今度はみんなが自分の名前を言うのよ。さあ、あなたから」
みんなもじもじしたり、泣いたり、けろっとしたり、張り切ったりしながら自分の名前をなんとか言いました。
「今から紙を配ります。ユキ」
ユキと呼ばれたお姉さんはみんなの前に立ちました。
「私の名前はジェンナ・ユキ・タカネです。今日からみなさんが帰るまでレター先生のお手伝いをします。よろしくお願いします」
なんだか堅苦しいひとですが悪いひとではなさそうです。ユキさんはみんなに紙を渡しました。地図とメモと絵が書いてあります。
「これからみんなにはお買い物をしてもらうわね。その地図はお店に行くための地図です。メモはお店の名前と買うもの。絵はメモのヒントです」
「地図や文字がわからないひとは道を歩いている大人のひとに聞いてください」
なんだかとっても難しそうです。
「さあ、紙に野菜が書いてあるひとは手を挙げて。はい、手を挙げたひとと一緒にお買い物するのよ。握手して」
同じようにお肉、野菜、乳製品などと分かれて行きます。
「はい。これが買い物袋とお金です。帰ったらみんなでお昼ご飯を作ります」
「仔牛のカツレツ、キャベツのバター煮、りんごの重ね焼き、ホットミルクです」
ユキさんは嬉しそうに微笑みました。食いしん坊ですね。
「牛乳はあるから大丈夫。さあ、行ってらっしゃい。道草食っちゃダメですよ」
解説
●概要
変わった見た目のひと(?)もいるけれど争いも魔法もない平和な世界。参加者様は契約した英雄含め、全員初対面のちっちゃい子(中心年齢は4歳から5歳。10歳未満まで)武器もスキルも使用不可。
英国の田舎のお泊まり教室でお使いしたりお昼ご飯作ったりするお話。
●お昼のメニュー
・仔牛のカツレツ
・キャベツのバター煮
・りんごの重ね焼き
・ホットミルク
●お使い先と買うもの
・シロタマゴさんのお店(卵/乳製品)
シロタマゴ
背広姿の成人男性。顔は真っ白でパーツなし。勘違い気質でちゃんと確認しないととんでもないものを用意される。
買うもの:卵2パック、生パン粉2袋、バター2塊
・ハーハーニーさんのお店(精肉)
ハーハーイ
巨大なカニ。喋れないが、言葉は分かるため、注文は(一応)問題なし。手がハサミなのでセルフサービス(ジェスチャーで指し示してはくれる。表示アリ)お金は吊るされてあるかごへ。
買うもの:カツレツ用仔牛肉×人数分枚数
・カボ=チャンさんのお店(青果物)
カボ=チャン
背広姿の成人男性。カボチャ頭にカボチャパンツを斜めに被っている。声は渋くて格好いい。演説かと思うほど話が長く、切り上げるのが難しい。悪意なく色々買わせようとする。
買うもの:酸味の強い青りんご8つ、キャベツ半玉
*お使いはそれぞれ分担。買い物先は希望制ですが、偏った場合はこちらで調整します。ご了承ください。ペアは基本的に自分の英雄です。英雄参加がない場合はどこかのペアに入るか英雄参加がない同士になるかになります。
●お昼ご飯のお手伝い
子供設定なので単純なお手伝い。言うことが聞けない子は反省するまでお手伝いから外される。
●主なお泊まり教室スタッフ
レター・インレット
・先生。明るくて元気。失敗しても笑っておしまいだが、悪いことをする子は容赦なくしかる。
ジェンナ・ユキ・タカネ
・レターの助手。堅苦しくしゃべる食いしん坊。
リプレイ
●仲良く「しゅっぱーつ!」 できるかな?
お外に出たら、もう一度グループで名前を言い合います。
こちらはシロタマゴさんのお店組。
「改めまして。笹山平介(aa0342)です、よろしくお願いします♪」
リュックを背負った平介がニコニコ笑って言うと「ここのえつばさです。5歳です」九重 翼(aa5375)もちゃんとご挨拶。対照的にゼム ロバート(aa0342hero002)はぶっきらぼうに「……ゼム」
「しゅっぱーつ!」
早速出かけようとする翼にゼムが待ったをかけます。
「まずは確認だ。絵がヒントならちゃんと見るぞ」
ゼムは地図にある絵を真剣に見ながらお財布にあるお金と見比べます。
「店についてから買えないとか困るしな」
平介が絵を見ながら買うものを言います。
「卵は6個入り2パック、生パン粉は黄色の袋、バターは2塊。塊?」
「店で聞けばいい……金はあるな」
ゼムは財布をしまいました。
「さ、行くぞ。しっかりついて来いよ? ……なんだ?」
無音 冬(aa3984)がじーっとゼムを見ています。正確に言うとゼムの持っている3つの傘を見ています。ゼムは冬のところへ行き何やらお話。冬に傘を2つ渡すと戻ってきました。
「行くぞ」
シロタマゴさんのお店チーム、出発です。行きがけに皆月 若葉(aa0778)から傘のお礼を言われ手を挙げて応えます。冬が若葉に貸したのです。
「しゅっぱーつ!」
翼の声が元気に響きました。
こちらはカボ=チャンさんのお店組。
「こん、にち、はー! フィアナ(aa4210)、ですっ!」
「ルー(aa4210hero001)です」
フィアナとルーが自己紹介。2人は兄弟です。フィアナはお泊まりが楽しみで仕方ありません。
「おと、まり(ふんふふーん)」
「良い子にしているんだよ、フィアナ?」
「うんうんっ!」
なんて会話を行きがけにしたばかりです。
「………無音、冬」
冬も名前を言います。フィアナは冬の手を取りました。
「冬といっしょ、ねっあくしゅ、あくしゅーなのよー」
「よろしくね……」
ぎゅっぎゅと握手する2人をルーが見守ります。握手を終えてさあ、出発……の前にゼムから傘を2つ借りました。
「冬、えらいえらい、のねー」
「うん、冬、ありがとう」
「若葉くんにも…一本……」
冬は若葉のところへ行くと傘を渡します。
「貸してくれるの? ありがとう!」
「ゼムくんの……」
冬はゼムを見ました。
「ゼム!! かさありがと!」
ゼムはひらっと手を振って出発しました。
「僕たちも行こう」
ルーが言いました。カボ=チャンさんのお店組、出発です。
さてハーハーニーさんのお店組。
「おれわかば! よろしくね」
若葉は元気いっぱい。
「ボクはラドシアス(aa0778hero001)」
落ち着いて見えますが、内心は知らないひとたちばかりでちょっと不安。
「ここのえりく!」
最後に九重 陸(aa0422)。翼のお兄ちゃんです。グループ分けの時に「つばさ、おれがいなくてもちゃんと言うこときくんだぜ。ころぶから走っちゃダメなんだぜ」と翼に言いました。弟が自分と離れて買い物に行くのが不安ですが、大丈夫と思うことにしました。若葉は借りた傘をしまい、元気に手を挙げます。
「しゅっぱーつ!」
「場所、知ってるの?」
ラドシアスが聞きました。
「……え?」
3人で地図とにらめっこ。
「これが……ゴール? りくは、わかる?」
「うーん」
「……この印、アレの事かな?」
ラドシアスが看板を指しました。
「すごい! きっとそうだよ」
「かんばんをまっすぐいくと、ぽすとだぜ」
陸が地図を指でたどります。まずはポスト目指して出発。道路を渡るときは左右確認。手を挙げて歩きます。
●お店に行けるかな?
「ひかえーひかえおろーう! このさくらふぶきがめにはいらぬかー」
翼が言います。意味はよく分からなけれど、いつも見ている時代劇のセリフで翼のお気に入り。時代劇は好きだけど、傘や棒を振り回したりしません。「チャンバラは危ないから真似しちゃだめだってにーちゃんが言ってた!」のです。
「しっかりついて来いよ? 信号渡るぞ」
ゼムが一番お兄さんなのでゼムが先頭になって歩きます。でもひとりで信号を渡るようなことはしません。みんなで渡ります。
「おうまさんだ! とのさまがのるやつ!」
お婆さんが馬を引いているのを見て翼が言いました。お婆さんは馬を引いてこちらへやってきます。白くて長い髪のせいで視線が合いませんが、悪いひとではなさそうです。
「乗るかい?」
「ありがとうございます。でも、僕たちお使いしないと」
平介が言います。
「そうかね。気をつけていくんだよ」
おばあさんと別れ、3人はシロタマゴさんのお店目指して歩き始めました。
「こっちだね」
ルーが地図を見ながら言います。ルーは9歳。地図を見ながらフィアナと冬もちゃんと見ています。フィアナは道行くひとたちと挨拶したりおしゃべりしたりと忙しいです。一方冬は話しかけられても一言二言答えるだけで蝶やお花や白くて綺麗な物に目を奪われて時々止まったり、違う方へ行こうとしたり。けど2人を見失わないように頑張ってついて行きます。
「……ここ、どこ?」
ラドシアスがぽつり。陸はきょろきょろ。ポストがありません。地図の絵と周りの景色が違う気もします。迷子という言葉が頭を過ぎりました。
「大丈夫、何とかなる!」
若葉が言いました。根拠はないけれど、自信満々な笑顔に陸も「なる!」とにっこり。
「お店の名前……なんだっけ?」
若葉が言うとラドシアスは地図を見ます。
「えと……ハーハー……ニー?」
「あの人に聞いてみよう!」
上半身は人間、下半身はサソリの男の人に声をかけます。
「ハーハーニーさんのお店はどこですか」
「あの角を曲がるってすぐだよ」
「ぽすとなかったぜ」
「ポスト? そこに……修理中で袋被ってるな」
この道で合ってたんです。
「大丈夫か?」
男の人の言葉に陸が代表で答えます。
「おれ、もう小がくせいのお兄ちゃんだから、大じょうぶ!」
●お買い物できるかな?
「いらっしゃい」
フィアナたちがカボ=チャンのお店へ到着しました。出迎えたのはかぼちゃパンツを斜めにかぶったかぼちゃ頭の紳士(?)さん。
「お店についたら買うもの確認……」
冬が言うとルーが頷きます。
「うん。まずはりんご」
「酸味……?」
難しい言葉です。
「酸っぱいってことだよ」
ルーが教えてくれました。
「りんごかね? いいのがあるよ。見てごらんこの真っ赤なりんご。うんと甘い。それから」
カボ=チャンさん話が長いタイプです。
「あのね、りんごね、すっぱいのがいいのよ。……むー……そうね、あまいのもおいしいの、よねー」
「断然オススメだ」
「美味しそう、ね」
「お使い? えらいのね」
「おとまりきょうしつなのー」
買うものの話からどんどんカボ=チャンさんや他の方々と他愛ない話で盛り上がり始めるフィアナ。その間にルーはどういうキャベツがいいか冬に伝授。
「じゃあ……これ」
「うん、そうだね」
ルーはカボ=チャンさんとフィアナの会話の切り上げにかかります。
「そろそろ戻らないと、お昼作れなくなっちゃうよ?」
「は、」
カボ=チャンさん、今度は冬にあれこれ勧めます。
「これだけしか買っちゃダメって言われてる……」
冬は所持金を示して首を振ります。
「色々教えて下さって有難う御座います。けれど僕らはまだ子供なので、必要な物を買うお金しか持っていないんですよ」
ルーも穏やかにけれどきっぱり。
「そうかね。残念だ。君たちはしっかりしている。地球の未来は安泰だ。酸味の強い青りんごだね。包んであげよう」
カボ=チャンさん、大袈裟です。
「お買い物袋、一緒に持って帰るのよー」
会計を済ませて帰り道。雨が降ってきました。
「傘あってよかったね」
3人で傘に入ります。ふんふふーんと歌いながらフィアナはにこにこ。ルーもにこにこ。冬も無表情ながら嬉しそう。教室に着けば先生2人が「おかえりなさい」とお出迎え。ミッション・クリアです。
「あった! こんにちは!」
若葉、ラドシアス、陸。ハーハーニーさんのお店に到着。
「……っ!」
ラドシアスはびっくり。カニです。巨大なカニがハサミを振っています。
「おっきい!」
若葉は目をきらきら。
「てんいんさん?」
陸の言葉にカニ――ハーハーニーさんが頷きます。ラドシアス、悪い人(?)ではないと分かりひと安心。
「ウシください!」
若葉の言葉をラドシアスが訂正します。
「違うよ、お肉! 仔牛の肉を……何枚?」
「りくにらど、それから……9人!」
若葉は指折り数えて言うとラドシアスが言います。
「先生は?」
「あ。じゃあ11人!」
「お肉、11枚……ください」
恐る恐る言いますがハーハーニーさんはハサミをゆらすだけ。
「?」
困惑するラドシアス。
「たつれ……かちれつのお肉、ください」
陸が噛みつつ言い直してもハサミを揺らすだけ。
「(きこえなかったのかなぁ)かつねつのお肉ください!」
陸が再度トライ。やっぱりハサミを揺らすだけ。ハーハーニーさんをじっと見ていた若葉が言います。
「自分で取ってだって!」
「え?」
確かにハサミの先にはカツレツ用のお肉がありました。
「もってくよ? いいの?」
セルフサービスに戸惑いつつ陸はお肉を11枚取ってビニールに入れました。ハーハーニーさんは次にカゴを指します。
「今のはわかった!」
「ここにお金?」
「お金はここだね」
今度は3人ともわかりました。意味がわかってラドシアスは嬉しそうです。
お店を出てお肉を持つ順番を決めたら――
「よし、帰ろう!」
「そっち逆!」
「あ、あめ! かさあるぜ」
わいわい言いながら、無事到着。出てきた先生にお肉を渡して「お使い大成功!」皆でハイタッチ。
「おつかれさま」
ラドシアスがいうと若葉と陸も「おつかれさま」と言いました。
「せんせい、つばさは」
陸は早速弟の心配です。レター先生が言いました。
「もう少しで着くわ」
平介たち、シロタマゴさんのお店に到着です。
「やあ、いらっしゃい。お使いかな!」
出迎えたのは成人男性の体に真っ白な卵頭のひと(?)。店主のシロタマゴさんです。
「おっきいたまご! おっきいひよこさんがでてくるの?」
翼の言葉にシロタマゴさんは首を傾げます。
「おっきいたまご? なんのことだね。ひよこはうちでは扱ってないが」
自覚はないようです。シロタマゴさんは買い物かごを渡しました。
「ありがとうございます。えーっと卵と」
平介が卵を入れるとゼムがバターを入れました。
「値段からしてこれだろ」
「あとはなまぱんこ!」
翼が戸棚を指します。3人では届かない所に沢山の紙袋が並んでいます。地図にあったのとそっくりな紙袋です。
「これ……生パン粉ですか?」
平介がシロタマゴさんを呼んで黄色い袋を指します。
「そうだ。買うのか?」
シロタマゴさんは紙袋を取ると別のビニール袋に入れて翼に渡しました。
「ほかは? いい生クリームが入っているが」
平介が困った顔をするとゼムが地図を見せて言いました。
「おつかいでコレ以外は買っちゃだめなんだ」
シロタマゴさんは素直に会計してくれました。
「卵、割れないようにリュックに入れますね」
店を出ると平介が言いました。
「おれなまぱんこ!」
「バター持つ」
分担して荷物運び。雨が降ってきました。平介と翼にゼムが傘を差しかけます。
「通り雨だろ……傘ならあるぜ……」
3人仲良く傘に入って教室へ。「お帰り」とレター先生が出迎えてくれました。
「ただいま!」
「ただいま戻りました。これ、お買い物です」
「ありがとう」
翼は一番に陸のところへ。
「ただいま! にいちゃーん」
「つばさ。おかえり。いいこにしてたか?」
「うん。あのね、おそとね、おうまさんがいた! あとでっかいたまご!」
「?」
でっかいたまごってなんだ?
「あら」
ユキ先生が声を上げます。
「これパン粉」
「本当だ」
シロタマゴさんは勘違い屋です。間違えたのは彼でしょう。
「せんせい?」
翼は心配そうです。
「間違えてましたか」
平介が言うとゼムも言います。
「確認した」
レター先生が言います。
「シロタマゴさん間違えちゃったのね」
「交換してきます」
「おれも」
「パン粉の袋、貸せ」
今から行くと、お昼に間に合いません。ポヤパヤプーという声がしました。外を見ると気球大の毛玉が浮いています。大きな口がついていて「ポヤパヤプー」と繰り返しています。
「ヤチトセ!」
レター先生が呼ぶと毛玉の上に座っていた振袖の人が振り向きました。
「ポヤパヤプーにこの子達を乗せてシロタマゴさんのお店まで行ってくれない? 違うの渡されちゃったの」
「いいわよ。ついでに皆乗りなさいよ」
皆でびゅーんとシロタマゴさんのお店へ。シロタマゴさん「すまんね!」と今度こそ生パン粉の袋を翼に渡しました。
●お料理お手伝いできるかな?
帰ったら皆で手を洗い。お買い物中の出来事をお喋りします。皆すっかりお友達。皆が戻るとユキ先生はりんごをむいて、レター先生は調理器具を出しているところです。
「何かお手伝いすることはありますか?」
平介はニコニコしつつ先生たちの元へ。フィアナも「おてつだいするの!」とやってきます。
「ありがとう。みんなもこっちに来て。皆でお手伝いするのよ」
レター先生の言葉に皆「はーい」。ユキ先生が皆に指示を出します。
「陸と翼はキャベツをむいてボウルに入れてください。ルーは私がむいたりんごを切って。フィアナはパイ皿にバターを塗ってルーが切ったりんごを並べてください。
ラドシアス、平介、ゼムはパン粉とバター、砂糖を測ってください。測り方はレター先生が教えてくれます。若葉と冬は卵をボウルに割って混ぜんるです」
皆、各々の仕事に取り掛か――いえ、動かない子がいます。ゼムです。
「手伝ったら……何かもらえるのか……」
自分が働く事に見合う対価が無いなら手伝ってやらんと言わんばかりにそっぽを向いてしまいました。
「お昼ご飯がもらえます」
ユキ先生の答えを聞くとレター先生はやれやれといった顔で「ユキ。交代」ユキ先生は平介たちに測り方を教えに行きました。
「ゼム」
レター先生はゼムの目線まで屈みます。
「ここでは自分で出来ることは自分でするの。でも、料理はやりたくない子がやるのは危ないから、あなたをキッチンには入れられない」
ゼムはレター先生に連れられてキッチンの外の椅子に座ります。
「どうして料理するのかわかったらいつでも来て」
冬は卵を割る手を止めてゼムを見ます。
「どうしたの?」
若葉が言います。
「ゼムくんとこいく……かさかしてくれた」
「うん、わかった!」
若葉がにっこりすると冬はゼムの隣へ。先生はなにも言いません。
「わかば」
「ひとりでだいじょうぶ?」
陸と翼が若葉に言います。陸と翼はお互いのお買い物中に起こったことを話したりしながら(陸はいいお兄ちゃんなので翼を沢山褒めました)キャベツを剥がしていましたが、若葉がひとりになったので話しかけたのです。
「へいきだよ!」
若葉は元気いっぱいに答えます。冬の分まで頑張るんです。ラドシアスと平介は測り終えたものを持ってフィアナたちの所へ。ユキ先生に教えてもらいながらお手伝い。
「ユキ先生」
平介が言いました。
「ゼムくんの分僕やります」
「ボクも。ワカバもフユの分やるって言ってた」
ラドシアスも言います。若葉の言葉を聞いていたのです。
「だから、ゼムくんのこと」
「大丈夫ですよ」
ユキ先生は微笑みました。
「わかってます」
「せんせい、きゃべつむけた」
陸と翼がレター先生に言いました。
「つばさ、がんばったんだぜ」
「にいちゃん、てがつめたくなったらね、あっためてくれたの」
「陸、頑張ったわね。翼はいいお兄ちゃん」
いいお兄ちゃんと言われて翼は嬉しそう。
「れたーせんせい」
お手伝いを終えたフィアナがやってきました。
「は、テーブルね、お花飾りたいの。飾って良いお花あるか、なぁ? ない、なら仕方ないのだけど、も」
「いい考えね。ここの裏で戸田伊吹さんがお花を作っているの。彼にお願いしてみて。
ゼム。フィアナについて行ってあげて」
「おれいにお花のかんむりあげる、ねー」
ゼムは花冠なんていりません。でも、「早く」とだけいって教室を出ました。フィアナを置いて行かないようにゆっくり。
冬はゼムが行ってしまったので、どうしていいかわからずうろうろ。
「ふゆ」
若葉が冬を呼びます。冬は無表情ながら嬉しそうに若葉たちのところへ。
お手伝いも終盤。手が空いた子はテーブルづくり。うまくいかないときはルーが手伝ってくれます。ルーが気づいかなかったら、平介がルーに助けを求めます。
「おはな、なのー」
フィアナとゼムが帰って来ました。レター先生がやってきます。
「わあ、綺麗ねえ。ふたりともお疲れ様」
皆で残ったお花をテーブルを飾って。それから。
●やみー!
「いた、だき、ますっ」
「頂きます」
「いただきまーす!」
「「いただきます!」」
盛り付け終えれば、さあいただきます。
「皆で作ったごはん美味しいね!」
若葉はカツレツを頬張ります。
「……食え」
ゼムはカツレツを平介とラドシアスに。ゼムの分まで料理してくれたお礼です。
「お礼は受け取らなくちゃ」
レター先生が言ったのでふたりはお礼を言ってカツレツをもらいました。と、レター先生と若葉がひと切れずつカツレツをゼムにあげます。
「フィアナの面倒を見てくれたお礼」
「おれも! かさありがとう」
ゼムは返事をしませんでしたが、突っ返さず頷きます。今度はゼムの所へ自分のお皿を持った冬がやってきます。
「かさ」
「隣座ったからチャラだ」
冬が隣に座った理由、ゼムはちゃんとわかっていました。冬はこっくりすると今度はフィアナとルーへ。
「すきなの、いっこあげる……つれてってくれた」
「だっておともだちでしょう?」
「おれい」
「ならちょっとだけ、ね」
フィアナはりんごの重ね焼きをひとかけら、ルーはキャベツのバター煮を少しだけもらいました。冬は嬉しそう。
「おいしいしいね! にいちゃん」
翼の言葉に陸が言います。
「つばさ知ってるか? おいしいことを、えいごで『やみー』って言うんだぜ!」
「『やみー』は、おいしいなの? ……(もう一口食べて)やみー!」
陸、感激です。
「おれ、えいごがはなせる! すごーい!(ぱくっ)やみーだ」
すると他の皆も先生までやみー、やみーと食堂はやみーの大合唱。お手伝い大成功です。
結果
シナリオ成功度 | 成功 |
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