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リンカーマガジン Vol.0
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インタビュー相談&打ち合わせ
最終発言2016/02/11 21:41:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/07 23:01:29
オープニング
まえがき
ライヴスリンカーと呼ばれる人間が出現し始めてから20年余り、当初は世間の理解が得られなかったこともあり我々のような一般の者とは縁遠かった存在であった彼らも今ではテレビや雑誌、ネットへの露出が増えてより身近な存在に変わってきた。芸能人のように華やかな活動をし、ファンクラブが運営されるようなリンカーもいるというのだから驚きだ。
今回、『リンカーマガジン』と銘打った雑誌を発行することになったのも、そういったリンカーの人気事情に着目してのことである。男性雑誌にしろ女性雑誌にしろリンカーが取り上げられることは現在では珍しくないが、リンカーそのものを題材にした雑誌というものは実は今までなかったのだ。
彼らの情報に対する需要は確かにあるだろうにそれを伝える媒体がないとは勿体無い。前例がないなら作ってしまえという、ある意味無謀ともいえる度胸を示したのが幻惑社さんということである(相変わらずすごい社名だ)。リンカーと触れ合えるこのような機会を作って頂きありがとうございます。
さて前置きはこれぐらいにしておこう。何しろこの雑誌はリンカーマガジン、筆者である私の感想などは載せるにふさわしくない。そもそも雑誌に前書きなんて必要ないと言ってるのに書けと言われたから仕方なく書いた次第である。
だがもう大丈夫、これから先のページはどこを開いてもリンカー、リンカー、リンカーである。私がインタビューした記事等も載っているので是非ご覧頂きたい。
この雑誌がリンカー達の実情を伝える一助になることを祈る。
……と言ってもこれ試作版なんだよな。出来とか反響を見て、実際に売り出していくか決めるっていうんだから幻惑社も結構ためらっているようだ。
だから気楽に読んでね。私も気楽に書いているゾ!
解説
リンカーを取り上げた雑誌に皆さんが載ります。
このシナリオのリプレイは雑誌の文面風になります。
活字媒体なのでセリフの口調が変わるかもしれません。
皆さんのプレイングによって誌面が出来上がる、とでも考えておいて下さい。
MS編集で皆さんにお届け、というところでしょうか。
インタビューは前書きの筆者を交えたエージェント達のトーク形式です。
やりとり以外に筆者の感想等が加わることもあります。
筆者からの質問は下記の通り。自由に取捨選択して下さい。
1:「エージェント登録した経緯は?」
2:「エージェントとしてのポリシーはある?」
3:「エージェントをやっていて得したことは? 逆に損したことは?」
4:「普段の私生活ってどんなの?」
5:「普段どういう依頼をこなしている?」
6:「ぶっちゃけH.O.P.E.の仕事はキツイ?」
7:その他、自分で質問を設定しての受け答えも可能。複数でも可。
トーク形式なので他のPCに絡んだりしても良しです。
迷惑をかけるプレイングの場合はお相手から了承を得て、その旨を記しておいて下さい。
活字媒体ゆえアクションは採用できない可能性があるので、言葉で絡むことを推奨します。
リプレイ
私が準備を整えていると、エージェントたちが続々と入室してきた。
「こんにちは、今日はよろしくお願いしまーす!」
「『Milky Way』の『AYA』です。よろしくお願いします!」
「小詩 いのりです。よろしくお願いしまーす」
元気良く挨拶をしてきたのはアル(aa1730)氏、瀬戸 絢凪(aa0171)氏、小詩 いのり(aa1420)氏の3名だった。聞けば3人はアイドル、慣れた挨拶は納得というところだ。
「え、えっと……す、すみません。緊張してしまって……今日はよろしくお願いします」
硬い雰囲気で挨拶してきたのは黒金 蛍丸(aa2951)氏だ。失礼だが頼りないようにも見える。
「今回はよろしくお願い致します」
上品な振る舞いを見せたのはCERISIER 白花(aa1660)氏だった。エージェントであるようにはまるで見えない。
その後、凛然というべきか独特な面立ちの女性の鶏冠井 玉子(aa0798)氏、一般の少年のように見える黄昏ひりょ(aa0118)氏、巨漢ながらも紳士的な物言いのメイナード(aa0655)氏が入室してきた。
全員で卓を囲んでもらい、私が質問する形で、リンカーマガジン最初のインタビューが始まった。
――本日はお集まり頂きありがとうございます。
一同:よろしくお願いします。
――では早速質問を。まず皆さんがエージェント登録した経緯は?
小詩(以下小):ボク、家族がいなくてさ。ずっと英雄のじいやのお世話になってたんだけど、段々学費とか厳しくなってきちゃって、そろそろ自分の足で立って歩きたいと思ってエージェントになったの。
――生活費のためですか。
小:うん。エージェントのお仕事だけじゃ生活費を賄えないから、カフェのバイトと掛け持ち。あ、『Yours』ってカフェだよ。よかったら遊びに来て!
――スリジエさんは何故エージェントに?
スリジエ(以下ス):お客様からの勧め、ですね。私は普段占いのお仕事をさせてもらっていますので、そちらのお客様で。以前H.O.P.E.に助けられたことがあるとかで強く勧められました。
――変わっていますね。
ス:私もそう思います。その方は何か困ったことがあれば依頼すると仰られていましたが、エージェントの力が必要になる悩みにまた苛まれなければ良いなと願ってます。登録の際は縁戚にエージェントをしている娘がいたので色々と手伝ってもらいました。
――ご親戚に。リンカーの血筋ということでしょうか。
ス:(微笑みながら)さぁ、そこまではわかりかねます。
――黒金さんはどうでしょう?
黒金(以下黒):え! えっと、ですね……。その、力を意識するようになる前からみんなの笑顔を見るのが好きでした。……な、なんというか、その……自分も嬉しくなるというか。だから周りのみんなが笑顔でいられたらいいなと。世界蝕が起こり、色んな事件が多発するようになってからしばらくして、僕の故郷にも被害が出ました。その時、人を庇って大怪我をしたのですが自分の無力さが悔しかったです。だから傷が治って退院した後、今度こそは……もう、誰も悲しまないようにと……笑っていられるようにと……。
黄昏(以下黄):何かすごい親近感を感じる(笑)。
黒:えっ?
黄:いや、俺もさ、いつも笑顔を守ることを心がけているから。英雄との誓約でもあるし。
黒:ぼ、僕も誓約で……ちょっと嬉しいです。
アル(以下ア):笑顔かー。ボクもそういう面はあるかな。誰かが泣いてるなんてやっぱり見たくないし……。でも誓約がそれって筋金入り(笑)。
黄:自分でも思うよ(笑)。登録の経緯というか……俺のポリシーって話になっちゃうけど、可能なら笑顔の発信源になりたい。そんな思いがあるな。それはエージェントであり、人である俺がそうありたいから。だって、誰かが笑顔になってくれたら、それはすごく嬉しいことだから。
黒:そうですよね。すごく嬉しい。僕はただ、誰の涙も見たくないんです……笑顔でいて欲しいだけなんですよ。それが出来るならエージェントになろう、って思ったんです。
――ポリシーという言葉が出てきましたが、他の方にもそういうこだわりが?
メイナード(以下メ):自分が何者なのかを忘れない……かな。ハハハ、意外と見失ってしまうものなんだよ。
――見失う、ですか。
メ:そう。私はH.O.P.E.のエージェントだ……人類の希望を背負う守護者であるべきだと思っている。だからこそ、最後まで諦めるわけにはいかない。退くことはあっても、絶望することだけは決してない。その覚悟が持てるのも、自分が何者として戦場に立っているのかを忘れないでいるおかげかな。
――心の強さが必要、なのですね……。アルさんはどうですか?
ア:ボク? ボクのポリシーはね、もらった力は使ってこそ、だよ。力があるのに使わないのはさ……目の前に助けたい存在がいるのに力がなくてそれが出来ない人たちに失礼でしょう? 「自分に力があったら……」って思う人たちに。
――力を持った者の義務感?
ア:義務とまでは思わないよ。でも彼らの代わりに、ボクの手の届く範囲のものは全て守る。これがボクが行動を起こすときの方針。全部なんて欲張りかもしれないけど……そのくらいの勢いでいかないと負けちゃうからね、色んなものにさ。
――なるほど。ところで普段皆さんはどんな依頼をこなしているのですか?
小:ボク、アイドル活動してるんだ。だからメディア関係のお仕事が多いかな。何度かTVにも出たし今回もその一環。
――アイドルとしてはどんな活動を?
小:事務所で歌やダンスの練習したり、エージェントの依頼でメディアに出たりかな。後は親友の同僚アイドルとラジオをしたりしてるよ、リンブレイディオっていうんだ! よかったら聴いてみてよ、お便りも大募集中だよ!
――宣伝禁止です(笑)。
小:ごめんね。後ね、メディア系が基本だけど、この間の生駒山の一件みたいなときは頑張るよ。戦うのはあんまり好きじゃないけど、後方支援とか出来ることはいくらでもあると思うんだ。
黄:俺も戦うのはあんまり。日常生活なものが多いですね。皆で協力して楽しく、もしくは一般の方が笑顔になれるようなもの。ただ時には戦闘が必要なものに参加することもあります。……それは俺の心が震えた時。どうしても救いたい人がいたり、どうしても許せない存在がいたり……。俺に出来る精一杯をぶつけて誰かのために戦う。基本はサポート中心ですけどね。
ス:私も戦闘行動がない依頼に参加しています。なにぶん、歳が歳なので体が追いつきませんので……。メイナードさんと年齢はさほど変わりませんけれど(彼のほうを向いて笑い合いながら)。なので占いの仕事とそう変わらない依頼が多いですね。人のお話を聞くものが多いです。
――意外でした。荒っぽい仕事が多いものかと。
鶏冠井(以下鶏):そうでもない。僕の場合はそうだね、何かしら面白い食材が手に入りそうな依頼には積極的に出るよ。あるいは料理人として勉強になりそうな仕事によく出向くかな。
――美食家兼調理師ということですから、やはり食ですか。
鶏:単純な従魔退治の仕事でも、大型獣や魚類系など食べ応えがありそうな相手の場合は参加意欲が湧くのを感じられるものさ。
――では次、H.O.P.E.の仕事は大変ですか?
黄:そう……ですね。体のほうはエージェントになって頑丈になったなとは思いますが心はそうもいかない。時には心が引き裂かれそうな出来事に遭遇するときもあります。一般の方よりも人の死に接する機会も多いかと思いますし……。
AYA(以下A):うん、本音言っちゃうとキツイよね……。体力よりも心が……。戦うのはやっぱり怖いし、傷ついた人を見たりするのも……。
黄:でもそんな中でも1人でも多くの人を救いたい、その一心で臨むようにしています。俺は周りが傷つくのが嫌で、周りが傷つくくらいなら俺が傷つくほうがまだマシと思ってしまうときもあって……。よく相棒に怒られますね、「もっと自分を大事にしなきゃ!」って。
ア:仕事と一口に言っても本当に色々あるよねぇ。ご近所のお悩み解決からメディア出演依頼まで。……でも命を預かる重大なことも当然起こる。そりゃもう責任重大だよプレッシャーだよ、キツイよ? でも事件解決後の「ありがとう」って一言でそんなのぜーんぶ吹き飛んじゃうんだよ。キツさが動力。これがなきゃダメ。
――キツさが動力ですか。強い言葉ですね。
A:わたしそこまで言える強さないなぁ。わたし、戦うのは苦手。でもね……こんなに歪んだ世界でも一生懸命に頑張ってる人、生きている人がいるよ! 楽しいこともいっぱいあるよ! だから、この世界もまだまだ捨てたものじゃないよ! 素敵なこといっぱいだよ! って皆に伝えていきたい。芸能人としてエージェントとしてね。それに……今は傍にアレクシアがいるもん。大丈夫、2人でならきっと怖くないし♪
――英雄さんの名前が出ましたが、他の英雄さんはどうなんですか。黒金さんは?
黒:そうですね……とても信頼できて、尊敬できます。鍛錬のときにいつもより厳しい内容にして失敗したら無茶をしないで欲しいと怒られますが……普段はとても優しい方です。それに……僕の「皆に笑顔にいて欲しい」という願いを笑わずに聞いてくれました。ただ無茶はしないようにと、とても心配されましたが……。
黄:やっぱり親近感を感じる(笑)。
黒:そ、そうですね。
――少し話題を変えて。エージェントになって損したことや得したことは?
A:芸能活動してるってこともあるから宣伝という意味で得したというのはあるよっ。確たる誇りを持って頑張ってるエージェントさんには申し訳ないかもだけど、あはは……。
ス:あらまぁ……そういうこともありますか。
ア:それはあるね!
――たくましい。
A:でもそれだけじゃないです! やっぱりアレクシアと一緒にエージェントやってるという事実が一番得したことだよっ♪
ア:今のとってつけた?
A:違うよ~!(笑)
――得したことが多いと。
A:そうですね。損したことだと……芸能活動も行いつつエージェント活動だからプライベートの時間がなかなか取れないことかなぁ。
小:わかるわかる。オフは貴重だよ。
――プライベートですか。恋人との時間が取れないとかですかね。黒金さんは恋人は?
黒:(お茶をこぼして)えっ! あ……いないです。すみません……記事にならなくて……。
――大丈夫ですよ(笑)。話を戻して鶏冠井さんは損得はどうです?
鶏:損したこととなると……強いて挙げるとすれば料理の腕が鈍りがちになることかな。食材調達と戦闘に費やす時間は増えた一方で、肝心の料理をする時間が減ったことは間違いない。いやはや、二兎を追うのは存外に難しいものだと実感しているよ。
――それは痛手では?
鶏:そうだ。だがエージェントになって未知の食材に触れる機会が増えたのは実に好ましいことだ。特に従魔の肉を入手しようとなると、やはりエージェントでもないとなかなかに難しいところ。情報面でのサポートも手厚く、食を追求しようとする身にとってはいつも助けられているよ。
――従魔の肉は食べられるんですか。
鶏:あぁ。機会があればいつか振る舞ってあげよう。
――それはどうも……。メイナードさんは?
メ:私は得したことのほうが多いかな。何より嬉しいのは警察の事情聴取から解放される時間が格段に短くなったことだね!
――は?
メ:昔から外見のおかげで謂れのない疑惑を被ることが多かったからね……これは助かっているよ。え? どんな疑惑かって? 薬物所持とか誘拐未遂とか……。
――なるほど。
メ:なんだい、その納得したような顔は。
(※インタビューは2月12日に行われたものです)
――私生活を伺ってもいいですか?
黄:俺は仲間と過ごす、かな。
A:まだ学生だし普段は高校に通ってます。あとは芸能活動だったり、オフの日は家の喫茶店を手伝ったりしてるよ。あっ、もしわたしがいる喫茶店を見つけたら二割引にしちゃいます! なんてね♪
鶏:僕は料理、料理、料理、食べ歩きに料理といったところだろうか。器用なほうではないのでね、常に手を動かしていないとダメなんだ。見聞を広めるために著名な店を巡ったりもしているが、ついつい食べ過ぎてしまうのが悩みの種だね。
――鶏冠井さん、今回食に関することしか言ってませんよ。
鶏:ははは。仕方ないね。ともあれ名店にはそれなりの理由がある、というのを日々痛感しているよ。
ス:私は本業で色んな方のお話を聞かせて頂いてます。沢山の人の、沢山の人生を見せて頂きました。占いはタロットがメインです。常連の方がよくいらっしゃって下さいますの。
――タロットですか。
ス:これもご縁の一つということで気が向かれたらどうぞ。(名刺を差し出す。続けて他の方にも。)それ以外の完全な休日ですと、割とゆったり過ごしております。葉巻とお酒を時間をかけて愉しむことが大体ですね。
メ:正しい休日の過ごし方、かな(笑)。
ス:ええ。特に最近は英雄が率先して家事をしてくれるので本当に好きに過ごしてます。
――アイドルの方が3人もいらっしゃるので、目指すアイドル像なんて聞いてみましょうか。
A:わたしはもう言っちゃったな(笑)。
小:歌や踊りだけじゃなくて、エージェントとして皆の祈りを叶えるアイドルでありたい、かな。ボクの名前はいのりだからね。まぁ冗談はともかく、エージェントのアイドルって一般のアイドルよりも出来ること沢山あると思うんだ。色んな人の悩みを解決して笑顔に出来るアイドルになりたいな!
ア:……いのりちゃんの完璧な答えの後で言いたくないから今回はパス(笑)。
――あ、あと1つ。メイナードさんが先日某大学にて全裸に黒い布だけ巻きつけたグラサン姿で徘徊しているのが目撃されていますが……。
ス:それはそれは……。(微笑む)
メ:(飲んでいたコーヒーを吹き出す)……あれは複雑な事情があってだね。全て私の英雄であるイデアが悪いんだ。全てはあのケミカルテロリストが元凶の不幸な事故なんだよ……ホントホント。おじさんうそつかない。
――はぁ。
メ:とにかく言いたいのは、私は変態じゃない。これだけはハッキリと真実を伝えたかった。
(※インタビューは2月12日に行われたものです)
――今回はこれで締めとさせて頂きます。ありがとうございました。
終了後、黒金氏が私に近づいてきた。
「記者さん、笑顔を忘れないで下さいね? 約束ですよ」
笑顔でそう言ってきた。インタビューの中で皆が口々に笑顔と言っていたのを思い出す。彼らの多くは経緯はどうあれ、根本では同じように皆の笑顔のために戦っている。それは彼らの強さの礎石となっているのかもしれない。
そんな彼らの記事を再び書ける日が来ることを祈って、筆を置く。
結果
シナリオ成功度 | 成功 |
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