本部
冥府の支配者
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~10人
- 英雄
- 6人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/02/22 22:00
- 完成予定
- 2019/03/08 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
質問卓
最終発言2019/02/21 21:24:38 -
作戦会議室
最終発言2019/02/22 14:09:08 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/02/21 21:47:07
オープニング
●北陰大帝
「人類は王とひとつになり損ねたのだね、愚かなことだ」
少年の動画は、今回は国営放送ではなくネット上の動画サイトに投稿された。
場所は屋外。遠くの草に覆われた稜線がなだらかに続く。
「僕はその愚かさすら愛しているよ。あの《燻る灰》がそうだったように」
暗色の漢服を纏う少年の傍には、西洋風のスーツを着た中年紳士が寄り添っている。
「僕の手で人間を王の元へ送ってあげることで、慰めとしよう。《燻る灰》の眷属であった蛇がゆくよ。痛みも苦しみもない、新たな地平に旅立とう」
くるりと少年は身をひらめかす。小さな背に不似合いなほどの大剣が画面に映る。
「それより見てくれないか、この《燻る灰》と同じ目。僕では画面の向こうにいる君達に、この力を届けられないのが残念だけど」
微笑む少年の瞳がクローズアップされる。
青い瞳、禍々しく輝く光彩。
「実験を繰り返して、ようやく再現に成功した青だよ。大層美しいだろう。ふふ」
心底誇らしげに、青い瞳が画面を見据える。
「この青が恋しくなった者達は、僕に会いに来るといい。逃げも隠れもしない」
画面が引いて、また緑に覆われた稜線が映る。
「そうだ、申し添えておくと、この墓陵は《燻る灰》のためのもの。僕がここを荒らすことは決してない」
言葉の端々に潜む邪悪とは裏腹に、少年のしぐさはいっそ無邪気なほどだった。
「共に彼女を偲ぶこととしよう、愚かで愛しい人類達」
●試馬地区、墓陵
「ネット社会って怖いですね、どうしてこう愚神がぽんぽん動画投稿できちゃうんでしょうね。……あっ、件のアカウントは即停止して貰ってますよ? 当然」
柏木信哉はタブレットを操作しながら報告した。
動画のほうはアッシェグルートの前例もあり、投稿後30分ほどで元のサイトからは削除された。
しかし一度流れ出た情報は元に戻すことは出来ない。
静止画、内容まとめ、コメントまとめ、複製動画など、いまもコピーが出回り続けている。
「一応、動画そのものには洗脳などの目立った効果は認められませんでした。いまの段階では、ですが」
動画を通して《魅了》スキルを伝播した愚神アッシェグルート。
前回のテレビ出演で北陰大帝を名乗った少年愚神は《燻る灰》の通称でアッシェグルートとの繋がりを示唆した。
『黒蛇(ヘイシェ)』構成員であったリィの証言でも、同愚神が《燻る灰》と客人として遇していたとされる。
「事件も起こっています。試馬地区で冥蛇による死者が出ました。見た目は毒蛇に咬まれたものと区別がつきませんが、死因はライヴスを急速に失ったことです」
同地区は紛争地帯であり、外国人の立ち入りは厳しく制限されているが、今回は特例措置としてH.O.P.E.が現地入りして従魔の捜索を行っている。
「蛇は雲南の軍事施設に出没したものと同じであると確認されています。死者の出た地区は厳戒態勢が敷かれていますが、駆除できたのは数匹のみ。こちらは引き続き現地入りしたエージェントが対応しますが、問題なのは動画の撮影場所です」
柏木は録画しておいた動画を再生した。
削除されるまでの30分の間に、再生回数は記録的な数字をマークしている。同様に世界中で記録に残されていることは想像に難くない。
「少年愚神が立っているのは、従魔が死体を乗っ取る事件があったときの埋葬地です。映っている景色から特定されています」
試馬地区で紛争があり、同時期に隣接する遊牧民の村が従魔に襲われた。そこで発生した死体には従魔が憑依し、死体を増やし、墓陵に運んだ。
埋葬されている遺体は、およそ八百体。
少年愚神はこの墓陵を荒らさないと宣言したが、信じてよいものか。
「『黒蛇』の研究所というところではアッシェグルートの能力を模倣する青い目の研究が行われていた、と崔麗妃の英雄が証言しました。また、映っている剣は同人物の与えられた『赤熱杭』と同型であるようです」
つらつらと、柏木は調査結果を報告する。
「一緒におるのは奏者であろうな。大帝との関連、合流の可能性はわかっておったが、揃って姿を現すとはの」
風 寿神(az0036)も映像を見て呟いた。もう笛吹芽瑠とは呼ばない。あれは死者の体を利用する愚神だ。
『今回は屋外かい。風があるんが面倒やな』
マパチェ・デルクス(az0036hero002)の視線は少年の傍らに無言で控える奏者に注がれている。
奏者の放つスキルは気流を生むことがわかった。
屋内の静かな環境ではわずかな気流の乱れでスキルの発動を見切ることも可能だったが、冬の風吹く草原ではまた勝手が違う、と眉を寄せる。
「面倒ではあるが、崩せぬほど強固というわけでもあるまい?」
『強がるのはやめえや。毎晩うなされとるくせに』
口は悪いが、マパチェなりに寿神を心配しての発言らしい。
「まあな。俺は弱いが、ひとりではない。フーリもリィもおるし、友人もおる。親代わりの『あの人』だけに頼っておった子供ではないよ」
英雄を安心させるように、寿神は微笑んでみせる。
自分が罪であるという意識は消えない。
他人に向けるべき心の刃を、常に自分へと向けてしまう性質も変わらない。
生き残るのは自分ではなく、兄ならよかったのにとも思う。
それでも。
「今度こそ、『あの人』を解放してやろう。きっとそれが、俺と『あの人』の再会した意味じゃと信じておる」
解説
●目標:北陰大帝、及び奏者の撃破
●現場状況
・なだらかに盛り上がった草原、地下は従魔『魄』の犠牲者およそ八百人が眠る
・草原の王の墓陵に形式が酷似しており、現地では掘り返すとよくないことが起きると信じられている
・付近で『冥蛇』の被害が出ているが駆除された個体は少ない
●登場
北陰大帝
・少年型愚神。組織『黒蛇』を支配する
・アッシェグルートを客人として遇し、紛争地帯に違法武器を売り捌いていた
・フォイルリヒトの力を宿した従魔を人間に寄生させ、変化した中で最も成績のよかった眼球を移植している
《青光》
フォイルリヒトを模したスキル。青く輝く光彩を直接見ると発動する。BS気絶[2]
《赤熱杭》
刃のない剣。ライヴスによって赤熱し、込めたライヴスを火球として飛ばす。本体に触れたものにBS減退[3]、火球の着弾地点1sqに火柱
奏者
・『黒蛇』に所属し蜥蜴市場と呼ばれた営利市場を運営する
・人間の悲嘆、苦痛を好む
・寿神の恩人、笛吹芽瑠を依代とするが体は死亡済み
《消音》
・本体の周囲を包む繭状の障壁
・障壁は音、気流、温度、水を防ぐが攻撃は通る
《見えない刃》
・範囲3、射程4で水平に不可視の刃が飛ぶ、方向は任意
・刃はライヴスを伴った真空あるいは圧縮空気、発動時にライヴスと空気の渦を生む
冥蛇(ミンシェ)×10
・牙によりライヴスを収奪、人間ならひと咬みで死亡
・動きは素早いが戦闘力は高くない
・色は黒、背中の一箇所に紋章のような赤い模様がある
胡蝶、血鉤、首なし従魔
・必要に応じ奏者が使役する。数は不明
●NPC
風寿神&マパチェ・デルクス(ジャックポット)
ライフル所持、主に援護射撃
柏木信哉(バトルメディック)
ケアレイ、クリアレイ、ケアレイン所持、武器は弓、主に後方支援
※NPCは指示があれば従います
マスターより
人間社会に入り込んで『蜥蜴市場』として経済活動を行い、裏から複数の愚神の支援を行っていた組織『黒蛇(ヘイシェ)』。
【屍国】の神門、【愚神狂宴】のアッシェグルートなどにも関わっていたようですが、愚神達は消え、持っていた拠点は次々と畳み、いま残る愚神は北陰大帝と奏者のみです。
彼らにもそろそろ幕引きが必要です。
不明点があれば、質問してください。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2019/03/07 18:36
参加者
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質問卓
最終発言2019/02/21 21:24:38 -
作戦会議室
最終発言2019/02/22 14:09:08 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/02/21 21:47:07