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【黒聖夜】サンタ・ブレイズの嫉妬
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非リア充対策部
最終発言2015/12/25 02:09:13 -
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最終発言2015/12/25 00:15:18
オープニング
●騒動の予感
聖夜が近づく、12月。
各国の街がクリスマスムード一色に包まれる中、多くの愚神が不穏な動きを見せていた。
あるモノは西、あるモノは東で。怪しき愚神たちは密かな企みを抱いて待っていたのだ。
人類世界にとって大切な、不可欠のイベント――クリスマスウィークを。
ほどなくして、H.O.P.E.所属のエージェントらにオペレーターからの連絡が入る。
「サンタが現れました」
エージェントらは首をかしげる。
「失礼、何のことかわかりませんね。各地でサンタ姿の愚神が目撃されています。何が起きているのかは把握できておりませんが、エージェントの皆さんは心しておいて下さい。なお、悪事を働くと思われるこれらのサンタをH.O.P.E.では以後『黒サンタ』と呼称することになりました」
●サンタ・ブレイズ惨状っ!
「ゆゆゆゆ、ゆるすまじっ!リア充ゆるすまじっ!」
夕暮れ時の公園、赤とオレンジ色のまだら模様のサンタ服を着た男が声を上げた。
「お前らら行くぞ!」
「いえっさー!サンタ・ブレイズ大尉」
トナカイ達は餓えた目で男を見る。
「声が小さいぞ!」
「さー、いえっさー!」
「よーし!では、我らブレイズ隊は……リア充を爆破する!」
サンタ・ブレイズと呼ばれた男は、黒い袋から様々な玉を取り出した。
「メリー苦リスマース!」
サンタ・ブレイズは声を上げると様々な玉を投げると、クリスマスムードの並木道で悲鳴が上がる。
「デスッ!」
サンタ・ブレイズはその様子を見て笑顔で親指を立てた。
トナカイ達も負けじと様々な玉を投げ、サンタ・ブレイズに敬礼をした。
●ティリアさん(にじゅーきゅーさい)は今年も独りです。
「気持ち、あ、いえ……クリスマスで幸せなムードを壊す迷惑な愚神が出たわ」
ティリアは怖いくらい笑顔で言った。
「街で赤とオレンジのまだら模様のサンタ服を着た男とトナカイがカップルや家族に向けて、かんしゃく玉や胡椒玉などを投げて楽しんでるわ」
「……変なトナカイ達を連れてるサンタ……くっ!」
圓 冥人(az0039)は口元を押さえて笑いをこらえている。
「ちょっと、だまって」
弩 静華(az0039hero001)は慣れた動作で冥人にアッパーを食らわせた。
「トナカイはトナカイで己の欲望を丸出しで、街は大変な状況になっているわ」
今年も独りな(強調)ティリアさんは涙を流しながら説明する。
「私も、頑張る。だから、皆、この変な事件の解決を手伝って」
静華は小さく首を傾げた。
解説
●登場人物
ティリア・マーティスにじゅうきゅーさいどくしん。
「今年も独り……ぶつぶつ」
●作戦目標
愚神サンタ・ブレイズの撃退。
・敵情報
愚神サンタ・ブレイズ
デクリオ級。赤とオレンジのまだら模様のサンタ服を着たサンタ。
武器は黒い袋、チーターもビックリな速さで走るがその他は悲しいほどに弱い。
クリスマスに「手料理をあーん!させてもらう!」ことをして欲しいらしい。
「リア充爆発しやがれ!」
様々な玉を投げる。対象全てに減退(1)
「俺、男でもいけるんだぜ?」
男性に対して猛烈アピールをして精神的にダメージを与えます。
「幼女ぺろぺろ」
幼女(見た目でも可)を見て興奮し、回復や攻撃力を上げます。
従魔トナカイ(10匹)
ミーレス級。燃える鼻を持ったロリコンなきぐるみのトナカイ。
体格は良いが、動きは鈍い。(心の)防御重視。
己の欲望を丸出し、見た目が幼ければ見境なく触ってくる。
「リア充爆発しやがれ!」
様々な玉を投げる。対象全てに減退(1)
「ロリだ!嫁にしよう!」
見た目が幼い少女にハグして回復します。
「野郎カエレ!」
男にタックル。
・場所
夜の街
・撃退後にティリアがクリスマスパーティーをしてくださるそうです。
リプレイ
●シングルにはヘルな日
サンタ服を着た店員、道に植えられた木には色鮮やかな電球が飾られ、行き交う人々は笑顔だ。
平和だ、とエージェント達は思った。
クリスマスのムードに溶け込んでいくエージェント達。
「……ん、リア充……云々なのに、なぜ……クリスマス終了……のお知らせ、じゃない?」
佐藤 咲雪(aa0040)が気だるそうに言う。
「そうじゃないでしょ!」
アリス(aa0040hero001)のチョップが咲雪の頭頂部に直撃した。
「……いたい」
咲雪は両手で頭頂部を抑えながら自分の英雄を睨む。
「何か?」
その視線に気が付いたアリスは睨み返す。
「……なんでもない」
咲雪はアリスから視線を反らした。
「……ろりこん?」
咲雪は首を傾げた。
「咲雪は分類上、ロリ巨乳に当たるわね。ただ、ロリは小学生以下限定とか色々いるのよ……今回の同行者では狼谷さんは確実ね。彼は正確にはショタだけど……男の娘だから、prprされる可能性は一番高いわ」
白いアリスは咲雪に説明をした。
「わぁ、皆楽しそうで僕も楽しくなってきます」
狼谷・優牙(aa0131)が無邪気に言う。
「そうだね!」
プレシア・レイニーフォード(aa0131hero001)が満面の笑みで頷いた。
(お、あんなところに天使! え? え? 隠し撮りするわー)
木の上に怪しい角はデジカメで優牙を激写!
ポケットの中にはデシカメ用のメモリーでパンパンだ。
「HAHAHA! メリー苦リスマスッ! デスッ!」
愉快な声が街中に響いた瞬間、破裂音の後に悲鳴が上がった。
「カップルは100歩いや、10歩譲っていいとしよう。家族はダメだろ!!」
「Oh……」
サンタ・ブレイズはときめいた。
そう、谷崎 祐二(aa1192)と目と目が合った瞬間、胸にキューピットの矢が刺さった。
「はわ!? な、何か変なサンタクロースもどきがいますよ!? 凄く嫌な予感しますけど……やるしかないですよね」
サンタ・ブレイズを見て優牙の顔から血の気が引いた。
潜伏使用していようが愛の前では無意味、サンタ・ブレイズは愛しい祐二に向かって走って行った。
「ダーリンッ!」
サンタ・ブレイズからの愛のプレゼントが祐二に贈られようとする!
「準備はいいか? セリー」
「にゃ!」
プロセルピナ ゲイシャ(aa1192hero001)は祐二の言葉に元気よく答えた。
「俺からのクリスマスプレゼントだ!! 受け取れ!!!」
「おうぷっす!」
サンタ・ブレイズの顔に強化された投擲用クリスマスケーキがヒット!
皆さん、安心して下さい。このケーキはサンタ・ブレイズが美味しくいただきました。
「ゲェェフゥゥ」
サンタ・ブレイズは笑顔でゲップをする。
良かったね。ある意味では手作りケーキをあーんしてもらったよ!
「おめでとう」
圓 冥人(az0039)が笑顔で拍手をする。
「ありがとうっ!」
某噴水もビックリな吐き方をしながらサンタ・ブレイズは笑顔で答えた。
「そのケーキ食べる用じゃないからな」
祐二はサンタ・ブレイズの様子を見て言った。
「じゃ、真面目にやるか。後は任せた!」
と、言って祐二はその場から離れた。
(また求愛されたらイヤだしな……)
「ブレイズ大尉ー!」
3匹のトナカイがサンタ・ブレイズの元へ駆け寄った。
「……ねぇAlice、なんで私達ここにいるんだろうね?」
「……なんでだろうね」
アリス(aa1651)とAlice(aa1651hero001)は顔を見合わせた。
「そもそも、その恰好はなんなの?」
サンタ・ブレイズの服を見て赤いアリスは眉間に皺を寄せた。
「サンタのつもり? まだら模様のサンタなんて見た事ない」
「ブレイズ。つまり炎だからさ」
カッコよく言っている心算のサンタ・ブレイズ。
「馬鹿なの貴方?」
Aliceは、虫ケラを見るような目でサンタ・ブレイズを見下ろした。
「似合ってない。気持ち悪い」
吐き捨てるように言うAliceの言葉にサンタ・ブレイズは何故か快感を覚えた。
「もっと罵ってロリ!」
サンタ・ブレイズが声を上げた。
「ん? ロリだと……? RO☆RI☆DA!」
トナカイ達は一斉に振り向いた。
「アリスって名前で……ロ、ロリだと!?」
トナカイ達は「ガタッ!」と音を立てた。
「ふぉぉぉぉ!」
言葉にならない喜びを体で表現するトナカイ達。
「よっ! キレてる!」
「ナイスバルクッ!」
シウ ベルアート(aa0722hero001)と冥人は一緒になって声を上げる。
「ちょっと! シウ兄さんの言葉でトナカイが更に気持ち悪くなったよ!?」
桜木 黒絵(aa0722)が悲鳴に近い声でシウに言った。
「え? そう? 良い体していると思うよ」
え、ここは何時ビルダー会場になったのですか?と、思う位にトナカイ達のポーズは続く。
「ま、まだ、まだマシ……あれって着ぐるみだよね? どうする、燃やす?」
黒いアリスは震えながら呟く。
「燃やしちゃおうか」
「OK。燃えるゴミ、だね」
黒いアリスの言葉に赤いAliceは頷き死者の書を持った。
「燃えるゴミは灰にしてしまいますよ!」
黒いアリスはブルームフレアを放つ。
燃やされてもトナカイ達はポーズを崩さない。これがプロ魂である。
「これで、頭以外の部分が無くなったら、面白そう」
弩 静華(az0039hero001)がさらっと最悪の状況になりかねない言葉を放った。
「あ……あぁ!!」
2人のアリスは声をハモらせながら声を上げた。
燃え上がるトナカイのきぐるみ。
ポーズを変える度に、きぐるみの一部が炭となり鍛え上げられた筋肉が少しずつ露出されていく。
「何? 色黒の方が好きって事なのか?」
冥人がアリスを見上げた。
「そ、そんな趣味はないよ!」
アリスは泣きそうな表情で声を上げた。
「ただでさえ……ってイヤー!」
Aliceが悲鳴を上げた。
ブルーフレイムが役目を終えた瞬間、そこにはボディービルダーもビックリな体が現れた。
何故か頭の部分だけを残して……
「……きもい」
静華のストレートな感想に誰もが首を縦に振った。
「あぁ! ダーリンがいないっ!」
吐き終えたサンタ・ブレイズは悲痛な声を上げた。
「ダーリン! どこー!?」
チーターもびっくりな速さでサンタ・ブレイズは走り去った。
●知ってます? ロリコンは……
「はわわ……僕、男ですよ!」
「あ……」
声がした方に顔を向けた咲雪は声を上げた。
「男の娘! 娘! つまりロリ!」
トナカイは怯える狼谷に向かって叫んだ。
「ロリだ! 嫁にしよう!」
狼谷はトナカイに熱い抱擁をされた。
「あー、ええにおっごぐっ!」
狼谷のねこねこなっくるがトナカイの顎にヒット!
「ナイスアングル」
倒れたトナカイは親指を立てた。
そう、狼谷の共鳴した姿はビキニアーマー姿。けしからん!
「はぅ!? や、やっぱり、気持ち悪いです」
狼谷は涙を眼尻に浮かべながらトナカイにねこねこなっくるで殴る。
「ありがとうございますっ! ありがとうございますっ!」
トナカイさんにとってはご褒美にしかならない様子。
「これで完璧」
静華は慣れた手つきでトナカイを縄で締め上げた。
これは酷い図だ、と誰もが思った。
縛られたマッチョなトナカイ、それを殴るビキニアーマーを着た男の娘。
「それ! 逆効果だよね!? え!? それとも私がズレているだけなの!?」
その光景を見た黒絵は声を上げた。
いいえ、ズレていませんよ。黒絵さんの反応は正しいです。はい。
「我、生涯の悔い一つもなし」
トナカイは幸せそうな表情で逝ってしまわれた。
「幸せそうな顔してるな」
真顔で両手を合わせるシウ。
「あの~、なぜか狙われるんですけど……もしかして幼女と思われてるんですか?!」
棚橋 一二三(aa1886)はトナカイ達に追いかけられながら首を傾げた。
「むしろ、今まで気付かなかったのですか?」
柳生 桜(aa1886hero001)が呆れた様子で言った。
「ロリサンタとか最高じゃん!」
トナカイ達は足先から頭の上まで舐めるように一二三を見つめる。
「近付かれる前に倒します!」
一二三は和弓を構え矢尻をトナカイに向けた。
「正射必中!」
矢はトナカイ目掛けて真っすぐに飛んでいく。
「キレてるっ!」
しかし、矢はトナカイの体に弾かれてしまった。
「え、ちょっとそれはずるいです!」
一二三は声を上げた。
「一二三君、手伝う」
静華は一二三を見た。
「お願いします」
「了解」
一二三の言葉に静華は小さく頷いた。
「ロリが増えたっ!」
トナカイ達は歓喜の声を上げながらポージング。
「こ、こうなったら……これでも食らえです!」
大人気僕らの投擲用クリスマスケーキがトナカイ達の顔にヒット!
「しんぐるへーる」
静華も投擲用クリスマスケーキを投げる。
「ほら、喜べよ。ロリ手作りのケーキだよ!」
シウがトナカイ達に向かって大声で言った。
「マジか!?」
「え?俺、全部食うわ」
トナカイ達がその言葉を聞いてざわついた。
「ゴフッ!」
ケーキを食べたトナカイ達の突然の死!
それを見た静華は小さくガッツポーズを取る。
「え? どうしたのでしょうか?」
トナカイの突然の死に困惑する一二三。
「食用じゃ、ないから。私、作ったのもある」
「え? そ、そうですけれども……え?」
一二三は静華を二度見する。
困惑している一二三に静華はピースする。
「すまん、静華の料理はな破壊的にマズくてな……」
リンク解除した冥人が気だるそうに言う。
「これはマズイレベルではないですよね……」
桜は惨状を見て眉間に皺を寄せた。
「なかなか良い兵器だよね」
シウはうんうんと頷く。
「まだ、あるよ?」
「はい、投げましょう」
一二三は笑顔で物体Xをトナカイの群れに投げた。
物体Xを食べたトナカイ達は阿鼻叫喚の地獄絵図。
「ゴミは燃やしてしまいましょうね」
赤いアリスはブルームフレアでトナカイ達を丸焼き。
「きゃんぷぅ、ふぁいあー」
燃えゆくトナカイ達を見て静華は両手を上げながら言った。
「逆に悪寒がしそうだけどね」
黒絵は大きなため息を吐いた。
「知っているかい? ロリ」
こんがり色の良い体したトナカイは言う。
「……興味無い」
咲雪は目を擦りながら言った。
「ロリ巨乳ちゃん、興味もってぇぇぇ!」
ドアップで懇願するトナカイに対して咲雪は欠伸一つ。
「サンタ探しに行きましょうか」
「……ん、そだね」
白いアリスの言葉に咲雪は頷いた。
「ま、まちなさーい! 巨乳ロリー!」
こんがりトナカイ達が咲雪に飛びつこうとした瞬間、派手な打音が響いた。
「ただし、トナカイ。てめぇはダメだ。ロリにハグしようとするのはダメだろ……」
血まみれのグリムリーパーを持った祐二はため息を吐いた。
「こ、こんにゃろー! 野郎カエレ!」
小麦色トナカイ達は祐二に向かって走り出した。
「遅いな」
祐二は小麦色トナカイ達のタックルを余裕で回避した。
再び派手な打音が街中に響いた。
●出会ってしまった2人
「とぅんく……」
サンタ・ブレイズは、シウを見て胸の鼓動が高鳴った。
「俺、男でもいけるんだぜ?」
素早くシウの隣に立つサンタ・ブレイズ。
「奇遇だね。実は僕もなんだよ」
シウが笑顔で答える。
「や、やだ。両想い!?」
サンタ・ブレイズは少女漫画の様な表情になる。
「しかし、『付いてない事が条件』だ。余分なモノは取ってしまおう! 大丈夫、僕は外科医の医師免許を持ってるからね。手術は完璧だよ」
「や、やだ。それって……女の子になって? って事でしょ? 俺の子を産んでくれってプロポーズでしょ!」
シウの言葉にサンタ・ブレイズは恋する乙女のように目を輝かせながら言った。
「シウお兄さんが、男にも興味があるなんて……」
黒絵は青ざめた表情でシウを見た。
そんな黒絵の言葉を気にせずにシウは続けた。
「君のアプローチはしかと受けたよ。僕の熱い気持ちを受け取ってくれるかな」
シウはサンタ・ブレイズの両手を握りしめた。
「や、やだ! 受け取るに決まっているじゃないの!」
恋の炎は燃え上がる……そう、物理的に。
シウが放ったブルーフレイム(2回分)がサンタ・ブレイズを包み込む。
「もー、やだ。これが情熱ってやつね!」
「恋は盲目」という言葉通りに、サンタ・ブレイズは燃やされている事に気が付いてはいない。
「君は自分の事を非リア充と思い込んでるみたいだけど、男もOKで10匹の部下もいる。僕から言わせれば君はリア充じゃないのかい? 男もいけるなら動物もいけるはずだよ」
力説するシウにサンタ・ブレイズは小さく頷いた。
「ああ、そうだ……君に会えて良かったよ」
サンタ・ブレイズは静かに目を閉じた。
「僕もだよ」
2人は熱い抱擁を交わす。
「今回は見逃してやるけど、来年も現れたら容赦はしないよ」
「俺は欲望の塊! ま、君とまた出会わない事を祈る」
と、言ってサンタ・ブレイズは黒いサンタ袋から一つ玉を取り出した。
「これは、お礼ってヤツだ。また来年な……」
サンタ・ブレイズはそう言って玉を空に投げた。
「雪?」
空から白い物が降ってきた。
「メリークリスマス……へっしょんっ! へ?」
優牙が可愛いくしゃみを一つ。
「ある意味ホワイトクリスマス」
白コショウが降る中でシウは呟いた。
●やったね! ティリアさん今年は一人じゃないよ!
「メリークリスマス」
と、エージェント達の声が小さな会議室で響いた。
「あ、そうそう。シウ兄さんがそんな趣味があったなんて知らなかったよ!」
黒絵が思い出したかのように声を上げた。
「あんな趣味?」
ティリアは首を傾げる。
「そう、男も可って話です」
「あら、私は理解者ですから気にしませんわ」
黒絵の言葉を聞いてティリアは笑顔で答える。
「い、いや、あれは仕事でしただけで……普通は女性が好きだよ!?」
シウは慌てて弁解する。
「隠さなくても良いですわよ」
ティリアは首を横に振った。
「感動、した」
静華は拍手した。
「僕の話を聞いてくれよ……」
シウは泣きそうな声で言った。
「そういえば、アリスという名前が多いのですわね」
ティリアは首を傾げた。
「色で見分けるしかないよ」
アリス達はお互いの顔を見た。
「あと、元々アリスは有名なのが童話ですけれども、ロリータコンプレックスの関連で象徴ともいえる存在なのですわ」
「あぁ、それで過剰反応したのですね」
ティリアの言葉にアリス達はトナカイの反応を思い出した。
「迷惑な話」
「本当にです」
白いアリスは静華の言葉に同意する様に頷いた。
そんな騒ぎを横目に見ながら赤いアリスは、ティーカップを手にしていた。
「今年のクリスマスは賭け事出来なかったね」
と、言って赤いアリスは小さくため息を吐いた。
「ん、巻き上げられなかったね」
赤いアリスの言葉にAliceは頷く。
「しばらくは難しそう」
ティーカップに紅茶を注ぐ赤いアリス。
「また来年、だね」
その様子を見ながらAliceは小さなクリスマスツリーを突いた。
「ティリア姐の飯じゃアレだからな。まぁ、洋食は滅多に作らないが」
冥人がテーブルいっぱいに料理を並べた。
「私も作りました」
桜も手作り料理を並べた。
「美味しいご飯が一杯なのだ♪たくさん食べるよー♪」
「んふふ♪お祭りやイベントが色々あって面白いよねー、ここって♪」
優牙とプレシアは笑顔で出された料理を頬張った。
「優牙様、プレシア様、お疲れ様ですわ。ケーキも有名な場所のを買っていますので食べて下さいね」
「はーい」
優牙とプレシアは笑顔で返事をした。
「ケーキはどんなのですか?」
ケーキという単語に一二三は反応した。
「ブッシュドノエルですわ」
「食べます。食べます」
ティリアは箱からケーキを取り出し皿に乗せた。
「今年は、皆さんとクリスマス過ごせて嬉しいですわ」
ティリアはハンカチで涙を拭う。
「もしかしたら来年も独りじゃないかもしれないです!」
一二三はティリアの頭を撫でた。
「そういえば、僕とティリアさんは年が近いよね」
誰も説得出来なかったシウは、ちょっぴりしょっぱいケーキを食べながら言った。
「あぁ……」
歳の話をした瞬間、ティリアの目から光が消えた。
「シウ君、それ、禁句」
静華がシウを横目で睨む。
「え? え?」
シウ自身は悪気0だ。
「ティリア、ぱーてー楽しいよ?」
「ええ!美味しいケーキも頂けて嬉しいです!」
静華に合わせて一二三はティリアに言った。
「んじゃ、シウサンは残飯係りだね」
「!?」
冥人がシウの前に物体Xが乗った皿を置いた。
「あー、俺が食べなくて済むのが楽だねぇ」
のんきに言う冥人、威圧を飛ばす女性陣にシウは無言で頷いた。
この後、シウがどうなったのかは皆さんの想像にお任せします。
「お疲れ様! 乾杯!」
祐二がワイングラスを持って掲げた。
「お疲れー……」
冥人もワイングラスを掲げた。
「さて、どれにするか?」
冥人は様々な酒を並べて祐二を見た。
「オススメは?」
「知り合いの酒造が作った日本酒は?」
「うーん、全部飲むとか? あ、ティリアさんに注いでもらいたいな」
祐二はワインビンを持った。
「ま、日本酒ならいいよ。あんなのでよけりゃ注いでもらえよ」
冥人は酒瓶を開けながら答えた。
「無理だったら他の女性にお願いするかな」
沢山の酒ビンを睨み合う2人の後ろではしゃいでいる影一つ。
「にゃー!」
プロセルピナが出された料理を食べ、ティリアが用意したプレゼントに興味津々。
「あら、プロセルピナ様。もう見つけてしまったのですね。はい、メリークリスマス」
ティリアはプレゼントをプロセルピナの前に置いた。
「にゃー!」
プロセルピナは歓喜の声を上げた。