本部

ソラからテラへ

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
4日
完成日
2016/03/29 15:37

みんなの思い出もっと見る

-

掲示板

オープニング


――命瞬く星へ、命枯れ果てた星から通信を送っています。
 愚神は目覚めると、その大きな大きな腕を振りかぶり、愛おしそうに遥か彼方にある地球に手を向けた。
――私の言葉が聞こえますか、私の祈りが届いていますでしょうか。
 愚神は体を縮こませ、胎児のようにそこを遊泳している、地球の重力に囚われない、大気圏よりずっと先の方から。
――私は世界を滅ぼすために生まれました。最新の愚神です。
 しばらく漂うだけだった愚神は突如口を開き、その口から赤々と燃える炎を排出し始めた。
――私はこの世界を滅ぼします。この炎はアポロンの矢、ソドムとゴモラの火。人が作った炎、核をも超える破滅の一矢。
 それを愚神は両手で大事そうに丸める、エネルギーは拡散することなく、愚神の手の中で塊り、そして。
――止められるものなら止めて見なさい。そして証明して見せなさい。愚かしき神のその先へ進めると。


 放たれた。六千度を超える炎の塊が、その温度を失うことなく、地表にはなたれ、そして。町一つが消し飛んだ。


 そんな未来をプリセンサーは予測した。


 この緊急事態を前に、H.O.P.E.はエージェントを召集。対策に乗り出した。
「今回のミッションは大気圏内での戦闘だ。愚神はそこまで下りてくる。逆にそこまで来てくれないと対処ができない」
 そう司令官アンドレイは語る。
「奴は大気圏に到達するのと同時に火球を放つ、それは重力に引っ張られて町に堕ちる。するとどれだけの死傷者が出るか分からない。
 あの火球は特別製のようだ。そう何度も生成できないらしい。よってあの一発を防ぎさえすれば、あとは愚神を倒すだけだ」
 しかし大気圏までしか降りてきてくれない敵にどう対処するのか。
「翼を用意した、以前空のようなドロップゾーンを作成した愚神と戦闘を行った時の物だ」
 だが厳しい戦いになることは明確だった。

「まず今から最速で準備をしても火球を発射する瞬間には間に合わない。
 シャトルから降り、そこから発射された火球を追いかけてもらう。
 火球は一定のダメージを与えると破壊することができる。
 ただ愚神もバカではない。何らかの対抗策をうってくるだろうし、さらに愚神自体も追いかけてくるだろう。
 それからシャトルは空中で乗り捨ててもらうことになる。
 シャトルは自動操縦で無事に着陸するから安心してくれ」
 一通りの説明と作戦資料を配り、そしてアンドレイは言った
「ではこれより作戦を開始する。翼を纏い。シャトルに乗り込め」

  *  *

 シャトルに乗り大気圏まで上がる、そこはもはや人間が生きていける環境ではない、外に出るためには共鳴する必要がある。
 そのシャトルの窓から外を見ると愚神が孤独に空をさまよっていた。愚神の周囲にはやつと似たような見た目の……しかし愚神よりははるかに小さい従魔が衛星のようにグルグル回っている。
 そしてその前方には人類に向けられた悪意。火の玉が轟轟と音を立てて燃え盛っている。
 君たちにはこれを止めていただきたい。


   *  *


*翼について

 今回重要になる翼の性能について説明する。

 今回はエネルギーウイング三種を用意した。
 エネルギーウイングは霊力をエネルギーとして出力する翼の総称だ。
 状況に合わせて選択し使用してほしい。
 また形状は装備者によって大きく変わる。基本的にはオレンジ色の火焔が翼のように広がる。
 機能比較としてステータスを数値化した。
 一般的な二輪車が全ての能力値が1であり、数値が増えれば倍倍になっていく。
 つまり加速度3であれば二輪車の三倍の加速力を持つととらえてほしい。
 下記にステータスをまとめた。参考にしてほしい


エネルギーウイング・メギド
 戦闘を想定し作られており、翼が自動で攻撃、防御の補助を行うように設定されている。
加速度3 最高速2 小回り1 耐久4 攻撃力4


エネルギーウイング・プロミネンス
 今回の任務用に作成されており、安定性を重視している。きわめて平均的でどんな場面でも対応できるだろう。
加速度2 最高速4 小回り2 耐久3 攻撃力3


エネルギーウイング・フレア
 もともとレーシング用に開発されていた翼であり。持続力と飛ぶことに秀でている。
加速度4 最高速3 小回り4 耐久2 攻撃力1


《性能の説明》
加速度 速度の上がりやすさ。攻撃などを受け速度が落ちても高ければ再びすぐに速度を取り戻せる

最高速 その翼が出せる最高速度。加速し続けることができればそれだけの速度が出る

小回り 旋回能力、また、この数値が高ければ細かく動いても速度が落ちずらい

耐久 翼の耐久度、攻撃をうけてもどれだけ持つか。ただし翼自体それほど打たれ強いわけではない。

攻撃力 攻撃力に補正を得られる。翼自体に備わる霊力や武装が充実しているかどうか。


*状況について。
 周囲には何もない、酸素が薄く呼吸と会話が成りたたない気もするが、それはリンクしていれば問題にならない。
 またエネルギーウイングが破壊された場合、落下するが、リンカーが地表にぶつかったとしても死にはしない。ただ、その衝撃で周囲の環境に甚大な被害を及ぼすかもしれないことだけは頭に入れておいてほしい。
  

解説


目標 愚神アーセナル討伐、およびアポロンの矢の撃墜


*火球 アポロンの矢
 アーセナルの放った攻撃を便宜上、アポロンの矢と呼ぶことにする。
 地上でH.O.P.E.が待機しており、町に堕ちることは防げるが、森が焼けたり、海が蒸発したりすると、大変な二次被害が出るだろう。
 複雑な構造体であり、一定以上のダメージ、もしくは何かに激突させることにより爆破することが可能だが。
 並のリンカーではこれ一撃で重体になるほどの威力を持つ。
 こちらは20ターンで地表に激突する。


*デクリオ級愚神 アーセナル
 アーセナルは、体長三メートル程度の、アンモナイトのような本体と。20Mにも及ぶコウモリのような翼と長い腕を持つ。
 アーセナルはアポロンの矢を追い始めると一緒に地球圏へ降下を始める
 そしてリンカーたちを妨害する。
 攻撃パターンは下記の通り。
・火焔ミサイル 追尾性能のある火を放つ。威力は高くないが命中精度が高い。
・環炎砲 広範囲に火焔をまき散らす。横方向に範囲が広く、あまり遠くまでは届かない。

参考までにアーセナルのステータスを翼風に表現してみた。

加速度5 最高速4 小回り2 耐久5 攻撃力1

 特性として、破壊されても次の自分の手番で修復可能なようだ。


*従魔 鱗角 八体
 アーセナルの鱗から生成された従魔。角を持ち、とんでもなく早い。見た目は翼のないアーセナルのようなもの。
 体当たりしての攻撃のみを行ってくる威力は高め。

加速度6 最高速3 小回り1 耐久1 攻撃力1

リプレイ

夜の闇をつんざいて、君たちは空へと駆け出した。オレンジ色の炎をはいて。シャープペンのようなそれは天を貫きそして星の海まで君たちを押し上げる。
 そして君たちは見るだろう、雲を抜けたその先にある。夜とも違う黒さを持つ空。宇宙を。
 そしてその先にある。太陽とは別の輝き。
 愚神とそして、その愚神に我が子のように抱えられた炎の塊を。
 それは空に生まれた新たな星のようで、一瞬全員の視線が奪われた。
「……あれが落ちたら、地球を……人類全てを滅ぼせるの?」
 そんな炎を丸い窓から眺めて。
 『言峰 estrela(aa0526)』はつぶやいた。虚ろいだ瞳が鏡のようにアポロンの矢を写す。
「……試してみれば良い。それがお前と、私の望んだ事だろう?」
『キュベレー(aa0526hero001)』は彼女にだけ聞こえるように背後から悪魔のように囁いた。
「そうね」
 そうestrelaはつぶやいてリンカーたちに視線を送った。そこでは友人である『東海林聖(aa0203)』や『ナラカ(aa0098hero001)』が談笑していた。
「……もしワタシの願いが、この世界にとっての悪だったのなら……貴方は」
 細められた目、震えるような声音。低い音は空気を伝いにくく、それ故に誰のも気が付かれない。
 そんな声でestrelaは言う。
「ワタシを殺してくれる……?」
 その声が聞こえたかどうかはわからない、しかしestrelaの視線とナラカの視線がぶつかった。だが次の瞬間には普段の表情に戻ったestrelaが会話の輪の中に入っていく。。
 一瞬後ろ髪を引かれるような思いを味わったナラカだったがすぐに仲間たちの会話に意識を戻した。
「まぁまぁ、今日のお仕事は大気圏、ですか。私、此処まで高い所に来たのは初めてですわ」
『コルト スティルツ(aa1741)』は物珍しそうに外と一瞥して言った。
「空を飛ぶ……人類の夢の一つが、こうも簡単に叶うなんてねぇ」
『榊原・沙耶(aa1188)』はそうつぶやいた。
「そうですよね、私も小さいころ、あの大空を飛べたらって、思っていましたけど。そんな悠長なことをいってられる状態ではないですよね」
『御門 鈴音(aa0175)』が同意を示す。その隣で『輝夜(aa0175hero001)』はかるてぃら工場は大丈夫かと騒いでいた。
「地上が奴に破壊されつくしたら人間はおろかかすてぃらが食えなくなる!」
「ギギ、ギチギチギチ!」
 その隣でコルトの英雄『アルゴス(aa1741hero001)』も騒いでいた。
「なんじゃ、お主もかすてぃらがすきなのか?」
「ギチギチギチ?」
 アルゴスは言葉が通じない故、あらぬ誤解を受けていた。
「うるさいぞ。仕事の時間だ、何時までも喚くなアルゴス」
 本当は、飛べる羽が戻ってきたことに歓喜していたのだが、なかなか伝わらないもので、悲しみを覚えた。
「本当に異世界との繋がりの後の技術革新は、異常よねぇ……どんな偉人の偉業も偶然の産物の前に霞むというのも、切ない話だわぁ」
 そんな騒がしい英雄たちは置いておいて。沙耶は同じく科学方面に明るい『カグヤ・アトラクア(aa0535)』とうんうんと頷きあっていた。
「高高度任務ですか……リンクすれば大抵の事は何とかなるのですけど、向こうもやる事はやってくると一応、可能性は予想はしてましたけど、本当にやるとは思ってませんでしたけどね」
 『晴海 嘉久也(aa0780)』がそう全員に微笑んだ彼は相棒の『エスティア ヘレスティス(aa0780hero001)』とパラシュートの最終調整を行っている最中だった。
 自身と武装に二つ。これで万が一のことはないだろう。
「ですから、今回は頑張って阻止しましょう……大変ですけどね」
「阻止か……。こうやって阻止に迎えるのもプリセンサーのおかげだな、あんなの不意打ちで落とされたら堪らん」
 そうコルトはアルゴスに語りかけた
「ギギギ」
「シャトルぶつけるかって? それは……」
「一機現在のドル相場で約1998億らしいわよ?」
 そうコルトの話に混ざってきたのはestrelaだ。
「あら、初めましてですわね」
 コルトは驚き振り返り、estrelaを見詰めた。
「私、コルト スティルツと申します」
「あら? コルトちゃん? あなた何歳? アレの熱で可愛い髪形が台無しになっちゃうわよ?」
 そうestrelaは笑うと頭を軽く撫でた、そしてさらりと髪をかきあげるように触り。
「綺麗ね」
 そう微笑んだ。
「もういいのか、調子が悪そうだったが」
『八朔 カゲリ(aa0098)』が前に歩み出てestrelaへ声をかけるが、なぜかestrelaは目をそらす。
「あら、八朔くん、そして東海林くんも。こんな場所で会うなんて奇遇ね。もしかして地球が嫌い?」
「ん? いや別に」
 聖はそう答えた。
「どうした、やっぱり調子が悪いんじゃないか?」
 いつもとは違う、棘のある言葉遣いに、聖もカゲリも戸惑いの表情を浮かべた。
 その隣でナラカがじっとestrelaをみつめていた。
 それをestrelaは一瞥。何の言葉もなく、ただ微笑んで見せる。
「今日はestrela、なんか変だね」
 そう『Le..(aa0203hero001)』は聖の袖を引いてつぶやいた。
「ああ、そうだな」
 そうカゲリはestrelaから視線を逸らした。
 その時だった、機内アナウンスが流れる。
 敵と接敵まであと三分、全員が共鳴完了後ハッチをあけるとの指令だった。
 戦闘が始まる。
「……流石に、ルゥも空で戦ったことはないなぁ……ま、やるコトは一緒だけど」
 そうLeは楽しそうに笑った。
 そんな風景をestrelaは尻目に部屋を出る。
「……まだワタシは決断できない」
 そう誰もいない廊下でつぶやく、すると傍らで寄り添うキュベレーが告げる。
「……好きにしろ。”どちらを棄てる”かはお前が決める事だ」

   *   *
 
 星が瞬く漆黒の天井に、はるか下には青い地球。その輪郭がぼんやり光って見えるのは空気が太陽光を散らしているから。
 そんな黒と青のはざまに、金翼の少女が飛び立った。
 スラスターに火をともし、四枚の金翼を広げると太陽光を反射し煌いて見せた。に、ライブスラスターの粒子があたり、はばたく度に黄金色の粒子を放つ。
『イリス・レイバルド(aa0124)』は輝くような笑顔で。エネルギーウイング・メギドを振った。
――折角の空なんだ。私の教えに拘る必要も無いだろう
『アイリス(aa0124hero001)』はイリスにそう諭した。
――羽ばたいてみせたまえよ。翼に確かな力があるのだから
「……うん。お姉ちゃんの言う事なら、……頑張ってみる」
 そして急加速、羽で全身をつつむように旋回。そして羽を大きく広げて急停止。まるで舞うように、踊るように空をかけていく。 
 次いでカタパルトのようなシャトルの発射台に乗ったのは鈴音。
 その翼は輝夜の影響を強く受けており。白く太い骸骨の翼に。黒い霞のようなものがかかり、中心に黄昏色をしたエネルギーの塊があるというおどろおどろしいものだった。
「きゃああああああああ」
 カタパルトが、ガシャコーンと音を立て鈴音をアーセナルに向けて飛ばす。
 その工程を繰り返してリンカーたちは全員が翼を広げた。
――とりあえず、重心とか動き方……2分でコツ掴むよ、ヒジリー……失敗してる暇ないから……
「わかってるって! っし、行くぜ!! 空の戦いか…面白ェ!! やってやるぜ!!」
 気合十分、聖はLeのお小言を跳ね飛ばし翼を強く唸らせた。
――集中してるなら、大丈夫かな。
 そんな集団のやや後ろをかけるのはカグヤだ。彼女の翼は不思議な円環状をしている。
「ほほう、こうすると、こう動く。慣性の法則に従うあたりまだ物理法則が通用しそうじゃが……。この形で前後左右のベクトルは生みだせても、上下は一体どうやっているのかのう」
 真剣に考え始めてしまったカグヤ、その様子を見て『クー・ナンナ(aa0535hero001)』はため息をついた。
「UFOのような慣性制御なのか、ALブーツのような力場発生固定なのか、一定方向への推力偏向型なのか、とりあえず体感して遙華に感想を……」
『もうみんなけっこう。遠いよ。遊んでないで皆を追いかけなよ』
「むぅ、まあ次の実験するかの」
 そんなリンカーたちを見てアーセナルはその面を上げた。
 周囲を旋回する従魔たちが弾丸のように宙をかけ、アーセナルが翼に隠れた穴のような部分から火焔ミサイルを二発発射する。
 それはシャトルに当たり、シャトルは地球の中に押し込まれてしまった。
――シャトルが……
 シャトルに損傷がないことを確認した『黒鉄・霊(aa1397hero001)』は安心したようにため息をつく
――高高度とはいえ大気圏内で何とかできるのは僥倖なんでしょうね、宇宙空間だとそれ用の外付けオプションが必要でしたし
『五郎丸 孤五郎(aa1397)』がそう身をよじらせると。二人の共鳴姿とぴったり合ったデザインの翼が、揺れる。
「あ、行ったことあるんだ……宇宙」
 そしていよいよ、アーセナルが抱えていた火球が発射された、それは膨張し、加速し、地球へ迫る。
「来たか」
 カゲリは歯噛みする。
――各員散開、役割を全うせよ!
 ナラカの号令に従い、全員が武器を構えるコルトは素早く銃を抜き早打ちを見せた。
「あれだけ目立つ的、外したら少し恥ずかしいですわね」
 体制を整えて素早く三連射。
「従魔に構う暇は無い、が……」
 迫る火球、それに意識をとられている間に別の従魔が素早く回り込んできた。
 コルトは口の端を歪めると、もう速度で突っ込む従魔を翻弄するように再加速。
 その攻撃を避けようとする。
「くっ」
 迫る二体の従魔の隙間を縫って飛行、ダメージをかするだけにとどめた。しかし迫る火球はどうしようもできない全員が火球をよけ、見送るしかない。
 はずだった、だがその本能の警鐘に逆らって火球に接近する人物が独り。
「何してんだestrela!」
 聖は叫ぶ。
「私がやる」
 そう短く答えを返し、莫邪宝剣二刀流で切りかかる。
 それを追おうとする従魔、その前に立ちはだかる聖。
「こっちに来い全力でぶっ飛ばしてやるぜッ!!」
 そう聖は剣をバットのように振りかぶり渾身の力で従魔を打ち返す。
 従魔は孤を描いて飛んでいった。
「従魔は任せました」
 嘉久也はそう言い。翼で急加速。並走するカゲリと共に銃を構え乱射する。
 その弾丸はかろうじて火球に届いているようだったが、まるで湖面に石を投げ込んでいるかのよう。
 そんな必死に攻撃を加えるカゲリとは別のことにナラカの意識は囚われる。
――エストレーラ……
 ナラカは茫然とつぶやいた。
 見れば彼女は執拗に双ふりの剣で攻撃している。
――ちょっと、ぼんやりしないで!
 沙耶がカゲリの隣に立つ。そして迫りくる従魔をシールドではじいた。
――心配なのもわかるけど、今は……
『小鳥遊・沙羅(aa1188hero001)』がそう言うと。沙耶は火球とアーセナルとの間にはいり威嚇射撃、および支援攻撃を開始した。

   *   *

――まったく……空を駆ける物まで作り出すとは……やはり人間は面白いのぉ。
 そうしみじみつぶやく輝夜。
 その翼を揺らし機嫌よさげにアーセナルに向かう。
「その通りじゃ!」
 その後ろに突如輝カグヤが現れた。
「ええ! なんですか!」
 鈴音が驚きの表情を見せた。
「前線に向かうお主らにプレゼントをしておこうかと思ってのぅ」
 そう輝夜は懐やらいろんなところをごそごそ探す。
――アポロンの矢と言えば即死か疫病の矢のはずだけど……なんで火球? 愚神は頭が残念なの多いよね
『クー・ナンナ(aa0535hero001)』が唐突にアーセナルをDISった。
「ほれほれ、おくすりをうってやるから頑張るのじゃ」
 そうカグヤが取り出したるは注射器、
 その針からきちんと液体が出ることを確認してからぶすりと鈴音にうつ。すると鈴音の体がとても軽くなった。
「お主もじゃ」
 そう輝夜はイリスもとっつかまえて首筋に薬を打った。
「ひっ」
 イリスは小さくぶるりと震える。
「効果は、上場じゃな。ではの。従魔が追いかけてきておるからのう」
 見ればアーセナルから離れた一体の従魔がカグヤをにらみ突進してきていた。
「さて、あれをどう攻略したものか……」
 周囲を飛んでいた孤五郎が翼を翻し、イリス、鈴音に並走する。。
「宇宙空間を飛んできた可能性が高い以上はどこかに移動や姿勢制御のための推進器に相当する器官があるはずです、それを探し出して叩いてしまいましょう」
 全員が頷きを返し、そして。
 参人は弾かれたように別方向に散った。
 それをみてアーセナルは口から火を噴き、それを壁のようにして参人の接近を阻む。
 しかし、それは予想済み。
「はあああ!」
 バシュッバシュッと軽快な音を鳴らしながら。イリスがアーセナルの背後に回り込む。
 翼が作り出した慣性を細かくライブスラスターで調整。瞬間的に体制を変えた。
 その勢いを利用し振り返りながら、アーセナルの背を切りつけた。
 その衝撃でアーセナルは炎を吹き出すことをやめた。
 その直後、突貫してくるのは鈴音と孤五郎。
 三本の大剣がアーセナルを狙う。
「そこか!」
 孤五郎は翼を最大出力。煌く粒子が翼から散り瞬間加速。アーセナルの翼に隠れたミサイル発射口を一つ粉砕。
――ウロロロロロロロ
 直後、アーセナルは火炎を口から噴き出しながら回転しだした。炎が全身をつつみ、あわててリンカーたちは距離をとる。
 直後アーセナルは炎を打ち払い、鈴音たちに吠えて見せた。
「……あれにぶつけられるぐらい丈夫で硬い物……そうだ! この愚神をアポロンの矢にぶつけてみたらどうでしょう? この事態の後始末には丁度いい気がします?」
 そう鈴音は炎を纏ったアーセナルを見ながら言った。
「やれれば何とか出来はするでしょうけど難易度高いと思いますよ」
 孤五郎が言葉を返す。
 直後炎がはじけ、アーセナルが姿を現した。火焔のミサイル合計五つ生成され放たれる。それが二つは鈴音たちに。三つは聖たちの方向へむかって進んでいく。
 それを鈴音と孤五郎は回避できない。
 宙にオレンジ色の花火が二つ咲いた。
「おお、苦戦しておるのぅ」
 それをカグヤは従魔の相手をしながら眺めていた。
 従魔の突進を盾で受け。盾の牙状の突起でシールドバッシュ。カウンターで敵を射止める。
 加速度のなくなった敵に雷神の書から電流を浴びせ動きを止めた。
「ぬう、なかなか手がしびれるのう」
 そう言いつつ嘉久也を背後から狙う従魔の動きを止めた。
 こちらは羽が自動的に慣性を殺すが、従魔はそうはいかないようで反作用で、宙をくるくると舞う。
「ふむ、優秀なプログラムじゃな、的確に勢いを殺せる」
 霊力の消費も、内臓霊力があるうちはそこまでない。だがALBと同じで内臓霊力がなくなれば使えなくなる点はいただけないと、カグヤは思う。
「次は、何を試そうかのぅ」
 そうムフフと笑うカグヤの横を超特急で駆け抜ける聖。
「っし、行くぜ!!」
 群の中に聖が突進。攻撃をはじかれ宙を舞う一体を強襲した。
「おら!」
 そう聖は火球へ向けて弾き飛ばすも、従魔はその翼を大きく羽ばたかせ体制を立て直す。
 そして従魔は火球へ張り付いているリンカー向けて走り出した。
「逃げんな! お前の相手は、俺だ!」
 メギドでは従魔と比較して瞬間加速度で劣る、そう一瞬で判断した聖は剣を抱えるように構える。
 その剣は輝きを帯び、低く振動するような唸りを上げそして。
「真っ二つだ!」
 そして音速で振るわれた剣、その刃にまとった霊力は斬撃となり。
 逃げる従魔を切り割いた。
 残骸が重力に惹かれ炎の中に落ちていく。
 それを見届けないうちに聖は反転。
 従魔を真正面から捉えた。
 こちらに向かう従魔は三体。
 一匹も通さない。そう剣を構える。
「っしゃ! こっちに来い……全力でぶっ飛ばしてやるぜッ!!」
 メギドの炎が彼自身を覆う。
「おおおおおお!」
 電光石火のごとく振るわれた剣は従魔を捉える、しかし火球の方へ飛ばしていいものかという迷いがあった。
 もし従魔が素直に火球まで落ちてくれなければそれは防衛ラインの突破を意味しestrela等が攻撃される可能性がる。
 だがそんな風に考えている時間も失われた。
 難しい選択を迫られていた。
 そして打ち落とさなければならないのは従魔だけではない。
 敵から発射されるミサイルもだ。
 そう聖がアーセナルを見ると。
「はあああああああ!」
 そうイリスが金色の軌跡をジグザグに描いて突進する姿が見えた。
 しかし振るった剣は翼の骨の部分に当たりはじかれる。
 そして愚神はその一瞬を突き、巨大な翼を振るうそれにはじかれイリスは、管制制御もままならず遠くに吹き飛ばされる。
「この!」
 その隙にと鈴音が急接近。切りかかるも刃はアーセナルにつかまれ、そこに集中して火焔ミサイルを叩き込まれた。
「鈴音!」
 孤五郎はその翼に巨大な光をともして急接近、その腕を切り付け、鈴音を解放する。あわててカグヤが回復に入った。
 敵は手ごわい。
――……ほう、儚い見目とは裏腹に存外な力よな。
 そんな光景をナラカはそうくつくつと笑ってつぶやいた。大気が厚くなってきたのか、感じる風に懐かしさを覚える。
――そして面白い。
「何を言ってる、こんな時に」
 カゲリはマガジンを空中に投げ捨る。見れば僅か下方に雲海。
 ついにここまで来てしまった。遥か向うに雲海から顔を出したエベレストの天辺が見える。
 それを一瞥しカゲリは新しい弾倉を装填した。
――汝は人間の奮起の姿、その輝きを見たいと言うのだな。ああ、その真意は如何であれ実に共感出来るぞ。 嘗ての世界で、或いは私が同じ事をしていたやもと思えば、既視感さえ覚える。
 ナラカにわずかに残る記憶、それは、自身にまがい物ではない翼があった時の記憶。
 そして、今とは役割が大きく異なる、裁きと浄化の体現者だった頃の自分。
――なればこれは試練であろう。皆よ見事踏破して見せるが良い。それが出来ると私は信じている。
 ナラカは戦場を見渡した。
 そこには、煌く星にも負けず輝く仲間たちの姿。
 輝く翼を震わせて、破滅の未来を回避しようともがく、懸命な姿。
――特に聖とエストレーラには期待を懸ける所だよ。無論、覚者に対しても同様だ。その敵と定めた総てを浄化《鏖殺》せんと燃える劫火の意志。我が燼滅の王よ。汝が輝きで私を魅せてみよ!
「……煩い」
 カゲリはそう、一言だけつぶやいて、従魔の突進を銃でそらした。
「勝手に期待をかけていろよ、俺はただ成すだけだ。敵なら殺す。
 それを劫火だ燼滅だと言うのなら、そうなのだろう。
 お前が名付けた燼滅の王――それで構うまい。
 目的があり、成すと定めたなら進むのみだろう」
 マズルフラッシュがカゲリの顔を照らす。その表情はいつも通り、感情らしいものは見て取れない、しかし。
「それが二人に応えるモノであると、俺は信じている」
 そうカゲリは言った。思わず聖は笑みを返し。対照的にestrelaは苦い表情をしている
――エストレーラ?
 普段とは違う反応にナラカは戸惑いを覚える、脳裏によみがえるのは、シャトルでのあの。寂しそうな横顔。
 直後。
「私は……」
 口に仕掛けた言葉を飲み込み、estrelaは自ら火球に突っ込んだ。それだけではない。
 まるで火球を受け止めるようにその前に立ち。がむしゃらに剣を振るっている。
「おい言峰、近接武器で火球の相手はあぶねぇ!」
 聖自身も何度も切り結んでいるため知っている。あの熱量は共鳴していても耐えられるものではない。
 何かがおかしい、そう感じたカゲリも聖も、estrelaの元へ向かおうとかける。しかし、それより早く空をかける従魔たち、三体の従魔がestrelaへと向かっていた。
「いくな!」
 烈風波。飛んだ斬撃で従魔の一体が真ん中から分かれた。
「そっちに敵が言ったぞ。言峰!」
 ただ、その声はestrelaには届いていなかった。
 耳にこびりつくようなゴウと燃え立つ火球の音。
 そして焼け付く肌のひりひりとした痛み、燃える髪の毛の匂い。
 次第にestrelaは夢を見ているような、感覚に陥る。
 体が熱い。
 意識がぼんやりする。
「……まだ温い……私の悪はまだある」
 いっそ燃え尽きれば。そう思って、痛覚を遮断した。そして再度estrelaはアポロンの矢に突貫。
――エストレーラ!
「言峰!」
 あっという間にestrelaは炎に飲み込まれた。そして溶けて砕ける翼、やがて力を失ったestrelaは火球からはじかれ、別のルートで地球へと落ちていく。
「クソ、早くいかねぇと」
 聖が翼を翻して、地球へと向き直った。
「まて、聖。今は火球対処が優先だ」
 それをカゲリが止める。
「何言ってんだ。仲間のピンチなんだぞ」
「落ちても共鳴している限り死なない、それなら火球だ。もう雲海まで迫ってる、地表なんてすぐだ。これだけ攻撃をしても壊れない、なら……」
 攻撃を続行すべきだそう、カゲリは暗に示す。しかし。
――覚者よ、いけ。
「なに?」
 予想外の言葉に聞き返してしまう。
――覚者よ、気が付かなかったのか、エストレーラは今日、あんなにも様子がおかしかったではないか。
 ナラカは思い出す。自身に向けられた冷たい視線と。空っぽの表情。
――今、エストレーラは孤独の中に落ちていった。今行かずに、仲間だと言えるのか!
「こちらは大丈夫です」
 嘉久也は速射砲を従魔にむけながら言った。
「行ってあげてください」
 嘉久也は聖とカゲリの前に立ち、従魔たちへ一気呵成に銃弾をばらまく。その一撃一撃が的確で、従魔たちはなかなか前に出られない。
「俺が突破口を開く」
 聖はアステリオスに持ち替え。そしてカゲリに言った。
「メギドとプロミネンスじゃ最高速度が段違いだ。お前がいくしかねぇ」
――いけ、今行かねば取り返しのつかないことになる。行ってあの手を取れ。覚者よ。
 カゲリは歯噛みした。一番理にかなった行動は決まっている。だが、かといって自分以外、誰が彼女のもとに駆けつけるのか。
「……わかった」
 カゲリは一度閉じた眼をもう一度開く。
「任せたぞ、聖」
「もう犠牲は見たくねぇ。やれる、行くぜ!!」
 そして二人は翼をはためかせた。夜のような漆黒の焔と。暁のように赤々と燃える翼が交差し、離れ、らせん状に炎を散らす、そして聖が前に出た。
――羽、こっちでも多少動かせるね……面白い
 そうLeが笑い、聖は火球に密着するくらいに近づくそして防御の自動反応を利用し、姿勢制御。
 羽に備わっている、防御壁の機能を転用し、火球の熱を遮断、同時に足場として用いる。
「行くぞルゥ」
――やれる限り、やる。何時でもそれで切り開くだけ……
「道をあけろ!」
 そして疾風怒涛を打ち込んだ。
 翼の炎を纏った一撃は多大なバックファイアーを生み。まるで火柱のように立ち上る。
 嘉久也の放った雨のような弾丸が従魔たちを穿っていく。
 鈴音やイリスが愚神と戦いを繰り広げている。
 それをestrelaはぼんやりとした表情で見上げていた。
 自分は落ちていくが、他の者はまだ戦いを続けている。
 その光景がestrelaを複雑な気分にさせた。
(東海林くん……)
 estrelaは心の中で仲間たちの名前を呼ぶ。
(邪悪なワタシとは正反対な正義の男の子
ナラカちゃん。ワタシには眩し過ぎる。けど近くにいたいと思う人
八朔くん。私に近い人。あなたとを見ているとあたたかい気持ちになる)
 私は、そこにいてもいいのですか? その言葉をまたestrelaは飲み込んだ。
 言えなかった、言っていいはずがなかった、優しい彼らはきっと、いてもいいというだろう。だからこそestrelaは口をつぐむしかなかった。
「ああ、空が。遠い」
 雲海を抜け、その体は落ちていく。曇天に雨。憂うつな天気の中。estrelaは落ちていく。
 やがて水面に自分は叩きつけられるだろう。
 燃え残しの自分が一つまた出来上がる。
――…………無様だな
 キュベレーが言った。
「……この程度じゃ私の穢れは浄化できないわね」
 瞼を閉じて、落ちるがままに身を任せようとした、その時だった。
 異変が、目に入った。
 まず曇天を割って火球がゆっくりと顔を出した、次いで火球に変化が生じた。
 その火球の中心に黒点が現れたのだ、それはまるでそれは浸食するように全体に広がり、そして。
 そして。
 大気を震わせさく裂した。
 雲は弾き飛ばされる、抜けるような青空がまた広がった。
「八朔くん?」
 その翼は夜の闇のような黒。燃え立つような不定形、宿す力は浄化の焔。
 その翼を大きく翻し、カゲリが火球を割って突っ込んできた。
「estrela!」
 カゲリは銃を収め、そして手を伸ばす
「あと少しだ、手を伸ばせ」
「八朔くん……」
 estrelaは握っていた拳を広げた、こわばっていた腕を伸ばした。
 しかし。脳裏に、よぎるのは。
 さまざまな光景。
 そして問いかける自分
 伸ばしていいの? この『両手を』
 estrelaは答えを出すことができなかった。 

   *   *

――ウロロロ。
 愚神がそう悲鳴を上げる。
――まだ言ってるよ
 クゥはそんな愚神に一つため息をついて見せた。
 今や戦況としては従魔が先ほどの嘉久也の怒涛乱舞で全滅。
 愚神のみこちらの脱落者は2。お互いに被害が出ているが、これがラストバトルだ。
「行きます」
 嘉久也が速射砲を放つと、それを皮切りに全員が動いた。
 まず、コルトがフラッシュバンを投げる。
「目を伏せてくださいまし」
 それは見事にアーセナルの目をつぶした。
 それを好機と鈴音が真正面から。
――切り刻め!
「わかってるよ!」
 その翼の加速力を乗せ、大剣を構える。
「ぐっ……例え私の命が燃え尽きても……絶対にお前たちの好きにはさせない!」
 疾風怒濤、一気呵成。攻撃を恐れることなくその剣を突き立てる。
 たまらずアーセナルは火焔ミサイルを発射。
 ただそれを孤五郎まるで脇をすり抜けるように回避。
 一撃加えて離脱、反転して、重力加速度も味方につけ。落下しながら翼を切りつけた。
 愚神の悲鳴が大気を揺らす。
「あの長い腕、飾りという訳でもないだろうに……」
 孤五郎がそうつぶやいて、翼を根元から断ち切った。
――接近戦同士ならリーチが長い方が有利とされていますが、そういう相手は零距離の懐に死角ができやすいものです!
 黒鉄の言葉に従い孤五郎は敵の懐から離れない。
 その時。アーセナルの側面、ミサイル発射口に炎がたまっていくのが見えた。
「これ、サンタさん用だけど、あげるわ」
 サンタ用捕獲ネットだ、沙耶はそれを発射。それが発射口にからみつき、暴発。
 直後危険を覚ったアーセナルは前方に炎の壁を展開した。
「すでに大地から解き放たれているのならっ!この背に羽ばたく翼があるのならっ!」
 直後火焔を引き裂いて、四枚の翼が姿を現す。金色のオーラを身にまとい。
 その少女は翼をいっぱいに羽ばたかせアーセナルに突貫した。
「多少の無茶は押し通す! だって、空にいるんだから!」
 イリスは翼の慣性をライブスラスターで制御、小刻みにゆれながら接近し。二本の剣で切り付けた。
――これは下手な助言はいらない、かな
「ぶった切る! それしかないなら、貫き通す!」
「なら、お手伝いを!」 
 嘉久也は武装をブラディランスに変更し。そして突撃、体を串刺しにして固定した。
 その口からはもう火を噴けない。
 ただ、先ほど発射したミサイルが空中で方向転換をしこちらに向かってきていた。それに。
「よっと」
 カグヤが、霊力で作った鏡で触れる。
 するとミサイルの軌道が変わり。
 アーセナルに突き刺さった。
「トドメだ!」
 イリスは叫ぶ。
 その翼の推進力を一方方向に集中。スラスターでバランスを偏らせながら回転。
 遠心力を乗せて。高速で接近。
「ボクの必殺技! 名前募集中!」
――はははっ 自分で考える努力を忘れてはいけないよ
 その一撃を受け、アーセナルは引き裂かれた、そのうちにため込んだ熱量が解放され、空に瞬いた。
   
  *    *

 戦闘がひと段落してから、リンカーたちは地上に降りた、あと数分火球への対処が遅れていれば、地上に被害が出ていただろうという危うい状況だった。
 そんな汗だくなリンカーたちにアイスが配られ。
 鈴音と輝夜は救護車に背を預けながらそれを食べていた。
 その隣ではカグヤが遙華に電話をしている。翼の使用感について報告しているようだ。
「これが市販されるようになったら戦場が一変するのぅ」
 市販される予定はないと返答が帰ってきていた。
 残りの面々は海へ捜索に出ていた。カゲリとestrelaがまだ帰投していないための捜索。
 結論から言えば二人はすぐに見つかった。
 ただ。見つかった時にはestrelaの意識はなかった。
 二人を陸地に運び。カグヤや沙耶がケアレイをかけても目を覚まさない
「もしもし、生きてらっしゃいますか? お返事くださいまし」
 コルトが頬をつついたが無反応だった。
「ひどい傷はないし、力を使いすぎちゃったんじゃないかしら」
 そう沙耶は告げる。
 同じく、損傷が大きかったカゲリも聖も救護車に乗せられて、病院に運ばれる。
「色々と規模が大きい任務でしたわね……」
 コルトはそう感慨深げに頷いた。
「ギギギギギギチ!!」
「黙れアルゴス、耳元で煩いっ」
 こうして、空からの襲撃者を討ち果たしたリンカーたち。ひとまず大きい危機は去った。

みんなの思い出もっと見る

-

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
  • Run&斬
    東海林聖aa0203
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
  • 汝、Arkの矛となり
    五郎丸 孤五郎aa1397

重体一覧

参加者

  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
    人間|15才|女性|生命
  • 守護の決意
    輝夜aa0175hero001
    英雄|9才|女性|ドレ
  • Run&斬
    東海林聖aa0203
    人間|19才|男性|攻撃
  • The Hunger
    Le..aa0203hero001
    英雄|23才|女性|ドレ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • リベレーター
    晴海 嘉久也aa0780
    機械|25才|男性|命中
  • リベレーター
    エスティア ヘレスティスaa0780hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 未来へ手向ける守護の意志
    榊原・沙耶aa1188
    機械|27才|?|生命
  • 今、流行のアイドル
    小鳥遊・沙羅aa1188hero001
    英雄|15才|女性|バト
  • 汝、Arkの矛となり
    五郎丸 孤五郎aa1397
    機械|15才|?|攻撃
  • 残照を《謳う》 
    黒鉄・霊aa1397hero001
    英雄|15才|?|ドレ
  • 木漏れ日落ちる潺のひととき
    コルト スティルツaa1741
    人間|9才|?|命中
  • ギチギチ!
    アルゴスaa1741hero001
    英雄|30才|?|ジャ
前に戻る
ページトップへ戻る