本部

招集される英雄

玲瓏

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 8~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2015/10/05 01:04

掲示板

オープニング

●稀有な機会

 H.O.P.E本部から直々に依頼が来るのだから、選別されたあなた達はどんな物かと中身を楽しみにしていた。戦闘物か、探索か、謎解きか。いずれにせよ、多額の報酬が支払われるとのことだ。おおよそそれに見合った内容なのだろう。
 蓋を開けてみれば、そのどれでもない曲者の内容がオペレーターから飛ばされてきた。
「ハリウッド映画の監督で名が高いマクニース監督から、映画への出演依頼がきています」
 彼女はそこで一度言葉を切った。あなた達の驚く反応を見たかったのだ。
「マクニース監督は自ら人を選別し、あなた達を選んだのです。非常に名誉な事だと誇っても良いでしょう。判断基準は、容姿は勿論のこと、あなた達の持つ独特な雰囲気も厳しい目で見ていました。秘密義務に関わるような事は一切お教えしていませんのでご安心ください。さて、撮影は一週間後とのことでした」
 あなた達にはオペレーターから、薄い紙を渡された。どれも同じ中身の、一般的な学生が授業中ノートを取る時に使っている程の大きさの紙だ。
「そこには映画のジャンルと内容、撮影場所や日時が記されています。まずあなた達にどのような映画に出演するのかを確認してもらうのでしょう。さて、ここからが重要です」
 再び言葉を区切った。
「あなた達が活躍するのは映画のワンシーンですが、内容が書かれている行の下に、あなた達にそのワンシーンの中でどんな活躍をしたいかを記すスペースがあります。つまり、演技指針を意見するのです。自分自身の得意な演技、技術を書き込み監督に送る事で、楽しく撮影に参加してもらおうということでしょう。その方が良い映画が取れる、と仰ってました」
 紙には確かに、内容の下に自分で記入する欄が確保されている。というよりも、その欄が紙の半分以上を占めている。
「紙の一番下に監督に一言の欄があります。あなた達ライヴスリンカー、それもH.O.P.Eのエージェントが映画撮影に参加できるのは前代未聞の初の試みです。もし成功すればこれを機に我々への世間一般の理解度も高まっていくことでしょう」
 あ、それから、と彼女は最後に付け加える。
「選別されたからといって出演するかしないかはあなた達の自由です。以上です。あなた達の良い活躍を楽しみにしてますね。完成したら私も目を通します。カッコいい姿、期待です」
 説明が終えた彼女はどこか生き生きとしながらあなた達に笑みを向けた。

●マクニース監督

 その頃、あなた達を待ち望んでいるマクニース監督は、その周囲の関係者達含め全員歓迎の体制となっていた。
「監督の新しい挑戦、すごく楽しみですよ。マクニース監督が選んだのなら間違いなしのリンカーが勢揃いに違いない!」
 脚本を担当したタンストールは特に期待を表に出していた。彼は今回、初めてハリウッドで脚本家として選ばれたのだ。脚本は監督も加わっているが、大部分は彼が担当している。もともと彼は小説家で、初めて自分の作品が映像化されるのだから興奮しているのだ。
「みんなが私を信じてくれて嬉しいよ、ありがとう。挑戦してよかった。最初はみんなに反対されるかと思ってたんだが」
「そんなそんな。新しい事にしか挑戦しない監督でみんな分かってるんですから」
「だからこそついてきたんだ。な、皆ぁ!」
 今日もマクニース監督の取り巻き達は平和だ。
 彼はとても楽しみにしている。あなた達の描くシーンを撮影する事は勿論のこと、あなた達の期待通りに活躍をさせることと、何よりもあなた達の笑顔を。

解説

●マクニース監督

                偉大なるエージェントへ

・集合場所、日時

 『エンテベ国際空港』アフリカ側の時間で、昼11時集合 9/25~9/28まで。※交通費はこちらが負担します。 ※詳しい日程表は当日お配りします。
                                   

・映画内容

 人類の平和の裏側には、世界中に存在する英雄の活躍がある。古来より人類を脅かしてきた悪魔達『レヴィアーグ』はかつて人類によって滅ぼされたと信じられていた。しかしそれは真っ赤な嘘。レヴィアーグは以前より数は少なくなったものの、未だに存在している。彼らが闇から出てこないのは英雄の存在があるからだ。
 英雄の手によって世界の均衡が保たれていたが、ある日、いじめられっこ主人公の少年(主演:マックス・ヴィクト)が塾帰りの帰路、暗い道端(そこは大人の腰の高さ程ある草木で覆われている)に赤く光る卵のような物を見つけてしまう。その卵はかつて、レヴィアーグの王と呼ばれた最強の存在が産んだ卵だったのだ。卵を持ち帰った少年はその日から、不可解な生物に追い回される事になる。
 これは主人公の少年と、彼の下で生まれてしまった魔王の子供が共に成長していく物語である。

・あなた達の活躍するシーン

 あなた達には英雄を演じてもらいます。
 冒頭、主人公の少年がレヴィアーグの集団(ゴブリンのような見た目です)に襲われてる所を助けるというシーンです。少年は自分を助けてくれるあなた達を見て、尊敬と羨望の気持ちを抱き、自分の将来の姿を重ねることになります。
 集団の数は多いですが、人気の少ない道という舞台上の設定から通行人に遭遇することはありません。

・演技指針
 この欄に、シーンの中でどのように動くかを記述してください。英雄の中でのあなたの役割、使う武器、能力を大まかにでも、細かくにでも)

・監督に一言

リプレイ

●監督との対面
 時間通り顔を揃えるリンカーの姿を見たマクニース監督は、遠くから手を振った。人の往来が多い中、彼はすぐに気づいたのだ。
「心から歓迎するよ、ありがとう」
 マクニース監督の周囲にいる関係者達も揃って頭を下げた。
「お礼はいいのよー! 選んでくれてむしろありがとうなのー」
「その代わりちゃんとカッコよく映してくれよ!」
 映画出演を前にして言峰 estrela(aa0526)と天野 正人(aa0012)は興奮を隠し切れずにいた。自分が映画に出て勇敢に映る姿を想像してみると、たちまちやる気の上限は限界を突破する。マクニースは喜ぶ二人を見て目を三日月のように細くしながら微笑んだ。
「では、まず詳しい日程表を配ろう。ここを見れば今日から二十八日までの詳しい予定が書いてあるから、目を通してくれ」
 五頁程の厚さが全くない簡素な日程表が全員分配られた。表紙は羊皮紙が使われており、日程表と日本語で三文字書かれている。
 内容を簡単に纏めると、今日は撮影は行わずアフリカの観光を楽しんでもらうとのことだ。撮影は明日以降からだ。
「今日は観光、ですか。つまり、自由に動いてもいいって事なんですかねえ?」
 谷崎 祐二(aa1192)は全員の疑問を誰よりも早く代弁した。その横ではプロセルピナ ゲイシャ(aa1192hero001)が静かに事の成り行きを見守っている。
「シートには書いてなかったんだけどね、実はこの予定は昨日決めたんだ。映画っていうのは何よりもコミュニケーションが大事で、特に出演者同士の交流はどれだけ深くても無駄はない。私は一週間前からアフリカに来てるんだが、本当良い所だよ。君たちも一日楽しんでくるといい」
「わあ、いいですね! 観光!」
 観光というワードにレイア アルノベリー(aa0012hero001)は小躍りした。レイア程までもいかないが、監督の考えた観光の日程は参加者各々を喜ばせるという目的に対して功を奏した。
 目に星が浮かぶ程輝いた顔をしたドロシー ジャスティス(aa0553hero001)を見て、鋼野 明斗(aa0553)もまたにっこりとした顔になった。
「楽しみだね」
 ドロシーは「楽しみ」とプラカードを掲げた。
「自由とは言ったが、あくまでも交流が目的だからなるべくそれに沿うようにしてくれると嬉しいよ。ああ、後ホテルの場所にも目を通しておいてくれ。ケニアの首都、ナイロビの中でも良質なホテル、ヒルトンを選んだ。夜食には遅れないように。揃って食べる予定をしていて、時間は夜十九時。もし遅れたら豪華なイタリアン料理を食べ損ねてしまうから気をつけて」
「俺たちが観光してる間、監督はどこにいるんだ?」
 カトレヤ シェーン(aa0218)は付け足す事はないかと思案する監督に向けて言った。
「私はホテルで寛いでるよ。長年人生を生きてきたんだが、あのホテルは一生暮らしてもいいと思える程素敵だったからね」
 ああ、思い出した。監督はカトレヤの問いに答えた後、手を打った。
「お小遣いっていう訳でもないが、君たちにはこのカードを渡さなければならない」
 マクニース監督から全員分にカードが配られた。名刺程の大きさをした硬質なカードで、英語で人物名とマクニース監督からのサインが書かれている。
「このカードは通貨のような物だと思ってくれ。君たちは観光する時にどうしても通貨が必要だが、誰がどれだけ通貨を使うかなんて未来予知の能力は私にはないんだ。だから何か買い物をする時にそのカードを店員に見せて、会計を済ませてほしい」
「クレジットカードみたいなもんか?」
「似てるようで少し違うな。後日各々が使った分我々に請求が来て、通貨を支払うといった形になる。……うん、まあクレジットカードみたいな物か。良い例えだ」
 先ほどから周りに目を向けている落ち着きのないMasquerade(aa0033hero001)が納得の行かない声を出した。
「余の勇姿を求めるのはどの幼子ぞ。敵の集団も見当たらん。どうなっておるのだ」
 そわそわする王様をDomino(aa0033)は自然に収めた。
「明日もっと落ち着いた場所で少年が敵に襲われるので、王様は少年を助ける時の台詞でも考えといて欲しいッス」
「そうであるか。待っておれ幼子よ! 余が必ず助けて見せよう。帝王の力、存分に見届けるが良い!」
 ペンギンは剣を上に掲げた。
「相変わらず元気だな、王様。智美も強いんだから王様みたいに振る舞ってみたらどうだ?」
 ペンギンの様子を見た中城 凱(aa0406)は何気なく言った。
「俺はあんなに血の気が多くない」
 礼野 智美(aa0406hero001)は羨望とも侮蔑ともとれるような口調で返した。
「さて、それじゃあリンカーの諸君、ホテルまで共に移動しよう。そこでチェックインを済ませて荷物を置いたら各自自由にしていい。バスが来てるから、もう行こうか」
「観光楽しみなのー! みんなはどこにいくつもりなのー?」
「俺はそうだなー。アフリカとかいってもよくわかんねーし、行き当たりバッタリだ」
「計画性皆無だな、お前」
「植物園があったら行ってみたい気がするな、俺は」
「お花さんですか? 意外です。谷崎さんってお花が好きなんですね」
 今まで監督の話に耳を傾けていた更紗・アーニャ・尋河凪(aa0025)が話の輪に参加した。監督の意向を早速実践したのだろう。
「花ってよりかは料理とかに使うハーブだな。将来、飲食店を開こうと思ってて」
「あ、お花といえばアフリカの桜を見に行きたいです。ジャカランダっていうんですよ。この時期だと満開ではないのですが、それでもすごく綺麗なんです」
 染井 義乃(aa0053)の提案に、更紗は同意を示した。
「お花見みたいですけど、綺麗なら見てみたいです」
「更紗。お花見もいいんだけれど、あなたには本番前の練習というものがあるでしょ? 部屋できっちりと練習しましょうね」
 更紗のプロデューサーであるインニュ(aa0025hero001)は優しい声で言う。
「ええぇ~! インニュ、監督は交流が大事だって言ってたじゃないですか~っ」
「ここに来るまでに更紗は大分喋っていたでしょう? コミュニケーションはもう十分ですから、立派な女優になれるように特訓しましょう。いいですね?」
 和気藹々としたリンカーの集団から外れて影から見守る駒ヶ峰 真一郎(aa1389)とリーゼロッテ アルトマイヤー(aa1389hero001)とキュベレー(aa0526hero001)に向かって、王 紅花(aa0218hero001)が仲間に加わるように声をかけた。
「おぬしらもこっちにきたらどうじゃろうか? しゃべる所をあまり見とらんでのう。退屈じゃろうとおもてな」
「自分達は結構です。影にいた方が落ち着くので」
 リーゼロッテは集団から身を遠ざける駒ヶ峰に向かい淡々と口を開いた。
「話してくればいいのに……」
「人と話をするのは苦手だ」
「そうか。無理言って悪かったのう。明日からはよろしく頼むじゃ」
 言峰は自ら輪を抜けだして、キュベレーに近づいた。
「きゅうべーはどこか行きたいとこ、ないのー?」
「どこにも行く気はない」
「そんな事言わないのよー! 滅多にこんな機会ないんだから一緒に楽しみましょ」
 染井は、肩をシュヴェルト(aa0053hero001)に叩かれて上機嫌な顔を向けた。
「どうしたの?」
「私の求める依頼とは全然違う」
 周囲の和やか過ぎる空気がシュヴェルトを飽きさせたのだろう。戦闘を愛する彼は染井に依頼の辞退を願ったが、染井の意志は硬かった。
「シュヴェルト、戦い以外にも楽しい事はたくさんあるんだよ。こうやって色んな人と話すのだってとっても楽しいんだよ」
 そう言われたところで、彼に会話の中で楽しみを見出す事はまだできなかった。

●公園での一時
 ホテルに着き荷物を預けた後はホテルで休憩をする組と観光を楽しむ組で別れることとなった。
「マクニース監督、監督のオススメのスポットというのはありますか?」
 今でもまだどこに行こうかという和やかな議論を終わらせるため、手っ取り早く中城は監督に聞いてみる事にした。
「ナイロビ国立公園とかどうだい? 一番アフリカを味わう事ができるスポットだと思うよ」
「公園……ですか。どう? 智美。公園ならみんなで遊ぶ事ができていいと思うんだけど」
「稽古ができるな。言峰達に伝えておくとする」
「分かった。――教えてくださってどうも、ありがとうございます。じゃ、いってきますね」
「良い旅を」
 ナイロビ国立公園はホテルから出てバスに乗り、三十分程走った所に存在した。バスから降りて中に入る。
「のう、カトレヤよ。ちょっといいじゃろうか。ここは本当に公園かの?」
 入場料をカードで示して入り口から公園の中に入ってみると、そこは草原だった。ブランコ等の遊具はないし、動物の姿を催した子供向けの乗り物もない。というよりも、動物がすぐそこを歩いている。
「特別な公園なんだろう。にしても動物が多いな」
 カトレヤの足元に丸い体をした鳥のような動物が近づいてきた。カトレヤは座って、片手でその体を撫でる。
「おぬし、名はなんと申すか?」
 紅花は鳥に向かってきくが、返答はない。
「今初めてじゃが、動物の話す能力だったらいいのにって思ったわ」
 言峰が走ってカトレヤに近づいたため、鳥は早足で逃げてしまった。
「あー、残念なのー……。せっかく捕まえようと思ったのに」
「走ったらびっくりして逃げるに決まってんだろー」
 後方から天野とレイアが共に歩いてきた。
「それにしてもすごく大自然だよー! 空気が美味しいし!」
 少し離れた場所では、シュヴェルトが剣を構えていた。
「だめだよシュヴェルトっ。ここのライオンさんは大人しいんだから、傷つけちゃダメ」
「あの目は獣の目だ。フン、どうやら貴様についてきて正解だったらしい」
「当たり前だよ、獣だもん。でも傷つけちゃだめだよ。その剣をしまって、ほら」
 そこからまた少し離れた場所では、ペンギンが満足そうにその地に足を踏みしめている。背後に数匹の鳥を連れながら。
「同族達よ! 余が来たからにはもう心配する事はないぞ。この地には命を脅かす者共が多く存在する。しかし、だからこそ立ち上がるのだ! ――む?」
 慌ただしい足音がして、ペンギンは遠くを見た。
「ド、ドロシー! こっちに連れて来ないでください!」
 鋼野とドロシーが二人してライオンから逃げている。二人はペンギンへと近づいているため、背後についてきた鳥達は今にも逃げ出しそうになったが、その時、王様が剣を上に掲げた。
「弱き者を愚弄するなど笑止千万! 今こそ貴公らの力を見せつけてやるのだ!」
「えーっとDomino、アレ止めなくていいのか」
 中城はペンギンを指していった。
「いつもの事ッスから。ほっといていーッス。王様って言ってるくらいなんスからなんとかしてくれるでしょーし」
 騒ぎに気づいたシュヴェルトが、目の前のライオンよりも獰猛なライオンと武装したペンギンが今にも少年少女に襲いかかろうとしている事を知り、剣の構えを保ちながらそちらへ疾走する。傍から見れば、ペンギンも敵に見えたらしい。
「シュヴェルト! もー……」
 ペンギンの剣にシュヴェルトの剣が当たる。金属のぶつかりあう音が草原を翔ける。
「恐れるな民よ! 今や孤高の剣士と我らと獣の三つ巴、戦いを勝せば真の英雄ぞ!」
 ペンギンが言い終わった頃を見計らって、笛が鳴った。すぐに警備員が三つ巴となった戦陣へと寄り、注意書きをよく読みなおすように注意を促した。
「こんなに楽しいならきゅうべーも連れてくればよかったのー」
「おぬしの契約英雄じゃな。無理矢理連れてきても可哀想じゃ。おぬしが思い出話を持ってければ良い。帰りのショッピングセンターでお土産なる物を買っていくっていうのはどうじゃ?」
「うん、そのつもりなのー!」
 鋼野はペンギンとDomino、シュヴェルト、染井等にひとしきり謝った後、警備員の延長線上ではあるがドロシーに注意をしていた。
「動物にちょっかいを出しちゃだめだよ」
「かわいかったから」
 ドロシーは反省気味にプラカードを出した。その文字も、心なしかいつもより小さく思える。
「注意書きにも書いてあったよ。かわいいのは分かるけど、次からは気をつけようね」
 ドロシーの健気さは鋼野は十二分に分かっている。彼女が頷くのを見て、鋼野も笑顔で許した。
「じゃあ、他の動物も見てみようか。えっと、皆はどこだろう」
 鋼野は周りを見渡した。
「鋼野さん、さっきは大変でしたね」
 中城と礼野が、ドロシーの説教を終えた鋼野に話しかけた。
「あのシーンを撮影しても立派な映画のワンシーンになりそうですね。自分が監督ならそうしてました」
「本当、迫力満点でしたね。ところで、アレ、また怒られないでしょうかね」
 中城は人差し指を鋼野の後方に向けた。鋼野が振り返ってみると、なんとも奇抜な光景が目に映った。
「進め進めなのー! 王様ー!」
 ゾウの上に乗っかる王様の上に言峰が乗っている。
「ま、まあなんとかなるでしょう。それより、王様に比べて、谷崎さんはクールですよね。私達の中で一番年上だからでしょうか」
 谷崎は騒ぎに便乗する事なく、大人びた振る舞いで公園の中にすむ動物たちと触れ合っていた。セリーと一緒に。中城達と目が合うと、彼は手招きした。
「見てくれ。このライオン、まだ子供だ。親とはぐれたんだな」
「可愛いですね。撫でても噛みつきませんか?」
「大丈夫だろう。野生だから人懐っこいのは心配だが。後で親ライオンを探してやろうか」
 マクニース監督が用意した観光の一日は、誰もが楽しんだ一日であった。国立公園で野生動物に接するという体験は、大きな思い出として刻まれた。
 一方、ホテルに残った駒ヶ峰とリーゼロッテも休憩を満喫している。
「良い部屋だ……。このまま寝そうになる」
 リーゼロッテは早くもベッドで横になっていた。
「夜眠れなくなるぞ。明日は朝八時に朝食だ。寝坊はできない」
「分かってる。……五分経ったら起こして」
 駒ヶ峰はリーゼロッテの横で座りながら、日程表を再度確認した。明日は朝食を済ませたらすぐに撮影だ。おおよそ夕方まで続く見込みとなっているようで、たったワンシーンを取るだけでもかなりの時間を使う事を思い知らされた。

●撮影後
「ちがうぅぅぅ~、こんなのちがうのぉぉ~~~」
 撮影が終了し、更紗は監督に提案した役と全く違う役になりインニュに泣きついた。
「はいはい。迷惑になる前に帰りましょうね」
「スタントマン無しで本物のライヴスリンカー使ってるんですから、最低でもこれ位は……あ、内訳は一律じゃなくて、ちゃんと活躍した順に増減しといて下さい。王様の分も容赦なくカットして良いですよ、じゃないと公平じゃないですからね」
 では、あなた達リンカーがどのように映画の中に収められたのか。再生ボタンを押して確認してみると良い。

●再生
※一部、映像に特殊加工がされて能力が強調されているシーンがあります。

 ジョン(主人公の少年)の顔に貼られた絆創膏はひっつき虫である。何年経とうと取れた事はない。厳密に言えば彼が家に戻った時、一度は剥がされる。だが翌日家に戻ってくる時、また絆創膏が貼られているのだ。
「どうすればあいつらをボコボコにする事ができるんだ。教えて、父さん」
「お前が強くなるしかない」
「なんだって? 僕は強くなんかなれない! どうせ、僕はあいつらに追いつく事ができないんだ」
「そう思ってるうちは、その絆創膏はお前の顔から剥がれる事はないだろう」
 手提げ袋を持ったジョンはその時の事を思い出しながら、田舎道を通っていた。人なんて誰もいない。ここは学校から家まで遠回りになってしまうが、彼はこの道が気に入っている。
「くそ……くそう。今に見てろよ。絶対にギャフンと言わせてやる」
 心の中の独り言を繰り返しているうちに、ジョンの目に水滴が溜まった。彼の壁は、いじめっこの集団ではない。劣等感という大きな壁だ。自分自身に勝てない。弱さを認めるのが、最大限の悲しみ。ジョンの後ろ向きなエネルギーが、彼を俯かせた。
「んん?」
 下を向いたジョンは、草むらに赤くぼんやりと光る卵を見つけた。
「なんだ、これ」
 ジョンは両手で卵を手の上に乗せた。
 すると、突然周囲の様子に変化が生じた。心地の良い風が逃げ去ってしまった事に気づいたのだ
「な、なんだ?!」
 道は一本道で、曲がり角はない。左右には絶壁のような壁と草むらしかない。草むらの先は森に通じていて、そこに逃げればまず家に帰る事はできない。ジョンはこの道が好きだった。だがあまりにも、今は不利過ぎた。
「く、くるな、やめてくれえ!」
 鋭い爪。鋭い目。ライオンのような鬣。ジョンはパニックを起こしたのか、少ない理性の行動かは分からないが卵を手提げ袋の中にしまった。その行動がモンスターに刺激を与えた。
 二本足で立っていた怪物が、四本足になりジョンに突撃したのだ!
「くるなぁぁあああーーーーッ!」
 ジョンの目には、全ての事象が遅く見えた。スローモーション動画のように。
 怪物の鉤爪が首に当たるかと思ったが、その爪はジョンに届く事なく散った。
 奇形な人型をした影に、本物の人型が加わった。
 驚いたのはジョンだけではない。モンスターも想定外の事態なのか、後ずさりを始めた。
「我、参上。やはり現れおったな」
「おいおい、子供一人だけだぜ? 多すぎだろ」
「本当、弱い者イジメなんて最低だね。君、大丈夫? 怪我は?」
 ジョンは実は転んでいた。その時手を強く地面に擦りつけたのか、血が出ている。
「今治療してやるのじゃ。ほれ、手を貸せぃ」
 赤い髪、そして奇抜な格好と化粧をした女性にジョンは手を伸ばした。
「あ、ありがとう……ございます」
「気にするでない。それより、少し数が多いのう。少年、ここで待っておれ。我らがすぐ片付けるとしようかの」
 慕情のこもった熱の瞳をジョンは赤い髪の女性に投げた。
「あの集団はね、レヴィアーグっていうの。見たら分かると思うけど、人間じゃないわ。とってもおっかない奴。だけど任せて! 私達にまかせてくれればいいよ!」
 形勢を立て直したレヴィアーグの集団に、剣士の剣先は怯まない。
「それにしても、助っ人が遅いのぅ」
 怪物の数は増え始めている。
「おいみんな! 親玉は多分あいつだぜ」
 盾を持ってジョンを守る青年は、前を指した。そこには他のレヴィアーグよりも一回り大きく、王冠らしき飾りをつけた奴がいる。たった今杖を振るい、空間からレヴィアーグを一匹取り出した。
「なら狙うは親玉じゃ!」
 青年は震えるジョンの肩を叩く。
「心配すんな。お前の事はちゃんと俺が守る。絶対、お前を傷つけさせたりしねぇよ」
 女性剣士の剣がレヴィアーグの腹を貫き、疾風を巻き起こしながら回転させ、周囲を一掃する。串に刺されたようにレヴィアーグは剣に貫かれ、剣士は最後に他のレヴィアーグへ串にささった物を投げ飛ばした。
「楽勝だね! どんどんいくよ!」
 人よりも大きいのではないか。そう思える程の槌を先ほどの赤髪の女性は使って重い一撃を放っていく。レヴィアーグ一人の手を掴み、野球のボールを打つように振るう。すると真正面に飛ばされたレヴィアーグが、他の押し寄せてくる仲間の邪魔となる。
 しかし、二人の力を持ってしてもそこから溢れだしたレヴィアーグがジョンを狙う。
「おっと、青年、名前は?」
「え、えっとジョンでいいです!」
「そうか、ならジョン、目ぇ瞑ってろ!」
 青年は大きな盾を地面につけて、レヴィアーグが跳びかかってくるのを防いだ。躯体があたる重い音が盾に伝わる。
 だが、危険は去っていなかった。次から次へと押し寄せてくる怪物に、盾も限界を迎えようとしている。
「こりゃ……こりゃまずい、ジョン、まだ目ぇ開けるなよ!」
 目を開けずとも、ジョンは耳で今の状態がしっかりと伝わった。――青年の盾が数の多さに負けたのだ。ジョンは約束を咄嗟に破った。
 青年は盾を武器にして、打撃を入れている。
 溢れでたレヴィアーグ。そいつがジョンの真正面にいた。
「ジョン! しゃがめえ!」
 絶体絶命かと思われた。
 どうしたのだろうか。レヴィアーグもまた動かない。長くない沈黙の後、レヴィアーグは横に倒れていった。
「ふう、危ない所でしたね」
 草むら側から、何人かの人が現れた。ジョンは人間だと確認して、安堵する。
「待たせたな、カトレヤだ」
「悪いな。ちょいとこっちも手間取っちまって援護が遅くなった。まだ間に合うか?」
「はん、おせーよ! どうせ雑草狩りでもしてたんだろうがな!」
「智美、共鳴の準備」
「分かってる」
 日本の武将姿まで登場した。突然ファンタジーに連れ込まれたようで、未だに現実に縛られるジャックには追いつく事ができなかった。
「未来ある幼子を寄って集って襲おうなど不届き千万! 帝王たる余の面前でそのような愚行は許さぬ!」
「許さないのー! 私達がきたからには覚悟して欲しいなのー!」
 崖側からは、人ではないが人の言葉を喋る何かとその上に乗っかる少女の姿があった。そして鉤爪を持つ、猫の姿。
「さあ、私のために綺麗に咲いて頂戴? あなた達の見せる花は、何色かしらぁ」
「それ以上、その子に近づくのをやめなさい! 最も、一人に大勢で襲い掛かってくる時点で程度が知れてるけどねっ」
 後方から、レヴィアーグを散らしながら次々と仲間が登場する。
「貴様らは強者か弱者か……試されてみるか?」
「いくよ、シュヴェルト。ディフェンスブーストっ」
 ジョンはようやく、自分を助けてくれる人物が能力者であり、ただの人間でない事に気づいた。能力者の足元から青白いオーラが発生する。
「さて、やりましょうか。遅れてしまった分、しっかりと働かさせてもらいます!」
「ジョン、こっからが本番だぜ。俺たちの活躍、存分に見ててくれよなー!」
 ジョンに向かって、眼鏡の青年が歩いてきた。
「大丈夫ですか?」
「あ、は……はい。あ、あの、あなた達は一体……」
 笑いながら青年は答える。
「私達は英雄。聞いた事がなくても仕方ありません。表には出ませんから」
 眼鏡の青年は弓を構えた。
「ドロシー、リンクを――」
 ドロシー、と呼ばれた女性は両手でプラカードを抱えていた。その中央にはオムライスと書かれている。彼は困った顔つきになった。
「家計が火の車なんです。チキンライスで」
『オムライス』先ほどよりも強調された字で書かれている。
「……解りました。その代わりオヤツは半分です」
 そして二人はリンクした。ジョンにはそれもまた、理解が追いつかない現象となる。二人の人間が一つになった。そして次の瞬間、英雄は弓を高速で次々と放つのだ。的確にレヴィアーグの心臓を射抜き、確実に仕留める。
 発火したレヴィアーグの体から、花が咲く。そして炎の花は風が吹くとその生命を終えた。その時、レヴィアーグも同時に生命を終えているのだ。
「やだぁ……沁みったれた花火ねぇ。もっと綺麗な花は咲かないのぉ?」
 ワンドを振るい、再び周囲のレヴィアーグに花が咲き、散る。
「これも、これも全然綺麗じゃないのねぇ。もっと私を、興奮させてちょうだいなぁ~!」
 拳の一撃でレヴィアーグの腹にジャブが決まる。だが、それだけで怯む程化物は弱くない。すぐに立ち直り、上から爪を振り落ろした。
「残念ッ、そんな攻撃じゃ俺を捕らえらんねぇよ!」
 レヴィアーグの目元に向かって拳が垂直に向かう。
「Go to haven! 食らいなぁ!」
 盾で鉤爪を捉え、攻撃線を反らし隙を見せたレヴィアーグの急所を突く。
「活目せよ! これが王の力!」
「わー! 王様強いのー! あ、後ろ後ろ! 後ろ危ないのよー!」
 王の後ろを取ったレヴィアーグは両手の爪を突き刺そうと前に出した。だが、その行為は愚かであった。すぐに両腕は飛ばされる。
 銀髪の剣士がそして、胴体に刺し、裂く。
 その剣はとまることなく、目の前に見える人間でないそのペンギンすら貫こうとした所、大きな剣が悲劇の到着を防いだ。
「シュヴェルト! それはペン……じゃなかった王様だよ」
「失礼した。……まだレヴィアーグは減らないのか」
 突如、疾風が巻き起こった。長い槍が回転し周囲の風を操る。目に見えぬ速さになった後、バランスを崩したレヴィアーグの一人一人に致命的な傷跡をつけていく。
「セリー! さあ、こいつらの爪より、お前の方が強いって事を証明してやれ! ……シュヴェルトさんよ、元凶がいるんだろうよ。さっき紅花が言ってたぜ」
 英雄は、槍でレヴィアーグを手繰るように仕留めながら言葉を続ける。
「あいつが元凶だってなッ!」
「よっしゃ、あいつを仕留めるなら俺に任せろ! レイア、リンクだ!」
「最後に一気に仕留めるってことね、分かったよ!」
「ああ、ここからが本番だぜ!」
 レイア、と呼ばれた女性の剣士は青年を一体になる。そして大きな元凶へと向かって、他のレヴィアーグを剣と盾で追い払いながら近づくのだ。
「援護は任せたぜぇ!」
 一人の青年が突っ走る。背後から襲いかかろうとするレヴィアーグを、弓矢が射る。
「今じゃ、飛べ!」
 大きな槌が力強く地面に打ち付けられ、地面が揺さぶられる。青年は高く跳躍する。その彼を追うように、咄嗟に飛び上がったレヴィアーグがいる。
「うおおおッ! 邪魔をするんじゃねぇえ!」
 青年は盾を横に投げ飛ばし、レヴィアーグを落とした。そしてその盾を踏み台にして高く舞い上がる。
「これで終わりにしてやらぁ~!」
 元凶は倒された。すると、混乱したレヴィアーグの集団は統率が取れなくなり、その場から逃げ始めた。その先には人の住む街がある。
「まずいな、その先には行かせられん」
 二本の刃が左を。鎌が右を塞ぐ。
 矢が風を切るように、刃が風を切りながらレヴィアーグの命を攫っていく。
 漆黒の鎌が、魂を抜き取るようにレヴィアーグを死へと誘う。逃げようとしたレヴィアーグは、二つの力によって全て葬り去られた。
「影が薄いと良い事もあるんですね」
 二本の刃の主が影から現れて、そう言う。
 もう片方の道から登場した、鎌を持った影が二本の刃の主に近づく。
「もう少し、積極的になってもいいのに……」

「危険は去りました。もう大丈夫ですよ」
 武将の姿をした英雄の言葉で、ジョンの震えはようやく止まった。
「明日からあんまりこの道を通るなよ、坊主。また襲われたら厄介だからな」
「王様ー! あっちに進んでなのー!」
「貴公よ、そろそろ余から降りてはもらえぬか。余は王ぞ。無礼だという事に気づかぬか」
「ねぇ、ボクぅ。もしよかったらこの後お姉さんとイイ事しない?」
「更紗さん、この子にはまだ早いです」
「んー、それもそうかしらねぇ。じゃあ大きくなったらまた会いに来てあ、げ、るっ」
「ドロシー、よく頑張りましたね。今夜の付け合せにはブロッコリーをつけましょう」
「甘いニンジン」スケッチブックにはそう書かれている。
「キャロットグラッセですか? ……面倒なんですよ?」
「甘いニンジン」スケッチブックには大きくそう書かれている。
「はいはい……」
 英雄は役目を終えたように、次々と去っていく。ジョンはその姿を見て、ようやく自我を取り戻したかのように、一番近くにいる英雄に声をかけた。
「あ、あの!」
 青年の英雄は振り向いた。
「ありがとうございました。その、助けていただいて」
「ま、いいってことよ。だが、今みたいに何が起こるかは分からない。んーそうだな。だから、せめて今の俺くらいには強くなっとけって」
 青年はそう言った。あの日、父と同じ事を言った。
「どうやったら強くなれるのでしょうか。僕、分からなくて」
 今度は、女性の剣士が答えた。ジョンに近づいて、最も正解だろう答えを言い聞かせた。
「守りたいものをなんでもいいから想像してみて。それが強さの糧となるはず」
 守りたいもの――。ジョンは復唱した。
「じゃ、またな。帰り道には気をつけろよ」
 去っていく英雄達の後ろ姿を見て、ジョンは考えた。守りたいもの。今、自分に守りたい物があるだろうか。
 答えはノーだ。守りたい物なんてない。だから弱い。だがジョンはレヴィアーグに襲われている時、無意識の中に眠っていた一つの考えを思い出した。
 ジョンは手提げ袋の中にしまった卵を守りたい。
 英雄の背中にジョンは自分の姿を見た。守るものがある姿。それが、今見えているモノの正体だ。

●映画の行く末
 新しい挑戦は映画界に大きな衝撃を生んだ。本物のリンカーを使う事によって、ファンタジーの中にある現実性を表現したからだ。基本、ファンタジー映画の表現は映像の技術で補われるが、マクニース監督の挑戦した映画はほとんどその技術は使われていない。それでいながらしっかりとファンタジーを確立させている。特に評判がよかったのは序盤だ。
「エージェントの人たち、かっこよかったです! 私もあんな風になりたい……。映画に本当に引きこまれました」
 本当に良い企画だったと、マクニース監督自身も客人も口を揃えていう。何よりもカッコよかったからだ。英雄が。
「監督! またリンカー達を呼んで映画を作りましょう! 皆さん本当に楽しんでやってくださいましたからね!」
「ああ。勿論だよ。ところで、選別したリンカーの中に面白い案を言う人がいてね。ヴィランの組織としてリンカーを登場させたらどうかっていう子がいたんだ。私はとてもその案が気に入っていてね」
 マクニース監督の挑戦は、まだ始まったばかりである。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 映画出演者
    天野 正人aa0012
    人間|17才|男性|防御
  • エージェント
    レイア アルノベリーaa0012hero001
    英雄|18才|女性|ブレ
  • 映画出演者
    更紗・アーニャ・尋河凪aa0025
    機械|18才|女性|攻撃
  • エージェント
    インニュaa0025hero001
    英雄|28才|女性|ソフィ
  • 罠師
    Dominoaa0033
    人間|18才|?|防御
  • 第三舞踏帝国帝王
    Masqueradeaa0033hero001
    英雄|28才|?|バト
  • エージェント
    染井 義乃aa0053
    人間|15才|女性|防御
  • エージェント
    シュヴェルトaa0053hero001
    英雄|20才|男性|ブレ
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 暁光の鷹
    王 紅花aa0218hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • エージェント
    中城 凱aa0406
    人間|14才|男性|命中
  • エージェント
    礼野 智美aa0406hero001
    英雄|14才|男性|ドレ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 沈着の判断者
    鋼野 明斗aa0553
    人間|19才|男性|防御
  • 見えた希望を守りし者
    ドロシー ジャスティスaa0553hero001
    英雄|7才|女性|バト
  • Foe
    谷崎 祐二aa1192
    人間|32才|男性|回避
  • ドラ食え
    プロセルピナ ゲイシャaa1192hero001
    英雄|6才|女性|シャド
  • エージェント
    駒ヶ峰 真一郎aa1389
    人間|20才|男性|回避
  • エージェント
    リーゼロッテ アルトマイヤーaa1389hero001
    英雄|15才|女性|ブレ
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