本部

ビッグボーナスステージ st4

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/07/27 12:30

掲示板

オープニング

● さらに戦い続けるもの達へ

【おおおお、ステージが4まで攻略されてしまったか】
【死んでしまうとは、なさけない】
【所詮メドューサもモンスターペアレントも四天王最弱】
【私が出るしかないようだな。この『暗黒の王』が……】
【奴らは知るまい、この私が所見殺しをもっとも得意としていることを】
【ふははははは、蹂躙してくれる!】

● 戦い続けるもの達へ
 今回も待ってます! みんなを待ってます! 
 戦いたいでしょ! 雑魚的蹂躙したいでしょ!
 新しいアイテム増えたし なんか有利な条件とか増えてるよ!
 ストレスフリーで楽しめるよ!
 あそぼうね! ステージ9で待ってる 待ってるよ!

巻物の個数  11
髑髏      1
満たしたフラグ 3


 こうしてあなた達は再び、タワー型ドロップゾーンの攻略に駆り出された。

ステージ4  クリア ここからスタート。 
 ボーナスアイテムが選択できるよ
 レアアイテム以外のアイテムを一つ入手した状態からスタート 
 
ステージ5 雑魚的ラッシュ
ステージ6 上ボス ケントュリオ級愚神撃破で次のステージ
ステージ7 強い雑魚的ラッシュ
ステージ8 ボスラッシュ 
ステージ9 ラスボス

 基本は、空中に板がたくさん浮いていて、それを一つ一つ上りながらステージの上を目指します。
 上スクロール形式のゲームと一緒です。 
 ちなみに背景の絵柄は108種類。お城や草原や森や空などです。背景が変わると従魔の見た目だけが変わります、能力は変わりません。
*ステージ8以上は重体の可能性があります*
*(N)とついている物は新しく解放された情報、アイテムです*
このゾーンでは特別ルールが適応されます。
1 必殺技ゲージ
2 アイテムボックス
3 セーブ機能。
《必殺技ゲージ》
 従魔を一体たおす、生命を一減らすごとに ゲージが一たまり、百になると使えます。
 スキルとセットで使用し、そのスキルを強化すると思ってください。

『必殺技効果』

(N)範囲威力拡大 効果範囲と対象を二倍の数に変更、物理、魔法、両攻撃力に+100されます。
(N)射程効果拡大 射程を二倍に変更します、またカバーリングされず、妨害もされません、回復量を二倍、もしくは効果時間を二倍にします。
一騎当千 選択したスキルの使用回数が二回復します。つまり使った分を帳消しにしてスキルの使用回数が一回増えるということです。
(N)合体攻撃 任意のキャラクターとタイミングを合わせて攻撃します。すごいことになります、どうなるのかはその時の雰囲気によります(最大三人まで可能です)(PLが決めてくれて構いません) 
(N)乾坤一擲 自分の命を全て霊力に変換し攻撃する。
「アバヨ、ダチ公」的な演出が可能
 しかしラウンド終了時にゲームから退場させられます(重体も死亡もありません)
 リンクレートを+5し、自身のスキル二つを選択し効果を合成して放ちます。
 さらにダメージの固定値に+15します。
 セルフ合体攻撃だと思ってください。
 

《アイテムボックス》
 この世界の敵を倒すとアイテムがドロップします。ボスを倒すとPCの数だけ確実にドロップします、何が出るかはランダムです、GMがダイス振ってます。
 アイテムは基本三つまで持てます、たいていの者は持っているだけで効果がありますが、使うとなくなるものがあります。
 使うときはセレクトボタンを押してください。

『アイテム一覧』

<巻物> ステージやアイテムデータが更新される、新情報が追加される。持ち帰ることで効果があります。
(次回のビックボーナスステージの際にPCが有利になる情報の公開、アイテムの追加などです)
<火の因子> 攻撃に炎属性がつき移動力、イニシアチブが上がる。
<水の因子> 攻撃に水属性が付与、自動的に生命が回復するようになる。
<雷の因子> 攻撃に雷属性が付く。攻撃の範囲が1SQ広くなる
<闇の因子> 攻撃に闇属性がつく。中二病に侵される。
(N)<光の因子> 攻撃に光属性が付く。酷いこととかできなくなる

<輝けるもの> 光り輝く何か。使うと少しの間無敵になる。従魔が触れると蒸発する。一定時間で消えてなくなる。
<猫耳> かわいい、語尾ににゃが付く、持ってると敵にめっちゃ狙われるようになる。
<バット>  素行が悪く見えるようになる。物理攻撃力が100加算される。
(N)<タトュー> 全身に紋章が現れ攻撃エフェクトがかっこよくなる。魔法攻撃に+100 またイニシアチブに+1される
(N)<従龍> 小さなドラゴンが追従するようになる。自動的に周りの敵を攻撃してくれる他、因子を食べるとブレスにその効果が付加される。
(N)<ナイフ> 情緒不安定になるが、回避力が+100される。 
<金貨> レアアイテム、報酬が5000追加される、一人が持ち帰るだけで全員に効果がある。持ってると敵にめっちゃ狙われるようになる。
<髑髏>  レアアイテム、三つ集めると何かがおこる.
<エンプレスオーダー> 激レアアイテム 使用すると自身と、任意の味方二人の必殺技ゲージがたまり、必殺技を発動できる。またこの時『必殺技効果』を二つ使える。

*注意 昔のゲームみたいにシステムが不親切なため、他人にアイテムを譲渡することはできません。捨てるか取るかの二択です*

(N)ケントゥリオ級『暗黒の王 メテムサイコプス』
 大きな翼と大剣を持つ屈強な魔人。ステージによって微妙に姿が変わるが能力は変わらない。
 空中戦と肉弾戦を得意としており、魔法攻撃に弱い。
 ただ魔法攻撃も得意としており、威力は低いがBS付加の可能性が高くなっている

(N)
・ベルノハザード
 自身中心型魔法攻撃。半径5SQを《凍結》させる。火の因子を持っていないPCは《凍結》される。
・コキュートスエッジ
 直線無差別の範囲魔法を放つ。命中率が高く範囲も広いのでよけにくい。この攻撃を受けると《凍結》する

(N)
・弱点は 光攻撃と炎攻撃、翼の付け根。あと、頭が悪い。
・《凍結》したPCは一切の行動ができなくなる、別のPCに救出してもらう必要がある。

解説

目標 ステージ6クリア(成功)
   ステージ9クリア(大成功)
 
 今回は、前回のビックボーナスステージの結果を受けてのミッションです。
 前回からの影響はアイテムの引き継ぎ程度ですので。
 どんな感じか知りたい人だけ過去のリプレイを見ていただければと思います。

 ●従魔について

有象無象ちゃん
 さまざまな見た目をした従魔、ディーカップ、木の葉、スコップ、ハートマークなんでもありだがとても弱い、空中を漂うことができる。
 近づくと襲ってくる。物体に(―_―)こんな顔がついている
 攻撃方法は体当たり。大きさは体長5メートルから1センチのあらゆるもの

森羅万象ちゃん
 様々な見た目の従魔。けっこうな歯ごたえがある上に有象無象ちゃんに似てるため間違いやすい、(゚□゚)こんな顔をしているため、よく見ればわかるはず。
 攻撃方法は体当たり。体長は10メートルから1センチのあらゆるもの

唯一無二くん
 背が四メートル近くある棒人間みたいなやつです。近くの有象無象チャンを投げたり、格闘戦を仕掛けてきます。

一期一会くん
 いきなりグラフィックがハイレベルになります、見た目はステージあった人型従魔です。鎧武者だったり悪魔だったり。
 攻撃方法が多彩で、遠距離からの魔法攻撃や二刀流やBS付与など、いろいろやってきます、

リプレイ


オープニング
 ここはビックボーナスステージ。絶えず戦い続けるもの達を受け入れる挑戦の門。
 その門扉を眺めて『シャルティ(aa1098hero001)』は感慨深くつぶやいた。
「本当に……戻ってこられた……」
 その言葉に『豊浜 捺美(aa1098)』が答える。
「ゲームは細かいこと気にしたら負けなの」
「「さあもうひと頑張りしましょ!」」
 二人は声を重ねて拳を突き上げると意気揚々とダンジョンに侵入する。
「わ、私……ずっと画面の向こうに。二次元に行きたかったんです……」
 その捺美の背を追って『卸 蘿蔔(aa0405)』もゲームの入り口をくぐる。
 その世界に入った蘿蔔は感嘆の声を上げる。
「わぁ。夢のようです」
 周囲は見渡す限り四角で表現されているドットの世界である。
「いやここは現実だからな……ほっぺつねると痛いぞ」
 隣に立つ『レオンハルト(aa0405hero001)』はそう突き出された蘿蔔のほっぺをつねってみた。
「いひゃい。いやでもゲームのキャラにも痛む体や心はありますよ」
 ほっぺたがもちのように伸びつつも蘿蔔は平然と周囲をみわたし。フロアの中心に宝箱が設置されているのを発見した。
 宝箱は人数分ある。どうやら持って行けということらしい。
 それを見て『繰耶 一(aa2162)』は宝箱を足先でつつく、すると その宝箱の名からバットが飛びだして地面に転がった。
 一は感嘆の声を漏らす。
「あー何か最近のゲームってグラフィックやBGMとか原始回帰してるもんな
「原始回帰……?」
「古き良き心を忘れない、温故知新だよな」
「温故知新……?」
 繰耶は懐かしいあの頃のゲームを思い出しつつしみじみとつぶやいた。しかし
『サイサール(aa2162hero001)』は意味が良く分かっていない。
「とにかく大暴れしたい! 楽しみだねサイサ」
「……はい、理解に欠ける点が多いですが、敵を大量に屠れるのですよね。楽しみです」
 そう高揚した表情で一はあちらこちらのボタンを押したり周囲を確認したりしている。
「この感じ……バグとか見つかるんじゃ……?」
 その言葉をサイサールはめんどくさいのでスルーした。
「きゃ。ふふふ。可愛いですね。あなた、一緒に来ますか?」
 そう楽しそうな声を上げたのは『月鏡 由利菜(aa0873)』。彼女は宝箱から出てきた龍と戯れる。この龍がとても可愛らしく。両手に乗る程度の大きさで、持ち主である由利菜にとてもよくなついた。
「ユリナ……本当にアルスマギカを実戦投入するつもりか? 曰く付きの代物だぞ」
 そんな姫騎士を見つめて『リーヴスラシル(aa0873hero001)』は心底心配そうに問いかける。
「はい……ラシル、制御はお任せします」
 リーヴスラシルは額を抑えて手元の本を見つめる。この本の名称を『プリエール』という。
 脳に直接リンクさせることにより、膨大な魔法の力を瞬時に行使できるようになるが、代償は大きいと聞く。
「たかだか本ごときに、私が……とは考えたくないがな」
「前回持ち帰った巻物のおかげで、攻略が大分楽になりそうですね♪」
『世良 杏奈(aa3447)』も同じく宝箱をあける、中には火の因子。
「次のボスは氷タイプかしら。炎スキルなら効果抜群ね!」
『ルナ(aa3447hero001)』が楽しそうにつぶやいた。
「ところで、髑髏って3つ集まると何が起こるのかしら?」
「うーん、EXステージとか裏ボスが出現するんじゃない? マ○クラのウィ○ーみたいに」
「む、これは伝説のナイフだね。見ただけでわかる」
 そう『ハーメル(aa0958)』も自分用の宝箱をあけると、見事に古臭いグラフィックのナイフを引き当てた。
 『墓守(aa0958hero001)』は楽しそうな彼を見つめて、どこか満足げだ。
「それじゃ、そろそろ向かおうか」
 そんなハーメルの言葉に頷いて全員が共鳴を開始する。
「お腹すきそうだけど……行ける所まで……終わったらご飯多めに……」
「わかった、わかったって!」
 もうすでに腹ペコの『Le..(aa0203hero001)』をなだめ『東海林聖(aa0203)』は上の階層をめざし、梯子を上る。

● ステージ5 火山ステージ
「あつーい、気がするね。シウお兄さん」
 そう『桜木 黒絵(aa0722)』は慣れた様子で、有象無象ちゃんを爆破していく。
「そう言えば、闇の因子はとらなかったんだね」
『シウ ベルアート(aa0722hero001)』は言う。
――闇の因子は僕が置いて来た。検討してみたが、ハッキリいってこの闘いにはついていけない……
「なんて言って、さらに厨二っぽいアイテムとってるし」
 そう黒絵は苦笑いしながら、全身に浮かび上がるタトューを眺める。
「ステージが進むにつれて敵も強くなって来てる……。なるべくダメージを受けない様にしないと」
――目標はステージ6だけど、ステージ9を目指す為にはアレを使わざるを得ないな。
「え? 何か言った?」
 そう聞き返すもシウがその言葉に答えることはなかった。直後黒絵に従魔が殺到したためだ。
 顔の描かれた燃え盛る火球たちは何かの恨みでもあるかのように黒絵を目指す。
 そんな中、シウは周囲を観察していた。
 有象無象ちゃん、その中に紛れ込んだ(゚□゚)こんな顔の森羅万象ちゃんも、以前の階より割合増えた気がする。
「タトューがなければ一撃とはいかなかったかもね」
――あ、黒絵前! 前!
 そう黒絵の放つ魔法弾をはじいて直進してくる森羅万象ちゃん。そいつを、由利菜はプリエールから放った霊力の刃で両断した。
「あ、助かったよ由利菜ちゃ…………ん?」
 そこで黒絵は異変を感じ取った。いつもの彼女ではない。
 なんというか、佇まいとか、雰囲気とかそう言うレベルではない。もう表情がいつもと違う。
 にたりと笑い、目は細められ。獲物を探すようなぎらつく眼光。
「これはまさか!」
――アルスマギカの影響だ。
「目障りよ、貴方達……!」
 高らかに由利菜がそう叫ぶと、バタバタと勝手にページがめくられプリエールが光り輝く。
「第六定理の真呪文。神々すら恐れた光を見なさい『デストリュクシオン・ルージュ』」
 直後放たれた赤い閃光が、周囲の敵を薙ぎ払っていく。
 ちなみに、術を放つ間無防備になっている由利菜を従龍が守っている。
「跡形もなく……消し飛べえぇぇぇっ!!」
「えええ! 由利菜ちゃん!」
――だめだ黒絵! 離れろ中二病が移る
「え! だって闇の因子は置いてきたって、それに私は普通」
――ボクに移る
「お兄さんに移るんだ! それはありそうだ!」
――くっ……アルスマギカめ、ユリナに干渉して破壊意志を増幅するか……!
 そう苦しむラシルを尻目に『レミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)』が突貫していく。
――む、月鏡さんも楽しんでいるようだな。
「あれは、楽しんでいるのとは少し違う気がするけど」
 ちなみに『狒村 緋十郎(aa3678)』はすでにレミアの中。
「にしてもこれが“げーむ”……人間達の遊びなのね。色々複雑そうだけど……つまり、敵を蹂躙し虐殺し、屍を踏み砕いて突き進めば良いのでしょう? ふふふふなかなか楽しめそうじゃない」
――あぁ、いつも通り、痛みは俺が引き受けよう。レミアは思う存分に惨殺を楽しんでくれ……! ちょうど魔剣の力も試してみたいところだったしな。
 そうレミアが取り出したるは血色の巨刃、名を『闇夜の血華』それはかつてのレミアの相棒であり、物言わぬが故に傍らにあることができた唯一の者である。
「まさか再びこの魔剣を振るえるとは思わなかったわ……やっぱり手に馴染むわねぇ」
 そうレミアは柄を握り直すと、主の呼びかけに答えるように剣が震える。
「さぁ《闇夜の血華》、我が殺意を存分に喰らい、敵を屠る力となさい……!」
自身の身長より1m近く長い重厚かつ武骨な大剣を細腕で軽々と振り回し敵陣に突っ込み。有象無象ちゃんの群を切り倒していく。
 大混乱に陥った有象無象立を容赦なく背後からばさりばさりと。
「俺も負けてられねぇな! 自称でもアタッカーは伊達じゃないぜッ!」
 そう躍り出たのは聖。
「おら、いっちょあがりだ!」
 掛け声と共にレミアの背後に迫る有象無象ちゃんを切り割く。
「おっと」
 次の瞬間、地面が揺れ。聖の目の前のマグマだまりから熱を帯びた巨躯が立ち上がる。
「これが噂の……」
―― 一期一会くん……だね
「相手にとって不足はねぇ!」
 突如ドットではなく、実物と見紛うほどのグラフィックの敵が登場したが、それにひるむことなく、聖は剣を叩きつける。
 衝撃で宙を舞い。身を低くして敵の両腕の薙ぎ攻撃を避け。火球を剣でそらして肉薄する。
 懐に入り込めがこちらの者、瞬時に三閃、駆け抜けざまに一閃。確実に一期一会クンにダメージを与えていく。
―― ヒジリー……
「なんだっよ!」
 敵の拳をはじいて聖はLeの言葉に答える。
――お腹すいた
「早すぎるだろ!」
 そんな大盛り上がりの一行、全員がゲーム感覚で際限なくテンションを上げていく中、ハーメルはいつものほのぼの笑顔で笑っていた。
「どんでもないところに来てしまった……」
 今回のパーティーで数少ない一般人枠のハーメルは力なく笑う。
「わかります」
 そんな彼の背を守るように蘿蔔が歩み寄る。
 レオンハルトも頷いていた。
――うんうん、みんなアドレナリン出すぎだろ。あ、蘿蔔
「従魔の群に目をつけられてしまったね」
 ハーメルも銃を構える、この距離であれば遠距離から一方的に攻撃した方が楽だと判断した。
 連続した銃声があたりに響く、二人もゲームは特異なようで一体も撃ち漏らしはない。ただどこからかふらふらと飛来してきた従魔が横から突進してきたが。
――踏みつけろ!
 そんなレオンハルトの指示により、蘿蔔は跳躍。迫る従魔を足蹴にする。
 そのまま高く舞い上がって、銃口を敵に向けうつ、マズルフラッシュの向こうに見える蘿蔔の表情は、心底楽しそうだった。
「多いとよけるのも大変ですが……」 
 そして蘿蔔は華麗に着地、あたりに従魔がいないことを確認して、一つため息をついた。
 そして、また別の敵を倒すために駆けだしていく。
 より戦場の中心へと。
 そしてそこには【暁】背負いし戦士が二人いた。
「よっしゃここからが本番だぜ!」
――だぜー
 一人は肩にフリーガーを担ぎ、地面すれすれまで姿勢を低くしている。そして男性はゆるりと大斧構えるが、不思議とその刃は禍々しくみえた。
「やっとてにいれたぜ!! バット!」
――おぅ、いえーい
「ぶっ殺してやんよ!」
――………………
 その二人は暁小隊所属。一および『一ノ瀬 春翔(aa3715)』である
「オラァ! 帰ってきたぜぇ!」
――きたぜー!」
『アリス・レッドクイーン(aa3715hero001)』が拳を突き上げんばかりの勢いで叫ぶ。
「私は初めて来たぜー!!」
―― ……………………
「のり悪りぃぞサイサ! くそ!」
 舌打ちと共に、一は周囲180°にばらまいていく。フリーガーを。春翔は進軍する。不意に出現した唯一無二君を軽く切り倒し。暴虐の旋風と化した二人は。業火巻き上げながら敵を殲滅していく。
「フハハハ!ハラワタを、骨を、ぶちまけてけ!!
――小物感……
「前はちとはっちゃけ過ぎたからなァ……ま、ヤるこたァ変わんねぇけどよォ!」 ――けどよー!
【ガラ悪すぎマン は 超興奮している!▼】
【便乗煽り少女 は 更に楽しんでいる!▼】
 画面下に直後表示される文字ウィンドウ。
「うお! なんだこのテロップは」
 一は驚き。
「ゲームの醍醐味ってやつだ!!」
 春翔は当たり前のように受け入れた。
「蹴ってみ」
「あ……」
 ばきっと力なく砕ける文字ウィンドウ。
「意外と儚い。」
――あ!!
「どうしたの!? ルナ」
 突如フィールドに響き渡るような声でルナが叫んだ。
「光輝くものだ!」
 杏奈は満面の笑みでそれに手を伸ばした。


● ステージ6 凍獄ステージ 『暗黒の王 メテムサイコプス』 
 永久凍土から魔王は蘇る。すべての命を刈り取るために、終末を届けるために。
「ふはははははは、ここから先へは行かせぬ。お前たちはここで死ぬ。」
 そんな吹雪の向うから真っ先に顔を出したのは蘿蔔だった。
「ほわ……かっこいいです! ボスさんでしょうか」
「わが名はメテムサイコプス。お前たちを滅ぼすものよ」
「翼なんてあるんですね。どうなってるんだろう。自分の視点は動かせないので……後ろから見てみたいのですが見れません。残念なのです」
「ん? 聞いてる?」
 メテムサイコプスは頬をかく。
「もっとよく見たいです」
「だめだ、それはだめだ、敵に背など向けられん」
「えー、お願いします。おねがい!!」
「だめだ!」
「そんな、一生のお願いです、一生の!!」
「だめ……」
「お願いしま……うえーん」
 しまいには泣き出してしまう蘿蔔。
「だあああああ、わかった、泣き止むのだ小娘、ほらこれでいいか。って。痛っ!!」
 直後、鋭い痛みで飛び上がるメテム。その背中のど真ん中から煙が上がり、蘿蔔の銃口は熱を持って雪を溶かしていた。
「貴様だましたな!」
「涙は女の武器です」
 ちなみにこの時目薬を用いたが、それがまつ毛に付着し凍結。目が明かなくなるというパニックを蘿蔔は味わった。
「ぶち殺す! 小娘が!!」
 そうメテムが放ったのは、周囲を一体を凍らせる波動。ベルノハザード。
 その凍気に当てられた蘿蔔は、氷像になる。はずだった。
「ははは、もう口もきけまい」
 しかし、違う。蘿蔔は無事だ。
 そして。
「な、何だと、なぜだ。なぜお前たちは」
 あたり一面の雪を溶かしてしまうほどの高熱源反応。
「そんなにも沢山の火の因子をもっているのだ!!」
 リンカーたちが持つ火の因子の数は八つ。捺美と蘿蔔以外の全員がもっているというありさま。
「情報通りね」
 杏奈が指先に火をともして言った。
「く! ならば純粋なパワーで!!」
 最早ボスの口調もあったものではない、メテムサイコプス。焦って放ったコキュートスエッジはたやすく捺美に回避される。。
 ちなみに捺美が動くたびにチャリンという音がするのは、彼女が金貨を持っているからだ。
「あっぶな!」
「女の子を狙うなんて卑怯です
 蘿蔔のテレポートショットが翼の付け根を襲い。
 蘿蔔の盾になるレミア。
「魔人風情が……吸血鬼の始祖たるわたしに敵うと思っているのかしら。身の程を知りなさい……!」
「血のみ鬼風情が、闇の王を何と心得る!」
「いったわね。殺す!」
 そう一瞬で肉薄したレミア。その大剣がうずき火焔を放出。電光石火の一撃でメテムの肉を食い破った。
 たまらずメテムはレミアを振り切って飛翔。
 しかし、その飛び立つ瞬間を狙われメテムの翼へ黒絵と由利菜の魔法攻撃が殺到する。翼が焼けただれた。
「おのれ! 初見殺しと謳われた私を」
「事前情報があんだけでてりゃな!」
 春翔が叫び、その春翔の斧を足場に一が飛ぶと、なんと一はメテムの上空より高い位置まで飛んだ。そして空中で宙返りを死ながら、その背中フリーガー全弾を打ち込む。
「堕ちなさい!」
 そしてレミアは血の斬撃を放つ、それは火の因子により着火されメテムを飲み込んだ。
《烈風波》である。
「ぐおおおおおお!」
「空を飛んでばかりで……わたしと同じ土俵で戦うのが怖ろしいの?」
 悲鳴を上げるメテムを眺めて、レミアはそうほくそ笑む。
「聞こえてないようね……」
 そして空中で死の舞踏を踊るメテムへ。
「死ぬがよい! です」
 蘿蔔が弾丸をはなった
 その直後必殺技ゲージが空になる。一騎当千を使用したのだ。
「ぐああああ!」
 直後メテムの悲鳴。そして千切れ飛ぶ左の翼。自由落下を始めるその体。そして。
 その姿を見て誰もが思った。
 今がチャンス!
「では、私たちから行きましょう」
 謎のオーラを纏いながら歩み寄る捺美とハーメルと由利菜。
 三人は一列に並んで地面で悶えるメテムに歩み寄った。
「ぐお、何が」
 次の瞬間三人の必殺技ゲージが同時に空になり。
 画面いっぱいに文字が表示される。

《合体攻撃》

 まず捺美が天高く跳躍し、毒刃を地面に突き刺すと。あたり一面が毒沼にかわった。
 あわてて逃げようと二本の足で跳躍するも。、空からハーメルが千以上の数に分身し沼の中に叩き落とされる。
「うがあああああ」
 毒の沼地に飲み込まれていくメテムサイコプス。
「幻影よ毒の刃よ、今一つとなりて、闇を滅する焔となれ」
――プリエール最大展開 二人に続け、ユリナ!
 そしてハーメルと捺美の刃からエネルギーを集める由利菜。
「はい!……巻き付け、火の蛇!彼の敵を焼き尽くせ!」

「「「 ミラージュリンク!! 」」」

 三人の声が重なり、霊力の大刃はメテムを刺し貫く。
 この攻撃の効果は絶大な威力の単体攻撃+次回行動の封印の効果を持つ。

「ここだ!行くぜ、東海林! 狒村!」
 春翔が叫ぶ。その言葉にうれしそうな反応を見せるレミア。
「聞いた!! 緋十郎、今私のこと緋村って」
――たぶん、純粋に間違えただけだぞ
 そして三人を光が繋ぐ。
 レミアと春翔が斧を振り回すとメテムを囲むように火焔の陣が構成される。
 陰炎によって分身する春翔。
「バカが! 上だ!」
 火焔の力で実態を持った分身たちは、まるでミサイルのように降り注ぎメテムの四肢をえぐる、そして四肢を攻撃し完全にガードを開かせた。
 それを見た聖とレミアは武器を構える。
 レミアは大剣を腕を伸ばして地面に水平に構え。聖は引き絞るように切っ先を相手に向ける、そして
「っしゃ! 行くぜ!! この一撃で切っ先を開くッ!!」
「紅蓮(クリムゾン)!」
「粉砕(ブレイク)!」
 その攻撃の効果は、必中の強力な一撃。そして全武装の融解である。
「ぐおおおおおお!」
 火焔の竜巻と、業火の一矢がメテムサイコプスに殺到。
 打ち抜くと、斧がはじかれて飛び、春翔の手に収まった。そして敵は爆発四散。
「まだ、だ。まだおわらん!!」
 していなかった、メテムのじょう上半身だけが残って宙に浮かんでいた。
「ふははこのまま有り余ったパワーを爆発させ、お前たちにぶつけてくれる」
「自爆するつもりだよ」
「やらせるわけにはいかないね」
 黒絵がハンカチを落すと、それに視線をとられるメテム。そのハンカチが床に落ちたかと思うと地面に波紋が広がり無数の蝶がハンカチの下からはばたいた。
「これはいったい!」
 無数に舞う蝶は残火の尾を引いており、儚く輝く。
 その蝶の舞う空間の中心では杏奈が人外の言語で何かを詠唱している。
 しかし不思議なことに意味だけは、メテムサイコプスの頭に直接響いてきた。曰く。
『尽きせぬ陰炎の幻惑よ、魂をからめ捕り、その浄化の焔で命を炙れ』
 火炎がその両手の中で無数に形を変える。そして放たれる爆炎。
 上空から飛来する隕石にも似た日の塊の数々。
――永久の幻覚に、沈むがいい
「これが私達の全力全開!食らいなさい!!」
「焼け爛れて地べた這いずりまわってな! モアインフェルノ!」
 一がそう叫ぶと、全ての炎が一斉に起爆。
「ぐおおおお、無念」
 メテムサイコプス跡形もなく敵を消し飛ばした。


●ステージ七 夜ステージ 強雑魚的ラッシュ

「…………みなさんかっこよかったですね」
 そう、最後にステージ七までたどり着いた、蘿蔔は頭の中でただただ合体攻撃の内容を反芻していた。
 みなさんお気づきだろうか。合体攻撃は三人三人三人で行われた、つまり一人余る。余った子がこの子がこの蘿蔔である。
「ゲームみてぇな世界だけっとも、やっぱりここは現実だっちゃ……学校でもそだ。いつも必然的に一人余……」
―― 現実はゲーム以上に人との連携や協力が大切だからな。というか地が出てるし爪噛むのやめなさい。
「はっ」
 レオンハルトの声で我に返る蘿蔔。
――それにしても、危なげもなく倒せたな。
 凍結をまともに受けていたら一方的な試合になっていたろうが、火の因子が八つもあるパーティーにそんなもの無意味だった。
 結果、二割程度のダメージと、必殺技ゲージ全損で事なきを得た。
――ヒジリー
「なんだ?」
「お腹減った」
 階を増すごとにお腹が減るLeである。
 なのでLeは戦いが終わったら何時もよりご飯を多く要求しようと決意した。聖を謎の悪寒が襲う。
「っし、気合れて行くぜ!! ルゥ!!」
――……うん、別にいいけど…調子に乗り過ぎないでね。ヒジリー
 そしてアタッカー聖はその攻撃力をいかんなく発揮するため敵陣中央に突っ込んだ。ライオンハートを時に刃。時に盾として使い。敵の戦列を切り崩していくが。明らかに先ほどと強さが違う。
「一撃でたおせねぇ!」
《勝利の高揚》で徐々に聖の戦闘力は増しているはずだ、なのに押し切れない
「流石に敵が強ぇ。無茶苦茶は出来ねぇな……」
――でも! 燃えるのはココから! だよ!
 アリスの激励を受けて、春翔は力を振り絞る。 
「ここまで培ってきたものは無駄に出来ない、必ず上に行かせてもらう
 一との連携も徐々に疲労によって崩れつつあった。
 限界は近い。そしてその時、決定的な出来事が起きる。
「そんな、一期一会くんが三体も」
 そう杏奈が指さす先には巨大な月の頭を持つ人間が三体立っていた。
 そしてその一期一会クンに囲まれていつの間にか孤立しているのは黒絵である。
「シウさん!!」
「どきなさい、このゴミどもが!!」
 杏奈と由利菜が駆けつけようともがくも、敵の層は厚く突破できない。
 次の瞬間黒絵を光が包んだ。共鳴姿がシウへと変わり、そして彼は項垂れる。
――シウお兄さん
「やっぱりどう考えても、これしか皆が進む道が思い浮かばなかった」
――そんな、だめよ!!
 ルナが叫ぶ。それにシウは儚げな微笑みで答えた。
「あれを使うよ」
――うん、みんなのために、切り開こう。道を。
 その時だった。シウの頭上で倒された敵がアイテムを落したようだ、それがシウの足元に転がった。
 それは闇の因子。
 空から落ちてくる闇の因子。
「……そんな、ボクを追いかけてきたのかい」
 シウは闇の因子を手に取った。
――目を覚まして!! 追いかけてくるアイテムなんてキノコくらいしかないよ
 黒絵が叫ぶ。
「おいて行ってすまなかった、一緒に行こう」
 しかしシウは聞いちゃいなかった。
――とっちゃだめ!!
「バイバイみんな…」
 そしてシウは上空に高く飛び上がると、闇の因子とタトューが呼応し周囲に暗黒のフィールドが形成された。
「「マスターオブアーツ・ダークゼウス!!」」
 そしてそのフィールド全体から放たれた雷の矢は周囲の従魔を爆破しながら突き進み地面に突き刺さると地面にスティグマを刻んだ。
 広がる魔方陣。そしてその魔方陣から直上に向けて放たれる光。
 そして。
「シウさーーーーーん」
「黒絵さーーーーーーん」
 その光の中に飲み込まれて消える尊き命。
 場を静寂が満たした。あれだけ場にあふれていた従魔はもうほとんどおらず。開かれた道の先に梯子が見えた。
「早く行きましょう」
 由利菜が言う。
「てめぇ、仲間が消えたんだぞ」
 その言葉が気に入らなかったのか春翔が由利菜の胸ぐらをつかみあげた。
「だからこそ、彼の努力を無に帰すわけにはいきません」 
 震えている由利菜の拳。
「お前……」

「ところでお腹が減りましたね。パインケーキいかがですか」

 その時あっけらかんと響いた蘿蔔の声。
「お、いいのか、ありがとうな」
「私はお弁当があるので、他の疲れている方に提供していただければ」
 その声に毒気を抜かれた二人は蘿蔔の周りに座ってみんなでご飯を食べた。
 これがのちに『仲間が死んだんだぞごっこ』として長く親しまれることになるなんて、当事者は誰も知らなかった。

●ステージ8 ボスラッシュ ステージ属性なし
 
「って、いっぺんに出てくるの!」
 杏奈は叫んだ。全員がボス部屋に到着すると、突如梯子が砕け散り、上からメデューサ、モンスターペアレンツ、そして。
「ははは、またあったな、地獄の縁から戻ってきてやったぞ」
 そしてメテムサイコプスが翼を羽ばたかせて登場した。
「我ら四天王の全ての力をもってして!」
 そう、メテムが何か言い終らないうちに無言でフラッシュバンを投げる一
「うごおおおお、めが!!」
「かかれ!」
 その号令で全員が雄たけびをあげて殴り掛かる。
「ちょ、お前ら、まだ名乗りを上げてる最中」
 もはや蛮族である。
「うふふふふふ。消えうせなさい! デストリュクシオン・ルージュ」
 赤い閃光が、メドューサをぶち抜き、モンスターペアレントが悲鳴をあげた。
 春翔と緋十郎が炎をまき散らしながらメテムサイコプスに切りかかる。
「ぐおお」
「はん、吹き飛ばしてやる」
 トリオに範囲威力拡大で放つ。
「ここが地獄の八丁目だ!! 飢血枝星!!」
 一が放った火焔纏いし弾丸が、あたりを火の海に変えていく。
「うわー、すごく懐かしい気分だ」
 そう楽しそうな声を上げながら、ハーメルはメドューサ―を翻弄していた。
「うわーカッコいい翼……」
「その手には乗らない!!」
 蘿蔔が話しかけると今度は完全無視とばかりにメテムがそっぽを向く。
 そんな大乱戦が続く中、やはり真っ先に倒されたのはメドューサである。
 彼女は、捺美とハーメルによって血祭りにあげられてしまった。
「よし、あと二匹」
「小癪な!!」
 そうベルノハザードを放つメテム。彼の攻撃が地味辛い、リンカーたちへと徐々にダメージが蓄積していく。
「これは早いところモンスターペアレンツを倒さないとな」
 春翔が笑った。
――だったら、あれしかないよね
「そうだな、おおおおおおお」
 必殺技ゲージが光り輝く。そして
「春翔、貴方消えるのね」
 一がふざけて言った。
―― 一生に一度は言ってみたい言葉!
「ここは俺に任せて……先に行けッ!!」
 そして必殺技ゲージが全消費され、放たれたのは乾坤一擲。
 ジェミニストライクと毒刃のコンボである。
 突き刺した斧が毒の源泉を掘り当てた、そこから無数の毒もつ実態が現れ二体の愚神に殺到する。
「フェイタル・ヴォイド!!」
 効果は広範囲同時攻撃、強力な減退の付与である。
 しかし。
「あばよ、ダチ公」
「一ノ瀬さああああん」
 叫ぶ捺美。消える春翔。
 
 一人、また一人と倒れていく仲間たち。

「ぐあああああ!」
「月鏡さん!」
「きゃああああああ!」
「レミアさん」
 名前を叫ぶ捺美は腰が抜けて歩けない。仲間たちの死を見て、戦う意志がおられてしまったのだ。
 そんな捺美に、渾身の一撃を放つメテム。
 直撃すれば今度は自分が、そう思った瞬間。その手を引いて助け出してくれたのはハーメルだった、しかし。
「ハーメルさん、その傷!」
 彼は捺美を助け出すときに深い傷を負ってしまったのか。ハーメルの顔は青い。
「捺美さんだけでも……逃げて」
 倒れるハーメル。
「だめだったんです。私達だけでは」
 蘿蔔が震えながら言った。彼女もあきらめてしまったのか銃を放り投げて座り込んでいる。

「全く……仕方ないわね」

 次の瞬間放たれる極寒の冷気。それを切り裂いて、レミアが突貫する。
「レミアさん!!」 
 しかしその体は霊力の光を纏っていて、そして彼女の必殺技ゲージは空だった。
「そんな、レミアさんまで!!」
「いいのよ、私幸せだったわ」
「レミアさん!!」

「雷光瞬牙!」 

 疾風怒濤と電光石火を合成して放つその連撃は。
 火炎と血の力を纏い、暴虐の嵐としてメテムを襲った。
「ぐおおおおおお」
 聞きなれたメテムサイコプスの悲鳴が響く。
 そして、濛々とたちこめる煙の中。その場に立っていたのは。
 メテムサイコプスだった。
「ぐおおおおお! 耐えた、絶えたぞ」
 喜ぶメテム。
「ははは、これで仲間が三人もいなくなったな。そうまでした勝利になんの価値がある」
「私たちは負けません、どんなに犠牲を払おうと、この世界に光を取り戻すまでは、消えていった彼らが望んだ明日を掴むまでは」
――蘿蔔?
 レオンハルトが苦笑いしながら名前を呼んだ。
「って。この前やったゲームの主人公が言ってました。そうそう遊びすぎましたね」
――それは蘿蔔のほうだと思うけど。
 その瞬間。蘿蔔の必殺技ゲージも空になった、乾坤一擲。
 すべての力で、メテムを倒すと誓った。
「これで終わりです」
《マスターオブアームズ・ジェイルペンタグラムス》
 蘿蔔のばら撒いた無数の弾丸はお互いに跳弾を繰り返し、勢いを失うことなく、あたり跳ね返りメテムを穿つ。
「ぐおおおおおおおお」
 トリオとテレポートショットによる奇跡の弾道の牢獄。
 効果は広範囲に継続したダメージと狼狽である。
「みなさんと、戦えて楽しかったです」

「くそおおおおおおお」

 直後、メテムサイコプスは爆発四散。同時にその炎に蘿蔔は飲まれた。

「ボク達は、この犠牲を忘れない」
 そう散っていった仲間を思い、涙を流すハーメル。
 その背後で、ラストステージへの扉が突如、出現した。

エピローグ

 とまぁ、一連の流れは『仲間が死んだんだぞごっこ』であって、一行はピンチでもなければ、仲間が死んだわけでもなかったので。
 三体のボスたちが落した、大量のアイテムに目が移るや否や、全員が興奮して仲間のことなんて忘れてしまったそうな
「髑髏だ! 三つそろったやった!」
 ハーメルが高らかに髑髏を空に掲げると、そのしゃれこうべの口が動いた。
『ハードモードが解禁されました』
「うそ!!」
『フラグを一定数回収したため、ビックボーナスステージへの道が開きました』
 そしてラストステージへ向かう扉の向こうに金色の大扉が出現した。



回収した巻物 5
髑髏     3
金貨     2
満たしたフラグ8

             次回最終章 

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • Run&斬
    東海林聖aa0203
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873

重体一覧

参加者

  • Run&斬
    東海林聖aa0203
    人間|19才|男性|攻撃
  • The Hunger
    Le..aa0203hero001
    英雄|23才|女性|ドレ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • 苦労人
    レオンハルトaa0405hero001
    英雄|22才|男性|ジャ
  • 病院送りにしてやるぜ
    桜木 黒絵aa0722
    人間|18才|女性|攻撃
  • 魂のボケ
    シウ ベルアートaa0722hero001
    英雄|28才|男性|ソフィ
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 永遠に共に
    リーヴスラシルaa0873hero001
    英雄|24才|女性|ブレ
  • 神月の智将
    ハーメルaa0958
    人間|16才|男性|防御
  • 一人の為の英雄
    墓守aa0958hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • つむじ風
    豊浜 捺美aa1098
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    シャルティaa1098hero001
    英雄|10才|女性|シャド
  • 魔の単眼を穿つ者
    繰耶 一aa2162
    人間|24才|女性|回避
  • 御旗の戦士
    サイサールaa2162hero001
    英雄|24才|?|ジャ
  • 世を超える絆
    世良 杏奈aa3447
    人間|27才|女性|生命
  • 魔法少女L・ローズ
    ルナaa3447hero001
    英雄|7才|女性|ソフィ
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 生の形を守る者
    アリス・レッドクイーンaa3715hero001
    英雄|15才|女性|シャド
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