本部

夜のおもちゃ箱

茶茸

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
0人 / 0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/02/01 15:45

掲示板

オープニング


 夜、家中が寝静まった頃。
 おもちゃ箱から飛び出してくるおもちゃたち。
 飾られていた人形がダンスを踊り、ぬいぐるみが駆け回る。
 子供が目を覚ますと、おもちゃたちは子供を輪の中に誘って一緒に遊ぶ。
 絵本によくある不思議な一夜。
 
 しかし、ある町で起きたの不思議な一夜は悲劇の始まりだった。

「ん……?」
 眠っていた男はふと目を覚ます。サイドボードにある時計を確認するとまだ真夜中だ。
 隣では妻がよく眠っており、男も本来ならこんな時間には目を覚まさない。
 もう一度寝直そうかと思ったが、どこかから足音や音楽のような物が聞こえて来るではないか。
「あのわんぱく坊やめ。夜更かしして遊んでるな」
 最近もっと遊びたいと早く寝るのを嫌がるようになった息子に苦笑する。
 元気なのは結構だが、こんな時間まで起きていては明日のスクールでは居眠りしてしまうだろう。
 息子を叱るためにきりっと顔を引き締めて子供部屋に向かおうと寝室から出る。
「お? 迎え討つ気か」
 子供部屋に続く廊下に玩具の戦車が並んでいた。
 どうやら夜更かしをして叱られるのは想定済み。いや、もしかしたらこれは一緒に遊びたいと言う意志表示だろうか。
 考えてみれば最近は仕事が忙しくてあまり構ってやれなかった。
「仕方ない。明日はママと一緒に叱られてやるか」
 いじましく思ってそう言った男は、笑顔のままその場に倒れた。
 こめかみには穴が開き、そこからどろりと血が流れて行く。
 男のこめかみを貫いたのは、廊下に並べられた玩具の戦車だった。
 弾など込められていないはずの砲塔がぐるぐると動き、男が出てきた寝室の扉に向けられる。
 ラジコンでもなく、ただ飾られるだけの玩具の戦車は男の体を乗り越え、寝室の扉の前に並ぶと砲撃を開始した。


「みなさん、この記事をご覧になった事はありますか?」
 HOPE職員が示した記事はある町で起きた連続殺人事件について書かれていた。
 最初の事件は両親と子供一人の家族が犠牲になった。
 子供は子供部屋で、父親は廊下で、母親は寝室で、それぞれ頭や腹、体の数か所を撃ち抜かれて死んでいた。
 次の事件では両親と二人姉妹が手足や首を引き千切られた状態で発見された。
 三件目は両親と子供一人。刃物による傷もあったが、獣に食われたような傷が致命傷と診断された。
「どうやらこの事件は従魔が引き起こしたようなのです」
 警察の捜査の中で事件が家では共通の物が無くなっていたのが分かった。
 玩具だ。
 一件目では戦車の玩具、二件目ではヒーローを模した人形、三件目では動物のぬいぐるみ。
 それ以降の事件でも必ずそう言った物が無くなっている。
 侵入された形跡はなく、その代わり何か小さい物が出て行った形跡がある。
「警察組織の中で従魔が関わった事件を知っている方もいらっしゃいます。その方がHOPEにこの事件の事を報せて下さいました」
 HOPRが連絡を受け調査を行っている間にも、警察組織は大胆な行動に出ていた。
 町中の家庭から人形、ぬいぐるみ、模型などの玩具をかき集め、町の広場に置いたコンテナに入れたのだ。
「この行動で町は一時的に混乱しましたが、現在は落ち着いています」
 警察組織と町の住民達の協力により、玩具に憑依し紛れているだろう従魔を迎え討つ準備は整っている。
 後はリンカー達が現地に赴き町を恐怖に陥れた従魔を倒すだけだ。
「従魔は夜になってからしか動かないようです。みなさんはコンテナの周りに設置されたテントで待機し、夜を待って下さい」
 ここまで御膳立てして貰えたのだ。従魔の数は多いようだが、一匹たりとも逃がしてはならない。。
「みなさんの働きに期待しています。この町に平穏な夜を取り戻して下さい」
 HOPE職員は少し寝不足な目でしっかりリンカー達を見詰めてから頭を下げた。

解説

●目標
 ミーレス級従魔15体の討伐

●状況
 時間・天候:深夜・晴れ
 町の中央にある広場。円形になっており、中央に町中の玩具が集められたコンテナが置かれています。
 照明は元々広場全体が見渡せる程度の物が設置されているので、こちらで用意する必要はありません。
 コンテナの中で従魔に憑依された物だけが深夜になると動き出し、コンテナの中から出て来ます。
 広場の周囲にはバリケードが張られ野次馬が来た時のために警察が警備についています。
 リンカーは広場外周のコンテナが見える位置に設置されたテントで待機してもらいます。

●敵
・従魔『トイボックスアーミー』15体
 戦車の模型から人形、ぬいぐるみ等々、様々な玩具に憑依した従魔です。
 攻撃は憑依した玩具の形状に沿った物になりますが、ステータスは従魔の能力に沿った物です。
 体が小さく地面を走り回るので足元を見ながらの戦闘になります。

・能力
『戦車・兵士の模型』5体
 主砲発射・銃撃(物理/射的距離は最大7m)
 標的に向けて銃弾、または砲弾が飛ぶ。どちらも攻撃力は同じ。
 直線にしか飛ばず貫通や爆発はしないので最初に当たった標的一体のみダメージがある。

『フィギュア含む人の形を模した人形』5体
 殴る(物理/標的が肉弾戦距離にいなければ使用不可)
 殴る場所は足か、直前に飛び上がって届いた場所になる。

 刃物で斬る(物理/標的が白兵戦距離にいなければ使用不可)
 手にした玩具の剣、ナイフ、鋏で攻撃する。攻撃箇所は殴る場合と同じ。

『動物の形をした模型やぬいぐるみ』5体
 噛みつく(物理/標的が肉弾戦距離にいなければ使用不可)
 人形よりも素早く動き跳躍力もあるため首元に噛みつく事も可能。
 ただし、肉弾戦距離でなければ当たらない。 

リプレイ

●序曲
 町の中央にある広場に次々と持ち込まれる板や角材に建築現場で見られるような足場材。数は少ないながらも大きなコンテナまである。
 この広場は町の人々の憩いの場であり、祭りや蚤の市などのイベント会場に使われる場所でもある。
 しかし今行われている準備はそんな心躍るような物ではなかった。
「そ、それじゃ……行きますよ!」
 煤原 燃衣(aa2271)の号令に合わせ、コンテナの周りに取りついた警察関係者や住民の中から名乗りを上げた男達がコンテナを横倒しにしている。
 中に詰まっているのは町中から集められた玩具。この中のどれかに従魔が憑りつき、夜ごとに住民を殺していた。
 ここに集まっている警察関係者や住民の中には近しい人が犠牲になった者もいる。
 コンテナの周囲にバリケードを設置する計画を伝えた所、警察関係者だけでは手が足りないだろうからとすぐに住民から希望者が集まって来たのは、理不尽に奪われた人々を思っての事だろう。
「こ、こっちは、できた……」
「バリケードできたか! 持って行く!」
「わ、わ……まって、うちごと運ばないで!」
 その後ろの方では木陰 黎夜(aa0061)が元気なティナ(aa1928)に振り回されつつ一緒に防御用バリケードの作成に励み、完成した物から運ばれてコンテナの周りに並べられる。
「中央のコンテナを狙うならこの辺りか?」
「もう少し向こう側の方が射角が取れそうです」
 レイ(aa0632)と遠江 琴葉(aa2565)は広場にある樹や広場に面した家屋のベランダなどを見て回り、実際に登って広場の見え方を確認していた。
「そうですか……やはり怖がっている子供は多いようですね」
 ファリン(aa3137)も作業を手伝いながら、住民の、特に子供たちの様子を聞いている。
 町中の玩具を集めた時に従魔が玩具に紛れ込んでいる事は知らされているらしく、子供達の中にはひどく怯えて投げ捨てるように玩具を手放した子もいると言う。
 広場外周の民家は避難が行われており無人だったが、現地に到着してから広場に着くまでの民家の窓にはこちらを窺う子供の顔が見えていた。その不安と恐怖がまざる顔を思い出す。
 作業が終わると、警察官は広場を囲むバリケードの向こうで警備に立つ。
 手伝いの住民達はこの場で解散だ。
「犠牲者の遺族にお悔やみを……わたくしたちが必ずや従魔を倒します。あなたがたに安心して眠れる夜を約束いたしますわ」
 ファリンは彼等に向かって誓う。この場にいない住民達、今も震えているだろう子供達のためにも。
 警察官は敬礼をし、住民達は願いを託して去って行く。
「俺達も準備をするか」
「えと、敵が此処に……その、居るなら……ただ待つのは勿体無いですし……思いっきり……仕込みましょ!」
 レイと燃衣がそれぞれの作戦に沿って同チームのメンバーに声を掛ける。
 日は落ち始め、従魔が現れる時間が近付いていた。

●玩具の行進曲
 しんと静まりながらも緊張感が漂う夜。
 ついにその時がやって来た。
「……見えた!」
 じっと座り込んでいた燃衣が身を乗り出す。
 ライヴスゴーグルで見たコンテナに、ライヴスの光の筋が集まって行く。
「殺す……殺してやるぞ……!」
 昼間はおどおどと周囲を落ち着きなく見回していた目が殺意を宿し、いささか頼りない印象だった顔に鬼の形相が浮かぶ。
 イグニスを構え敵の出現を待ちながら、今すぐにでもコンテナに飛びつき食らいつきそうだ。
「従魔がコンテナから出たぞ。バリケードに取りついている」
 樹木に登ったレイの位置から獣型のぬいぐるみと模型が前に進もうとバリケードに突進しているのが見える。
 別のコンテナからは人形が現れた。こちらも最初はバリケードに突進していたが、動かないと分かると出口がないか探し始めたようだ。
「出入り口は、ひとつだけ……」
 黎夜は眼帯が外れ揃った両目でバリケードの一角を見詰める。
 バリケードはコンテナを取り囲んでいたが、その一角だけ隙間を空けていた。
 体か武器かがこすれているのか、バリケードの裏から聞こえるガリガリと言う音が隙間に近付いて来る。
「!……来た!」
「食らえ!」
「死ね……ッ!」
 隙間から従魔の姿が現れた直後、黎夜、レイ、燃衣の集中砲火が浴びせられた。
 一瞬姿が見えなくなる先頭の従魔。その背を越えて後続の従魔が飛び出して来る。
「逃がしませんわ!」
 ファリンの弓が一体の人形を撃ち抜く。
「こちらは私が!」
 ドレスの裾を翻して走る人形に琴葉のマグナムが火を噴いた。
「ティナもやるぞ!」
 撃たれた人形がくるくる回る。
 倒れるかと思いきや、穴が開いたドレスを翻し鋏を構えた。
「やる気だな!」
 ティナに突撃した人形が鋏で切り裂いて行く。
 傷は浅いが鋭い痛みにティナが獣のような唸り声を上げた。
「ティナ伏せて……!」
 狙い定めた黎夜の一撃が人形の小さな体を吹き飛ばす。
 飛んで行った人形は後続のぬいぐるみや模型に踏まれて見えなくなる。
「出口に集中して来たぞ! 手を休めるな!」
 レイがコンテナから出て来る従魔の動向を確認して叫び前にいるのを押し退けようとしたヒーローの人形を狙撃する。
 バリケードに突進していた獣型が人形の動きに出口があると悟ったのか、五体が同時に同じ方向目指して走り出したのだ。
「戦車も出てきたな」
「兵士もです」
 上から押し寄せる人形を見ていたレイがそれに気付き、琴葉も今見えている従魔を確認する。
 高所と地上二方向からの集中砲火は確実に効果が出ている。
 バリケードに囲まれた中で出口を一つにしぼった事で攻撃を集中させられるため、より効果は上がっていた。
 近距離攻撃しかできない獣型と人形型の従魔はまずそこで大ダメージを与える事ができる。レイがいる樹上とコンテナまでの距離は離れており、戦車型と兵士型の射程外から攻撃できるが、琴葉を始め地上にいるメンバーは射程内に入っている。
「抜けて来る敵が増えましたわね」
 戦車と兵士からの遠距離攻撃が加わった事で敵側からの攻撃も激しくなってきた。
 また集中砲火を前にやられる一方だった従魔も味方を盾にして抜けて来る。
 今も兎のぬいぐるみを盾にして、クマのぬいぐるみがまるっこい見た目に似合わぬ素早さで脇から飛び出してきた。
「燃衣様、お願いしますわ!」
 ファリンはそれを迎撃、ペアを組んでいる燃衣に追撃を任せる。
 クマのぬいぐるみにはよく見ると血が付いていた。クマのぬいぐるみはまだ燃衣達の誰にも攻撃をしていない。
「……殺す」
 その血が誰のものであるか悟り、燃衣の形相が殺意に歪む。
 この町で従魔に殺された幼い子供とその家族。誰かの血を染みつかせたクマのぬいぐるみがイグニスの炎に包まれた。
「……殺す殺す殺す……ッ! 悲鳴を上げて……ッ、みっともなく死ねよッ!!」
 燃衣の殺意を乗せた炎はクマのぬいぐるみだけでなく狙った従魔を次々と燃やして行く。
 広がった炎は広場を赤く照らし、蠢く玩具の姿をした従魔の影が奇妙に踊る。

●玩具の葬送曲
「レイ、燃衣を援護します」
「任せろ」
 炎に巻かれた従魔をレイと琴葉が撃ち抜いて行く。
 その背後で随伴兵のように戦車の側にいた兵士型の従魔も集中砲火を抜けて外に出ようとしていた。
「出て来る前に、片付ける」
 黎夜は従魔を抑えると同時に味方の集中砲火の影響で弱ったバリケードを見る。
 隙間の方は最初に比べると倍以上に開き、固定していた根本もぐらぐらと揺れている。もう限界だろう。
 バリケードと集中砲火にものの見事に引っかかった獣型と人型の従魔はほぼ全滅。
 燃衣とファリンの攻撃に捉えられたぬいぐるみが最後の一体。
「あとはお前らだけだ……!」
 地面に倒れた従魔を踏みつけ、燃衣が吼える。
 バリケードの裏から射撃を続けていた戦車型と兵士型の従魔は集中砲火から生き残った物が最後の突撃を行おうとしていた。
 ファリンが傷付いた仲間をケアレイで癒し、リンカー達もこれで決着をつけようとそれぞれの武器で従魔を狙う。
「許さない、貴方達は。絶対」
「子供達の悪夢もこれで終わりだ」
 琴葉とレイが半分壊れていた兵士型の一団に致命的なダメージを与える。
 追い打ちを掛ける燃衣。
「一匹抜けたぞ!」
 破壊された味方の影にいたのか、兵士型の従魔が抜けたのをティナが見付ける。
「大丈夫、これで終わり……」
 黎夜が死者の書を手に従魔を狙う。
「おもちゃは、喜ばせるもの……だから、悲劇はもう必要ねー」
 死者の書から放たれたのは月明かりと街灯に照らされた銀の魔弾の如く従魔を打ち砕く。
 カシャンと軽い音がして、ただの兵士の玩具に戻った破片が地面に散らばった。 
「………ライヴスの動きはありません……えと、じゅ、従魔は……全滅、です」
 しんと静まった広場をライヴスゴーグルで確認し、燃衣は一息ついた。
 ゴーグルを外した燃衣の目からは狂おしいほどの殺意は消え、いつも通りキョトキョトと視線を動かしている。
「これでやっと子供達に玩具を返せますね」
「うん……」
 琴葉がほっと従魔に憑りつかれていない玩具が残されているコンテナを確認し、黎夜は従魔にとどめを刺した時とは打って変わった様子で眠り猫のぬいぐるみを抱えていた。
「だいじょうぶ、だった、かな……」
「ライヴスの反応はないようですし、念のためこの後確認してみますわ」
 ファリンがコンテナに集められた玩具の数などものともしないと言った風にバリケードをどかしにかかる。
 従魔を倒せばそれで終わりではない。
 平穏を奪われ大切な玩具を従魔の道具にされた子供達の心も救いたかった。
 
●子守唄
 残った玩具は翌日子供達の元に返される事になった。
 今回の事件を解決したリンカー達に口々に礼を言う人々の中で、子供達は複雑そうな表情のままだった。
 あの戦いで従魔に憑りつかれ破壊された玩具は十五体。中にはすでに殺された犠牲者の持ち物もあった。
 残った玩具も酷いトラウマを抱える事になった子供に返す事は控えたが、怖がりながらも自分の玩具を見ると駆け寄って来た子供も少なからずいた。
「大丈夫、おもちゃに憑りついた怖いお化けは私達が倒したから」
 琴葉が差し出したぬいぐるみを抱えた女の子がありがとうと小さな声でお礼を言う。
 渡されたぬいぐるみや人形にはファリンが作った小さなお守りが付いていた。
「悪いものから守るおまじないですわ。兎は幸運のシンボルですのよ」
 ヒーローの人形を手に取った男の子は、やっぱりヒーローはお化けなんかに負けなかったんだと目を輝かせている。
 従魔に憑りつかれて壊れてしまった玩具の持ち主もいた。
「ティナ見たぞ。悪い玩具と戦って壊れてしまったんだ」
「……うん、かっこよかった」
 戦車と兵士の模型の持ち主だった兄弟はティナと黎夜が拾って来た砲塔とヘルメットの欠片をぐっと握りしめた。
 別の所では大好きだった人形や、思い出の詰まった玩具をなくした子供達が泣いている。
「そうか……本当に大切にしていたんだな」
 レイも悲しむ子供達に話しかけ、拙い言葉で訴えられる気持ちに耳を傾けていた。
 中には玩具達がどうしてこうなったのかしっかり理解している子供もいたが、そんな子供であってもショックを受けている事には変わりない。
 悲しみばかりでなく玩具に対して抱えてしまったトラウマや恐怖も深刻な物だ。抱え込むより吐き出してしまった方がいい。
「み、皆で……お、お弔い、しようか」
 燃衣の提案は子供達にとっては不思議なものだったようだ。
 どうするのかと聞いて来た子供達に、燃衣がやり方を教える。
「お星様になれるよーに……ね……」
 玩具の代わりに用意した藁人形を炎にくべる。
 場所は従魔との戦いが繰り広げられた広場だった。
 子供達は幼心に儀式めいた何かを感じたのか、じっと炎を見詰めている。
「これが終わったらみんなで遊びましょうか」
「そ、そうですね……皆、しばらく遊んでない、ですよね……」
「皆いつもは何をして遊んでます?」
 ファリンの一言を皮切りに、翳りが濃かった子供達の顔も少し明るくなった。
「歌を歌うのか? それはいい。俺も歌が好きなんだ。そうだ、面白い物もあるぞ」
「歌! 歌ならティナも歌える!」
「……えっと……少し、だけなら……」
 何日も怯えて夜を過ごした子供達に少しだけ笑顔が広がって行く。
 これが本当に心からの笑顔になるにはまだ時間がかかるだろうが、それも少しずつ癒えて行くだろう。
 数日後、町ではちょっとした光景が見られるようになる。
 笑顔ではしゃぐ子供達と、子供達と一緒にぬいぐるみや人形と踊るリンカー達。
 彼等を見守る大人達も子供達と同じ笑顔が溢れていた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 薄明を共に歩いて
    木陰 黎夜aa0061
    人間|16才|?|回避
  • Sound Holic
    レイaa0632
    人間|20才|男性|回避
  • 野生の勘
    ティナaa1928
    人間|16才|女性|回避
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エージェント
    遠江 琴葉aa2565
    人間|16才|女性|攻撃
  • 危急存亡を断つ女神
    ファリンaa3137
    獣人|18才|女性|回避
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