本部
密着! あなたの街の能力者
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 4人 / 0~6人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/24 19:00
- 完成予定
- 2015/12/03 19:00
掲示板
-
【相談卓】CEテレビジョン
最終発言2015/11/23 19:13:47 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/20 22:10:56
オープニング
●テレビの世界も大変だね
「……取材させてほしい?」
部下からの報告を受けた中年の男性HOPE職員は、部下の報告にそう訊き返した。
「はい。先ほどテレビ局のディレクターを名乗る方からそのようなお問い合わせがございまして。こちらでは対処ができないのでご連絡したほうが良いと判断させていただきました」
男は新しい広報案がまとめられている書類をデスクに置き、体を部下のほうに向けた。
「話は分かった。すぐにそのディレクターとやらと面会できる時間を作ろう」
「ああいえ、その心配はございません」
「?」
怪訝な顔をした課長に、部下はよどみない口調で答える。
「すでにエントランスにいらっしゃるとのことです」
「……お前さっき『問い合わせがあった』とか言ってなかったっけ? なんで下にいるんだよ」
「返事が待ち切れずに来た、と申されていましたが」
昨今では珍しい、現場で稼ぐタイプの人間か。その心意気は大変結構だが、こちらにも都合というものがあるのに。そう課長は心の中で愚痴をつこうとして、ふと思った。
そこまでするほどの理由が、そのディレクターにはあるのかもしれない。相当に緊急な案件だとしたら、『市民の生活を守る』HOPEとして放っておくわけにはいかない。
「ディレクターさんを応接室に案内しろ。俺もすぐに行く」
「分かりました」
それでも面倒なことには変わらないが、と課長は愚痴の代わりにため息をついた。
●必死さの裏に
「お待たせしました」
応接室の扉を開いた彼の目に入ったのは、やわらかいソファーに体を沈める一人の女性の姿だった。肩口で切りそろえた黒髪に、スーツを着こなす姿はまさしく清潔感溢れる企業戦士そのものである。
思いつめた表情で背筋を丸めていた女性は、こちらの姿を認めるとすぐに立ち上がった。
「ああ! 申し訳ございません、お忙しいところにお呼びだてしてしまいまして!」
「いえ、大丈夫ですよ」
爽やかな笑顔を繕い、テーブルをはさんで女性と正対した瞬間、目にもとまらぬ速さで目の前に名刺が差し出された。
「ご挨拶が遅れました、私CEテレビジョンディレクターを務めさせていただいております山科と申します。よろしくお願い致します」
「HOPE東京海上支部広報担当の善道です。よろしくお願いします」
彼――善道も自らの名刺を取り出して交換する。そこに記されている女性の肩書を、善道はほんの少しだけ長く見て思案した。
CEテレビジョン。アメリカに本社を置くカルチャー・エレクトロニクスの子会社だったか。二十年ほど前からテレビ業界に参入したが、リンカー人気を独占したWNLに視聴者をすべて持っていかれ、今は何をしているとも知れない企業になっていたはずだ。とうに潰れていたと思っていた。
「それで、お話とは?」
山科に腰かけるよう勧めた後、善道は単刀直入に切り出した。山科は定規を当てたようにまっすぐに背筋を伸ばして口を開く。
「はい。今回は皆様にビジネスの依頼をさせていただきたいと思ってまいりました」
「依頼、ですか」
「わが社では新たな事業として、リンカーの皆様の日常生活に密着したバラエティー番組を制作したいと考えております。リンカーが普段どのような生活をして、どのような行動をするのか。それを一般の視聴者の皆様にお届けすることをコンセプトにしております」
「具体的には」
「リンカーの皆様を一か所に集め、好きなように行動してもらい、それを私共が撮影するという方針です。長年続いている散歩番組をイメージしていただけるとよろしいかと」
「はあ」
途中下車してぶらぶら歩く、あの番組が頭に浮かんだ。要はそれのリンカー版ということか。
リンカーに負荷がかかるような依頼ならば断わろうと臨んでいたのだが、意外にもほのぼのした内容に拍子抜けした。リンカーは物理的ダメージを無効化できるため、それを利用した過激な番組も一部では存在しているのが実情だったからだ。
「いかがでしょうか。お引き受けしてもらえないでしょうか」
そう語る山科の瞳は、ぎらぎらと輝いていた。これが自分の命を懸けた一大プロジェクトになる、絶対に逃がすわけにはいかない、と。
CEテレビジョンは今も潰れる瀬戸際にあるのだろう。もし彼女に協力することで、一人の、いや、一つの企業を救えるとしたら。
(……駄目だな。仕事に情をはさむなんざ、やっちゃいけねえ)
心の中でそう自分を戒めた善道は、目の前の女性にそれを気取られないよう表情筋を固定させていった。
「現段階でお受けすることはできませんが、こちらでしっかりと検討させていただきます。今日のところはお引き取りいただけますか」
「分かりました。良いお返事を期待しております」
すっと立ち上がり、腰を折ってすたすたと応接室から出ていく山科。その後姿の残像を、善道はしばしの間眺めていた。
――その後、広報部では新たに『テレビ局との協力による広報活動』が採用されることとなった。
解説
●目標
テレビ局の撮影に協力する(街をブラブラする)。
●状況
東京の下町エリアが行動可能。その中であれば自由に移動ができる。基本的に行動の制約はないが、撮影クルーを排除したり、行動可能域を逸脱することはHOPEから禁止されている。
撮影時間は日曜日の午後、正午から午後五時までの五時間。なお、この時間に使用された金銭はすべてCEテレビジョンが負担する。
できる限り自然体でいるリンカーを撮影したいというテレビ局側の要望もあり、撮影クルーはリンカー一人につき一人のマンツーマン制となっている。なお、英雄が同行する場合は英雄がカメラを持って撮影する。なお、クルーはリンカーと同姓になる。
ショッピングを楽しむもよし、公園でひたすらのんびりするもよし、図書館で本を読むのもよし、遊園地で遊び倒すもよし、友達を呼んで一緒に過ごすもよし。リンカーが普段と変わらない一日を過ごすことが、テレビ局側の最大の要望である。
ただ、リンカーはあくまでもリンカーである。常識礼節をわきまえた行動を心がけると同時に、市民が困っていたらできるだけ助けるように。それもまた、リンカーに必要なことであるのだから。
マスターより
山川山名です。
ひたすら自由に、どこまでも自由に。リンカーがどんな行動をするのか、少し考えてみてください。彼らも人間です(アイアンパンクもいるか)。
戦闘ばかりではなく、たまにはのんびりと過ごさせるのもいいでしょう。
ただ、あまり常識から外れた行動は控えてくださいね。
リプレイ公開中 納品日時 2015/12/02 03:32
参加者
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【相談卓】CEテレビジョン
最終発言2015/11/23 19:13:47 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/20 22:10:56