本部

広告塔の少女~感じろ、これがロマン~

鳴海

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
8人 / 0~10人
報酬
少なめ
相談期間
4日
完成日
2017/04/22 14:21

掲示板

オープニング

ドキュメンタリー撮影


● 桜のはなびらって可愛い形してますよね。
 
 春の息吹、冬のしんみりした空気は一掃され、湿度の高い風が南から吹いてくる。
 その風に撫でられた草花は、目が覚めたように成長を始め。
 今、鼻を咲かそうとしていた。
 冬の終わりである。
「あー、気持ちいいわね」
 そんな春の気温と日差しの中で遙華は溶けそうに机へ突っ伏していた。
「いままで気を詰めて仕事していた分、こうポカポカすると、疲れが」
 そんな遙華のデスクへ山のような書面をどんと乗せるロクト。
「今日中にお願いね」
 ロクトの笑みはまだ冬のように冷え切っている。
「ねぇロクトもお休み欲しいでしょ?」
 だが、きかない。
 遙華はとろけた姿勢を崩さない。
 最近、冷徹ロクトスマイルに耐性ができてきたらしい。まぁ、二年間それでもっていただけ長持ちしたと言えるかもしれないが。
「まぁ、十日は働きづめだしね」
「自由になった時間なんて音の遺跡の後のバーベキューくらいだったわ」
 さすがにかわいそうに思ったのか、ロクトは張り詰めた緊張を解いて、書類の山の中から一枚の契約書を抜き出す。
「じゃあ、四季恒例のあれをするしかなさそうね」
「あれ?」
「ドキュメンタリー撮影。今回はアミューズメントパークのPRも同時に取るわ」
 そう差し出した書類の中には。
『グロリア大正町。オープンに当たっての宣伝』
 というタイトルがうってあった。

● 大正。モダン。レトロ。

  日本国内に江戸時代をテーマにしたアミューズメントパークはあれど、大正をテーマにしたアミューズメントパークは無い。たぶん。
 という経緯でこの町が建設された。
 端から端まで歩いて渡るには三十分ほどかかる、広大な敷地の中すべてが、大正時代の建物で構成されている。
 モダン、やレトロと呼ばれる物品たち。
 まるでタイムスリップしたかのような気持ちになれるのがこの施設の特徴だ。
 そう遙華は君たちに説明した。
「ここはゴールデンウィーク目途に解放予定なんだけどね。その前に簡単な楽しみ方案内、みたいな動画を取りたいのよ。それをあなた達にお願いしたいの」
 そして全員に配られたのは、俗にハイカラと謳われる衣服。
 袴であったり。軍服であったり。古い日本と、海外の文化。それが丁度流入し爆発的に化学反応を起こし始めた時代の衣服。
 これに身を包んで、ここで二日間の時を過ごしてほしいらしい。
「のんびりできる施設よ。ここは、宿泊が前提の施設になってるの。24時間体制で動いていて。宿屋、温泉、遊郭っぽい展示物もあるのよ」
「遊郭はいいわ」
 ロクトが艶っぽく告げる。
「そこには大正ロマンと呼ばれるものの真髄が詰まってる」
「あなた、日本の歴史だとそのあたりが一番好きよね」
「なんというか物悲しいじゃない。風情があるわ。わびさびよ」
「ふーん」
 その言葉を遙華は流し説明を再開する。
「基本的に雰囲気を楽しむ街なんだけど。みんなにはこの町に宿泊してもらって実際にアトラクションを楽しんでもらうか、アトラクションを仕掛ける側になってほしいの」
 それを撮影し、PRとして流すというのが今回のお仕事。
「頼めるかしら?」
 そう遙華は言葉を締めくくった。


 ● 大正時代
 
 今回はアミューズメントパークでの撮影です。この町は東、西、南、北。中央とざっくりエリア分けされており、それぞれ特徴があります。
 特徴があると言っても、感覚はショッピングモールに近いです。
 メインの売りは、雰囲気を楽しみながらお買い物をしたり、休日をのんびり過ごすための施設にプラスしてコスプレ撮影もできるみたいな……。
 施設の構造を紹介します。

東 出入り口があるエリア。お土産や、食事処が立ち並び、セーラー服の女学生であったり、軍服のおっさんであったり、和服の売り子が沢山いる。夜は静まるエリア。

西 ここは川が流れていて民家が多いが、夜は遊郭っぽく変わる。立ち並ぶ行燈、水に明かりが映りこんで綺麗です。綺麗なお姉さんがいっぱいいますが、未成年でも安心できる町を目指しているので、アダルトなサービスは一切ないです。

南 温泉街です。ここは純粋に羽を伸ばしたい人が集まるので静か。図書館や映画館と言った大正あまり関係ない施設もここに集約されており、外観以外は普通の町って感じです。

北  開けた街並みにお洒落な喫茶店、木造の学校など、町に必要な施設がギュッと集められた施設です、ただ建物だけがあるので、主に撮影のためのエリアとなっています。
 新撰組イベント等。イベントもここで行われます。

中央 宿泊施設や着物貸し施設と言った、お客さん向けの施設が沢山あります。

 ここで、ただただ日々を過ごしてほしいのです。
 大正和服に身を包み、ラジオの流れるハイカラな喫茶店でおしゃべりに興じたり。
 桜の見えるぼろやで酒におぼれて見たり。
 そんな皆さんを撮影班が撮影します。
 撮影してくれる人も募集中です。カメラに自身のある方。動画でも静止画でもいいので撮影協力お願いします。
 

解説

目標 新アミューズメントパークを楽しく利用する。

 さらにイベント参加者を募集します。
 皆さんが大正町にいる間に三つイベントを起こす予定ですが協力者が足りません。

・新撰組イベント
 本来であれば新選組はさらに二つくらい時代が前みたいですね。大正、明治、それより前の幕末。
 ただ、こまけぇことはいいんだよ。と新撰組的なノリでグロリア社はイベントに組み込んでしまいました。
 テーマは池田屋事件です。
 尊王攘夷派志士を新撰組が襲撃した事件ですが、ここもこまけぇことはいい、って感じになっており。
 黒服の奴らと。誠の旗を掲げた人たちで切りあいます。
 これは、黒服(負ける方)新撰組(勝つ方)巻き込まれる人(リポーター役)に別れてもらいます。
 戦闘の様子を巻き込まれる人がリアクションで面白くする形です。
 当然新撰組が勝ちますので、打ち合わせをお願いします。

・夜撮影。
 女性の方必見。花魁衣装でライトアップされた街を練り歩いていただきます。
 いわゆるサービスシーンですが男性との絡みも欲しいかもです。
 そこにストーリーがあると動画としても使いやすいのですが、そこはあればでいいです。
 気軽に参加してください。
 これにはロクトがノリノリです、遙華は嫌がってるのでよほどの理由でないと参加しないかと思います。

・団子早食い競争。
 串に三つ刺さったオーソドックスな団子。
 これを早食いしてもらいます。
 優勝者には豪華賞品プレゼント?

 さらに売り子に扮しての撮影協力や。
 他にも起こしてみたいイベントがあれば募集中です。
 参加のほどよろしくお願いします。

リプレイ

プロローグ

『一ノ瀬 春翔(aa3715)』はバスを降りるとその門扉を見あげた。
「こういう所にゃアイツが来たがると思ってたが……」 
 重たそうな荷物を両手にふらふらと歩く『エディス・ホワイトクイーン(aa3715hero002)』
「二人で行ってきていいよ、だってね」
 エディスはそう春翔を見あげて笑った。
「その代わり撮った映像は最優先で寄越せとか。意味分からん」
(……使っていいのかなぁ、コレ)
 エディスは鞄を持ち直しながら中身について思う。
 そう、エディスの荷物にはアルスマギカが紛れていたのだった。


第一章 タイムマシン

『三木 弥生(aa4687)』は関所……というのだろうか、重々しい雰囲気の入場施設を潜ると、町並みを見あげてくるると回った。
「ふぅむ……ここが大正町…………私のひいひいお爺様が居たくらい……ですかね?」
 歴史を遡り、感じ。風情を楽しむ弥生。
「大正アミューズメントパークね、モダンで良い雰囲気じゃないか」
 そう昔の時代の風が合うのか『杏子(aa4344)』は微笑みを浮かべる。
「……この新選組というのは江戸時代のものだろう?」
『テトラ(aa4344hero001)』が告げた。
「細かい事は気にしないで良いの」
 そして二人は足早にアミューズメント内部を目指す。
「それにしても古めかしいですね」
 そう告げる弥生の鎧姿の方が古めかしくはあるのだが。普段着であるので仕方ない。チャカチャカと金属音を鳴らしてまずは中央のエリアまでひた走る。
 荷物を置いてふさわしい衣服に着替えてから遊ぶようにと。遙華嬢からのお達しである。
「雨月……着替えは終わった?」
 そんな中央エリアの衣装施設、その一室の扉を遙華が叩くと引き戸をぴしゃりと開け放つ『水瀬 雨月(aa0801)』
「準備できたわ、あら? ロクトがいないのね」
雨月はハイカラな和装に身を包んでいた、藍色の柄物。モチーフは菖蒲だろうか。銀色の髪飾りは少し大人っぽく、美しい髪と相まってお人形さんのように美しい。 この時代の衣服は彼女にとても似合っていた。
 対して遙華は紫を基調とした衣装、髪に黄色い花の髪飾りを指している。
「今回は一緒ね」
「え?」
 遙華の言葉に雨月は問いかけを返した。
「前回テーマパークで会った時には、一緒に回れなかったでしょ? だから……」
 そう言い淀んだ遙華に雨月は告げる。
「服、似合ってるわよ。濡れた女の服よりよっぽど」
 少し笑って遙華は。ありがとうと言った
「大きな戦いが終わったばかりだしね。一息つくには丁度いい感じだわ。温泉とかもあるみたいだし」
 雨月が遙華を振り返りながら告げる。
「どこから回ろうかしら?」
「どこからでもいいわ、全部まわりましょう」
 そんな少女二人を様々な人物が追い抜いていく。
「撮影!! 私と飛鳥さんのラブラブカップルぶりを世の中に広めるんですね!!」
 たとえば『雪峰 楓(aa2427)』や『桜宮 飛鳥(aa2427hero001)』も二人を抜いて歩き去っていく。その後ろに『都呂々 鴇(aa4954hero001)』が続く。
「早くいきましょうよぉ」
 その言葉に、はいはいと応じる『新城 霰(aa4954)』
「鴇ちゃんが喜びそうな場所ね」
「ボク、はりきっちゃいますよぅ。楽しみー」
「……大正時代なのに新選組なの?」
 そう本日のイベント情報について首をかしげるのは『オリガ・スカウロンスカヤ(aa4368)』と『スヴァンフヴィート(aa4368hero001)』
「しーっ!!」
 そんな中。二人の影に追いすがる少女がいた。
「おっす」
『彩咲 姫乃(aa0941)』である。
 彼女は学ランに学帽の学生姿で、きりっとした佇まいは少年に見える。
「似合ってるわね」
 そう遙華が告げる。すると姫乃も笑って告げた。
「かっこいいよな、この組み合わせ」
「でも、メルトは同じ服装なのね」
「うん、女の子の服装ってよくわからなくてな。メルトには適当に似合うのを用意してやってくれ」
「うーん、じゃあ」
 その時である、廊下の左右に並ぶ無数の衣裳部屋、その内一つの襖が、スッと開いた。
 それこそ少しの隙間、腕がやっと通るくらい。
 その向こうでぎらつく瞳。
「私に、任せなさい」
「あ。ロクト」
 雨月がそうつぶやいたときには、隙間妖怪ロクトに、『メルト(aa0941hero001)』は攫われていた。
 まるで隙間に吸い込まれるかのようだったと後の姫乃は語る。
「彩咲さんは今日、どうするの?」
 ロクトがメルトを着せ替え人形にしている間に、雨月がそう姫乃に問いかけた。
「アトラクションを楽しむのを中心にする予定だぞ。でも……新撰組って響きは好きなんだが具体的に何するのかは知らないんだ」
「それは私と同じみたいね」
 雨月は言う。
「まぁ、詳細は参加者にのみ説明されるからね」
 そう遙華が告げると、姫乃はぶら下げたカメラを掲げて見せる。
「だから演じるんじゃなくて見学上等精神で漫遊するぞ。記念撮影は大丈夫だよな。カメラの準備は万全だぞ。そうそう、西大寺。ところでさ」
 姫乃があくびを一つこぼしながら告げる。
「遊郭ってなに?」
 雨月と遙華の表情が固まった。
「いやいや、やたらプッシュしてるロクトがいるから気になってな。遊ぶって字があるし当時のゲーセンみたいなもの?」
 顔を赤らめる遙華、苦笑いを浮かべる雨月。
 その時襖が開いて、ついでにロクトも口を開いた。
「そうね、認識としては間違ってないわ。ゲームみたいなものよ」
 雨月は嫌な予感を全身で感じる。しかし興味が絶えない姫乃はロクトの言葉に身を乗り出して聞き入っていた。
「大人のゲーム、そしてレバーがある点も同じね、こう……男の人のレバーをガチャガチャと」
「ロクト!!」
 振り回される赤い巾着。珍しく遙華に怒られるロクトである。
「男の人のレバー?」
 姫乃は首をかしげた。
「女の子にもあるでしょ? レバー。お腹の中に」
「ああ、内臓のレバーか、でもなんでその話」
「遙華がお肉をおごってくれるって話よ」
「そ! そうよ! 成長期には鉄分が必要だからね、貧血にならないようにあとで焼き鳥でも食べに行きましょう」
 姫乃の手を引っ張って先にすすもうとする遙華である。
「ん? 綺麗にだまくらかされた気が」
 そう隙間妖怪の魔の手から逃れた三人。だがメルトを置き去りにするわけにもいかないので、三人で街並みを眺めながら待っていた。
 すると。
「リリア! 早く行こう!」 
 そう『天城 稜(aa0314)』が飛び出していくではないか。
 ネクタイを締めたシャツにベストを着た。新聞記者風の出で立ち。
 彼によく似合っていた。
 その後ろを歩くのはブーツに和装。女学生の服装をした『リリア フォーゲル(aa0314hero001)』が立っている。
 見ようによってはカップルにも見えなくはないのだが。
「帽子を忘れてますよ」
 リリアがそうハンチング帽を稜に被せ、ネクタイを締め直している姿を見る限り、姉と弟である。
 そんな二人に『宮津 茉理(aa5020)』が声をかけた。
「二人の写真とってもいい?」
 そうカメラを掲げて見せる茉理に二人は快く頷いた。
「印刷したものか、データを後で渡せるようにするから」
 そう手を振って二人を見送る茉理に『水無月 未來(aa5020hero001)』も習った。
「皆似合ってるなぁ……カッコイイ!」
 そう写真を見直しながらため息をつく未來。特に稜とリリアは絵になるので何枚も撮ってしまった。
「……そう」
「ホントすげーなココ! どっから行くんだー?」
 はしゃぐ未來は茉理の手を取ってぐいぐいと先導して歩いていく。
「大正といえば、アイスが一般的にも普及しだした時代……だから、食べ尽くす。まずはあそこ」
「ここまで来てアイスかよ!?」
 未來は額に手を当てて、相棒のアイス好きを憂うが茉理はそんなもの気にせず、雑誌のようなものを広げた。
 その一面に広がるのはデザート特集。そして半ページ覆い尽くすほどのアイスの写真。
「……いく」
 そう乗り込んだのは喫茶店『カンタレラ』北海道産生クリームを使った各種アイスを。
「ここからここまで、順番に」
 片っ端から頼んでいく。
「おい! そんなに食えるのかよ」
「この店はオムライスがおすすめ……みたい」
「あ。じゃあマスター。オムライス一つ」
 静かなジャズを聞くこと十数分。昔ながらの凝っていないオムライスと。
 華のように飾られたバニラアイスが登場した。
「このページの、アイス全部…………いいから、食べれるから」
「卵がふわふわっていいよな! 美味い!」
 それぞれ大きさの違うスプーンを取り、舌鼓を打つ少女たち。
「それにしても、なんだってカメラを持ったんだ?」
 未來はそう首をかしげた。
「素人だけど、私の右腕なら手ブレも少ないから。それだけ」
「へぇ……だったら」
 その時、茉理が席を立った、背をいっぱいに伸ばすようにして広いテーブルの向こうの未來へとスプーンを伸ばす。
 溶けかけのアイス。茉理の体温で温まっていたスプーンは再びアイスで冷やされひどく硬そうだった。
 それを未來はオムライスを飲み下してから、ぱくりと口にする。
「あまい」
 そう言って未來は笑った。

   *   *

 何か嫌な予感を背負いつつ春翔はバリバリの将校スタイルで町を練り歩いていた。マントをなびかせ、軍刀に手をかけ。ブーツを響かせるバンカラスタイルである。
エディスは典型的な編み上げブーツと袴が凛々しいハイカラさんスタイルだ。
「……学生でもねぇのにコレはどうなのよ」
 そうエディスに問いかける春翔。
「テーマパークなんだから、大丈夫だよ」
 そう首を回して、慣れない重装備にを見回してみる。しかし着心地はいい。なんとなく気が引き締まる思いがする。
「ま、存分に楽しませて貰いますか」
「うん! いこう! あっちに美味しいアイスのお店が」 
 エディスは春翔の腕に腕をからめて、引っ張っていく。
 そしてその街並みに春翔は目を奪われた。
 現代社会の耐久性重視、コンクリート打ちつけの建物と違い。
 重たい木の渋み、瓦の屋根。そして土がむき出しの通り。
 土臭さは田舎臭さで、あまり嗅いだことのない香りだが。
 ここではのんびりしていてもいいのだという気分にさせられる。
「あ、でもお団子も食べたい」
「桜が綺麗だぞ」
 店を指さすエディスに、桜を指さす春翔。
「花より団子か?」
「うん」
 小さく笑って頷くエディス。しかし、見あげた桜に目を奪われたようで。
 春翔の腕を支えにその場で立ち止まる。
 その二人の後ろ姿を見る限り、さながら当時の逢瀬のようではある。
「中々クオリティ高いじゃねぇか。当時の景色なんざ知りもしねぇが、風情は充分だな」
「良い所、だよね」
 そうエディスは瞳を閉じた。


第二章 こちらも花より団子。


「さぁ、始まりました、団子早食い大会。司会進行を務めるのは、西大寺 遙華です」
 そう名乗ると会場が完成にわいた。
 そして参加者の紹介をしていく。
 左端にはテトラ。そして姫乃とメルト。
 そして弥生。
「た……食べ放題…………いくら食べてもいいので御座います!!」
 満面の笑みを浮かべる少女の目の前に並べられたのは、みたらし団子がとりあえず二十本。
「後は追加でアンコが二十。ずんだ団子が二十」
「ズンダ!」
 弥生は驚きの声を上げた。
「スポンサーが東北の企業なのよ」
 ずんだ団子とは地味に道の領域である。最後に控えるラスボス感を醸し出すずんだに戦々恐々としながらも、弥生は両手をフリーにした、臨戦態勢である。
「いっぱい入るように! 胴鎧は置いてきました! それではいただきます!!」
 開始の鐘の音が鳴る。
 最初に動いたのは姫乃。こんな時でも素早い。
(この勝負……)
 メルトを見て姫乃の瞳が鋭く輝く。
(負ける気がしない!)
 なぜならメルトの胃袋は宇宙だ、伊達にいつも食費に苦しめられてはいない。
(この私が遅れを取るなんて)
 弥生は内心苦笑する。
(でも! ここであきらめないのが武士の維持。誇りという物です)
「おおっと、弥生選手、ここでスピードを上げた。」
 串を両手に三本ずつ持って、口に入れる時は三個纏めて。詰める弥生。
 当然口周りはみたらしでべとべとである。
 そんな中、姫乃の視線に、手を振る雨月が映った。
 そのジェスチャーの示すところ、遙華を指さしているようで、姫乃は遙華へ視線をずらす。
 彼女はカンペを差し出していた。
(は? 撮影するから絵になる食べ方をしろ?)
 絵面が汚いとロクトからのテコ入れ指示である。
(早食い競争でがっつくなと申すか。いや、最終兵器(メルト)出してる時点で負ける気がしないからいいけど)
 そして団子を詰め込む片手間にジェスチャーで遙華に問いかける姫乃。
(で、どんな食い方をしろと? ……うん、これ女性のポーズだな。ええい、この学ランが目に……今和服だった!?)
 そう、今やオレンジ色のふりふりの可愛い和服である。ロクトにやられた。
 今の姫乃は大正娘に他ならない。
「……やらなきゃだめ?」
 そう口もとに手を取り上目づかいになる姫乃、直後フラッシュが瞬く。
「今の撮るなよ!」
「はい、ロクトさん、データ」
 茉理が姫乃のあられもない姿の焼き付いたメモリーカードを手渡していた。
「話聞けよ!」
「まったく、もっと気合を入れて食べられないのかねぇ、テトラは」
 そんな杏子の声が聞こえたのか、テトラは杏子に手を振った。
 テトラは黙々とペースを変えずに食べ続ける。
 その隣で、弥生は。弥生は……。
「心頭滅却すれば火もまた涼し。胃もまた涼し」
 ずんだを口の周りにこびりつかせながら、団子を食べていた。真ん丸に肥え果てるも、それでも、それでも食べていた。
 正直に言うと体は団子を拒否している。手が震える。眩暈がする。 
 だが、強靭な精神力でそれを押さえつけ。そして。
 最後の一本を口に運んだ。
「試合、終了です」
「はい、いやぁ……満足でした。けぷっ」
 そうお腹をさする弥生だったが、彼女はまだ知らない。その後体重が7kg太り、帰ってから皆に、丸くなったねと言われる未来が。まだ見えていないのだ。
 
   *    *

 団子早食い大会も終わり、解散していく人並、その流れに逆らってハイカラ娘二人は、喫茶店前の奇妙な看板に目を奪われていた。
 オリガとスヴァンフヴィートである。
「おいらん?」
 ふたりとも花魁は知っている。だが実際に見たことはないし、それが体験できるとなると少し面白そうだった。
「てっきり、こういう所は舞妓さんだと思ったのだけど。」
「花魁みたいですわね。…………ん? 花魁??」
 そう動きをぴたりと止めるスヴァンフヴィート。その顔がみるみる紅潮していく。
(…………やだ、見たい。お姉さまの花魁姿、見たい)
「どうしたの? スヴァン」
「ね、ねえ、先生。これ、やってみません??」
「えっ? 私??」
「大丈夫、絶対似合いますから!!」
 そうスヴァンフヴィートは花魁体験会のポスターをしきりに指さした。なんだかんだ付き合いがいいので、首を縦に振るオリガ。
 そう二人はどんな格好をするのか話しながら、新撰組イベント会場まで向かった。

    *    *

 場所は御座敷、池田屋そこには黒服の男たちが集まっていた。
 中央にいるのは霰。彼女はその時を今か今かと待っている。
 その緊張感たるや。隊員たちが息を飲んで口を開けないほど。
 その時、突如ふすまが開く。
 そこには髪を一つ縛りにした。杏子が立っていて。
「アンタが。霰だね」
 そう問いかけた。
「だったら、何だっていうの?」
「この町のために死んでもらうよ」
 二人が抜刀したのはほぼ同時。互いに数歩の距離を一瞬で駆け抜け。その刀身を叩きつけた。
「く、まつんだ!」
 杏子を押しのけ霰は廊下に躍り出る。
「襲撃だ! 剣を抜け!」
 そう告げて霰はふすまを蹴り倒して縁側まで逃走を図る。
「ものどもであえーであえー!!」
「侍がいる!!」
 真の旗を掲げた弥生が池田屋を包囲していた、隊士たちに建物を包囲するように告げている。
 なだれ込んでくる新撰組達。
 迎撃しようと霰は剣を取った。だがその前に立ちはだかるのは未來である。
「誠の旗の元に! 出会え出会えー!」
「我らを容易く倒せると思うな!」
「こういうのやってみたかったんだよ! こういうの! …………うわっ!?」
 感激のあまり目を瞑った未來、だがその眼前に霰の切っ先が迫る。
「新撰組など敵ではないぞ」
 そんな風景を望遠レンズで撮影をしているのが茉理であった。
(……皆、楽しそう。ただの思いつきだったけど、カメラ持って良かった)
 そんな茉理はふと喫茶店での未來との会話思い出す。
(ここで皆が生きていた証を、この手で残したかった……なんてこと、あの子には言いたくなかったし)
 そう優しくカメラを撫でて茉理は未來の勇士を写真におさめる 。
「私を忘れてもらっては困ります!」
 そう乱入してきたのは弥生。二対一では無勢。そう思ったのか霰は後退しながら庭を目指した。
「あなた以外の隊員は全員打ち取りました」
 弥生がつげる。
「当たり前だ! 部下は私の命を継ぐために散って行った。それをむげにするわけにはいかない!」
 そう刀を振りかざし、未來と切り結ぶ霰。そしてその一瞬を狙って。
 弥生や他の隊士が切りかかる。
 それでも霰は倒れない。
「うん、すごい気迫だった。君のことは敵ながら尊敬する」
 その声と共に閃く未來の切っ先。縮地を模した佳麗なる突き。その一撃を受け。霰は地に伏せる。 
「…………無念っ!」
 弥生は刀から血を払って告げる。
「ふっ……自分の刀は小烏丸故、今宵もまた無事に鞘に収まった」

   *   *

 新撰組イベントが終わった後は皆で集まって夕食を取る。そして日もとっぷり暮れてきたころ、吉原に明かりが灯る。
「……いやいや、エディスだけで行ってくりゃいいじゃん……
「嫌 で す 」
 エディスは自室で寝そべってパイプをふかし始めた春翔の肩を揺する。
 何としても二人で行きたいエディスとゴネる春翔の構図。
 どうやら、ガンとしても動かない様子の春翔を見かねてエディスは鞄の中からあれを取り出した。
「……ごめんね、おにいちゃん」
 寒気を感じて振り返る春翔。
「え、ちょ、なんで」
 発動するアルスマギカ。
「あー……うん、なるほどネ、こういう事っすか」
 無理やりの共鳴。
「アリスゥゥ!!」
 哀れな被害者の悲鳴が夜空にこだまする。
「今何か聞こえたような?」
 そう首をかしげるのはスヴァンフヴィート。
 そんなスヴァンフヴィートの目の前オリガが現れた。
 赤く紅を刺し、輝くような肌をさらす。かんざしがシャランとなった。
「さすがに、こういうのは着たこと…………ん?どうしたの、スヴァン?」
「…………」
 顔を赤らめてうつむくスヴァンフヴィート。
「あら、照れちゃったのかしら??」
(普段清楚めの人がこういう格好していると…………やだ、どうしましょう)
 なかなか顔が見られないスヴァンフヴィート。
「…………ん??」
「お姉さま、とってもキレイです!!」
「そ、そうかしら?? スヴァンも綺麗よ??」
 そう褒められると思わず顔が赤くなるスヴァンフヴィート。
 あわててスヴァンフヴィートは話題を変えた。
「なんというか、いかにも夜の女っていう感じが…………」
「ちょっとドキドキするわね。」
 ふたりとも、あからさまにセクシーめな格好はしないので、そんな恰好で会っていることに違和感を覚えるのだ。
 そんな二人の間に割って入る人物がいた。鴇だ。
 ただ共鳴姿の青年将校のような見た目となっている。その鴇がオリガとスヴァンの手を取った。
「月も美しいが、あなたはもっと輝いている。今宵をともに……如何だろう」
 そんな鴇に二人は苦笑いを返す。
「またの機会に」
 そう華麗にスルーされてしまう鴇。しかし女性は星の数ほどいる。頑張れ鴇。
「ところで私達の写真とか動画って、どうなるのかしら」
 そんな鴇を尻目にスヴァンは言った。
「外国人旅行者向けとか?」
 そんな彼女たちの周りに、続々と衣装替えを済ませた女性たちが集まってくる。
「…………ふぅ。ね、飛鳥さん、どうですか。あ・な・たの花魁さんでーす」 
 そう振り返ってやんわり微笑むのは楓。
「うん?まあ、いつもとだいぶ違う感じと言うか……」
「あら、やだ、飛鳥さんてば。これはそういう人の格好ですけど、こういうところでそんな……。やん。人が見て……」
 そう体をくねらせるがすべて彼女の妄想である。
「……うん? 楓のやつ、今何か言ったか??」
 飛鳥は振り返って苦笑いを浮かべる。
「何であいつが一番声が大きいんだ……、う、頭が」
 その姿を見て何事かを思い出したらしい。飛鳥は額を抑えてうずくまる。
「おやおや、ずいぶん華やかな場所にきてしまったねぇ」
 そう煙管を吹かせて歩くのは杏子。あでやかな衣装が町に映える。
「花魁というけれど、私だと色気が足りない気もするわね。私くらいの年だと滲み出てくるものが無さそうだわ」
 そう、普段とは違う化粧をして雨月も町へと出た。
「扇子広げて口元隠して流し目でもすれば、それっぽく見せられるかしら? なんにせよ工夫は必要かしら」
 そうロクトに問いかける。彼女はさすがというか、むしろその姿の方が自然というか、そう言う衣装がすごく似合っていた。
「ふふ、意識なんてしなくていいのよ。自分が着たい衣装を着て、楽しむ、それでいいの」
 そう告げるロクトへ雨月は問いかけた。
「何というか遙華とロクトの意欲の差が凄いわね」
「あの子は恥ずかしがり屋だから」
「そう言えば普段あまり話さないわよね、何だが不思議な気分」
「ええ、私は普段裏方だし」
「表に出てくればいいのに」
「全てはあの子の成長のためよ、私は先生だから、しりぬぐいをすることだけが仕事なの」
「ふーん」
「お、水瀬だな、写真撮るか? って。はだけすぎじゃありませんか……?」
 雨月は袖を振って自分の姿を見回す。
「そうかしら?」
 まぁ。見ようによっては衣装が肩から滑り落ちて全裸になりそうにも見える。これは青少年には刺激が強い。
「いや、いやいやいやいやいや! 健全なイベントのはずだろ!? いやでも待て、落ち着け! よく考えなくてもメルトの格好のほうがひどい!」
 そうメルトをみるが、今は町娘の格好をしている。
「いや、今はいいもの着てるか」
「オナカスイター」
 そんな姿を記念にパシャリ。
「色気よりも食い気なんだろうなー。適当に食べ歩きもするかな」
「そうね、遙華がきてないみたいだから誘って、どこかにでも行きましょうか」
 そうロクトが告げる。
「子供たちにたまに、御馳走してあげるわ」
 そう橋を渡って夜店へ繰り出した。
 ちなみにその端には稜とリリアがいて。
 二人で輝きをうつす水面を見つめていた。
 稜はリリアを横目で見つめる。
 穏やかな表情で、腕に横顔を乗せるリリアは紫色を基調とした衣装を身に着けていた。
 何重にも重ねた着物。かんざしは美しい髪に合う銀色。
 穏やかな時の中、稜は不意に口を開いた。
「ありがとう」
「どうしたんですか? 急に」
 リリアは問いかける。
「言いたくなったんだ、僕と契約してくれてありがとう」
 その言葉にリリアは笑みで返し二人は歩き出す。
 提灯行燈でぼんやり照らされた町並みを二人はゆっくり歩いて行った。
「骨休めは楽しかった?」
 座敷に上がって団子を待つ間に、稜はリリアに膝枕してもらい。
 頭を撫でてもらいながら、ゆったりとお喋りする。
「ええ、そうですね、今日は連れ出してくれたありがとう。楽しかったわ」
 そう額をそっと撫でるリリア。
「けど、まだやり残したことがあって……」
 そう告げるとリリアは幻想蝶から綺麗に畳まれた衣装を取り出す。
「へ?」
「一緒に楽しみましょう」
 すぐさま逃げようとする稜、その裾を掴むリリア。
「お願いします、思い出づくりには欠かせないんです」
「どういう思い出なのさ。もう……そんな風に言われると、断れないじゃないか……」
 そう稜は溜息をついて座る、リリアは化粧道具を取り出した。
 お色直し? は約三十分ほどで終了した。
 そして町に繰り出した稜は、人々の視線を一心に受けることになる。
「なんでみんな僕をみてるんだよ~」
 だが、それ以上に注目を集める人物が、橋の向こうから稜に歩み寄ってくる。
 華奢な線。憂いを含んだ瞳。口紅は玉虫色に光る。しかしその背はスッと通っており。どこか中性的。
「……うん、いいね!コレはコレで、方向性としてはアリかも!」
 正体はエディス? である。アルスマギカの影響で春翔の精神が混濁、エディスと交わり混沌。王子様系花魁が生まれてしまったのだ。
「皆とっても魅力に溢れてるよ! どうだい? ここは一つ扇情的な演出でも」
 そして今や正気ではない彼はサービス精神旺盛である。カメラが自分たちに向いているのをいいことに。
 春翔は稜の手を取った。
「え?」
「麗しいお嬢さん。今夜は汚い男たちと遊ぶのはやめて私と逢瀬というのはいかがかな?」
 あまりに予想外の出来事で、稜は混乱、春翔の腕の中に納まる。
「あ、あの」
 稜はためらいがちにその腕の中から逃れ橋を下り後ずさる。 
 すると背中に壁。
 稜は追い詰められる形になった。
「怖いかい?」
 こ、これは一見すれば百合。白い花が咲き乱れる。甘く切ない恋物語の断片。
 だがしかし、彼等と交流が深い物であればすぐにわかるだろう。
 そう彼らは男。これはつまり裏返してバラの様相も持ち合わせる一粒で二度おいしいシチュエーション。
「あ、あの。困ります」
 春翔はアルスマギカで狂ったテンションのままに、姿勢を低くする。視線が合うと稜は。彼の表情が異様に近いことに気が付いた。
 其れこそ目と鼻の先に彼の目と鼻がある。
 鼻と鼻。頬と頬。唇でさえもくっついてしまいそうな距離、互いの息の音すら耳に届く。
「そんな、僕は男で…………」
「俺もだけど?」
 それがなにか? とでも言いたげに春翔はさらに姿勢を低く、曲げた膝が稜の足と足の間に挟まる。
 そして。
 稜は小さく息を飲んだ。その時。
「はい、そこまでです」
 そうリリアが春翔の肩を叩く。すると春翔はにやりと笑って振り返り。
 いい絵はとれたかな? と言ってその場を立ち去った。
 あとに残されたのは、なぜか衣装のはだけた稜。 
 肩が露出しているし、着物も崩れているし、顔は真っ赤で涙目。
 へたり込んでリリアを見あげる表情は恐怖と安堵と、大部分が混乱で呆けた表情に変わっていた。

 エピローグ
 帰りの日。バスに乗り込むリンカーたち、ただ春翔の背には哀愁がこびりついていた。
 あの後迷惑をかけた各所には誤って回ったが、精神的ダメージは計り知れない。
 そんな彼の相棒エディスは、遙華、そして茉理といた。
「お疲れ様……それと、ありがとう。これは差し入れ」
 そう遙華にメモリーカードを差し出す茉理。
「素人が撮ったものだから、使いにくいかもしれないけど」
「いえ、助かるわ、ありがとう。もし楽しいと思ってくれたなら、また私の依頼受けてね、まっているわ」
「あなたにはこれ」
 そう茉理はエディスに夜撮影の時の映像を手渡した。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 惑いの蒼
    天城 稜aa0314
    人間|20才|男性|防御
  • 癒やしの翠
    リリア フォーゲルaa0314hero001
    英雄|20才|女性|バト
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命



  • 朝日の少女
    彩咲 姫乃aa0941
    人間|12才|女性|回避
  • 胃袋は宇宙
    メルトaa0941hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • プロの変態
    雪峰 楓aa2427
    人間|24才|女性|攻撃
  • イロコイ朴念仁※
    桜宮 飛鳥aa2427hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 希望の意義を守る者
    エディス・ホワイトクイーンaa3715hero002
    英雄|25才|女性|カオ
  • Be the Hope
    杏子aa4344
    人間|64才|女性|生命
  • トラペゾヘドロン
    テトラaa4344hero001
    英雄|10才|?|カオ
  • ダーリンガール
    オリガ・スカウロンスカヤaa4368
    獣人|32才|女性|攻撃
  • ダーリンガール
    スヴァンフヴィートaa4368hero001
    英雄|22才|女性|カオ
  • 護りの巫女
    三木 弥生aa4687
    人間|16才|女性|生命



  • 闇に光の道標を
    新城 霰aa4954
    獣人|26才|女性|回避
  • エージェント
    都呂々 鴇aa4954hero001
    英雄|16才|男性|シャド
  • 分かち合う幸せ
    宮津 茉理aa5020
    機械|17才|女性|防御
  • エージェント
    水無月 未來aa5020hero001
    英雄|16才|女性|カオ
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