本部

【卓戯】連動シナリオ

【卓戯】心震わすアクションをプリーズ

影絵 企我

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/09/20 12:53

掲示板

オープニング

●レディース&ジェントルメン
 君達探索者達は、不思議なドロップゾーンの中へ入り込んだ。

 全ては、ドロップゾーンの中に構築された世界の住人となってしまった、普通の市民達を助けるためだ。ある人は意気揚々と飛び込んだかもしれない。またある人はおっかなびっくり飛び込んだかもしれない。またある人は……暇つぶしに飛び込んだかもしれない。それは君達の心持に任せるとしよう。

 HOPEの仲間達から、君達はそこそこの話を聞かせてもらったかもしれない。やれ、あそこでは名状しがたい怪物達に出くわしただの、やれ、そこではZAPZAPと同士討ちになっただの。それを聞いて君達は、ちょっとばかり身構えてしまったかもしれない。何が待ち構えたものか分からないと思ったかもしれない。

 けれども、君達はその想像の斜め上か斜め下にはみ出したものに出くわしたのだ。

「レディース&ジェントルメン! ドロップアウト映画館にようこそ!」

 朗々と響き渡る口上と、割れ鐘のように響き渡る歓声。君達はきっと驚いて周囲を見渡す事だろう。そして気付くだろう。暗い暗い観客席の中、目をぎらぎらとさせて自分達を見つめている大勢の観客に。勘の良い者は、数名のNPCと化した人々も交じっている事に気付いたりするかもしれない。
 それでもって、君達は間違いなく気が付くだろう。今、君達はスクリーンの前に立たされ、いくつものスポットライトをバシバシと当てられている事に。

「やあやあ、そろそろ静粛にお願いします。大切な演者の皆さんがビックリされているではありませんか」

 舞台袖に立っているのは、黒いタキシードに身を包んだ、仮面をつけたいかにも胡散臭いMC。彼もまたNPCと化した一人の被害者であると気づくだろう。ゲームに詳しければ、彼が意識を失う前、ゲームマスターなりキーパーなりみたいな事をしようとしていた事にも。

 からから笑ったMCは、くるりと君達の方を振り向く。それから両手を広げると、彼はまた明るい声色で言い放つのだ!

「さて皆さん。今から貴方達にはフラストレーション満々の観客達に、一時の満足を与えていただきます!」

●無茶ぶりの極み
 そうして君達は、戸惑い終わらないうちに今度はぐいぐい押されて何だかよくわからないスクリーンの中に押し込められる。ぬるり、と体が入ると、君達は正方形のグリッドが上下左右敷き詰められた白い空間に放り出された。君達がきょろきょろ周囲を見渡していると、いきなり目の前にスクリーンが現れる。その中にはやんやの喝采を上げる観客と、白い仮面で顔を覆ったMCがいた。

「さて、貴方達には今から即興の劇をやってもらいます! 今から私が決定する舞台の上で、じゃんじゃん踊り狂ってほしいわけです!」

 君達がもっとゲームに詳しいなら、『もろあのゲームじゃん』と突っ込む人もいるかもしれない。だがこれは一つのフィクションだ。お忘れなきよう。

「さて、この観客たちは低俗です。低俗も低俗です。クズです。そんなクズが好きなのは、ザ・B級映画! アクション有り、ジョーク有りの脊髄反射で楽しめるB級アクションです! 君達には、今からそんなアクションを演じてもらいたい!」

 観客たちはやんやの歓声を上げる。歓声を上げ過ぎて、かぶりつきの席で見ていた一人は急に呻きを上げ、何かを残してふわりと消えてしまう。それを見たMCはおっとと声を上げ、それが残したものを手に取る。何とそれは、霊石であった。

「おっと。楽しみ過ぎてもう逝ってしまった早漏君がおりますな。そう、ここで皆さんを満足させると、彼らはこの霊石を残していなくなることでしょう! 貴方達、これ欲しいでしょ、ねえ、そうなんでしょ? それならば、ぜひともアクションを! 心揺さぶる演出をお願いします!」

 君達は顔を見合わせる。このチャレンジ、乗ってもいいし、乗らなくてもいい。だが、踊る阿呆に見る阿呆、何方も阿呆なら踊らにゃ損々。君達は程無くして、MCの申し出に応じる事だろう。MCは満足げに頷くと、大きなダイスを二つ、いきなり天高く放り投げた。現れたのは、『5』と『6』。

「ふむふむ……この数字ならば。チンピラの行き交う歓楽街ですね! ワオ! アウトローッ! 弾丸が飛び交う!」

 MCが燥ぎながら叫ぶと、白い空間はいきなり歪み、君達はネオンサイン輝く夜の歓楽街に放り出された。戸惑う君達の様子を見ながら、MCはさらに言葉を重ねていく。

「この世界で、貴方達はぜひとも楽しいアクションをしてほしい! 楽しいアクションが何かって? 決まっているじゃないですか! バイオレンスに! お色気! この二つにつきます! アーッ! でもアダルトはダメですね! 子どもも見ている! 貴方の中にも少年少女がいる! U18に堪えられる演出をお願いします!」

「ヒントを与えましょう! 貴方達で全力で大喧嘩してください! 片や夜な夜な暴れるアクションヒーロー、片や夜な夜な暴れるギャングやヤクザ! 貴方達がいつでもやってる事だ! ついでに幾つかミッションを与えます。後ほど開示しましょう!」

 怒涛のように説明を終えると、再びスクリーンの映像は切り替わり、仮面姿のMCの姿が映る。

「さて、そんな所です。細かいところは私にお任せください! 衣装から何から用意しますとも! いやね、この舞台の主催は私なもので。これが失敗してしまうと私もお仕置きされてしまうのですよ……というわけで! どうか私の為にも、どうか上手くやってくれ!」

 君達は困ったような顔で顔を見合せたかもしれない。だが、やがて霊石採掘、いや採取のために君達はちょっとした作戦会議を始めたのだった。

●用意、アクション!

 全ての準備は整った。きっと君達は緊張している事だろう。MCも緊張している。さあ、君達の劇は成功し、観客の心を揺すぶる事は出来るのか――

解説

●ミッションタイプ:【一般人救助/霊石採掘】
このシナリオはクリアと成功度に応じて様々なボーナスが発生します。
詳細は特設ページから「ミッションについて」をご確認ください。

●目標
B級アクションして皆を満足させ、霊石を回収する事。

●登場NPC
MC
 ドロップアウト映画館を取り仕切る存在。演出に多少の覚えがあり、PL達の演出の細部をサポートしてくれる。彼のボーナスとお仕置きがこの仕事にかかっている。

NPC
 演者達の要望に応じて雑魚敵その他として補充される。

●ミッション(以下M)
以下の演出をクリアすると、成功判定にボーナスがかかります。
M1:服が破けて肌が露出する。男でも善し。女ならなお善し! 
M2:なんかを爆発させる。(火薬は用意します)
M3:重火器を乱射する。対複数の攻撃スキルでもOK。
M4:とりあえず回想を入れる。嘘でもいい。
M5:朝日をバックにエンディングを飾る。

●成功判定
1D100で出た数値で判定。範囲内は普通、上回れば成功、下回れば失敗。クリティカル出れば大成功。

基本値30~60
M一つ達成20~60
M二つ達成10~60
M三つ達成0~50
M四つ達成0~40 クリティカル95~100
M全て達成0~30 クリティカル85~100

●アドバイス
要するにノーリスクで対人戦が出来ます。派手に喧嘩してください。
正義側の数を絞ると面白くしやすいです。正義:悪=1:3くらいが丁度いいかもです。でも決まりはないので、迷った場合はコイン投げて決めましょう。
悪側を演じる場合はコミカルさを意識しましょう。その方が目立ちやすいです。たまにはヴィランの気持ちを味わうのもこれからの任務に役立つのでは。
正義側を演じる場合はスキルを無駄撃ちしましょう。派手さ大事です。
雑魚が欲しい場合はプレイングに記載してください。従魔ですらないただのイメージなので心置きなく爆弾でも何でも使って吹き飛ばしてください。

リプレイ

●アクション!
「開始一分前。怪我は気にせず、派手によろしく!」
「(何だってこんな事に)」
『ま、お前にゃ縁遠い仕事だわなぁ』
「……やっぱり茶番なんて出来ないぞ」
『ふふっ、派手にやればいいんだよ』
『ふふ……闘争が出来ますよ、ご主人様』
「こいつ、早く何とかしないと……」



「さあいこう! 用意、アクション!」

●跳梁跋扈
――時は西部開拓時代。
 荒野。棺桶を引く豪傑、五々六(aa1568hero001)に向かって馬上の無法者が襲い掛かった。五々六はそれを早撃ちで返り討ちにしていく。
――一人の男が、覇を唱えようとしていた!

[黒鳶 颯佐(aa4496):何だこれは]
[獅子ヶ谷 七海(aa1568):ホントに、やってる……]

 斃れた無法者は亡者と化す。だが五々六は怯まない。棺桶から重火器を取り出し亡者へ向ける。だが亡者はいない。代わりに黒子頭巾の男がスイッチ片手に立っている。谷崎 祐二(aa1192)だ。
「尺が勿体無い」
 猫撫で声を発し、スイッチを押す。
「あ? おい――」

 BOMB!

 舞台は荒野から歓楽街へ一瞬で変わる。谷崎の目の前で、爆風が酒場『オクス』の屋根を吹き飛ばす。派手な一発に歓声、谷崎は小躍りして走り去った。
「YES! 芸術は爆発だ!」

[五:俺の出番が!]
[颯:必要だったか?]

 オクスの中。月光を頼りに男女が酒を飲んでいた。赤嶺 謡(aa4187)とジャスリン(aa4187hero001)だ。この街一のマフィア『グラック』に雇われた腕利きである。
「やっぱりキミに仕事探しを任せるんじゃなかった。その結果がこれだ」
『アハッ、いつもと一緒。敵をぶっとばして美味しく飲む。簡単だよ』
 赤嶺が溜め息つく横で、ジャスリンはグラスの縁に映る満月を眺めていた。
『おい、こんなところ捨ててさっさと行こうぜ』
 瓦礫を押し退け、伽羅(aa4496hero001)が煙管を吸いつつ現れる。ふてぶてしい笑みを浮かべ、崩れかかった壁にもたれていた。
『あれれ。下っ端なのに偉そうだね』
『生き残ったのは俺だけだからな。この場じゃ俺がトップだ』
「またアクの強いヤツが……」
 赤嶺はグラスを棄て立ち上がろうとする。刹那、酒場が一気に崩れ落ちた。

[颯:太々しい新人だな]
[伽:るせぇ]

 一方、男が地鳴りのような爆発音を遠くで聞いていた。
「グラックがやられたか。いい気味だ……あれ、ライター」
 男はごそごそ火を探す。そんな男に向かって、女がしゃなりしゃなり歩いていく。
「ねえ、火が欲しいんでしょう?」
 チンピラは振り返る。そして真っ青になった。目の前には青薔薇に飾られたドレスを纏うグラマラスな女。だがフリーガーファウストなんて担いでいたら、どんな美人も気にならない。
「タップリあげるわ」
 彼女はロケット弾を撃ち込む。逃げる間もなく男は吹き飛んだ。

 Aieee!

「何しやがる!」
 拳銃握った男達が飛び出してくる。『紅旗会』だ。女は嗤いながら次々弾頭を撃ち込んだ。派手な爆風と共に血肉悲鳴が乱舞する。女は眼を細め、背筋を軽く震わせた。
「はァン。薄汚い雑魚の情けない悲鳴、最高……♪」
 彼女はヨハンナ。ヨハン・リントヴルム(aa1933)とファニー・リントヴルム(aa1933hero002)が共鳴した、『ドラッヘンファミリー』最強の掃除屋だ。

[ヨ:ああ、本当に最高……]

「さあ、貴方達もタップリ逝かせちゃって」
 ビルの屋上。ヘンリカ・アネリーゼ(aa4355hero001)を従えた天宮 愁治(aa4355)が、通信機越しに雇い主の妖艶な声を聴いていた。
「(ああ、こいつとじゃなくて、あの人と仕事したいぜ)」
 そう思う天宮には構わず、ヘンリカは歓喜に眼を輝かせる。
『火薬に硝煙の匂いです。とても心が躍りますね』
「おい、全部吹き飛ばしたりするなよ」
『さあ? ヘンリカは如何なる手段を用いてよいと聞かされております故……』
 言うが早いか、彼女はRPGを取り出した。そのまま、目の前のビルに弾頭をぶっ込んだ。
 派手にビルの壁が吹き飛び、グラックの構成員がばたばた飛び出してくる。そこへ次弾を叩き込む。その目はキラキラしていた。
『こんなお掃除なら大歓迎ですわ!』
「やめろ! 弾の経費で報酬が飛ぶ!」
 こんな二人の背後へ、不意に男が降り立つ。谷崎だ。鎌を引きずり、左手にスイッチを握り、ひっそり二人へ近づいていく。面布から洩れる笑いが感情の昂ぶりを如実に語る。
「オイ、お前達も面白そうな事してるじゃん!」
 二人が振り向いた瞬間、谷崎は背後のビルを吹き飛ばした。輝く炎を背後に立つその姿は一廉の雰囲気だ。ヘンリカは銃を取り、隣の天宮に目配せする。
『御主人様。共鳴のお時間です。さっさとしやがり下さいませ』
「……弾は節約だからな」
 二人は共鳴した。ヘンリカの姿を借り、拳銃と剣でポーズを決めて、『冥土』は朗々言い放つ。
「御奉死させて頂きます、殿方」
 無数の刃が彼女の周りに現れたかと思うと、谷崎に向かい一斉に降り注いだ。

[ヘ:演技抜きですか? 先程の話は]
[天:……]

「本当についてない」
 瓦礫の中から赤嶺が現れる。服はボロボロ、女性にも見紛う背中が露わだ。傍にはジャスリン。彼女のスーツも破れ、肢体が半ば露わになっている。胸がきわどい、だが見えない。

[颯:観客が盛り上がってるぞ]
[伽:もう少し大きかったら最高なんだがねぇ……]

『アハッ! いいじゃん! 私はノッてきたよ!』
 ジャスリンは立ち上がり、赤嶺に飛びついた。二人は共鳴し、赤嶺は白銀の鷹頭を持つ剣士へ変わる。伽羅は、煙をゆったり吐き出し笑みを浮かべた。
『あーあ、色気が無くなっちまったねぇ』
「仕事だからな」
「おうおう、こりゃチャンスだ!」
 振り向くと、グラックに従っていた組織の連中がにたにたしてトンプソンを構えていた。反逆だ。伽羅はにやりと笑い、赤嶺は羽毛を逆立てる。
「雑魚め、調子に乗るな」
「ざけんな!」
 銃弾が放たれる。赤嶺は瓦礫を盾にし、軽々跳ねて敵中に降り立った。童子切を構え、鷹の目を見開く。光の紋様を描いた刃が、一瞬にしてギャングを切り伏せた。怒涛の勢いだ。
「ひっ」
『中々やるねぇ。味方じゃなきゃやり合ってみたいところだ』
 伽羅は肩を震わせて笑うと、金色の籠手を嵌めた拳でギャングに殴り掛かった。乱れ飛ぶ銃弾を、服が裂けるも構わず紙一重で避け迫る。
『派手に行こうや』
 伽羅は一人の胸倉を掴んで投げ飛ばした。十人くらいを薙ぎ倒したところへ、刃の雨を喚び出し降らせる。血の惨劇。チンピラは恐怖に固まった。
『つまらないねぇ。その程度か』
 赤嶺は立ち尽くす一人に突っ込んだ。ストレートブロウ。喰らった男は風よりも疾く飛び、仲間を根こそぎ転がした。恐れ慄き、チンピラ達は尻尾を巻いて逃げていく。
「しょうもない奴らだ」
『いや、全く』
 二人は肩を竦める。今日もいつも通り。そう思いかけた。
「あら。ちょっとは面白そうな奴がいるわね」
 刹那、背後に気配を感じて二人は振り返る。FFを構えた女がいた。容赦なく弾頭が撃ち込まれ、二人は慌てて飛び退く。轟音と共に地は抉れ、炎が上がった。
「エージェントになってから、復讐は果たさせてもらえないわ下らない一般人を守らなきゃいけないわで鬱憤溜まってたのよ。さぁ、無様なところを見せて頂戴ッ!」
 『魔法狂女』ヨハンナは、妖艶に笑い二人を値踏みしていた。

[颯:この街、朝までになくなりそうだな]

●ヒーローは遅れてやってくる
 ――Driiing!

『F××K!』
 雑然とした事務所。電話の音に堪えきれず、金獅(aa0086hero001)がソファから飛び起きた。左腕の華模様が、宵の光に照らされている。眠い目擦って電話を取ると、宇津木 明珠(aa0086)の淡々とした声が溢れてきた。
「ようやく起きましたか、荒事屋さん。プラニットで一悶着あるようです。寝てないでとっとと何とかしたらどうです」
『うるせえな情報屋。寝てる時にかけてくんな。嫌がらせか』
「ええ、これが趣味なので」
『そうかい。ならしょうがねえな、くそったれ』
 鮮やかな毒づきあい。終わるや否や、明珠はさらりと本題を切り出す。
「そんな事より、依頼ですよ。お人よしの『荒事屋』さん」
『……ああ、やるよ――』

Ayeee!

 巻き起こる銃弾爆発の嵐。今やプラニットは橙色だ。人々が逃げ惑う中、ギャングは派手に戦っている。朱里双釵を両手にぶら下げ、ビルの屋上から金獅はそれを見下ろしていた。金の眼を輝かせ、口端をにやりと歪め、屋上から飛び降りる。
『ハッ! 暴れてツケがチャラか! 美味すぎるぜ!』
 釵を振り抜き、暴れるギャング達に向かって烈風波を飛ばす。直撃を喰らった一人が吹き飛び、仲間も風に煽られ倒れ込む。
『おら、邪魔だ!』
 群れのど真ん中に降り立った金獅は、全身を躍らせた。ギャングは慌てて銃を向けるが、釵の一撃に斬り捨てられる。鉄火場は、一瞬にして艶美な舞に支配された。
『その程度かオイ!』
 歯を剥き出し、金獅は敵の群れを突風のように薙いだ。



「ハッ、ハッ……」
 その頃、繁華街の闇に似合わぬ少女が大きなぬいぐるみを抱き走っていた。追うはいかにもなワル達。七海は、数奇な運命に巻き込まれていた。
『ハハハ! そろそろ疲れたか? 七海ちゃん、そのぬいぐるみを渡してくれたら俺達ゃ何もしないぜ?』
 野良ギャングの五々六の言葉に、七海は首を振ってひたすら逃げる。しかし、彼女は不意に現れた深紅の影に思い切りぶつかってしまった。
「ひっ」
 七海は息を呑み、影から離れようとする。だがその影は手を伸ばし、七海を引き寄せた。
「離れないで。誤射っちゃったら困るのよ。ほら、これでも食べてて」
 その影は深紅のドレスの影からパンダクッキーを取り出し七海に渡す。深紅の帽子、サングラスがこれまた妖しいその女、世良 杏奈(aa3447)はにやりとしてギャングに手を伸ばす。
「ウフフ」
 青い炎が飛び出し、ワルに炸裂する。炎に包まれ、男達は悲鳴を上げ地に伏せる。散々な有様を見ても、五々六は不敵な笑みを浮かべたままだった。
『おい、中々のオイタをしてくれたな?』
「貴方達こそ、大勢で小さな女の子を追い回すなんて恥ずかしくないの?」
『獅子搏兎はギャングの流儀だぜ』
「狗の間違いでしょ? Bowwow!」
 瞬間、二人の拳銃が火を噴いた。白い羽根が飛び、銃弾はかち合い火花を散らす。
『言ったなぁ、姉ちゃん!』
 五々六はマシンガンを取る。嵐のように羽根が舞い、銃弾が飛んだ。しかし杏奈は動じず、ドレスで弾を全て弾き飛ばした。唇を艶めかせる杏奈に、五々六は眉を開いて拳を固めた。
『くく! 良いぜ、ぬいぐるみに仕込まれた地下金庫の鍵! そいつを手に入れるにゃ丁度いい障害だ!』
 五々六は一気に杏奈へ突っ込む。銃声と共に、大量の羽根が飛び散った。

「ふん。つまんない」
 斃れた五々六を見下ろし、杏奈は口を尖らす。銃を収め、彼女はちらりと七海を見下ろした。七海はその目を見てびくりと震え、顔を背ける。
「怯えないで。一応助けにきたんだから」
 遠くで爆音がする。振り向くと、新たな炎が上がっていた。杏奈は満面の笑みを浮かべると、不意に七海を脇に抱えた。
「うん、まだ楽しめそうね!」
 言い終わらぬうち、その足は鉄火場へ向かっていた。

[五:くそっ。負けたか]
[颯:共鳴してないからな]

 その頃、谷崎と天宮は相変わらず死闘を演じていた。周りは爆炎に包まれ、人々は泡を食って逃げる。谷崎の仕込んだ爆弾が、道路も何もかもブッ飛ばしていた。
「コイツは避けきれるか?」
 分身した谷崎は一斉に鎌で天宮へ斬りかかった。しかし彼は全く動じず、スカートの裾を掴んで引っ張った。
「全く問題ありませんわね」
 大量のグレネードが零れ、閃光が弾ける。次の瞬間、天宮は剣を抜いて鎌を受け止めていた。
「ホウ」
「私も扱うは銃だけでございませんのよ」
 二人は剣と鎌の奇妙な鍔迫合を演じる。しかしそこへ向かって、不意に50口径の嵐が吹きすさんだ。二人は躱せぬまま吹き飛ばされる。
「ウフフ。中々面白そうな人達ね」
 路地の闇の中から、二丁拳銃を交差させて構えた杏奈が現れる。闘志に満ちた目をぎらつかせ、彼女はドレスを爆風になびかせていた。

[天:あれ、この人こんなんだったっけ?]
[ヘ:困惑ですか。さすがの色ボケ様も]

「あら、お疲れ?」
 一方、FFを構えて余裕綽々のヨハンナはしなを作って赤嶺と伽羅を見つめていた。容赦の無い爆破の嵐に揉まれ、グラックの二人はボロボロだ。
「トドメはこれがいい?」
 ヨハンナはFFを置き、腰に提げた鞭を取った。先端の刃が妖しく光る。どうにか童子切を構え直した赤嶺は、嘴鳴らしてヨハンナを睨む。脳裏には、ジャスリンとの他愛ない会話が過ぎっていた。

『――利き腕を見分ける方法って知ってる?』
「さあな、そんな方法があるのか?」
『簡単さ。キミは左腕が利き腕なんだね』
「ふん」
『ヨウは分かりやすいね。右腕が利き腕だね。こんな風に相手の反応で分かるんだ――』

「……見切ったぜ。次にお前は俺の首を狙う!」
 そう叫び、赤嶺は突っ込む。反応など見ていない。一ミリでも動揺すればしめたもの。乾坤一擲だ。ヨハンナは鞭を唸らせうっすらと笑みを潜める。見えたのはそれだけだった。
「(ここ!)」
 腕を狙って一気に刀を振り抜く。青い花びらが舞った。刹那、赤嶺は地から跳ね上がった鞭に腕を絡め取られ、天から背中を打たれ、息もままならぬまま縛り上げられてしまった。
「あたしを少しでも傷つけたこと、称賛してあげるわ」
 ヨハンナは身動きが取れない赤嶺を見下ろす。ドレスの胸元が裂けて谷間が露わ、腕からはうっすら血が垂れていた。だが、それだけであった。
「ふん……」
「お仕置きよ」
 ヨハンナが鞭を振り薙ぐと、赤嶺は廃墟となったビルへ突っ込んだ。柱が砕けるほどの勢いで叩きつけられ、赤嶺は気を失う。廃墟は崩れ、彼は瓦礫に飲み込まれてしまった。
 肩を竦め、ヨハンナはそれを見送る。その僅かな隙を伽羅は見逃さなかった。
『奴を無駄死にはさせられねぇよな』
 ヨハンナの腕を掴み、腰を抱き寄せた伽羅は、歯を見せて指を天に掲げた。無数の武装が現れ、ヨハンナと伽羅を取り囲む。空を見上げた彼女は不敵に笑った。
「あらぁ、これでチークダンスを踊ったら、貴方もまとめて串刺しね?」
『いいんだ。派手に散るのが下っ端の仕事だからな。華々しくやらせてもらう!』
 瞬間、ヨハンナと伽羅に向かって刃が降り注いだ。ヨハンナに、伽羅にさえ刃が突き刺さる。道を砕き、砂利と化し、濛々と土煙が立ち昇る。

「ふうん。結構効いたわ。でも、残念だったわね」

 土煙が晴れる。ドレスをボロボロにしながら、ヨハンナは確かに立っている。……その足元には、傷だらけの伽羅が倒れていた。

[颯:無駄死にだな]
[伽:下っ端なんてこんなもんだろ。尺の都合もあるし仕方ねぇさ]

 そこへ一人の女が駆けてきた。散々に与太者達をぼてくり回した『荒事屋』、金獅だ。ボロボロの廃墟を目の当たりにし、彼女は顔をしかめる。

『……おい、そこは良く行く飲み屋だったんだぜ。勘弁してくれよ』
「あら。次から次へと。この街は随分と楽しめるわね」
『うるせぇ、俺の気分は最悪だ!』

 金獅は釵を逆手に持って躍りかかる。ヨハンナの鞭が生きた大蛇のように襲い掛かり、金獅を打ちすえる。彼女は左腕で一撃を受け止め、そのまま懐に向かって釵を振り下ろす。カウンターだ。
「ふうん?」
 ヨハンナは冷静に一歩退く。鞭でFFを絡め取ると、悠々構えて引き金を引いた。金獅は目を見開いて廃墟の影へ飛び込む。次々に弾頭が撃ち込まれ、金獅は出てもいけない。
『畜生、埒開かねぇ』

 Ring!

 金獅は荒っぽく携帯を取った。情報屋の声が流れてくる。
「荒事屋、貴女の他に掃討へ当たっている方がいます。援軍が必要でしょう?」
『んだよ、決めつけやがって! ってとこだが……』
「了解しました」

 Ring!

 天宮の放つ刃や谷崎の分身を躱しながら、杏奈は携帯を耳に当てた。
「誰?」
「私は情報屋と呼ばれる者です。敵方に対して荒事屋が少々苦労しているのです。加勢してもらえますか」
 まるで機械のような口調。杏奈はさらりと跳ね除ける。
「不躾ね。私も仕事中だから暇じゃないの。いきなり誰かの『助けに』入れと言われても」
「なるほど。じゃあこう言いましょう。『見敵必殺』、以上」
「……ええ、敵を縊るのは大好きよ」
 携帯を切ると、杏奈は肩を竦めた。
「貴方達と遊ぶのも終わりね」
「オイオイ、さよならか?」
「ええ。そろそろスキルも尽きたでしょ。それでもやるの? 震えて眠るのを勧めるわ」
「マサカ、そんなのは御免だぜ!」
 谷崎はジャケットを開く。中には、ダイナマイトが幾重にも結び付けられていた。
「死合なら、最後まで付き合えよ!」
 谷崎は杏奈に掴みかかった。ダイナマイトが起動する。閃光が走り、自分もろとも、何もかも吹き飛ばす。噴き上がった黒煙と爆風が、天宮の視線を塞いだ。
「くっ――」

 やがて煙が晴れる。そこに谷崎は跡形も無く……だが杏奈は立っていた。深紅のドレスは吹き飛び、胸元や太腿が裂けた黒いボディスーツだけを纏っている。しかし彼女は平然としていた。
「……で、貴方も爆発するの?」
 杏奈の眼が天宮に突き刺さる。顔を顰めた天宮だが、連戦で消耗した彼に打つ手は無かった。諸手を上げると、彼は肩を竦める。
「降参しますわ。命あっての物種ですもの」
 天宮は踵を返して駆け出す。その脳裏に、ヘンリカの声が突き刺さる。
『(降参? 何を言っているのですか)』
「(うるせぇ。結局弾の使い損だ! テメェ、次は弾じゃなくて体張って来い)」
『(メイドである私に身体を売れと? 何という鬼畜御主人でしょう)』
「ちげぇ! そもそもお前に女の魅力なんて――」
 その時不意に共鳴が解かれる。隣にはデリンジャーを構えたヘンリカが立っていた。

 Bang!

「ふふ、次は鞭にする? 水責めにする? それとも、焼・き・ご・て?」
 金獅に向かって、ヨハンナは身をくねらせる。血雑じりの唾を吐き捨てた金獅は釵を握り直す。
『うぜぇ。どいつも御免だ』
「あなたに選択の自由は無いわ。これはあたしからの御褒美だもの♪」
 金獅は舌打ちした。しかし相手の厭らしい戦法を破れない。追いつめるように撃ち込まれる弾頭。金獅は爆風に巻き込まれ、服が焦げて胸元太腿が露わになった。金獅は僅かに頬を赤らめる。
『ちっ……俺にだって恥じらい位あんだよ、くそっ!』
「あら! じゃあもっと辱めないとね!」
 ヨハンナが再びFFを構える。しかしその瞬間、彼方から飛んできた50口径が手元に叩き込まれ、FFは弾き飛ばされる。
「なにっ?」
「あらぁ。やらしい恰好してるのね、あなた」
 ビルの上から杏奈が飛び降りる。その身を覆うのはボディスーツだけだ。ヨハンナは僅かに眉間に皺を寄せたが、直ぐに笑みを取り戻して鞭を取る。
「あなたこそ、なぁにその格好? 道端に落ちてる踏み潰されたペットボトルそっくりよ? 貴方が記念すべき千人目の犠牲者なのに、そんな格好じゃ我慢ならないわね。脱がして少しはマシにしてあげる」

[颯:見せられなくなるぞ]
[伽:滅茶苦茶に盛り上がりそうだがねぇ……]

「大した余裕ね。じゃあ私も、本気で行こうかしら?」
 杏奈は銃を落とし、黒表紙の魔導書を取り出す。アルスマギカ。彼女の秘めたナニカを開放する魔導書だ。
「封印術式解放。正面の対象殲滅まで継続」
 彼女が唱えた瞬間、その身は闇の衣に包まれ、四方八方からゾンビが飛び出した。先頭には五々六がいる。手を突き出しながら、無数の亡者が杏奈とヨハンナに向かって殺到した。
「カネェェェッ!」
『ハァ? どんな術だよ!』
「あら、余計なおまけが」
 金獅が叫んだ瞬間、杏奈も首を傾げて身を躍らせる。ゾンビの首が高々と舞った。杏奈の術でない事に変に安堵しつつも、金獅はゾンビにもみくちゃにされる。
『畜生、面倒くせえ』
 身を躍らせてゾンビを薙ぎ払う。ふと路地へ眼を向けると、ぬいぐるみを奪われないよう死に物狂いでゾンビに抵抗している七海の姿が目に入った。
『おいおい。こんなところにガキ連れてくんなよ』
 彼女は駆け出した。すっかり放っておかれている女の子を助けるために。

[颯:お前も出るか?]
[伽:いや。止めておく]

「うふふ。やるわねあなた!」
 踊り狂う鞭を掻い潜りながら、杏奈は闇に纏われた銀の弾丸を飛ばす。ヨハンナは半身になって躱すが、胸元を掠めてうっすら血をにじませる。ひりつく痛みに顔を顰め、彼女は舌打ちした。
「(この女自由ね。あたしにこんな自由は無かった)

「――やれ! お前がやるんだよ!」
 ボロ雑巾のようになった少年。自らの手には血まみれの金属バット。ドラッヘンに捕らえられ、共に生きてきた少年の私刑を、ヨハンナは命じられていた。
「何ビビってやがる!」
「ごめんなさい……ごめんなさい!」
 ヨハンナはバットを振り下ろす。少年の頭蓋が砕ける。その瞬間、彼女の何かも、砕けてしまった――

「(今日、ここでコイツをぶちのめして昇進すれば、あたしの人生も、少しは報われようってものよ!)」
 ヨハンナは大量の剣を召喚し、鋭い叫びと共に飛ばす。降り注いだ刃は、杏奈に、その背後の亡者の群れに向かって襲い掛かる。
『うおっ!』
 七海を守ってゾンビを叩き潰していた金獅は、慌てて刃を受け止める。その一撃を受け流し、カウンターの応用でしぶとく迫ってくる五々六を今度こそ斬り倒した。ちらと二人を見遣り、金獅は溜め息をつく。
「ふふっ! いつまでそうやって避けられるかしら?」
 続けざまに武装を喚び、雨あられと攻撃を降らせる。杏奈は黒い風を纏ってするりと攻撃を躱していく。
「ふふ。中々派手ね。でもそろそろ終わりにしようかな!」
 再び杏奈はアルスマギカの表紙を叩き、闇の衣を纏いなおす。そのまま剣戟の雨を潜り抜け、その懐に潜り込む。ヨハンナは鞭を唸らせ襲わせる。闇の衣が喰い裂かれ、杏奈の肌が露出する。しかし彼女は構わず、ヨハンナの首根っこを掴んだ。
 瞬間、裂けた闇の衣がヨハンナに纏わりつく。
「チェックメイト」
「く……」
 ヨハンナに纏わりついた闇の衣は、何本もの刃へと変質する。ヨハンナを高々掲げた杏奈は、目を見開いて歯も剥いた。
「悲鳴を上げて。豚のように」
 刃が一斉に突き刺さる。掠れた呻き声が、宵闇の中に響き渡った。

 彼方から差し込む光。倒れたヨハンナの目にも映る。満身創痍の彼女は微かに笑みを浮かべた。
「綺麗ね……太陽、久しぶりに見た気がする……」
 やがてその瞳から光が消える。だがその表情は、どこか安らかにも見えた。杏奈は微笑みの中にどこか神妙な色を帯びさせ、じっと彼女を見下ろしていた。



『あんた……滅茶苦茶すぎるぜ』
 地面にへたり込み、金獅は呟く。とうの杏奈は欠伸をして如何にも退屈そうな顔をしていた。
「そう? この街でこんなの普通よ」
『ふざけろ』
「ま、七海ちゃんを守ってくれてありがとね。流石に七海ちゃんを守りながらだとこっちも苦労したと思うし」
『そう言ってくれりゃ何よりだよ。畜生』
「じゃあ、またどこかで会いましょ」
『二度と会いたくねえや』
 七海を引き連れて立ち去る杏奈を見送りもせず、金獅は深々と溜め息した。

 Ring!

『情報屋? 何だよ、ったく……』
――お疲れ様です。報酬は振り込んでおきました。また、今回の経費請求書を添付したので宜しくお願いします――
『え? ……おい、桁おかしいだろ……』
 金獅は提示された額面を見てへたり込む。すっかり燃え尽きた彼女に、朝日は眩しすぎた。そんな彼女に七海がそっと近寄る。その目はぬいぐるみに注がれたままだが。
「大丈夫、ですか?」
『なあ、おい。そのぬいぐるみの中に鍵があるんだったっけ?』
「……あなたにはあげないです」
『ちくしょーーっ!』

――Fin

●結果発表!
『にゃにゃ!』
「また何かやらかしたかな……」
『何だかいつも以上にスイッチ入ってたね、杏奈』
「あら~。あんまり憶えてないわねぇ……」
 一芝居終えリンカー達は帰って来た。心なしか劇場はスカスカ、代わりに幾つもの霊石がキラキラと光っていた。ステージに立っていたMCはからからと笑い、ステッキを振って霊石を袋へと呼び込んでいく。
「素晴らしいアクションでした。見てください。1000人いたはずの客が、850人も逝きました! これは大成功と言っていいでしょう! 私もこれで一安心です。これはどうぞお持ち帰りください」
 MCはにやりと微笑むと、リンカー達に向かって深々頭を下げる。
「ではまた会いましょう! See Ya!」

 おしまい

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • Analyst
    宇津木 明珠aa0086
  • Foe
    谷崎 祐二aa1192
  • 急所ハンター
    ヨハン・リントヴルムaa1933

重体一覧

参加者

  • Analyst
    宇津木 明珠aa0086
    機械|20才|女性|防御
  • ワイルドファイター
    金獅aa0086hero001
    英雄|19才|男性|ドレ
  • Foe
    谷崎 祐二aa1192
    人間|32才|男性|回避
  • ドラ食え
    プロセルピナ ゲイシャaa1192hero001
    英雄|6才|女性|シャド
  • エージェント
    獅子ヶ谷 七海aa1568
    人間|9才|女性|防御
  • エージェント
    五々六aa1568hero001
    英雄|42才|男性|ドレ
  • 急所ハンター
    ヨハン・リントヴルムaa1933
    人間|24才|男性|命中
  • エージェント
    ファニー・リントヴルムaa1933hero002
    英雄|7才|女性|カオ
  • 世を超える絆
    世良 杏奈aa3447
    人間|27才|女性|生命
  • 魔法少女L・ローズ
    ルナaa3447hero001
    英雄|7才|女性|ソフィ
  • Gate Keeper
    赤嶺 謡aa4187
    獣人|24才|?|命中
  • Gate Keeper
    ジャスリンaa4187hero001
    英雄|23才|?|ドレ
  • エージェント
    天宮 愁治aa4355
    獣人|25才|男性|命中
  • エージェント
    ヘンリカ・アネリーゼaa4355hero001
    英雄|29才|女性|カオ
  • 孤高
    黒鳶 颯佐aa4496
    人間|21才|男性|生命
  • エージェント
    伽羅aa4496hero001
    英雄|28才|男性|カオ
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