本部

ハードモードトライアル ST2

鳴海

形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2016/11/16 16:50

掲示板

オープニング

● 龍の咆哮
 ラジェルドーラは痛む体を引きずって空を見上げた。
「リンカーども、よくも」
 前回乱入してきたものは予想以上に手ごわかった。切り札を使用せねばならず、それを使っても第二層まで進むのがやっとだった。
 だがドーラもこれで決心がついたというものだ。
 無傷で勝ち取れる勝利はありえない。
 自分の命を燃やし尽くしてでも、主を解放しなければならない。
「主殿が健在であれば、この程度の者たち……」
 その時である、ラジェルドーラの脳裏に閃く予感があった。侵入者だ。
「やっと来たか、次は五層まで、必ずや陥落させて見せる……」


●《ハードモードトライアル》ルール
 ゲームの目的 封印を守りながらラジェルドーラと戦う。
 勝利条件 ラジェルドーラの撃破。
 敗北条件 最下層の封印が解かれる。

 各階層の四隅には封印石が置いてありこれを守っていただくのがゲームの大前提。
 各階層の封印石が全て破壊されるとそのフロアが崩れ下のフロアに行く。
 フロアの大きさはその階層数かける百メートル四方。
 雑魚敵は三種類沸く
 また新情報の頭には*のマークがついている

愛獄 セーブクリスタル健在 クリスタル残り一つ
食獄
欲獄
怒獄
異獄
暴獄
悪獄
最獄
    である。
 階層ごとにセーブクリスタルが存在し。使用することによってゲームを中断できる。
 ゲームを中断した場合塔の中の時間は停止する。
 ただし、セーブ用の赤いクリスタルは各階の中央に一つしか存在せず、破壊される可能性がある。

●アイテムについて
 アイテムの機能の多くは封印されてしまった。
 これについては『ラジェルドーラ』のボディーの破壊や特定の条件を満たすことによって解放されるらしい。
 前回からの持越しアイテムがあるので、出発前に割り振るように。
 持越しアイテムについては 《アイテム名》×《個数》と表記される。
 アイテムの入手方法は三つ。
・必殺技の使用。
・雑魚的からのドロップ。
・『ラジェルドーラ』の鎧パーツの破壊。
 

・血染めの戦旗
 このゲームの詳細や新しいルール、アイテムを解禁できる。ただし持っているだけで雑魚的に狙われやすくなる。

・チャージタリスマン ×1
 NPを獲得する時その量を1増やす

・アシュラスシールド ×0
 ダメージを肩代わりする盾、優先的に使用され。生命力を20点分の盾となる。

*・赤熱の炉 ×1
 保持しているだけで、ラジェルドーラの攻撃を受けるとNPがたまるようになる。
 リンカーの攻撃を受けると爆発する

*・蒼天の炉 ×1
 破壊すると任意のPCのNPを20貯める。ラジェルドーラが触れると彼の体力が回復する
* アイアンウィング ×1
 ドーラギアにより解放された。空を飛べる翼を手に入れる。ドーラと同程度の高度は飛べるが速度は自身の移動力に依存する。
 これは雑魚敵から排出されない。

*闇の因子 ×1
 前回からの復帰組、持っているだけで中ニ病になるが、精神力で抑えることが可能。闇の属性攻撃を放てるようになり、闇属性は一部の敵に有効。さらにPCに攻撃を当てるとNPが増えるようになる0

 前回と違い、アイテムを持てる上限がない。
 さらに1ラウンド消費するが譲渡可能(受け取る側はラウンドを消費しない)
 用途不明の残りアイテム×1
 

●必殺技について
 NPゲージを一定消費すると使える、このミッション限定のスキルである。
 ゲージに上限はなく、チャージ方法は下記の通り。
・『ラジェルドーラ』へダメージを与える(与えたダメージがそのままNPゲージに加算)
・雑魚的を倒す
・クリスタルの周囲にいると時間経過でアップ。

必殺技の種類は現段階だと下記の通り

・強奪撃 NP50
 普通の攻撃だが、敵を倒さずともアイテムを入手できる。さらに特定の敵からだと特殊なアイテムを入手できる場合がある

・神化霊言 NP100
 使用後即座に自身のターンとなり行動可能。さらに自身のステータスが1.5倍になり。使用回数0のスキルでも使用できるようになる。
 ただし、このラウンド終了時退却させられる。(この必殺技を使用した場合、重症の傷を負っていたとしても、重傷でなくなる)

*・ウィークポインティング NP20使用
 使用するとゲーム中ずっと効果が持続する。
 攻撃を当てた箇所の防御力を半分にする。この効果は3ラウンド持続する。
 ただし、他者のウィークポインティングの効果は重複しない。 

*・トランスパワー NP20使用
 自身のNPか生命力を20他者に分け与える。

・合体攻撃 各PCのNP80
 最大三人まで同時発動。スキルを一つ選び同時に放つ。
 効果が変わり強力になる。
 演出は細かく設定可能だが、前回のシリーズの雰囲気でよければMSが考える。
 ただし使用者はそのラウンド行動不可


●雑魚的情報
・ トリレゴキスタン
 体長50センチから一メートル。浮遊能力をもつマスコット的存在。
 移動力が低い、超射程で魔法攻撃を放つ。
 防御力が素晴らしく高いが生命力が極端に低い。
 外見は角が三本あるボケッとした顔の小動物。
 この敵を倒すとNPが3上がる。
 
・ モノアゴトロン
 全長三メートル前後の細長い人型物体。
 移動速度反応速度は高くない代わりに広範囲を長い腕で薙いでくる攻撃力が低い代わりに連続で三回攻撃できる。
この敵を倒すとNPが10上がる。

・ ペンタアルゴリゾン
 文字の塊のような外見を持つ。五芒星の心臓の周囲を文字や小さな物体、砂などが回っている。心臓が弱点でもある。
 弱点以外の攻撃は通じにくく、文字でガードされるため、針の穴を通すような正確な一撃が求められる。
 攻撃は物理単体攻撃だが。何らかのBSをみまってくるので注意。
 倒すとランダムでPC5人を選択、NPを1上げる。

解説

目標 『ラジェルドーラ』の撃破

 基本ルールは前回のハードモードトライアルと変わらない。
 戦いながら情報や、アイテムを集めていくのがセオリーである。
 
●『ラジェルドーラ』について。
 ケントュリオ級愚神。
 多彩な武装を持ち。装備している武装によって戦略が変わる。武装は三種類
《戦旗》エネルギーを纏った大布を括り付けた棒。攻防一体の扱いが難しい武器である。
《双銃》中距離戦の対応力が高い安定した武装。攻撃力はそこまで高くない。
*《大バサミ》 切るというよりは挟んで砕く、工場などにありそうな分厚いハサミ。身のたけほどあり、その鋏に捉えられると逃げられずジエンドである。
 ただし上記の武装を使えるのは人形態の時のみで。
 龍形態の時はブレス攻撃と突撃が主な攻撃方法、しかし飛行しているので近接アタッカーには不利となるだろう。

リプレイ


プロローグ
『無音 秋(aa4229)』は再びその大門の前に立っていた。
「今回も頑張らないとな……」
「……あぁ」
 そう無感情に言葉を返す『要(aa4229hero001)』そんな彼が光に包まれると、秋の中に溶けるように消えていった。
 穏やかに戦意を高める二人それと対照的に激情をあらわにするのは『一ノ瀬 春翔(aa3715)』と『エディス・ホワイトクイーン(aa3715hero002)』のコンビである。
「雪辱戦……と行きたい所だがね」
「エディスは絶対に許さないよ……絶対に」
 前回は相手にも手傷を負わせた、だが自分たちが追った傷も深い。
 今回は、判定勝ちのような微妙な勝利ではなく完全勝利をもぎ取るつもりで扉を押し開いた。そこには何度潜ったか分からない、異空間への入り口が広がっている。
「手の内も多少は知り、ここからが本当の勝負ですね」
『アリッサ ラウティオラ(aa0150hero001)』がそうつぶやくと、その隣に金糸の姉妹が立つ。
「愚神をぶち殺せると聞いてやってきました」
「うん、安定してるね」
『イリス・レイバルド(aa0124)』と『アイリス(aa0124hero001)』は特に緊張した様子もなく、いつものようにやり取りを続けていた。
 そんな彼女たちの独特の空気を面白く思いつつも『志賀谷 京子(aa0150)』はアリッサに言葉を返す。
「今回は相手を追い詰めるところまでいきたいな。それに武力王とやらの顔はできれば見ずに済ませたいしね」
「しかし王を倒せば今度こそ玉座が手に入るかもしれませんよ?」
「あはは、それはちょっと魅力的かも!」
 だったら今度はもっと柔らかいイスだったらいいなぁ、そう京子は思いながら周囲に視線を漂わせる。
「あ、そうだ東海林くん」
 京子は何か言葉をかけようと彼を探していたのだが、彼のすさまじい様子をみて何を言いたいのか頭から吹き飛んでしまった。
「コフッ」
 ちいさく喀血、右手には松葉づえ、左手は吊ってあり、息は上がってる。遠目で見ても脂汗だくだくであり。
 その視線はふらついていた。焦点自体さだまってないかもしれない。
「聖君大丈夫?」
『桜木 黒絵(aa0722)』が聖の肩に手をかけ問いかける。『東海林聖(aa0203)』はそんな彼女をぼんやりと眺めた。
「……心配なんてしなくていい、自業自得」
 『Le..(aa0203hero001)』は、修行が足りぬと言い切る師匠みたいな雰囲気でそう黒絵に言い放った。
「いや、反省はしてる……って」 
 息も絶え絶えに聖は告げる。
「……とにかく、皆の邪魔だから。自重してよね……。邪魔だから。」
「……否定できねェ」
 邪魔と連呼されるたびに肩をすぼめる聖であった。
「回避予測、本気だすけど……ダメリー(ヒジリ)じゃ付いて来れないかな……まるで老人みたい」
「……誰が爺だッ」
「……と言うか、本当に影とか後ろに回るしかないし」
「うぐ」
「聖くんが重体……今回の戦い余裕が無いよ」
 黒絵が焦りをあらわにする。
「弱気になってる場合じゃないよ黒絵。敵も今回は最初から本気で来るよ。こちらも全力でいこう!」
『シウ ベルアート(aa0722hero001)』は闇の因子を懐に入れ。黒絵にそう言った。
「とにかく。ちゃんと帰って来れねェと、だしな。皆に申し訳はねェけど……それを最大目標に……」
 そう聖は告げてLeと共鳴する。
「全員準備は済んだかな?」
 チャージタリスマンを装備し『ハーメル(aa0958)』も『墓守(aa0958hero001)』と共鳴する。
「2回目、ですね」
『大門寺 杏奈(aa4314)』は因縁の相手を思い盾を構える、前回はいいようにされたが、クリスタルも、仲間も今回は守りきる、そう心に誓った。
「杏奈、リベンジ戦ですわよ!
『レミ=ウィンズ(aa4314hero002)』は手のひらを差し出す。
「次こそは止めてみせる」
「今度はわたくしたちの番ですわ!」
 そう手のひらを打ち合わせて、それを合図に全員が門をくぐった。

第一章 愛獄
 時が止まってしまった愛獄では、ラジェルドーラが試合の開始を今か今かと待っている。
 最後のクリスタルと破壊するためにその双銃を前につきだし、その瞬間で停止している。
 『フィー(aa4205)』は、その目の前に立ち、真っ向からドーラを見据えた。
「よぉ、今回は俗に言うリベンジマッチっつー奴ですわ」
 その手で蒼天の炉をかざし、それを握りしめるとフィーは背後を見やる、そしてドーラに視線を戻した。
「お互い手加減抜きで本気の遊びを楽しみましょーや」
 時は動き出す。
 ドーラの目の前に現れた十人のリンカーたち、そして青い光に包まれるフィー。同時に発動するのはウィークポインティング。
「なに……」
 驚きの声を上げるドーラ。
 物言わず、戦いに口を出さない『ヒルフェ(aa4205hero001)』の存在を忘れ。フィーは敵を殺すことに没頭した。
 ただ無感情に、目の前の脅威を破壊しる。
 鈍く響く金属音。フィーの一撃を双銃で捌くドーラ。双銃が赤い輝きを帯びる。
「なに?」
 次いで振りかぶった大剣の一撃で銃の銃身が切り飛ばされ、ドーラは驚愕の声を漏らす、同時にフィーはそう言うことかとすべてを理解する。
「光ってる場所を攻撃してくだせぇ、そうとう柔らかくなりやがりますよ」
 ドーラは素早く予備の銃を排出、だが今度からは攻撃を銃で受けることができないと悟る。
「いつだって頼りにしてる。今回もよろしくね」
 そう京子は『辺是 落児(aa0281)』でも『構築の魔女(aa0281hero001)』でもあるその背に語りかける。
 その言葉に反応し構築の魔女はゆったり振り返った。
――京子も彼女を見習って落ち着きをですね。
「聞こえない聞こえない」
 そのアリッサと京子のやり取りを見て少し笑い、構築の魔女は告げた。
「では、また後ほど。頼りにさせていただきますね」
 そして二人は走り出す、ドーラの目の前で交差しわざと左右に散る。そして別の角度からドーラに攻撃を加え始める。
 だがそれも僅かな間だけ、すぐに射線を遮る敵が沸き始めた。
「敵のポップが早いね」
 ハーメルは地面を走る速度そのままにモノアゴトロンの腕を駆け上がり飛ぶ。すれ違いざまに。ハングドマンの糸を絡みつけ、動く余地を奪いつつ、キリキリと締め上げて命を削る。
「はぁ!」
 その拘束した敵に如来荒神を突き立てる秋。モノアゴトロンは悲鳴を上げその姿を霧に変える。
 そしてその霧は集約され戦旗へと変わった。
「これ。俺がもらっていいか?」
 そう春翔が戦旗を拾い上げると、その脇を駆け抜けていく構築の魔女。
「前方の敵を掃討します、射線をあけてください」
 構築の魔女が告げる、みれば彼女はしっかりと地面を踏みしめフィールドを形成。メルカバの火力を存分に生かすべく。前方の敵めがけて弾丸をばらまいた。
「アイテムは積極的に回収をお願いします」
 そして京子を見やる。
 京子湧き出した雑魚敵の掃討に走り回っている。
 構築の魔書とは逆サイド、ドーラの左に回り込みいつでも支援射撃を行える位置で、雑魚的に弓を引いていく。
(東海林くん……)
――注意力が散漫になっていますわよ
 京子を嗜めるアリッサ。
「うん、でも」
――まぁ、あんな姿を見るのはつらいということはわかりますわ。
 京子は月光を矢として番え、走り回る聖の尻を追う従魔を射抜いた。
「おお! サンキューな」
 聖が手を振るも、また別の雑魚的にロックオンされて逃げ惑う。
「……アタッカー。なんて言えたモンじゃねェな」
「まったくね……」
 京子が同意し、従魔を射殺す。そして聖に駆け寄った。
「大丈夫? 隅っこで休んでる?」
 膝に手を当てて息を整える聖。
「っマジでしんどいな……」
――……馬鹿……馬鹿……馬鹿
「……だぁ! だから、オレが悪かったって」
――…………ま、あとでお説教と反省会は通常の20倍だから)
「……お、おう」
 20倍という言葉に現実味を奪われて生返事を返す聖である。
「そんなことより、セーブクリスタルの周りにいた方がいいんじゃない?」
 そこには黒絵がいて、ドーラの背中にひたすら攻撃を当てていた。
 雑魚敵が寄れば魔導銃を蜂の巣にし、またドーラと距離を詰めて攻撃する。
 安定した手堅い戦法である。しかもクリスタルの効果でぐんぐんNPが上がっている。

《情報 セーブクリスタルのNP上昇効果の範囲は、半径25SQ》

「いや、なんだか悪い気がしてよ」
「背に腹は変えられないでしょ、行って」
 そう京子は聖の背を突き飛ばすと。後ろから襲ってきたモノアゴトロンに弓を引く、両腕を撃ち飛ばし、その胴体に月光の矢を打ちこんでいく。
「ドーラ、こっちだ」
 そんな二人を尻目に、ドーラの勢いは苛烈さを増していく、秋はハーメルとタイミングを合わせ一撃離脱戦法で攻撃を当てていた。
「小賢しい!」
「よそ見してる暇はねぇですよ!」
 無名の刃を叩きつけるフィー。ドーラの左腕部が赤く煌いた。
「ほら、御自慢の旗でも出してみればいいでしょう」
「いいだろう!」
 背中の装甲が開き空に打ち出される鉄の杭。さらに腕に食い込んだフィーの大剣、それを抑えながらドーラはフィーを蹴り、距離を取る。
「ぐあっ」
 血のにじむ腹部を抑えながらも、フィーは敵から目を離さない。その口元を血が伝った。
「脆いな」
「それはお互い様では?」
 打ち出された杭を空中でつかみ取り、ドーラはそれを振るう、大剣で防ごうとしたフィーだったが。
 それを無理と判断したイリスが、間に入って盾で真っ向からはじく。
「く、次から次へと」
 布はエネルギーで覆われている、それでイリスを弾き、フィーの攻撃は柄で受ける。
 背後から飛んでくる弾丸は、旗を回し布ではじいで、振り上げるようにフィーの大剣をはじいて一歩前に。
「はあああああ!」
 旗を回転させるドーラ。右手を起点に回転させるように、イリスの追撃を弾き、布で視界を覆っている間に体移動、フィーの攻撃を避けて見せ、大剣を足で抑えてフィーの顔面を殴りつけた。
「く!」
「どれだけ傷つけても。すぐさま回復して現れるならば、我らの戦いの終わりはどこにある」
 ドーラは叫び、その旗を持つ手に怒りが宿る。
 流れが変わった、そう判断した京子と魔女からの一斉射がドーラを襲うが。
「甘い!」
 あらかじめ射出されていた旗が垂直に降下、地面に突き刺さると、周囲にフィールドを形成、弾丸の威力を大幅に減衰させる。
――原理はエイジスと一緒だね。
 アイリスがそう告げると同時に、イリスは光の刃を放つ。
 その刃は見事に旗の防護フィールドにはじかれた。
 じりじりと、杏奈が守るクリスタルへと歩みを進めるドーラ。
「せめずれぇ、です」
 フィーは旗の一撃を受け、吹き飛ばされると、起き上がりながらそう告げた。
「なかなかテクニカルな敵だね。今までいなかったタイプだ」
 旗は攻撃性には優れていなかった、むしろ双銃の方がダメージは大きい。
 だが、旗にまとわりつく霊力が、あらゆる感覚を誤認させ、あらゆる遠距離攻撃を阻む。
「どちらかというと盾みたいな護りの武器に感じられるね」 
 イリスは言った。
 その直後、ハーメルが脇から強奪撃を放つ。
「もらった」
 一瞬の間の後、ハーメルはその手に握っている物を見て驚愕の声を上げる。
 なんと、ドーラの旗自体を奪ってしまったのだ。
「えええ!」

《情報 強奪撃はドーラの手にしているアイテム等も奪うことが可能》

「だが、遅い」
 旗などどうでもいい、そう判断したドーラは地上すれすれで龍形態に変形。そして杏奈めがけ突撃した
「目障りよ」
 そう。ペンタアルゴリゾンを殴り飛ばすと、盾を構え体制を立て直す。
「あなたの相手はこの私です」
「わかっている、お前を倒さねばクリスタルは破壊できないことをな!!」
 杏奈の前で人形形態に戻る。見上げるような巨体、それに少女は盾一つで立ち向かう。
「さぁ、かかってきなさい」
「言われずとも」
 そうドーラは右の拳を振り上げた。しかしその腕は蒸気を上げると変形し、とてつもなく大きな鋏になる。
 そしてドーラはそれで杏奈を掴みとった。
 耳元で聞こえる油圧の上がる音、顔にかかる高熱の蒸気。抗いがたい圧力が全身を襲った。
 幸いなのは盾を挟み込むことができたことと、光の翼、ジャンヌがよく耐えてくれていること。
「あああああ!」
 だが、それも長くは持たない、盾に……ひびが。
――不味いね。
 フィーとイリスが駆けだす、杏奈のピンチにドーラへと全員が走り始めた。
 だが追いつかれることの厄介さをドーラも知っている
「このまま!」
 鋏でとらえた杏奈ごと、クリスタルに叩きつけて砕いた。
「ああああ!」
 防御も許されない一撃に杏奈は悲鳴を上げる。
「もう一度」
 今度は杏奈を地面に叩きつけるべく拳を振り上げた、しかし。
 秋が強奪撃を放つ。
 一瞬光が眼前を覆い、気が付けば秋は杏奈を両手に抱えていた。
「二度目ですね」
 杏奈が礼を告げる。
「まぁ、仲間だからな」
――にしても、強奪……面白いね。
 要が言った。
「武器も、囚われた人も助けられるんだな」
 秋は杏奈をおろし、ドーラを振り返る。直後
 アイリスがぽつりと言った
――切断だけは絶対に食らうな
「それだけ!?」
――基本はできているからね。後は恐れなければいい。

第二章 食獄
 食獄、ハードモードトライアル第三ステージ、階層はさらに広くなったが、やることは変わらない、ドーラを倒す、ただそれだけだ。
 ただ、リンカーたちが落ちていくフロアには大量のペンタアルゴリゾンが待機しているという問題があるが。
「おれに任せてもらおうか」
―― あいつら倒すの得意だよ。
 春翔はいち早く着地すると味方が降り立つ前に武器を展開。
「チャージと、カオティックソウルは使ってる」
 告げると、春翔を中心に花開くようにラッキーストライカーが展開されていく、それが……。
―― 切り刻まれちゃえ
 エディスのサディスティックな号令と共に解き放たれ、暴虐の嵐が吹き荒れた。
 文字でできた従魔と言えど、その暴虐に抗うことはできず、後に残ったのは大量のアイテムと、味方に付与されるNPだけ。
「やっぱり俺にはこっちの方が性に合ってるな!」
――ふふ……楽しいね、おにぃちゃん。
 次いで、とらえきれなかった従魔を引き付けるために春翔は走る。
 しかしその耳に届いたのはクリスタルの破壊音。
 見れば、ドーラが着地すぐに、リンカーたちのいない方角へと走って、銃でクリスタルを破壊していた。
「新しいステージに降りるといつもこの展開だね」
 秋は言う。
――機動力はあちらが大きく上回っている。
 そう、圧倒的なのは機動力。それが他の愚神と比べずば抜けて高いように感じられた。
「ですが、ここからが本番です」
 構築の魔女の隣に、京子が立った。
「意外と、たまりがいいね、魔女さん」
「ええ、おかげで……」
 二人は短く息を吸って、それを唱えた。
「「ウィークポインティング」」
 武器が淡く発光する。
「また、珍妙な技を!」
 ドーラは龍形態へと変形する。その翼めがけ二人は攻撃を放った。
 その攻撃が命中した部位は赤く発光する。僅か十数センチの箇所だが、二人からすればバスケットゴールに糸を差し込むほどに狙うのはたやすい。
 二人を跳ね飛ばし、対角線上にクリスタルを狙おうとしたドーラ、その翼を打ち抜くと、翼から火が出た。
 直後爆発。
「ぬああああ!」
 高速で地面にこすり付けられるドーラ。
 素早く人形形態へ戻るもその首を借り落すために、フィーが待機していて。
「チェックメイトでやがります」
「何がだ!!」
 ドーラは右腕でその攻撃をそらした。しかし装甲が大きく削られる。
 それは蒼天の炉となって、フィーの左手に収まった。
「それをよこせ!」
 体当たりにも似た急加速、スラスターをふかせたのだろう。
 だがイリスがその突撃を盾で防いだ。
 次いで京子の矢が膝にささり、赤く彩られたその個所へ、フィーはしゃがみながら刃を当てる。
「ははっ、クッソ楽しいじゃねえですかよぉ!」
「そうだなぁ!」
 足へ、腕へ、怒涛の連続攻撃を放つもそれをドーラは旗の柄で防ぎ、一連の流れの中で背を大きく丸める。そして旗を射出、それはフィーの腹部をかすめ地面につき刺さる。
 これで右側への回避は封じられた、それをいいことにドーラはその拳をフィーへと叩きつけ。大きく後退した。
「く、いつもいつも、外から……」
 歯噛みするドーラ、赤く発光した自身の体を見て忌々しげに京子と魔女を見つめる。
「軽量級なりの戦い方ってのがあるからね」
「しかし修復は完了した」
 ぼろぼろになった旗を投げ捨て龍形態へ移行。

《情報 ドーラはある程度自己修復を有している》
 
 しかし行く手を遮るように雷の本流がドーラを射抜く。
「ぐあああああああああ!」
 闇の力を纏ったそれはドーラに悲痛の声を上げさせた。
「動力が……」

《情報 闇の力はドーラの動力を減退させる》

「お前! 許さんぞ」
 再び飛び立ち、クリスタルを噛み砕くドーラ。
 しかしクリスタルを破壊するために多大なるダメージを負ってしまった。
「先に、こいつらを始末しておくべきだった?」
 自分の見積もりの甘さを嘆くも、もう取り返しのつかない状況である。
 そして、残るクリスタルは二つ、そしてこの構図には覚えがある。
 魔女や京子の追撃をかわしながら体制を整え、もう一つのクリスタルを狙うが、そこにはイリスが先回りしていた・
――さて、報告書は読ませてもらったが……生の呼吸を読み取らせてもらった、大体の攻略方法を見つけたよ。
「本当?」 
 イリスの問いかけに答えるアイリス。
――ああ、本当さたとえば旗は。棒が動かなければ布だって動かない。
 その声に全員が耳を傾けた。
――だから棒を押さえ込め。布の動きに警戒は必要だが惑わされる必要はない。弾いて、受け流して、押さえ込むのはイリスの得意分野だろう?
「うん、わかった」
 イリスはクリスタルに迫りくる龍の突進を盾で弾き、人形に戻ったドーラを見あげる、そして振り上げられた旗めがけて盾を叩き込む。
「なに?」
「むしろ、柄を狙って……」
 イリスは相手の初動を機敏に察知、動きだし初めから相手の動きに合わせてその攻撃を抑え込んでいった。
「な……」
――旗を扱う技能は高い、それ故に一度速度が乗れば止まらない。ならば動き出せないように相手の行動を先回りして、潰せ……
「うん、わかったよお姉ちゃん!」
 二人は全く譲らない、場は硬直する、だがそれは大変不味いことだ。
 フィーが追い付いてくる前に早く、そうドーラは焦り始める。
 痺れを切らしたドーラは龍形態へと変化、その隙に。
「残念でやがりましたね!」
 フィーはその胴に一撃加えた。
「がはっ…………追いついてくるのが早すぎる」
 見ればフィーの背中には翼が。それこそドーラの機能をコピーして作り出した翼である。
「小賢しい」
 反射的にフィーの大剣を掴むドーラ。
「な……」
 そしてフィーへ至近距離からブレスを浴びせるドーラ。
 だがそれをみすみす逃すイリスではない、イリスは守るべき誓いをドーラに対し発動。
――これによって奴はクリスタルの前でクリスタルに背を向けて私たちを狙わざるを得なくなる。
「お姉ちゃんこういう妨害好きだよね」
 歯噛みするドーラ、確かにそれは有効だ、だが。

<Dスパーク>

 次の瞬間、ドーラの全身から電力が放たれた。ダメージはそれほどでもない。しかし神経系を一時的に麻痺させる力があるようだ。イリスと、フィーは一瞬自由を奪われた。
「さらには、我らの不調を回復させる力がある」
 そう告げるとドーラはアイレンズを光らせ、そして、
 両手に握っていた槍をフィーの腹部に突き刺した。
「フィーさん!」
 イリスが叫ぶ、しかしイリスは見た、フィーの瞳はまだ輝きを失っていない。
「ははははは! いいですよ、必死でやがりますね!! それは私もです!」
 次の瞬間、フィーの大剣が掬うようにドーラの右足を傷つけた、さんざん集中攻撃されていたその足は、鈍い音を立てて、機能停止に追い込まれる。
「うごあああああああああ!」
 それにめげずドーラは龍形態へと変形、一直線にクリスタルへ飛びかかり、その咢でクリスタルを食い破ってしまった。
「この手ももう使えはしないだろう、驚くべき対応能力だ……」
 そうドーラはフィーを見やる、彼女は突き刺さった槍のせいで倒れることもできず戦場に放置される。
 これで一人、そう笑ったドーラは最後のクリスタルをめざし飛ぶ。
「この階層はもらった!」
 しかしその目の前に一人の少年が立ちふさがる。
「お前は満身創痍だったはず……」
 聖は血のにじんだ包帯を投げ捨て剣を構える。その姿はおぼろげに霞んで見えた。

   *   *

「悪い、もう無理かもしれねぇ」
 度重なる戦闘で聖の体はボロボロだった。
「くそ、俺は結局何もできねぇまま……」
――聖君
 シウが語りかける。
 シウに人格が変わりそれに合わせて、見た目も変わる、そしてシウは聖の肩に手を置いた。
「そんなこともある、落ち込むことはない、だがこのままこの世界から戻ったら君はどうなるか分からない。気が付いているんだろう?」
 そうシウは闇の因子を手渡しながら聖にこう告げた。
 聖は重症の中駆け巡り、ダメージを受けすぎた。
 今は共鳴状態+アドレナリンのおかげで平気そうに見えるが、帰った後どうなるか分からない。
「だから……」
 シウは聖の目を見つめて、命じる。
「僕を攻撃するんだ」
「は?」
 次の瞬間閃く聖のディフェンダー、眼前を真っ赤に染める、シウの血。
「シウ!!」
――シウお兄さん!!
 崩れ落ちるシウ。
 その体を抱き留める聖。
「支配者の言葉まで使って、どうしてこんな……」
「君にこれ以上苦しんでほしくないからかな」
 シウは告げた。
「神化霊言を使って離脱するんだ、そうすれば、致命傷は避けられる」
「シウ……」
「礼は、いいよ」
「すまん、じつは。ちょっとだけ足りない」
「……いいよ」
 傷口にパンチを叩き込む聖。
「これで神化霊言を使って離脱するんだ」
――テイク2だね。
 黒絵が言った。
「ああ、ありがとう、けどな。まだまだやることが残ってるみたいだ」 
 ドーラとの戦闘を見ていて、聖は直感的に突破されると判断していた。
「行ってくるぜ」

    *   *
 
 リンカーたちが駆けつけてくるまでの間守る、そう心に決めた聖は真っ向からドーラに戦いを挑む。
 結果聖はドーラの頭をディフェンダーで抑えることに成功する。
「とりあえず、貸しっぱなしにしたままじゃ……」
――そう言うセリフは半人前が言うモノじゃないね、ヒジリー。
「……お、おう」
 神化霊言発動中のためあらゆるダメージが意味をなさないものになる、だからこそできる荒業。死ぬ気で留める聖。
 そしてその努力の甲斐あって春翔が到着する。
「よぉ……また会ったな」
――今度は絶対……逃さないよ?
 周囲にいる雑魚ごと、ウェポンズレインで攻撃する。その攻撃が持続中のポイントに当たりドーラは呻いた。
「後は任せていいか?」
 聖が言う。
「ああ、お疲れ」
 そう春翔がつげると、聖は霞のように消え去った。
「く……」
「どこを見ているの、ドーラ。私はここよ」
 杏奈が叫ぶ。
「ドーラ、そんな小道具(戦旗)など捨ててかかって来なさい」
「捨てると思うか!」
「まずはその厄介な手札から捨ててもらうぜ」
 斧をポインティングされた旗に叩きつける。
 旗が砕けた。その隙を狙って、ドーラは鋏で春翔を捉え前進。
「なに」
 それを遮るのはハーメル、そして秋。
「「強奪撃」」
 だがしかし、悲しきかな救出されなかった春翔。
「ねらったものを取るのは難しいね」
 二人の手には何かのアイテムがぶら下がっている。
 春翔を投げて杏奈に攻撃。ハルトを申し訳ないことに杏奈はよけ、アシュラスシールドを展開する。
「私はまだ戦える。この翼がある限り」
 ドーラはがむしゃらに突貫する、それもスラスターを大きくふかせてのホバーリングで。
「そして、私は守り続ける。この盾が輝く限り」
 ライブスリッパーで真っ向から攻撃、杏奈は吹き飛ぶが、まだクリスタルの前からどけない。
 だからドーラは旗を放ち、杏奈の体制を崩す。そして槍でとらえたまま突き上げて、地面に叩きつけた。
 そしてそのまま飛び立ち、クリスタルに突貫するも素早く跳ね起きた杏奈に阻まれる。
 ブレスでクリスタルごと炙ろうとも、春翔とハーメルの妨害にあい、長くは続けていられない。
「ぐおおおおお、じゃまだああああ」

<パニッシュメントモード 機動>

 装甲の一部をパージさせ、周囲一体を爆破した。


 第三章 欲獄

 クリスタル破壊に伴ってステージはさらに下の階層へと移行する。そこは今までのステージと違って壁が無いステージだった、落下もありうる。
 そして何より得意だったのはリンカーたちの配置状況
 欲獄に落ちてみると、全員が近しい位置にいた。
 ドーラを止めるために自然と、ドーラ付近に集まっていたのだった。
「この時を待っていた」
 そうドーラは告げると距離を離しそして、炉を露出させる。
――くるぞイリス。
「うん」
<トールカノン>
 すべてを薙ぎ払う雷光がリンカーたちを焼こうとしていた。
――結界の力も合わせて、真っ向から勝負する。
 輝きを増す光刃。
 そうして放たれた光の束はドーラの打ち出した光の束とぶつかり、相殺される。
「最大の関門、トールカノンを攻略した?」
 ハーメルが安堵の息をつく。
 ――あとは2、3個ほど切り札を残している程度の気構えを忘れない事だよ。
「その通り。説明文に逢ったはずだ、私の体力が回復すアイテムの存在が……」
 破損した右足をドーラはひきちぎった。スラスターでバランスを保ちながら、もう一度、炉を開く。
「なぜ私のスキル数が増えるアイテムの存在を危惧しなかった」
 その手に握られているアイテム、それを見て京子と黒江は同時に声をあげた
「エンプレス……オーダー?」
 過去のゲームビックボーナスステージの最上級レアアイテム。それがドーラに力を与える
「二発目来ます!」
 構築の魔女が警戒を促す、そんな中、秋とハーメルがまず動いた。
「一之瀬さん、僕が合わせます!」
「ここが正念場だね」
 秋の縫止、およびハーメルの女郎蜘蛛。それがドーラを縛ろうとするも止められない。
 だから春翔が走った。ディフィンダーを装備そして。それを盾として複製する。
 複製したディフィンダーの一枚を炉の前に配置。
「なに!!」
「ソイツを待ってたぜ……!」
 発射される光はディフェンダーによって遮られる。だがあっという間にそれは融解し溶け始めた。
「焼き切ってくれる!」
「だったら。奥の手だ!」
 春翔はインタラプトシールドを再度使用した。神化霊言の力で。
「この前のお返しだ……全部持ってけェ!」
 さらには自身が突貫、何枚もの盾を重ね、自分の身まで重ね、そして。

「あとは、任せたぜ……」

 光の本流に飲み込まれて春翔は消えた。
「そんな」
 失意に飲まれる一同、これで仲間を三人失った。
 しかしその隙を逃すハーメルではない。強奪劇、旗での迎撃を肩に受けつつも、その炉を奪うことに成功した。
「おおおおお! 私のメイン動力が」
「このアイテム、もしかして……」
「今なら」
 黒絵が神化霊言を唱える、悲鳴を上げて悶えるドーラに、全力前回のサンダーランスを放った。
「……派手なのを狙う頃合いだね」 
――我らの存在を見せつけてやりましょう。
 アリッサと京子の言葉に構築の魔女が頷いた、そして宣言する。《合体攻撃》を。

<テレポートショット × テレポートショット>

 二人が打ち出したるは光の大槍、それがドーラに命中するかと思った寸前。目の前を交錯して消え去った。
「存在を認識すら出来ないからこその『魔弾』ですよ?
 その閃光は角度を変え、曲がり、ドーラのはるか上空で衝突する

《ジャッジメントクロス》

 次の瞬間だった、膨大なエネルギーが指向性を持ってドーラに打ち出される、それは天空に描かれた捌きの十字架、認識不可能な一撃は回避不可能、しかもウィークポインティングの力も相乗され、ドーラの全身を破壊していく。
「ぐあああああああああ!」
「少しは驚いてくれたかな?」
 京子がそう告げると、ドーラは全身から火を噴いた。
 全身のスラスターが誘爆したのだろう。
「みなさん、気を付けてください、まだ」
 まだ死亡を確認したわけではない、そう構築の魔女が告げようとした瞬間である。爆炎の中からドーラが飛び出した。
 その全身が黒く焼け、装甲は溶けだしている、そんな満身創痍の姿で最後までクリスタルを破壊しようともがくドーラ。
 だが、不幸なことに、向かった先のクリスタル、その前には杏奈が配置されている。
 先ほどの攻撃により、全ての武装が焼き切られている状態、杏奈を突破することはできない。
 なので、ドーラは自爆を選択した。

<バニッシュメントモード>

 轟く爆音、飲まれる杏奈、しかし、彼女は無事だった。
 そしてドーラの残骸は勢い余ってステージ外へと落下、その姿は闇に飲まれてしまう。
「これでゲームクリアなの?」
 杏奈が崩れ落ちるように倒れ、言った。
「違う」
 だが、その言葉を否定する秋。
「これ、強奪撃で奪ったアイテムなんだけどさ」
 それは使い方がわからないタブレットのようなアイテムだった。
 そこに表示されているのは、ラジェルドーラゲームオーバーの文字。
 そして、ネクストチャレンジャー募集の文字。
「チャレンジャーはラジェルドーラだったんだね」
 ハーメルが言う。
「僕たちは、この塔を守るゲームの駒だったんだ」

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
  • Dirty
    フィーaa4205

重体一覧

  • Dirty・
    フィーaa4205
  • 名助手・
    無音 秋aa4229
  • 暗闇引き裂く閃光・
    大門寺 杏奈aa4314

参加者

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
    人間|18才|女性|命中
  • アストレア
    アリッサ ラウティオラaa0150hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • Run&斬
    東海林聖aa0203
    人間|19才|男性|攻撃
  • The Hunger
    Le..aa0203hero001
    英雄|23才|女性|ドレ
  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722
    人間|18才|女性|攻撃
  • 魂のボケ
    シウ ベルアートaa0722hero001
    英雄|28才|男性|ソフィ
  • 神月の智将
    ハーメルaa0958
    人間|16才|男性|防御
  • 一人の為の英雄
    墓守aa0958hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 希望の意義を守る者
    エディス・ホワイトクイーンaa3715hero002
    英雄|25才|女性|カオ
  • Dirty
    フィーaa4205
    人間|20才|女性|攻撃
  • ボランティア亡霊
    ヒルフェaa4205hero001
    英雄|14才|?|ドレ
  • 名助手
    無音 秋aa4229
    人間|16才|男性|回避
  • 沈黙の守護者
    aa4229hero001
    英雄|23才|男性|シャド
  • 暗闇引き裂く閃光
    大門寺 杏奈aa4314
    機械|18才|女性|防御
  • 闇を裂く光輝
    レミ=ウィンズaa4314hero002
    英雄|16才|女性|ブレ
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