本部

訓練 新人教育

玲瓏

形態
ショートEX
難易度
易しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
能力者
4人 / 4~12人
英雄
4人 / 0~12人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/05/12 20:01

掲示板

オープニング


 リンカーの技量が高まるに連れて、近年では愚神やヴィランの戦闘力も高まっている。攻撃も過激さを増していて、新人リンカー育成の必要性が声に出されている。
 育成というのは戦闘訓練ではない。
 戦場では様々な物が武器となりうる。地形状況、その場に転がっている鉄線、砕けた電柱。自分の持つ武器以外にもその場の状況を利用して相手を追い詰めていくのだ。剣や銃だけが武器ではない。自分の頭にある頭脳も立派な武器になるのだ。
「ということで、今日は実戦形式の訓練をするわ。昨年島で行った訓練を知っている人はいるかしら」
 新人教育に熱意を向けていた坂山は、教師という経験を活かして教育の手法を思いついていた。
「あの訓練とほぼ似たような事をするわ。知らない人向けにこれから説明をするからしっかり聞いててね」
 坂山はパソコンのモニターを見ながら説明を開始した。

 ――訓練の目的は一人一人の技術力を高めることなんだけれど、今回は新人教育というとても大事な目的があるわ。
 まず二人一組を作ってもらうんだけれど、どちらかは必ず先輩で、片方は後輩。この時先輩になったリンカーは自分の経験を活かして後輩を指導するの。後輩は先輩に言う事を聞いて行動。ただ何も考えず行動するのは良くないわ。しっかり考えて動くこと。
 人に物事を教えるっていうのは新たな発見にも繋がるの。復習にもなるしね。
 それで訓練のルールね。
 今回も無人島を使わせてもらうわ。まず、A班とB班に別れるの。その時、二人一組のペアは同じ班でいてね。別れたら片方は防衛役、もう片方は攻撃役になる。
 内容は簡単。今回は人の護衛という依頼を想定して行うわ。防衛役のA班は人物の護衛。攻撃役のB班は人物の誘拐。誘拐って書くとなんだか悪役みたいだけれど、B班は人の救出という依頼を想定してやるといいかもね。
 それで特殊ルールなんだけれど、二班とも防具と武器は家に置いてきてほしいの。今回の作戦で使うのは頭脳よ。
 前回の訓練ではその場に落ちていた枝や生えていた草を使ってトラップを作ったり、武器を作ったりと皆工夫してくれてたわ。今回も同じようにね。
 食事に関しても同様。ただヘリコプターで食材だけは運ばせてもらうから安心してね。調理方法は自分達で工夫。無人島にいる野獣とか果物とか食べてもいいかもね。
 訓練は三日間よ。その間に人物を防衛しきったらA班の勝ち、人物を救出して目標地点まで連れてきたらB班の勝利よ。ちなみに、目標地点はB班しか知らないわ。

 長々と喋りすぎて口が疲れたのだろう、坂山はコップに入っていた紅茶を飲んだ。
「前回も言ったけれど、一応勝敗はあるけど大事なのは新人教育というところよ。勝ち負けにこだわらず訓練に臨んでほしい。それじゃあ皆、よろしくね」
 ほっと一息。
 訓練の説明をエージェントにしている時は昔の教師に戻っていた気分だ。上級生が下級生に勉強を教えるというのは実際、テスト結果に良い影響が出た。良いコミュニケーションになるし、下級生も先生に教えてもらうよりは楽しめるのだ。
 上級生下級生だけではない。例えば同じ学年でも勉強が分からない所があったら友達に教えてもらう。ふざけてない限りよく記憶されるのだ。
「ちなみに護衛人物は僕だよ。今日はよろしくね」
 坂山の英雄、ノボルが言った。彼は深く、律儀に頭を下げるとにこにこと笑ってエージェントの背中についていった。

解説

●目的
 訓練を終える。

●注意事項
 二人一組を作る際、能力者のレベル差が30以上離れていること。
 レベル50以上6人、30以下6人を想定した人数設定になってます。
※要望には応えるつもりですが、最終的な組み合わせ判断はMSがします。

●無人島について
 ケルト海にある孤島。大雑把な楕円形の形だが、東南よりの地形に窪みができて歪な形になっている。
 インフラ整備はされておらず、道なき道の数々。南に浜辺があり、そこから滑りやすい急な坂を登って島に入ることができる。浜辺から登るとしばらくは人間の腰の高さまで生えた草の道が続くが、やがて薄暗い森が見え始める。
 島には熊や大鷲がいて、時に襲われることも。それ以外は一般的な無人島と変わらない。

●目標地点
 B班の目標地点は南にある浜辺とする。

●細かなルール
 ・開始は五月五日昼十二時から、五月七日昼十二時まで。
 ・過度な環境破壊に繋がらなければ、武器を多様に作る事が可能。武器だけでなく、防具、道具としても作るといい。
 ・スキルは使用可だが、リンクレートは不可とする。
 ・食材はヘリコプターが二機ずつ二か所に、決まった場所に置かれる。食材が運ばれた時から夕食終わって一時間までは休戦とする。
 ※あくまでも食材が運ばれるだけで、料理を作るのは皆さんです。
 ※島にある物を食材に追加は可。
 ・海から外に逃げ出す事はルール違反。
 ・もしも二人一組が出来ない場合、三人一組でも大丈夫。臨機応変に。ただ一人一組は厳禁。

リプレイ

●一日目 防衛チーム
 広大な海が浜辺から見える。都会では感じることのできない大自然の息吹が魂置 薙(aa1688)の服を揺らした。風は南寄りに吹いていて、時折強い風が拭いては彼女の帽子を攫いそうで手で抑えなければならない程だった。
「薙! すごい所だの!」
 エル・ル・アヴィシニア(aa1688hero001)は興奮を隠しきれない様子だ。
「なんでエルルがそんなにはしゃいでるの。これは訓練、だからね?」
 防衛チームはエレオノール・ベルマン(aa4712)とフェンリル(aa4712hero001)、魂置とエルのペアであった。真面目な魂置は今回のサバイバル訓練を熱心に取り組む心意気を見せていた。
「今日はよろしくです、エレオノールさん。僕は実戦経験はあまりないから、色々教えてくれると嬉しいです」
「はい、よろしくお願いしますね。魂置さん」
 ノボルはまったりと座って二人のやり取りを聞いている。これから攫われる人間にしては落ち着き払っているが、とはいえこれは訓練だ。これくらい呑気な方がまだ楽しめる……のだろうか。
 簡単な自己紹介が終われば早速行動に移さなければならない。誘拐組はもう島のどこかにいてノボルを狙っているのだから。
「とりあえず武器とかの調達を始めましょう。あ、その時に単独行動はしないように。この島全域が戦闘区域のようなものですし、何より危険な野生動物もいるそうですから」
「分かった。僕は簡単な武器を作りながら、トラップも仕掛けてみるけど……どうですか」
「良い案ですねっ。作った場所を忘れないように目印もつけておきましょう。あ、後トラップを作る時はノボルさんを匿ってる所にしましょう。たくさん作ると他の野生動物さんにも迷惑がかかってしまいそうで……」
「そっか……」
「後は食料とか、羊がいたら飼いならしたり地形を確認したり……って、思った以上にやることが多いわね」
「まー訓練じゃからの」
 フェンリルは手短に武器が落ちてないかを探し始めた。落ちているのは貝殻や小石だけだ。武器になりそうな物、というジャンルに括り付けられる探し物は見当たらない。
「先に進んだ方が何かしら有意義なものは見つかるんじゃないか? こんな呑気なところで立ち往生してる場合じゃない」
「エルさんの言う通りですね。森の中を進んでみましょう」
 歩いていると段々と草の身長が高くなってきて、気付けば森林が五人を囲んでいた。
「うわあ……すごい。森林浴だ」
 ノボルは精一杯の空気を吸い込んで、吐き出した。
「美味しいなぁ」
「そうじゃな。ノボルは都会っ子じゃろ、たまにはこういう所に足を運んだ方が良い。都会の邪悪な空気を洗いざらい流してくれるのじゃ」
「できれば森の中に住みたいよー。ツリーハウスだっけ。そんな所に住むのが憧れなんだよね。絶対気持ちいい所だもん」
「おおそれならベルマンの所に来ると良いぞ。ツリーハウスではないが、大自然での生活を堪能できるわ。なんせ羊飼いなのじゃからな」
「ええっ、そうなの?」
 ノボルは驚いてベルマンに視線を送った。同時にその生活風景を妄想してみた。綿菓子のような羊に囲まれて、幸せそうなベルマン。さすがに幸せ過ぎる妄想でそのとおりには絶対にいかないだろうな。
「羊飼いの経験、今回の訓練で活かそうかなって思ってます。この島に羊がいればの話なのですが……」
「探せばいるんじゃないかな」
 一行は資材を探しながら森の中を進んでいた。その最中、真っ先にその存在に気付いたのはエルであった。尊大な彼女は足元を見て落ちた木を拾うような真似はしたくないから辺りを見回して何か使えそうなものはないかと探していた。
 鬱蒼で薄暗い森の中だからこそ、木々の間から見える目は光っているようだった。
「あれは熊か。珍しい所に人間がいるものだから警戒しておる」
「本当だ……。どうしよう」
「落ち着いてください。まずは熊と目を離さないように少しずつ離れます。焦らずに……」
 エレオノールが指示して、ゆっくりと後退する。人間よりも大きい熊、その風貌から親だと窺える。近くに家があるのだろう。向こう側に近づくべきではない。
 落ち着いて後ろに下がって、落ち着いて距離を取って。アクシデントが起きたのは五歩後ろに後退してすぐだった。エルが足元に躓いて尻餅をついたのだ。
「いった……。誰だこんな所に罠を仕掛けたのは」
「大丈夫?」
 魂置がエルに手を差し伸ばして立ち上がらせた。大きな物音を立てなかったことで熊は襲いかかろうとはしなかった。
「しっかり足元は見ないとね、エルル」
「次から気をつける。……薙が作ったんじゃないだろうな」
「僕はまだ一個も。多分B班の誰かじゃないかな」
 熊と距離開けられないことにエレオノールは緊張していた。五人が一歩下がる度、熊も一歩歩みを進めるのだ。まるで追い詰めるかのように。
「ノボルさん、ちょっと後ろをみてみてください」
「分かった――あっ!」
「どうかしましたか?」
 気付けば、後方にも熊が潜んでいた。最初からこの熊達は挟み撃ちをするつもりだったのだ。自分達が目を離せないことを知っていて。
「僕たち、囲まれてるよ……!」
「狩りにきたのね、この熊達……。今日は熊料理になるかも。薙君、熊を退治する時は一撃でお願いします。時間をかけると血が全身に回って、熊のお肉が生臭くなってしまうからです」
「そうだったんだ。で……誰がどの熊をやるのかな」
「私が今目の前にいる熊を退治します。フェンリル、共鳴の準備を」
「分かったのじゃ」
 エレオノールと魂置は共鳴を終えて、それぞれが熊と対峙した。ノボルはといえば木に隠れて様子を窺う。
 一撃で仕留めろと言われても、武器もない状態じゃ難しい。熊の弱点は……おそらく頭だ。そこに致命的な打撃を加えるしかないだろう。魂置は俊敏に動いて熊の懐まで走った。攻撃を加えるのではなく様子見だ。熊は豪腕の先についた鋭い爪を振りかざした。
 大きな振りには隙が発生する。魂置は簡単に背後に回り込む。
 しかし攻撃はしなかった。致命的な一撃を与えるには大きな溜めが必要だ。熊は背後に気配を感じて振り向きながら豪腕を振った。しゃがんで腕を避けた魂置は後ろに距離を取って、すぐにまた駆け出した。
 焦らされていると思ったのだろう、熊は段々怒りが溜まってきて動きが大きくなり始めた。
 魂置は頃合いを見つけた。二つに隣接した木を足場に蹴り上げながら登っていく。熊が少し小さく見えてきたところで十分な高さになっただろう。獲物がいなくなって混乱している熊の脳天めがけてかかとを落とした。重力という大きな武器が相まって、熊は一撃で沈黙した。
 フェンリルは採集用のナイフを握りしめて熊に刃を向けていた。先に攻撃を仕掛けてきたのは熊で、獰猛なスピードで彼女の側まで近づいた。フェンリルは熊の体当たりを何とかして横に避けたが、リンカーといえどその攻撃を食らっていれば大きなダメージだった。
 切っ先を脳に深く刻めば一撃で仕留められる。問題はそのチャンスをどう作り出すか。
「中々ヤンチャな奴じゃのう。一瞬でおさらばするのじゃ」
 今度はフェンリルの番だ。熊よりも素早い速度で熊の至近に詰め寄ると、足場を踏んで跳躍した。その時に重たい熊の手を掴んで、掛け声を上げながら熊を上空に飛ばす荒業をみせた。真上から落ちてくる躯体。フェンリルは上にナイフを掲げた。

●一日目 誘拐チーム
 木の上を伝いながら防衛チームの様子を覗いていた藤林みほ(aa4548hero001)は、相手チームが熊を倒し終えるのを確認すると颯爽と自分の場所へと帰った。
「向こうのチームは食料の確保は済んだようで。もし離れて動いているならそのままターゲットを連れ去ってもよかったが賢明な事にしっかり防衛を固めていた。正しいやり方でござろう」
「お疲れ様。じゃあ準備が整うまでは無闇に特攻しない方が良さそうかな?」
「野生動物を利用するやり方も有力でござる。野生動物を誘導し、そちらに気を取られている間に攫う。ただ問題はノボル殿は隠れているはず。どれくらい早く探し出せるかも勝敗に関わってきそうでござるな」
 みほが偵察に離れている間、藤林 栞(aa4548)は六尺手ぬぐいを使って濾した水を木で作った容器に浮かべて方位磁石を作っていた。みほが戻ってきたのは南東の方からだ。
「野生動物をおびき寄せる癇癪玉、いざという時に必要な武器、盾が必要かな。その二つを作るために石器も用意しなくちゃだし……結構大変だー」
「それがサバイバルというもの。しかし達成すれば得られるものは大きい……。やる事が分かれば行動のみ、足を進めるでござるよ」
「あいあいさー。そういえばスーティアー君は大丈夫かな?」
 防衛チームと違って、誘拐チームは島内を自由に動ける大きなメリットがある。守る対象がいないから攻められたら逃げればいいのだから。藤林達は最初、スーティアー(aa5154)に今日の方針を伝えるだけで各々の仕事に取り掛かり始めた。
 スーティアーの今日の仕事は食料の調達だ。ダルマザメのワイルドブラッドである彼女は真っ先に海へと向かっていた。彼女の後を追うのはイラルギー(aa5154hero001)だ。彼女の狙いはクジラだが、ケルト海にいるかどうかは不明。熟成した魚がいれば上々だろうか。
 浜辺の潮風が心地よい。
「あたしに食べられたい奴はどこのどいつだ? そこかー!」
 少し遠くに出るくらいなら問題はない。日が落ちてからは藤林親子に合流する手筈になっているが、まだお日様はカンカン照りだ。スーティアーは海に潜って獲物を探し始めた。
 目の前に逃げるマルアジを発見した。一番最初に見つけるにしては上出来。しかも、お腹も膨らんでいて海の中だと言うのに良い香りが立ちこめる。スーティアーは素早いスピードで獲物を追って両手で鷲掴みにした。
 遠くの方まで泳いでいく彼女とは反対にイラルギーは浜辺付近で慎重に食べ物を探している。お世話になる藤林達のために美味しい魚を捕りたいのだ。戦闘では非力だろうから、せめて。
「うーん、あんまり良いお魚いないな……」
 先へ先へと進んでいくうちに、段々とイラルギーも浜辺から遠ざかっていく。足が砂から離れて奥までいくと、なんと大物を見つけた。
「あ、これだ! って……これは本当に大物だ……」
 思わず感心するほどの大物が目の前に現れた。ホオジロザメ、世界でも有名な鮫だ。映画にも何度も出演したことがある。一体何人の人間を胃袋に収めてきたのだろうか、両手両足の指を全て使っても足りないだろう。
 ホオジロザメからしても大物が目の前に現れたに違いない。鮫はイラルギーに向かって進んできていた。
「一番最初の依頼からこんな危険な状況に追い込まれるなんて、英雄も難儀だなぁ。でも海戦ならこっちの方が上手だよ、えい!」
 じわりじわりと近づいてくるサメ。イラルギーが足を素早く動かして一歩分遠ざかると同時に猛突進を繰り出してきた。銛をサメの口に押し付けたイラルギーは身体を横に半回転させて突進を避けると、ヒレを掴んで背中に乗った。振りほどかれる前に背中を蹴って高く跳ねた。
 後は簡単だ。銛を下に向けて重力に任せるだけで良い。一度目の攻撃だけでホオジロザメは絶えなかった。急所を外してしまったのだ。彼女はもう一度、今度は外さないように急所に銛を突き刺した。
 やがて鮫の動きは止まる。英雄とはいえ、ホオジロザメは猛獣だ。一度のミスが命取りになりかねない。なんとか脅威を凌いだイラルギーは海に浮かびながらほっと胸を撫で下ろした。
「おかえりーだなイラルギー。ほう、ホオジロザメか! 良い獲物を獲ってきてくれたな。もう食べていいのか?」
「まだだよ。藤林君達にもあげないとなんだから。たくさんお魚とかまだまだ捕れるから我慢。あ、でも火を起こすための木材とかも必要だからね」
「分かっている。太陽の位置を見て頃合いを確認すれば良いのだろう。朝飯前だ」
「ならいいんだけど。はしゃぎすぎて目的を忘れないようにね? ハイキングじゃないんだから」
「その通り! ハイキングではない……が、良い具合に楽しんでも良いのだろう?」
「訓練っていうのを忘れなければ! だからね。ほらほら、どんどんお魚捕るよ」
 新人の様子が心配になった栞が浜辺を覗いていたが、大丈夫そうだと分かると来た道を戻ってみほと合流した。
「しっかりやってたみたい。今日のお夕食が楽しみになってきたよー」
「大物が釣れたみたいでござるな。やはり、食料は二人にまかせて正解か。ではこっちも武器を仕入れるとしよう。質の良い物を手に入れなければな」
 一日目は準備に本腰を入れなければ勝利は遠ざかる。最大の勝負の時、敗北するのは準備不足の方だとみほは知っている。太陽が夕日になる前になるべく多くの資材を集めなければ。

●一日目 防衛チーム
 日が落ちて夕食時となった。今日の収穫は武器の資材集めと、何匹かの羊が集まってくれた。牧羊犬は連れてこられないと坂山に言われたから、フェンリルが代わりだ。
「わっちは四つん這いでは走りんせん!」
 と言っているが、しっかり働いてくれている。
 優雅な夕食時。エレオノールが熊や鳥を捌いている間に魂置は摩擦熱で火を起こしていた。何時間もかけて火が灯るとゆっくりと明るくなり始めて、また時間をかけて炎と呼べる物が出来上がっていた。
 串に刺された小さな肉を炎の上で焼いて、焦げ目を確かめる。
「油が落ちるから、その時に火傷しないように気をつけてね。後、見づらいけど焦げ目をしっかり確認」
「うん……」
 魂置はサバイバル経験は初めてで、何かとエレオノールに質問を繰り返していた。
 本部から送られてきた食材にはサラダや豚肉の他に調味料があった。その中から塩コショウを取って熊の肉に振りかける。エレオノールが言ったやり方で熊を仕留めたからか、生臭さは全く無かった。
 勿論、捌いた後にエレオノールが簡単な味付け、匂い落としをしてくれた恩恵もあるだろうが……。空腹を誘う香りが忽ち、五人を取り囲んでいた。ノボルに至っては我慢できずに野菜をドレッシングなしで頂いている。
 そろそろかと、魂置は熊の肉を炎から離した。
「焼くの上手だね、魂置君。それすっごく美味しいと思うよ」
「本当……?」
 初めてなのに、上手に出来た。魂置は微笑んだ。
「これ、あげます」
 一番最初に焼けた肉を彼は、エレオノールに差し出した。彼女は「え?」と思いもしなかったかのような声を出した。
「熊の肉、苦手だったかな」
「ううん。今日はエレオノールさんに本当にお世話になったから……。僕もこのお肉、すごく美味しいと思う。だからあげるんだ。ありがとうって言葉だけじゃ足りないと思って」
「おお……。なんだか嬉しいな。ありがとう、いただきます」
 食べた途端に分かるのは、これは大自然の味だということだ。最初は塩こしょうの簡単な辛さが口を整えて、その後に広がる肉汁と味が整えた口を潤していく。硬さも程良く、歯でしっかり噛み切ることができた。
 何よりも鉄板の上で焼くのとは全く違った美味しさが頬を落とさせた。
「美味しい! 魂置君もこれ、食べて。お返しです」
 お返しにと、エレオノールも魂置にお肉を贈った。野外生活の先輩が焼いた肉は、さすが絶品だ。
「フェンリルにも! さっきから二人だけで食べおって。ちょっとはこっちの事もおもいだすのじゃ!」
「覚えてるよ。みんなの分、ちゃんと焼いてたから大丈夫」
 エレオノールは一気に四人分のお肉を焼いていたが、みんなに分け与えるためだった。焼けた肉をエル、ノボル、フェンリルに渡す。
「ほう、これが熊の味か。中々美味だな。さすが羊飼いといったところか」
「うむうむ。立派で美味しいのじゃ。味付けのおかげもあるじゃろうが、ここまで美味しいとは思わなかったぞ。牧羊犬代わりに頑張ったかいがあったというものじゃ」
 ノボルはといえば、食べる事に夢中で無言になっている。
 野菜や豚肉まで食べ終えると一同は満腹になった。良い晩餐が楽しめた。サバイバルでは洗い物の必要がないから便利である。発生したゴミはしっかり持ち帰るだけで良い。無人島という無法地帯でもマナーは大事だ。
 フェンリルは疲れからか真っ先に眠ってしまった。あれだけ楽しそうに羊達と遊んでいたのだから。
 エレオノールもまた、先輩という立場から教えるという滅多にない機会に疲れが溜まって寝ていた。魂置はといえば、先ほど自分が焼いた時に出てしまった焦げ肉をちまちま食べていた。
「美味しいのか、それ」
 たまらず、エルが尋ねる。
「美味しくはないけど、でも勿体無い。焦げたからって捨てられるんじゃ、熊が可哀想だから」
「傍から見れば、温情な奴だな」
 野生動物の襲撃に備えて、エレオノールは周囲に山羊を設置している。もし危険が近づけば騒いでくれるから、良い目覚ましになるのだ。エルは眠気が来るまで羊で遊んでいたが、魂置が眠ると彼女もまた、隣で目を瞑った。
 ちょうど残り火が消える頃だろうか。五人が等しく眠りについたのは。

●二日目 誘拐チーム
 静かな足音を立てながら去っていく熊を木の上から見送った藤林みほと栞は、下の草木に隠れていた後輩の前に戻った。
「ふう、危なかった。それじゃあ今日は近接戦の演習をしようか。必要な素材は昨日全部集めたし、今日のために昨日のお夕食は少し残してあるから時間はたくさん。準備はできた?」
「バッチリだ。特訓をよろしく頼むぞ先生」
 先生と呼ばれるのは珍しく、むしろ教えてもらう立場であった栞は少しながら嬉しそうだ。
「大事なのは深呼吸、かな。呼吸を意識して、絶対に慌てないこと」
 スーティアーは独特の構えをとりながら呼吸を整えた。
「私は防御に徹するから、スーティアー君まずは思いっきり攻撃してみて」
「分かった、遠慮はしないぞ!」
 森の中を泳ぐように走り始めたスーティアーは正面から栞の腕を掴みにかかって地面へと引っ張ると体勢を崩させた。その隙に背面をとり、拳を背中に打ち付けようと振り回した。栞は体勢を崩された勢いのまま前に転んで攻撃を避けてすぐに立ち上がった。
「初めてにしては上手だね。結構素質あるんじゃないかな」
「無論だ。あたしは強いんだからな。栞も中々やるな」
「先生だもんね。お手本とならなくちゃだから、簡単には倒れないよ――最初に体勢を崩すところから入ったのはすごく良いと思うけど、その後に動きが大きかったね。次は最小限の動きでやってみるといいよ」
「最小限か。やってみよう」
 スーティアーは再び栞の前に立つと、外側から内側に向かって両腕で弧を描いた。栞は一歩下がって体勢を元に戻したが、スーティアーの攻撃はまだ終わらない。右腕ジャヴが目の前に現れてそれを防御した。
 攻撃は最大の防御だとも言う。栞が反撃しないからとスーティアーは攻撃を続けた。左右のパンチを何度も繰り出していると、栞の防御も崩れ始める。スーティアーはその瞬間を狙っていた。右腕に噛み付いたのだ。鋭い牙が刺さって離れることを知らない。
 栞はスーティアーの足関節を狙って手刀を入れた。思い切り地面に崩れ落ちたスーティアーだが、口の吸引力は強くまだ噛み付いていた。顎の力を失わせなければずっとこのままだろう。実践なら急所なるべき場所に攻撃を叩き込むところだが――。
「ストップ」
 栞がそう言うと、律儀にスーティアーも牙を抜いた。
「噛み過ぎ。吸い付く力が強いのはいいんだけど、正面でそれやったらすっごく危ないから次からやめようね。さっきみたいに後ろから回って首筋を噛むとかにした方がいいかも」
「承知した。確かにそうだな。先生の腕が柔らかそうだからつい噛んでしまったのだ」
 栞は噛みつかれた場所から流れる血が止まるまで訓練は休みと言った。
 イラルギーの特訓をしているのはみほだ。
 銛と短剣による武器演習だ。
「詰めが甘いでござる。ここぞという場所に攻撃を入れなければ攻撃はおろか、反撃を受けるぞ」
「はい!」
 二人の刃は石であった。刃が交わるたびに軽快な音が鳴らされる。
 イラルギーは一点方向に重撃突きを繰り返した後、地面を台に高く飛んで、クジラを取るように銛を振り下ろした。みほは銛の長い棒を掴んで空でイラルギーを半回転させると、勢いをつけて地面に叩きつけた。思わず手を離した彼女の銛を奪って自分の後ろへと投げ捨てた。
「来い。最後に頼りになるのは自分の身体だ」
 ゆっくりと立ち上がったイラルギーは大きく足を動かして懐へと飛び込んだ。腰を下げて風を切る。みほも刃を捨てて、突撃に構えた。
「相手の目から視線を離すな。徒に疲労を溜めるな」
 回し蹴りが受け流されてイラルギーは体が揺れた。すぐに真っ直ぐに戻すと、今度はすぐに攻撃へと転じない。呼吸を整えて、しっかりとみほの目を見る。
 みほの視線がやや右に逸れた。次の瞬間、彼女は強烈な右ストレートを右腕で繰り出してきた。イラルギーは反対側にしゃがんで避けると、身体ごと突進してみほを地面に倒し、マウントを取った。
「上出来だ」
「やった……! 相手の目をしっかりみる、覚えました。しばらく負けないかも……!」
「相手が人間の時だけだ。マスクを被っていたり、目のない従魔や愚神が相手だと通用しない。その愚神らと対峙した時は、もはや経験が頼りでござる」
「経験……じゃあ何度も戦いを乗り越えていくのがいいんですね」
「その通り。栞も以前は人に教えられる程熟してはいなかったが、今では立派になったものでござる」
「いつかはイラルギーが後輩を教える番が来るということですね」
「うむ。して……そろそろ退いてはくれないか。重いでござる」
 イラルギーは慌てて立ち上がった。
 特訓は一日を通して行われた。明日に備えての心構えの準備は完全に終えられただろう。しかし、良い汗をかいた。特訓が終わると四人は川にいって水を浴びた。

 今日の夜ご飯も焼き魚と、本部から送られてくるお肉と野菜だ。火を起こす係は栞で、イラルギーは魚を捌いている。今日の収穫はアジやイカ、木になっていた木の実だ。
「はぁ~疲れたな。イラルギー食べさせてはくれないか」
「イラルギーも疲れたよー。自分で食べなさい」
 スーティアーはぐったり地面に寝転がっていた。薪が燃え上がる音が聞こえて、足元に暖かな風が舞い込んでくる。ふと、口元に何かが当たった。丸焼きになったアジだ。
「今日はお疲れ様だったね。コレ食べて元気だして」
「おぉー! いただこう!」
 魚の良い香りがすると俄然元気が出てきた。スーティアーは齧りついて、その瞬間に暖かく焼けた肉の旨味と皮の味が押し寄せてきて、それはもう至福としか呼べない時間が訪れる。何と言っても舌触りが違う。新鮮なのだ。
「生物は寄生虫とか怖いからね、しっかり焼いたから安心して!」
「あたしは寄生虫とか全然怖くないのだ」
 イラルギーは焼くことに徹していて、出来た魚をみほに分けている。今日はありがとうございます、と言葉を付け加えて。
「良い訓練だったでござる。覚えたことをすぐに挑戦して、自分を高めようとする。立派な英雄になれるだろう」
「どうも……! これから頑張ります。初任務で優しい先輩に出会えて、すごく良かったことだと思ってます」
「みほが優しいか……。どうだろうな」
 英気を養うために、夜更かしは禁物だ。夜更かししようにもあまりにも眠くて出来ないだろうか。美味しいものをたらふく食べて、美味しい香りを吸って。身体は自然と睡眠の体制に移り変わっていく。
 四人の寝息が聞こえ始めるのに、そう時間はかからなかった。

●三日目 防衛チーム
 今日が最後の一日だ。今日の午後十二時……日光が真ん中あたりに来たところで終わる。襲撃が来るとすれば、もうじきだろうか。魂置はエレオノールの指示通りに罠を作っていた。
「これくらいで十分かな……。エルル、引っかからないようにね」
「そんな阿呆な真似はしない。期待しても無駄だ」
「何も期待してないよ。じゃあエレオノールさんの所に戻ろうか」
 ベースキャンプとなる場所にはエレオノールではなくノボルが隠れて待っていた。
「あれ、エレオノールさんは」
「もう準備ができてるよ。木の上で待機してる」
 羊を周囲に置いて準備が整っていたエレオノールはフェンリルと共鳴して陰に潜んでいた。
「もうそんな時間か。ノボルさんも僕の陰に隠れててください」
「うん。頑張ってね」
「……エルル、共鳴」
 魂置も迎撃の準備を終えた。
 訪れた無音。
 聞こえてくるのは微かな風で揺れる草木の音と、野鳥の鳴き声。気配は確実に死んでいて、どこにも見当たることはない。魂置の体感時間で三十分が過ぎた。
 その時に音が鳴った。羊が大きな声で鳴いたのだ。
 森の奥から飛んできた短剣を盾で弾いた魂置は、目の前に落ちた短剣を拾って身構えた。
 彼女は側面から現れた。両手には簡単な素材で作られた小刀が握られている。魂置は拾った小刀を投げて、それが弾かれるのを見ると石器の剣を構えた。藤林の短剣を避けて彼女の足に向かって剣戟を狙った。藤林は飛んで剣を踏みつけると、魂置の頭上を取った。
 肩車をするように彼に乗るのだから不利な状況が生まれてしまった。
 これ以上新人任せはさせられない。フェンリルは危機的状況を救い出すためと木陰から身を乗り出して藤林に飛びかかった。
「こっちじゃ驚いたか!」
「く……上から来ましたか」
「フン、どうやら読みが外れたみたいじゃな。ここらで観念じゃ、惜しかったのう!」
「それはどうでしょうか。また勝負は終わってません……!」
 藤林は服に忍ばせていた鳴子を取り出して、大きく音を鳴らした。
「威嚇か?」
 無人島には猛獣がいる。それらは平等に音に敏感である。
 元々藤林がクマ達を誘導していたこともあってか、猛獣達はすぐに姿を現した。全速力で駆けてくるではないか!
「しまった! 薙、ノボル逃げるのじゃ」
 フェンリルはノボルを担いで反対側へと逃げた。南の方向でそちらには浜辺がある。
 猛獣達は狙った獲物は逃さないとばかりに三人を追いかけていた。ついに浜辺という開けた場所に着いてしまったが、退く事を知らないのだろうか。何匹かの猛獣は羊達が囮となって森の中へと追いかけていったが、一匹の熊がまだ残っていた。
「フェンリルは藤林の相手をするのじゃ。薙はクマの注目を仰いどいてくれ!」
「分かったよ、気をつけて……!」
 魂置は熊の所へと走って、豪腕を避けて剣で足を突き刺した。
「ノボル、フェンリルの身体を離すんじゃないぞ。ずっとしがみついておるのじゃ」
「わ、分かったけど大丈夫? 戦いづらくない?」
「無理して戦う必要はないのじゃ。時間が来るまでに逃げてればフェンリル達の勝ち。いいからノボルは言う事を聞いとれ」
 藤林は森の方から徐に近づいてきている。一気に攻めてこないという事は、機会を見計らっているというのか。フェンリルは少し緊張して構えている。藤林が一歩近づく度に一歩下がり、一定の距離を保っている。
 片足に海水の冷たさが訪れた。
 藤林の作戦が露呈するのはその瞬間である。
 前々から海の中に潜んでいたスーティアーが海から飛び出してきたのだ。完全にフェンリルの背面を取っていた。
「なんと!」
 熊を利用して浜辺へとフェンリル達を誘導した理由には、スーティアーとイラルギーの潜伏があったのだ。海の中で潜み、フェンリルが近づくと同時に登場する。
 スーティアーとイラルギーはノボルを掴んで背中から引き剥がし、誘拐に成功した。フェンリルは後を追うも、藤林が彼女の背中に跨って馬乗りになった。
「薙! クマはほっとけその二人を追うのじゃ!」
 フェンリルの咆哮、しかし二人は目標地点を足で踏んでいた。
 勝負は、誘拐側の勝利という事か。
「がうー」
 フェンリルは砂の上で項垂れた。


 戦いが終われば、選手共々握手だ。フェンリルは栞と握手をする時、こう言っていた。
「良い戦いであったぞ。負けてしまったが、栞らの戦略は中々感心させられた。もしまた機会があれば再戦を希望したいな」
「考えついたのは私じゃないんだけどね。でも、ありがとう。フェンリルちゃんの作戦も読めなかったよ。まさか羊を周囲に置いて索敵するなんて」
「どうせならしっかり熊の囮になってくれればよかったのじゃが。一匹残らず向こうにいってればまだ勝機はあったんじゃがなぁ。して、羊は無事なのじゃろうか」
「わからないけど……大丈夫じゃないかな?」
 牧羊犬として一日羊達の世話をしていたフェンリルは、何かと愛着を持っていた。熊に食われてはいないか少々案ずるのだが、この森の中探すのは一苦労だ。大丈夫、という事にしておこう。
 しばらくしてヘリコプターの音が聞こえ始めた。彼らを迎えにくる送迎用のものだ。
「しっかり教えられたかな」
 エレオノールは魂置を訓練させられたのかと、この三日間を振り返っていた。
「その気持ちすごく分かる。私もちょっと不安だなって」
 栞も同意した。教えるということは責任が発生するのだ。
「二人して何無用な心配をしておるのじゃ。訓練をする前と今の新人を見比べてみるがいいのじゃ」
 新人は四人で今回のサバイバルについて色々と思いを話している。特にスーティアーが話の中心となって。
「実に楽しかったぞ。特に食べ物が旨い。新鮮だからな! 本当はクジラとかいればよかったんだが」
「沿岸部には中々いないよ。あ、薙やエルさんはお夕食の時何食べてたの?」
「熊のお肉とか、淡水魚とか……です。すごく美味しかった」
「熊かー。いいな~イラルギーも食べて見たかった。さっきの熊たちを追いかけてやっつけてみようかな……」
「やめた方がいいな。熊を狩るのも一苦労だ」
 一日目のあの時は一撃で熊を仕留められたが、次成功するとは限らない。クジラを捕るのとはまた違った苦労があるのだ。
「そういえばよく罠に引っかからなかったな……」
 魂置はベースキャンプの周辺に罠を仕掛けていたのだが、熊が全部踏み潰してしまったおかげで藤林がかかる気配は全くなかった。これは後日分かることだが、羊が罠に引っかかっていたという。
 ヘリコプターが浜辺に降りて、パイロットが「よう。おつかれさん」と九人に労いの言葉をかけた。
「成長したのかは分かんなかったけど……。でも、良い経験にはなってくれたかな」
「多分ね」
 二機のヘリコプターに全員が乗って、島とはおさらばだ。
 この三日間お世話になった島。ヘリコプターの起こす風が木を揺らして、手を振っているように見えた。多分島も、お疲れ様と労ってくれているのだろうか。
 機体の中は静かであった。今日は防衛チーム、誘拐チームとも早起きだったのだ。緊張から解かれると、どうにも眠気に襲われるというもの。
 フェンリルの大きな欠伸が切っ掛けに、エレオノールや魂置、更には他の機体に乗っている栞達にも欠伸が伝染した。
「はは、お疲れさん。ほんの些細なもんだがそこにパンがあるからよ。腹が減ってるなら食っていいぞ」
 パイロットが気を利かせて食べ物を持ってきてくれていたのだ。
「遠慮なく頂くのじゃ」
「そうしてくれ」
 島はどんどん遠ざかっていく。長いようで短い三日。魂置は窓から島を見下ろしていた。すると島がまだ手を振っていたので、魂置も振り返してやった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 共に歩みだす
    魂置 薙aa1688
    機械|18才|男性|生命
  • 温もりはそばに
    エル・ル・アヴィシニアaa1688hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • サバイバルの達人
    藤林 栞aa4548
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    藤林みほaa4548hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • エージェント
    エレオノール・ベルマンaa4712
    人間|23才|女性|生命
  • エージェント
    フェンリルaa4712hero001
    英雄|16才|女性|シャド
  • エージェント
    スーティアーaa5154
    獣人|14才|女性|攻撃
  • エージェント
    オルカaa5154hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
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