本部
【白刃】撤退とは、再起のためと見つけたり
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 6~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/11/10 09:00
- 完成予定
- 2015/11/19 09:00
掲示板
-
救出作戦
最終発言2015/11/10 00:08:21 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/08 23:15:46
オープニング
●白き刃へ抗う為に
「総員、準備はよろしいですか?」
映像で、音声で、出撃し往くエージェント達にオペレーター綾羽璃歌が声をかける。
「H.O.P.E.東京海上支部としては初の大規模作戦。それに伴い、今回皆様には別働隊として動いて頂きます」
展開されたドロップゾーン。
そこから溢れ出す従魔、呼び寄せられる愚神。
別働隊はそれらを叩き、これ以上のゾーン拡大を防がねばならない。
「大規模作戦の成功……アンゼルム撃破の為にも、皆様の任務遂行が必須となります。
――どうか皆様、御武運を!」
●強襲、反撃、窮地
「はっ、はっ、はっ……」
碁盤の目のように住居が配置されている住宅街の中を、男は浅い息を吐き散らしながら走り抜けていた。抱えている右腕からはとめどなく血が流れ続け、身に着けている服は所々が切り刻まれている。
つい先日展開されたドロップゾーン、そこから『産み出され』続ける異界からの黒龍。この脅威に対し、まず男を含む能力者の一団がドロップゾーンに派遣されたのだ。――結果はこのザマ。圧倒的な量を誇る黒龍の前に自分たちはなすすべなく潰走した。今仲間たちがどこにいるのかは見当もつかない。生きているか、死んでいるのかも。
男の後ろからガラスを爪で掻いたような咆哮が轟く。
『ギャアァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!』
「くそっ……! まだ追いかけてきやがるのか!」
彼の後ろには、数体の黒龍が蝙蝠のような翼を羽ばたかせて彼を狙っていた。男は忌々しげにその影を一瞥すると、角を鋭く曲がった。
曲がり、曲がり、曲がり、曲がる。角を進むたびに咆哮は遠ざかり、いつしか聞こえなくなっていた。遠くの方でかすかに、洗濯機を回すような唸りが風に乗ってくるだけだ。
「撒いたか……」
塀にもたれかかり、安堵したように息を吐く。だが、そこで緊張の糸が切れたのか男は激しく顔をしかめた。秋も半ばだというのに、額に汗がじっとりと浮かんでいた。
すでにあの黒龍たちはこの一帯に展開しているだろう。空中を睥睨し、広範囲を見渡すことができる黒龍相手ではいずれ自分は力尽きる。
それだけは嫌だ。まだ自分は生きたい。生きて自分の家に帰りたい。
切り裂かれたジャケットの内ポケットから一枚の写真を取り出す。そこに写る笑顔を見て、男の顔に自然と笑みがこぼれた。
どんな手を使ってでも、この笑顔が満ちる場所に帰る。……まだ諦められない。
「待ってろ……必ず、帰るからな……」
日はすでに西の空に落ち始めていた。
●時間の良いところは、黙っていても進むこと。悪いところは――
「お前たちより一足先に黒龍が生み出されるドロップゾーンに向かった部隊の壊滅が確認された。タイムラグを考えると、一時間前にはもう大半がやられていただろうな。今は黒龍による残党狩りが始まっているころだろうよ」
ブリーフィングルームの中では、集まった能力者たちを前にして男性担当官が苦虫を噛み潰した顔で話していた。事態が事態なだけに、今回はノリの軽さで有名なこの担当官も真剣にならざるを得ないのだろう。
「状況を説明する。部隊が展開していたのは生駒山郊外のドロップゾーンだが、敗走した奴らは散り散りに逃げだした。ほとんどはHOPEで保護を完了したが、一人所在が明らかになっていない人間がいる。そいつを保護してきてほしい、というのが今回の依頼だ」
担当官は長机に両手を置き、身を乗り出した。
「最後の目撃情報から、そいつは近隣の住宅地に逃げ込んだ可能性が高い。そこは地元住民でも迷うことがあるという土地でな、おそらく見つけ出すことは相当困難になるだろう。おまけに日が落ちかけてきているから、完全に落ちれば見つけることはほぼ不可能だ」
もっと言うと、と担当官は眉間にしわを寄せた。
「黒龍が六体ほど、すでに住宅地に展開しているようだ。保護対象を探しているんだろう。奴らに先に見つけられればどうなるか。……事態は一刻の猶予もない。こちらからヘリを出す、すぐに向かってくれ」
解説
●目標
保護対象を見つけ、保護する
●登場
保護対象
三十代前半の男性。黒龍討伐部隊の一員だったが、部隊が敗走した後は行方不明になっている。
HOPEに保護された部隊の人間がことごとく重症であったことを鑑みると、保護対象もそうである可能性が高い。時間がたつにつれて、傷は保護対象を疲弊させていくだろう。
住宅街のどこかに身を潜めているとされる。すでにHOPEによって保護対象が住宅の中にいないことは把握済み。住宅街の上空には黒龍が展開しており、黒龍に発見されれば保護対象の生存は絶望的となる。また、日が完全に落ちた時点でも捜索を中断する。
異界からの黒龍
住宅街近郊に発生したドロップゾーンから生み出された従魔。ミーレス級、デクリオ級と様々な力を持っている。総数が多いため、個体ごとの判別は不可能。
現在は六体ほどが住宅街上空にいる模様。しかし、その数はさらに増える可能性があり、予断を許していない。
大規模作戦との関連性から、黒龍の数を減少させることも目標の一つとして存在している。しかし今現在は保護対象の保護が最優先目標であるため、黒龍の殲滅は必ずしも重要目標としては設定しない。
●状況
夕暮れ時の住宅街。生駒山から少し離れたところにあり、近郊に黒龍を生み出すドロップゾーンが存在している。ドロップゾーンの影響で住宅街の住民には避難命令が出ており、ヒトと呼べるものは住宅街の中には保護対象しかいない。
碁盤の目のような住宅配置になっており、地元住民でも迷うものが出るとされる。
マスターより
山川山名です。
三つ目の章タイトルですが、皆さんはお分かりになりましたでしょうか?ここまで読み進めた方はもうお分かりだと思います。黙っていても先に進むことは時間のいいところですが、悪いところは何でしょう。年を重ねれば重ねるほど、それは身に染みてわかってきます。
しかし、時間が経つといいこともあるのです。保護対象は、その良さを知れた一人。彼や住民の平和を守るため、今は現場に急行してください。
ところでヘリボーンっていいですよね……え、よくない?
リプレイ公開中 納品日時 2015/11/17 04:56
参加者
掲示板
-
救出作戦
最終発言2015/11/10 00:08:21 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/08 23:15:46