本部

警備? いえ、温泉療養です。

星くもゆき

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
12人 / 4~12人
英雄
12人 / 0~12人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/01/17 20:41

掲示板

オープニング

●訪れてアイスランド

 エージェントたちが空港に降り立つと、暗闇の空が彼らを出迎えた。
 しかし、夜中にやってきたというわけではない。時刻は午前9時を回ったところだ。

 彼らが訪れたのは欧州の島国、アイスランドだ。北極圏近くに位置するアイスランドでは冬場の日照時間が非常に短く、午前9時であっても日は昇らない。太陽が顔を見せてくれるのは1,2時間後といったところだろう。そしてそこから4,5時間も経てば再び夜が戻ってくる。

 そんなアイスランドのケプラヴィーク空港に彼らがやってきた理由は言わずもがなH.O.P.E.の任務である。
 何でもアイスランドに愚神が残したと思われるドロップポイントが発見されたらしいのだ。とはいえサイズは豆粒程度に小さいもので差し迫った危険は全くない。何故そんな大きさのドロップポイントがあるのかは甚だ謎である。
 本来であればゾーンブレイカーを派遣してサクっと処理してしまうところなのだが、術者は数が少なく多忙であるために即日の派遣は困難だった。
 だからH.O.P.E.は当面は周辺区域を立ち入り禁止にして待ってくれと返答したのだが、現地の者がそれは困ると跳ねつけた。H.O.P.E.の要請を聞き入れてくれそうになかったので、代案として1日の間の警備員が派遣されることになったのだ。翌日にはゾーンブレイカーが送られてくる予定になっている。

 そういった経緯で、正月休みをのんびり過ごしていたエージェントたちはアイスランドにやってきた。束の間の休日を台無しにされ、一行は嘆息を漏らす。

 空港には出迎えの人間が待機していた。

「お待ちしておりました。件の場所へはここから車で送らせて頂きます」

 しばらく車に揺られて、一行は目的地に到着した。辺りはむき出しの岩だらけだ。何という殺風景な場所か、とエージェントらは一層滅入ってしまう。

 だが、案内役についていくと何やらただ物悲しいだけの場所ではないような……。

 たどり着いた建物の正面玄関を通ると、もしかして宿泊施設のレセプションのような……。


「お話は聞いております。皆様のお部屋にご案内致しますね」


●警備任務 in スパ

 エージェントたちが連れてこられたのは広大な露天風呂を有する保養地だった。温泉というよりはスパとか健康ランドと呼んだほうが近いだろう。規模は市井の施設とは比べ物にならないが。
 ドロップポイントが発見されたのはこの施設の敷地内だった。だが経営会社はちんけなドロップポイントで施設の一時閉鎖などする気はないと頑として営業続行を宣言した。
 緊急性が低いもののH.O.P.E.として何も手を打たないわけにもいかず、現在の状況と相成った。

 しかし今となっては、そんなことはエージェントにとってどうでもいい話だ。

 だって露天風呂だもの。リゾートだもの。

 小さなドロップポイントだし危険性はほぼ皆無だろう。何か起きたらすぐに駆けつければいいだけの話だ。
 本来なら自宅でのんびり過ごすはずだった。期せずして訪れたこの保養地でいくらか羽を伸ばしたって文句は言われまい。


 この1日を遊び尽くす――エージェントたちは固く胸に誓うのだった。

解説

警備という名目で楽しく過ごして英気を養いましょう。
(従魔等は最後まで現れないのでどうぞ羽を伸ばして下さい)


場所はめちゃんこ広い露天風呂。もはや温水プール。
日本の温泉ではないので水着着用が鉄則、しかし男女混浴。

冬で日照時間が短く、暗くないのは昼前からせいぜい4,5時間。
しかもそれほど明るくならない。
シナリオスタートは日が昇った状態。自室からとなります。

以下ギミック。

・温泉を楽しむ
普通に温泉を楽しんじゃいます。泳いだりもできそうです。
ドリンクを購入して温泉内で一杯も可。ビールやワインも可。
未成年はNG。成人してるかグレーな方もNGです。
温泉内に白い泥が置いてある所があり、それでパックしてお湯で流すとお肌ツルツルです。

・サウナ
説明不要。我慢比べも良いですが無理をなさらぬよう。

・レストラン
魚介系、肉系、菜食系から選択可とします。
選択なしでも構いません。
夜はデザートもあり。

・売店
併設のショップでスキンケア用品が売っている。なかなか手に入らない逸品。
美容トークで盛り上がるのも一興。

・ホテルの部屋でくつろぐ。
自室に戻ってゆっくり過ごす。飲酒や食事、仲間と談義などのんびりと。
テラスから外も眺められるがかなり殺風景。
ホテル内にも露天風呂あり。少し遅い時間まで開いてる。

・オーロラ
暗くなればオーロラが観賞できるかもしれません。
自室のテラスや露天風呂から。殺風景ですが散歩しながらでも良し。
良い雰囲気になってしまうかもしれませんね。

以上のものを自由にお使い下さい。
すべて活用すると採用しきれない可能性が高いので、どういうシーンが見たいか優先順位を考えておいて下さい。


温泉では水着着用なので、地味め or 派手め 程度は記して頂けると助かります。
堂々と入るか、恥ずかしがるのか、それとも頑として混浴露天風呂を避けるのか。

リプレイ

●休暇という任務

 宿泊する部屋に案内されたはいいものの、言峰 estrela(aa0526)は今回の任務を訝らずにはいられなかった。
「軽い警備に12人もの配備……そしてこの待遇」
 H.O.P.E.から渡された依頼書類に目を通して、眉根を寄せて思案に耽る。
(任務の名目で羽を伸ばせということかしら……)
 組織の内情を考えると呆れてつい溜息が漏れる。だが折角の配慮なのだ、空いた時間はありがたく使わせてもらおう。
 エストレーラは、部屋の窓から黙って外の景色を眺めていたキュベレー(aa0526hero001)に声をかけ、辺りの施設を適当に回ってみることにした。

 自室で今回の任務について考えていたのは、イリス・レイバルド(aa0124)とアイリス(aa0124hero001)も同様であった。
「警備、のはずだよね……?」
 ベッドにダイブしてごろごろしていたイリスが姉に尋ねる。
「まあ脅威となりうる可能性はゼロではないが……現状は脅威でも何でもない建前の警備任務だったということだろうね」
 アイリスは荷を開きながら答える。
「とりあえず現場のチェックと現場への最短ルートだけは頭に入れておこっか」


●ドロップポイント見学隊

「……豆粒」
「よく作れたな……」
 報告に聞いたドロップポイントを目にしたユフォアリーヤ(aa0452)が思わず呟くと、ライン・ブルーローゼン(aa1453hero001)が頷いて返す。ちなみにラインの相方、散夏 日和(aa1453)は先に温泉に向かって水着をセレクトしている。
「どんな理由でこんなもん作ったんだかな……嫌がらせかね?」
「同感だ。何故こんなものを……」
 誰がいつ何のために。碌に成果も見込めないようなみすぼらしい異世界領域に、麻生 遊夜(aa0452)は首を傾げ、メイナード(aa0655)は困惑した表情を見せる。
「こ、これぐらいのサイズってよくある物なんでしょうか……?」
 後学のために見学していた新米エージェントの棚橋 桜(aa2464)と英雄ニコラス スミス(aa2464hero001)から質疑の声。
「いや、こんなに小さいドロップポイントなんて僕も初めて見る物ですよ。普通はもっと、人々を巻き込むような大きい物のはずですが……」
 後輩に教えるのはハーメル(aa0958)だ。彼も墓守(aa0958)と共に見物に訪れていた。
「愚神はいなくなったのに残っているということは定着してるというわけだが、どうやったらこんなのが定着するんだ?」
 当然湧き上がる疑問を緋褪(aa0646hero001)が口にする。
「体より小さいドロップポイントってどうやって機能するのかな?」
 來燈澄 真赭(aa0646)も気になったことを言ってみる。
「ここの支配人辺りになら情報上がってるだろうし聞いてみるか、間違っても誰かで実験しようとかするなよ?」
 釘を刺す緋褪に、わかってるよ、と真赭が返事。ポイントの確認を済ませると足早にその場を後にする。
「とりあえず一風呂浴びるとしようか」
「……ん、洗いっこしよう?」
 考えても答えは出ない、遊夜が温泉を提案すると、リーヤが何やら期待の表情。
「ああ混浴なんだっけか……そうだな、たまには良かろう」
「……ん!」
 餌をもらえた犬のよう、リーヤは尻尾をぶんぶん振って気持ちを逸らせる。
「任務かと思えば、まさか温泉療養になるとはね。ラッキー……なのかな?」
 僥倖に喜びたいメイナードではあったが、彼はさっきから生涯で感じたことのないような悪寒に襲われていた。
(……何だ?)
 彼の知らぬところでAlice:IDEA(aa0655hero001)の温めていた計画が始動したなどと知る由もなく。
「日和が変な水着を選んでいないか心配だな」
 皆に合わせてラインも、主人に任せておいた自分の水着がどうなったかを確かめに温泉へと。
「水着ですか。僕もレンタルするなりして温泉に入ろうかな……混浴は恥ずかしいけど。あ、でもそうなると墓守さんは……」
 ラインに話していたハーメルは何かに気づいたように、ふと墓守を見やる。覆面で素顔を覆い隠した彼女を。
 墓守はその視線に気づいていないかのように静かに歩いていた。さすがにハーメルの師匠といえる存在なだけはある。
 心中ではどうやって入浴しようか物凄く悩んでいたとしても、決して表には出さないのだ。
 そんな墓守を含めて大体の仲間が温泉に向かって去る中、赤谷 鴇(aa1578)は防寒着を重ね着した重厚装備で未だドロップポイントを眺めていた。肩にかけた小さなバックパックにはホテルで用意してもらったサンドイッチ等の軽食が入っている。彼はしばらくこの場に留まるつもりなのだ。
「ドロップゾーンの監視とかいらねーじゃん、オレらも風呂であったまろーぜ」
 付き合わされている相方のアイザック ベルシュタイン(aa1578hero001)が抗議するものの。
「どーせ女目当てでしょ」
 鴇は一蹴。問答無用でアイザックと共鳴して幻想蝶からフラメアを顕現させると、一振り。そして構え。
「温泉も良いけれど、自主練だって悪くないだろ?」

●温泉っていいよね

 クレア・マクミラン(aa1631)とリリアン・レッドフォード(aa1631hero001)はすでに水着に着替えて広大な露天風呂に立っていた。クレアはシックな黒い水着、リリアンは赤地の花柄、両者の性格が表れている。
「クレアちゃん、軍にいた頃と体型変わらないのね……」
「当たり前だ。体が資本の仕事で手は抜かないさ」
 まじまじ眺めてくるリリアンに、クレアは少し生真面目な回答。
「そう……でも働きづめもだめよ? たまには体を休めないとね、クレアちゃん」
「わかってるよ、ドクター。私だって年末にヴォジャッグを相手にしたのに休みがないのは御免だ。今日はゆっくりさせてもらうよ」
 微笑むクレアの手にはスコッチウイスキーのグラスがある。なるべく静かな場所に陣取り、スコッチを飲んで入浴。実に癒される時間だ。

「混浴って言っても水着着用だと温泉プールだよね」
 薄いブルーのタンキニ水着の真赭と、黒いサーフパンツの緋褪も温泉に入場。
「泳ぐなよ?」
「さすがにそれはないよ」
 再び緋褪が釘を刺す。真赭がはしたなく泳ぐのも心配なのだが、眠って溺れやしないかということも実は心配していたりする。
「真赭さん、緋褪さんもいらしたんですか。おや、鴇さんが見当たりませんね」
 先に1人で入浴していた坂野 上太(aa0398)が挨拶をかける。
「そういえばポイントの近くに残ったようだったな」
 去り際に鴇が槍を振っているのを見た緋褪が思い出したように答えた。
「そうですか。仕事熱心ですね~」
 少し枯れた、だが優しみの感じられる声で上太は感心するのだった。
「せっかく温泉に来てるってのによ、それって損じゃねえか? 俺様は遊べるだけ遊んでいくぜ!」
 少し遠くで豪快にはしゃいでいたバイラヴァ(aa0398hero001)が真赭たちの姿を見つけて近寄ってきた。どこで塗りたくってきたのか、全身が白い泥にまみれている。
「何て格好なの、面白いけど」
「何でもこの泥で肌が綺麗になるらしいんでな、全身に塗ってみたぜ!」
 真赭に呆れられてもバイラヴァは満面の笑み。温泉をとことん楽しみ尽くす彼の1日は始まったばかりだ。

 ニコラスは地味なトランクスタイプを装備して、浴場で桜が着替えを済ませて来るのを待っている。桜は身長に対して不思議と発育が良いので着られる水着が少ないようで、選ぶのに難儀していた。
「ニコラスさん……」
 足音が近づき、そして桜の小さな声。
「遅かったですね」
 振り向いたニコラスの目の前には、シンプルな白ビキニを着用した桜の姿があった。
「その、合うサイズがなくて……これでもおとなしめの水着を選んだんですけど……」
 赤面しつつ、そわそわと腕でお腹を覆い隠している。だがそれがむしろ強力な胸部装甲を下から支え上げて強調してしまっており、ニコラスは内心かなり動揺してしまう。
「……と、とりあえず温泉とやらに入ってしまえばそれほど目立たなくなるのではないでしょうか」
 その言を受け、桜はニコラスの背に隠れながら湯を目指す。
「お姉ちゃん……よくその水着で堂々と歩けるね」
 桜のすぐ傍でそんな声が聞こえた。
 振り返るとそこには、同じくアイリスの背に隠れて場内を歩くイリスがいた。少し尊敬の混じった視線でアイリスを見上げている。普通のワンピースタイプのイリスに対し、アイリスは背中が大きく開いた水後を着ていた。
「はははっ、羽のせいで背中が開けたデザインでないと着れないのだよ」
 アイリスはそう笑うと、イリスの顔から視線を上げる。そしてニコラスと目が合う。桜を背に隠すニコラスと。
 互いの状況が酷似していることに、2人は苦笑い。
「お互い苦労しますね、ニコラスさん」
「い、いえ……」
 主の手前、苦労などとは言えず、ニコラスは笑うのみであった。

「いやぁ広い。これなら私ものんびりできそうだ」
 巨漢、メイナードおじさんが普通の水着で入ってきた。一般的な湯船にはとても収まらない体躯のため、こういう大浴場ぐらいでしかじっくり入浴などできないのだ。
「どうですか、おじさん。この水抜きが旧スクのポイントなんですよ」
 隣ではイデアが旧文化の趣を解説しているのだが、おじさんはそもそも旧スクという物からしてわからないので聞き流すことにした。
 メイナードらに続いて日和とラインも参戦。水色の花柄ビキニで堂々と闊歩する日和、至って普通の無地の水着を無事着られたラインがすぐ後ろをついていく。
「ライン! 私はひとまずお湯に浸かっています。飲み物を買ってきて」
「ああ……」
 寒い中、人使いが荒いとは思うが決して言葉には出さない。それが執事。
 ラインが向かったバーでは、遊夜とリーヤが何かやりとりをしながらドリンクを購入していた。
「……ん、あっち行こう?」
 人がいない広い場所を指して急かすリーヤ。露出度高めのチューブトップ水着を着用しており、温泉遊びにも遊夜へのアピールにもしっかり気合が入っているようだ。
「へいへい、お手柔らかにな」
 広大な風呂は気分を高揚させるものだ。今日はリーヤにどれだけ振り回されるのかと遊夜は苦笑する。

 泥パック。好奇心に負けたハーメルは、場内に配されている白い泥で顔を覆い、寒空の下の温浴を楽しんでいた。
 そこに、来訪。
「おや、この白い泥は何だい?」
「……わかんない」
 体を洗い終わったイリスとアイリスが適当に歩き回った末に泥パックへたどり着いた。
「肌がツルツルになるらしいですよ」
 2人の様子を眺めていたハーメルが泥の効能を伝えるが、2人はびくんと体を跳ねさせる。
「誰かと思ったらハーメルさんなのかい? 一瞬誰だかわからなかったよ」
「お化けみたい」
 たっぷりと泥を塗りつけたハーメルの顔は、もはや人相を判別できないほどだ。驚かせたハーメルは悪戯っぽく笑っている。
 肌が良くなる、と聞いてアイリスは泥を一掬いして頬に塗ってみる。
「ふむ、よくわからんな。やはり人とは体のつくりが違うせいか?」
「お姉ちゃん、いま躊躇なく試したよね」
「よし、折角だからこの泥でイリスの体を洗おう」
「何でそうなるの!?」
 ははは、と笑いながら泥をイリスに塗りたくっていくアイリス。拒否の意を示しているのに抗えず泥人形にされていくイリス。仲の良い(?)姉妹ぶりを振りまいている。
 その楽しげな雰囲気に惹かれて、遠くではしゃいでいたリーヤがそっと近づいてきた。
「……ん、これ何?」
 付き添う遊夜に尋ねる。
「泥パックだな、肌に良いらしいぞ? つけてみるか?」
 激しく首を縦に振るリーヤ。それは泥への興味なのか、はたまた遊夜に塗ってもらえるからなのか。
 ともかく遊夜はリーヤの顔や体に泥を塗ってやり、少し待ってリーヤは湯に潜って泥を洗い流す。
「……ん、綺麗になった?」
 手でペタペタと体を触る様は、どことなく楽しそうだ。
「おう、全身ツヤツヤだな!」
「……ん!」
 笑顔で親指を立てて見せる遊夜に、リーヤはすぐさま抱きついた。そしてその肌触りを主張するように全身をすりつけていく。
「やれやれ……」
 しがみついたリーヤを振りほどくのは困難。遊夜は仕方なく、そのままの状態で湯に浸かることにする。
「麻生さん、リゾートだっていうのに大変そうだなぁ……」
 未だパック中のハーメルがぽつり。あと少し、あと少しと考えているうちに洗い流すタイミングを逸していた。
「あら、これは……この泥がパックになるんですのね」
 泥に惹かれた女性がまた1人。日和は興味津々で大量の泥を手に取り、迷いなく顔をコーティングしていく。ハーメル同様、誰だかわからなくなるほどに。
「日和……買ってきた……!? な、だ、誰……?」
 ドリンク購入の使命をようやく成し遂げたラインが戻ってきたが、パック中の日和の顔を見て仰天。
「ライン! ……ちょっと失礼でしてよ!」
 痛烈な蹴りがラインの背中を襲う。肌を叩く乾いた音がいかにも痛そうだ。
「すまない……その蹴りは、日和だな……」
 キックの威力、恐怖で自らの主であることをラインもしっかりと認識。2度目の『失礼でしてよキック』を喰らったのは言うまでもないだろう。

 パックに興じる若者あれば、酒に興じる大人もいる。
 メイナードは警備任務中なのだから酒の誘惑に負けない、と意気込んでいたがその覚悟はとっくにどこかへ消え去っていた。グラスを空にしてはバーへ行き、もう何往復したことか。
「これほど幸せな任務があるだろうか……」
 グラスを傾けしみじみ、おじさんの哀愁漂う。
「呑みすぎだぞ……」
 緋褪がせめて量を慎むようたしなめる。だが彼も、うとうと半身浴をしている真赭が溺れないよう見守りつつも一献やっちゃってはいる。
「酒に酔うようではエージェントなんてやっていられませんよ」
 スコッチをしこたま呑んでいるクレアがぽつり。酩酊してはいないが、普段の彼女よりは少し口が回っている。
「もう空になってしまった。またバーまで歩く、というのも結構手間だな」
 酒が回ってぶつぶつとそう言っているメイナードの元に、イデアが1杯のグラスを持ってやってきた。
「ペースが早すぎますよ、おじさん。もっとじっくり楽しんで下さい」
「どうしたんだい、イデア。気が利くね」
 ありがとう、とイデアのグラスを手に取るおじさん。普段の彼なら、イデアの外見では酒が買えないということに気がつくはずだが、酔っているために疑うことなく呑んでしまう。
(運命の女神様からいただいた好機、逃しませんよ)
 程なくして、おじさんは人生最大級のピンチを迎えることになる。

「それじゃ、僕は食事に行ってきます」
「おう! 坂野のおっさん、行ってこい。俺様は……ここの警備を続けるぜ!」
 レストランに向かう上太を見送るバイラヴァ。彼が言う警備とは遊ぶという意味である。
 とはいえ泥パックもやって色々ドリンクも飲んで泳ぎ回って、粗方やり尽くしたバイラヴァは浴場をぶらぶらと歩き回ることに。
 誰か一緒に来たエージェントにでも声をかけるかと思ったバイラヴァは、キョロキョロと周囲を見回しながら所在なく入浴中のハーメルを発見する。
「どうしたハーメル! 1人か?」
 どぼん、と飛沫をあげてバイラヴァはハーメルの隣へ。
「はい……墓守さんとご一緒したいとは思うんですけど、素顔を見られるわけにはいかないって……」
 そう、墓守は素顔を現さない。だが彼女は風呂には入りたいと思っていた。そこで彼女が取った策は、仲間たちと分かれた状態であえて素顔のまま入場し、そのまま入浴が終わるまで一般客に紛れて行動することだった。彼女の素顔を知る者はいないのだから、素顔の彼女を墓守だと認識できる者はいないのである。
「そうか、お前んとこは大変だな」
 うんうんと頷きながら、バイラヴァは次なる標的を見つけた。
「おい、何かあいつコソコソしてんな」
 バイラヴァが指す方向には、湯に浸かりながらも未だニコラスの背に隠れている桜がいた。
「ああ、何だか恥ずかしいみたいですよ」
「何!? 恥ずかしいだと!」
 ざばぁっと立ち上がるバイラヴァ。そのままずんずん進んでいって桜の下へ寄っていく。
「?」
 突然、目の前にやってきたバイラヴァにきょとんとする桜。
「恥ずかしがるなよ桜! そんな恥ずかしさなんざ、俺様がぶち壊してやるぜ!」
 そう言うや否や、バイラヴァは場内に響き渡る大声を出して走り出した。場内の視線を全て一身に集めれば、恥ずかしい思いはしない、という何とも豪快な解決法だった。
「この俺様の鍛え抜かれた動きを見ろ!」
 湯にダイブしたり、絶叫して飛び回ったり、全開のパフォーマンス。確かに視線は一身に集まる。
 そして警備員の視線も集まる。
「うおー! 俺様の戦場がぁぁぁ!」
 連行されゆくバイラヴァは、その後は浴場に入れてもらえなかった。

●我慢比べ

 浴場付設のサウナには、小湊 健吾(aa0211)とラロ マスキアラン(aa0211hero001)が真剣な面持ちで座していた。
 事の発端はラロの挑発であった。
「あの元気だった君はどこに行ったというんだい? あの頃の君ならラロに負けるなんて我慢できなかっただろうに。今では賢気に勝負を避けて負け犬な自分をごまかしているんだろう? そんな君を見ることになるなんてラロは寂しいよ」
 ラロの渾身の売り言葉を、健吾は年甲斐もなく買ってしまった。そういうつもりはさらさらなかったが、そうまで言われては引き下がれない。健吾にとっては負けられない戦い。
「ってことで悪いな。あんたも付き合ってくれよ」
 にやりと笑いながら健吾が視線を向ける先には、遊夜とリーヤがいた。
「いやぁ気にするない……限界に挑戦するのも悪くない」
 汗だくの遊夜もにやりと返す。
「……ん、我慢大会?」
 状況がよくわかっていないリーヤは首を傾げる。
「賞品はないがね、男の意地ってやつだ」
「……もう、子供だねぇ」
 普段とは逆の立場、リーヤが遊夜に呆れてくすくすと笑う」
「……ん、じゃあ、頑張って、ね?」
 どさくさに紛れるように、リーヤはそっと接近して、背中に密着。がっしりとホールドして再び体をすりつけてくる。健吾はその様子を見て、少し羨ましそうに、そして少し哀れむような表情。
「……ちょっと後悔してきた」
 うなだれて、額に手を当てる遊夜。
 しばらくして、黙って耐えることが出来なくなってきた健吾がラロに攻めかかる。
「よぉ、ラロ! この仕事の報酬で熱々のホットケーキとココアなんてどうだ? 口に頬張ると火傷しそうな熱いやつをよぉ! ……やべ、想像しちまった」
 痛恨の自爆。削られる健吾の忍耐力。
 結局、その後も幾度かラロを攻撃してみたものの、ラロの鬱陶しさや勢いに負けて健吾自身がダメージを負い敗北。バーで大量のジュースをラロにおごる羽目になった。

●閑話

 リリアンが泥パックに興じる間に一足先に風呂を出たクレアは、その足で売店に向かっていた。ワインを買うつもりで来たが生憎とラインナップにない。
 そこで、店員にスキンケア商品の話を聞いていた真赭の姿を見かけ、それなら自分もそれを買おうということで俎上に上った商品を購入した。
 レジで支払いをしていると、近くにまたもや真赭。黒い物体が入った袋、リコリス菓子にチャレンジして悶絶しているところだった。
 何をしているのか、と呆れながら、クレアも懐かしのリコリス菓子を1袋買って売店を後にする。

 ホテルのレストランでは上太と日和、ラインが相席してディナーを楽しんでいた。
「これは……素晴らしい出来ですね」
 近海で取れた魚、海鮮料理に合わせて白ワインを口に含むと、ついつい口元が緩んでしまう。
「あら、坂野さんの注文なさったコースも美味しそうですわね」
 上太の表情を見て日和が声をかける。日和が注文したのは肉料理のコースだった。
「ワインも美味しいよ。散夏さんたちは飲まないのかい?」
 上太と一緒にラインも日和を見る。ラインは料理のことなどわからないのでコースはウェイターに任せてしまったし、ワインも日和に一任している。
「後でお部屋で飲もうと思っていますの。白と赤、ラインと2人で」
 静かに料理を口に運び続ける日和。上太もそれ以上質問するという野暮はせず、食事の続きへと。

●オーロラ

 エストレーラとキュベレーは2人きりで夜の散歩をしていた。岩だらけの殺風景な土地だが、それはそれで趣があるし、北国のここでならオーロラが見られる可能性だってある。
「ねえ、キュベレーはオーロラって見たことある?」
「……知らんな」
 少しばかり冷たい返答。
「オーロラっていうのはね、ローマ神話の暁の女神。アウロラに由来しているみたいでね? 神話や伝承でも……」
「プラズマと磁場の相互作用で発光する自然現象だろう……? それくらいは知っている」
 情感の欠片もない言葉にエストレーラは溜息をつき、そういうことじゃないのよと頬を膨らませて訴えかける。
 だが、キュベレーは関心を示すこともなく空を見上げている。カチン、とエストレーラは相方に詰め寄ろうとするが――。
「あっ」
 彼女が、そしてキュベレーが見上げる先の空には、光の粒子が舞っていた。美しい輝きでゆらめく、オーロラがそこにある。
 そこで感傷に浸るのが普通だが。
「目撃したわけだが、帰るか」
 あっさり踵を返すキュベレーに、ええーと残念がるエストレーラ。だが思い出したようにポケットからカメラを取り出すと、相方の腕に自分の腕を絡めて抱き寄せ、恋人同士のようにオーロラをバックにした写真を撮る。
 パシャリ。
「……アレは写るのか?」
「えっ!? 写らないの……?」
 がっかりしたように、カメラを見つめるエストレーラを置き去りにしてキュベレーは歩いていき……。
 ぽつり。
「……お前の瞳に刻んでおけば良い」
 静かな言葉。エストレーラは惜しむようにオーロラを見つめ、キュベレーを追う。

 散歩中にオーロラを眺めていた者たちは他にも。
「日本じゃ滅多にお目にかかれんからな……役得ってところか」
「……ん、綺麗」
 遊夜に寄り添い、ぎゅっと抱きついて。風呂やサウナとは違う雰囲気で。
「そうだな……自然の神秘。これもロマンだ」
 リーヤの頭をなでてやりながら、彼らもまた瞳に焼き付けるように――。

「ったく、うだって調子悪ぃな……」
 敗北者、健吾は気分転換に外を歩いていた。寒さが火照った体に心地よい。
 大人げないことをやってしまった、とため息を吐いたところで、ラロが一言も発していないことに気がつく。あのお調子者でうるさいラロが、である。
 振り返ると、ラロは空を見上げて固まっていた。健吾もつられて空を見ると、輝くオーロラ。
「何ということだ。何という輝き。まるで壮大な物語のような……」
 いつになく真剣に、感動しているラロを見ると、気分がほっこりとしてくる。健吾はその暖かい気分に浸りながら、共にオーロラを見上げ続ける。

「見てごらん、イデア。あれがオーロラだよ……私も見るのは十数年ぶりだな」
 風呂上りの散歩に出ていたメイナードたちも空の光を目撃する。
「光の渦、ですね。これを見ただけでも来た甲斐はありましたね、おじさん」
「ああ、そうだね。今日はいい1日だったよ」
 ほんわか……しているが、おじさんはこの後ピンチを迎えます。

 お風呂から上がってようやく墓守と合流したハーメルも、オーロラを観察することに成功。
「はは、年始早々にこんなものを見られるなんて、今年は良い1年になりそうですね、墓守さん」
「……そうだな……綺麗だ」
 たっぷりと入浴を楽しみ、神秘的な光景も見られ、墓守の声もどことなく弾んでいるようにハーメルには感じられた。

 ドロップポイントの監視及び自主練を続けていた鴇の目にも、神秘の輝きは届く。
「オーロラか、見せたかったな」
 流れる汗を持参したタオルで拭いながら、嬉しそうな声。
「……あのさあ、ほぼ外しか見れなかったんだが、水着の女の子見たかったんだが?」
 アイザックにとってはオーロラなどどうでも良い。彼には光の神秘などいらないのだ、彼が欲していたのは女体の神秘なのである。
 部屋に帰るまでの道すがら、鴇はアイザックの文句を延々と聞かされる羽目になった。

●憩いの部屋

 桜とニコラスは自室のテラスでオーロラの出現を待っていた。
「オーロラ、見られると良いんだけど……」
「見えなくても風邪をひかない程度で諦めて下さいね?」
 テラスから離れない桜に、ニコラスが毛布をかける。それに包まりながら、桜はニコラスの腕に抱きついてにこっと笑う。
「暖かいから大丈夫」
「自然現象相手ですから、そんなにすぐに諦めろとは言いませんよ」
 年相応の幼さが見える桜の発言に、ニコラスは思わず苦笑してしまう。
「そんなこと言っても、ニコラスさん優しいから『女性が体を冷やすのは良くありません』とか言いそう」
 茶化すようにくすくすと笑う桜に対してニコラスは困り顔で。
「否定できないのが何とも……ん? あれは違うのですか?」
 空を指差すニコラス。その先には――。
「え? ……オーロラだ、綺麗……」
 空の芸術に見とれてしまう桜。
「壮観ですね。これほどとは……」
 冷えないように、お互い毛布に包まってぴったりくっつきながら、2人は無言でオーロラを眺め続けた。

 クレアとリリアンは自室でのんびり、飲酒と食事を楽しんでいた。
「まさか日本でラクリッツシュネッケンがここまで嫌われているとは思わなかった」
 話題に上っているのはリコリス菓子、原因はもちろん売店で悶えていた真赭を見たことだ。
「日本じゃラクリッツは漢方薬の材料だものね。ヨーロッパじゃ甘味料の一面があるけれど」
 そんなたわいないカルチャーギャップの話をしているうちに、夜空には特別な輝きが生まれ始める。
「あ、クレアちゃん、オーロラ」
 リリアンが気づいて、窓際に歩み寄る。クレアは売店で買っておいたプレゼントを持ち、こっそりと近づいて彼女の眼前に不意に差し出す。振り返ってクレアの顔とプレゼントを交互に見るリリアン。
「まぁ、ほら、なんだ。特に何かの記念日ってわけではないんだけれど、日頃の感謝というか」
 そっとリリアンは受け取る。
「……意外とロマンチストなのね、クレアちゃん。オーロラ見てる時になんて」
 バカ言え、と濁すクレア。その後もオーロラを見ながらの何でもない会話は、続いてゆく。

 日和とラインは部屋でワインを飲もうかというところで、オーロラと遭遇。
「ライン! オーロラ! あれは天のカーテンとも呼ばれるほど美しいんですわよ」
「オーロラ……? そんなに美しい物なら見ておくべきなんだろうな」
 ワインを開く手を止め、しばし2人で黙して、観賞。
「あれを見ながらワインなんて良いですわね。白と赤、両方開けましょうか」
「ああ、僕は毛布を取ってくるよ。テラスは冷えるからね」

 真赭たちもルームサービスで食事を摂っていた。真赭はジュース、緋褪は酒。
 テラスでのオーロラ観賞と洒落込みながら、昨年の苦労を振り返っていた。
「昨年は生駒山で重体になったりと色々あったねぇ……」
「あれはさすがに肝が冷えた。無茶をするなとは言わないが、引き際だけは見誤るなよ。きみにとって動物が最優先なように、私にとってはきみが最優先なんだからな」
「まぁ今年も色々とあるだろうけど、これからもよろしくね」
 コン、と互いのグラスを合わせる。昨年はありがとう、今年もよろしく、と。

「光の、カーテン?」
 イリスがまん丸な目を、夜空に向けていた。
「不思議だけど、綺麗だねお姉ちゃん……あ」
 ふと、オーロラに負けず美しい歌声が部屋の中に響く。アイリスが、無自覚に歌声を発していた。
 美しく、幻想的で、そしてちょっぴり優しい。妖精の子守唄。
 無意識に歌っているその歌は、わずかに集中が途切れるだけでも消えてしまう儚い歌。
 イリスは無言でその歌に聞き入り、オーロラを見る。この幸せな時間を、一秒でも長く過ごしていた、と思うから。

●閑話2

「んで、何したかったの?」
 アイザックがむしゃむしゃと夜食を頬張りながら鴇に尋ねる。
「いざって時にうまく動けなきゃ困るからさ。あと俺の楽しい休暇的な? アイザックは好き勝手してんだからさ、たまには契約者の意向に従ってよ」
 契約者は屈託のない笑みを向けてくる。
「へぇへぇ了解。次から突然入れ替わんなよ昴。鴇の知り合いの近くで鴇のフリとか肝冷えたんだぜ?」
「覚えてたらね。バレるわけないけど」
 それは、2人だけの部屋で交わされた会話。誰にも聞かれることのなかった会話。

 遊夜やハーメルがホテルに戻ってくると、メイナードの部屋の扉の前で、何も言わず立っているイデアの姿を見かけた。
「どうしたんですか?」
 ハーメルがイデアに聞く。イデアは悲しそうな目を返す。
「おじさんが……おじさんが……」
「メイナードさんがどうした?」
 今度は遊夜が尋ねる。リーヤは何やら不吉な予感を感じ、遊夜の腕をきゅっと掴む。
「おじさんが……」
 言いよどむイデア。
 遊夜たちはごくり、と喉を鳴らして――。

「おじさんが……部屋に帰るなり卒倒したのですが、無意識に起き上がってトイレに駆け込んで、そこまではまだいいのですが何やらトイレの中から『愛しているよ。君は運命の人だ』とかいう恐ろしい言葉が聞こえてくるのです。トイレの中で、ですよ? 一体その言葉が何に向けて放たれているのか……考えただけでも寒気がします。何という恐ろしさ。何故こんなことになったのでしょうか?」


「メ、メイナードさーーーーーーーーん!!!!」

 おじさんは何とか一命を取り留めたようです。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 影踏み
    小湊 健吾aa0211
    人間|32才|男性|回避

  • ラロ マスキアランaa0211hero001
    英雄|23才|男性|ソフィ
  • 繋ぎし者
    坂野 上太aa0398
    人間|38才|男性|攻撃
  • 守護の決意
    バイラヴァaa0398hero001
    英雄|20才|男性|ソフィ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • 危険人物
    メイナードaa0655
    機械|46才|男性|防御
  • 筋肉好きだヨ!
    Alice:IDEAaa0655hero001
    英雄|9才|女性|ブレ
  • 神月の智将
    ハーメルaa0958
    人間|16才|男性|防御
  • 一人の為の英雄
    墓守aa0958hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • 自称・巴御前
    散夏 日和aa1453
    人間|24才|女性|命中
  • ブルームーン
    ライン・ブルーローゼンaa1453hero001
    英雄|25才|男性|ドレ
  • 馬車泣かせ
    赤谷 鴇aa1578
    人間|13才|男性|攻撃
  • 馬車泣かせ
    アイザック ベルシュタインaa1578hero001
    英雄|18才|男性|ドレ
  • 死を殺す者
    クレア・マクミランaa1631
    人間|28才|女性|生命
  • ドクターノーブル
    リリアン・レッドフォードaa1631hero001
    英雄|29才|女性|バト
  • エージェント
    棚橋 桜aa2464
    人間|20才|女性|生命
  • エージェント
    ニコラス スミスaa2464hero001
    英雄|26才|男性|バト
前に戻る
ページトップへ戻る