本部
【ER】鋼の縁
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 7人 / 7~7人
- 英雄
- 7人 / 0~7人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2019/02/16 09:00
- 完成予定
- 2019/03/02 09:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
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縁の決着
最終発言2019/02/16 08:25:07 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/02/13 18:29:21
オープニング
●遺志
決戦の内で王が斃れるわずか昔。
「どうもやべぇっすね」
人狼群の先鋒を担ってきたヒョルドが荒い息をつき、座り込む。
他の仲間を吸収することでいくつものの鉱石を練り込み、ダマスクス鋼を成したその依代は、生きているかのように動く。
「ほどなく最終防衛線が破られるでしょう。あとはどれだけ連れていけるか……ですね」
ヒョルドと同じくダマスクス鋼の依代に宿ったジェーニャ・ルキーニシュナ・トルスタヤは、すがめた目を前線に向けて言う。
アイルランド東部に位置するウィックロー州、黒い川が流れる荒野のただ中で――人狼群は今、テレサ・バートレットを中心とした数百のエージェント、そして各国の連合軍による包囲攻撃を受けていた。
あちらの主軸となっているエージェントは、決戦に臨むことのかなわない、中堅以下の者たちだ。しかし、テレサを始めとする少数の精鋭が指揮とカバーに徹することで有機的に展開し、十二分の働きを見せる。
加えて、連合軍が惜しまず投入し続ける火力の後押しである。
果たして人狼群はていねいに追い立てられ、ゆるやかに壊滅しようとしていた。
「連れてくって、行き先ちがうんじゃねぇっすか? オレらとあいつらじゃ」
「なら、叩き落とすとしておきましょうか。どちらにせよ急がなければなりませんが」
互いに預けた背を支えとして立ち上がり、歩を踏み出した。
「お嬢と大将、聞こえますかい? ヒョルドっす。悪ぃんすけど、オレと大尉は先に逝かしてもらいますんで」
陣の最奥で抵抗戦の指揮を執るリュミドラ・ネウローエヴナ・パヴリヴィチとその契約英雄ヴルダラク・ネウロイへ通信を飛ばし、通信機をジェーニャへ渡す。
「隊長、そしてリュミドラ穣。彼の岸の際より、鋼の縁が巻き取られる末を見させていただきます。ご武運を」
それだけを告げ、通信を切ったジェーニャへ、ヒョルドがぽつりと告げた。
「こんなときにアレなんすけど、惚れてましたよ」
こんなときだからこそ言うよりなかったことは知っている。ジェーニャは狼面に薄笑みを浮かべ。
「お受けするのは彼の岸か、墜ちたか先でとさせていただきましょう」
――彼らの命はリュミドラの命と直結している。彼らを顕現させていることは、リュミドラの命をそれだけ減らすことになるのだ。
しかし、それを悩む必要は、あと数分で消える。
「ヒョルドとジェーニャの撃破を確認! 反応消滅、リポップなし! 全隊、そのまま包囲縮めてください!」
オペレーターである礼元堂深澪が、指揮車の内よりエージェント及び連合軍へと告げた。
それを通信機越しに聞いたテレサは深澪の安全が確保されたことに安堵し、戦場の先に在るリュミドラのことを思って心を沈ませる。
あたしはあなたのことをなにも知らないけど、その思い定めた生きかたしか辿れない不器用さだけは理解できる。
●訪問
人狼群の最奥でライヴス式アンチマテリアルライフル“ラスコヴィーチェ”のスコープを巡らせ、戦場を透かし見ていたリュミドラがふと顔を上げれば。
「お邪魔するよ」
長い戦いの歌、通称ソングが、薄笑みを浮かべて立っていた。
『なにをしに来た?』
ネウロイの平らかな問いは、追い詰められている状況をまるで感じさせない。
「あと何日かしたら、このあたりに別世界への通路が開くんだよ。女神様がわざわざここを選んだのは、結局のところそういうわけなんだろうね」
ソングもまた修羅場にそぐわぬやわらかさをもって応え、肩をすくめてみせた。
「だからしばらく付き合うよ」
その後ろには、おもしろくなさげに腕を組んだラウラ・マリア=日日・ブラジレイロの姿もあって。
「アタシは旦那の見送りさ。知らないヤツにケチつけられるのはおもしろくないからね、ザコの掃除はさせてもらうよ」
リュミドラはふたりに一礼し、告げた。
「感謝します」
今、すべての生命力が自分の内にある。ヒョルドとジェーニャに分け与えていた命が戻ったことは、ふたりが消滅したことを指していた。
贖う術などあろうはずはないが、せめてこの白狼としての生を貫いてみせる。
●チャンス
ヒョルドとジェーニャを欠いた人狼群だったが、ソングとラウラ・マリアの参戦によって戦局を一変させた。
……いや、そうではない。王の消滅と共に失ったすべての人狼を、ふたりのヴィランとスナイパー、3者の合力は大きく上回っていたのである。
「連合軍はそのまま安全距離を取って待機。エージェント部隊も重傷者を搬送して退避して」
テレサは深澪を通じて指示を出し、ミニガンを抱えて戦場を見やる。
あそこにはいるのだ。リュミドラ、ラウラ・マリア、そしてソングが。リーダーとしての立場がなければ、思わず独りで駆け寄ってしまっていたかもしれない。
「一応援軍要請しときましたけど、決戦の後っすから。来てくれるかわかんないっすよ」
深澪の言葉はもっともだ。
王との決戦を終えた歴戦のエージェントが、わざわざ戦勝の喜びに泥を塗る可能性の高い戦場へ来てくれる確率は相当に低いだろう。
「鋼の縁って言ってたわね。それを信じるわ。それに切りきれなかった拳の縁も」
深澪は息をつき、立ち上がった。
「いざってなったらふたりで行きますかぁ~。ボク生身っすけど、魔導銃だったら撃てますし。あ、リロードはテレさんにお任せっすよ?」
もしふたりで戦うことになれば、魔導銃にライヴスを込めなおしている暇などもらえないだろう。それを知りながら言ってくれた深澪に、テレサは何度もかぶりを振った。
「ミオにそんなことさせない。ひとりで飛びだしていったりもしない。それでもチャンスをもらえるなら、今度こそ最善を尽くすわ」
果たして――
解説
●依頼
リュミドラを撃破してください。
●地形と状況
・草木は枯れ果て、成分の関係で黒色をした川の流れる荒野です(まるで地獄のようだと評判です)。
・打ち壊された車両や武器の残骸(大から小まで)が点在しています。
・作戦開始時刻はエージェントが決められます。
●リュミドラ(+ネウロイ)
・強化型のアンチマテリアルライフルを使うスナイパーです。
・ライフルはリュミドラの手から離れても、彼女の意思で作動します。
・能力的にはトップクラスながらこの世界に在るライヴスリンカーの域にあります。
・銃と軍隊式格闘術を組み合わせた近接格闘術も使います。
・受けたダメージを軽減させるパッシブがあります。
・投降にはけして応じません。
●ソング
・メギンギョルズ装備のボクサーです。
・1ラウンドあたり2回攻撃。
・エージェントの攻撃を回避するとカウンターパンチを打ち返します。このパンチは射程を問わず発動し、ダメージに加え、ボディに決まれば“拘束”、顎に決まれば“気絶”のBSを与えます(抵抗可)。
・それ以外でも、ブロッキング(リアクションスキル)によって防御成功した場合は、半径5スクエア内にいるエージェントへカウンター(通常の打撃攻撃扱い)を繰り出します。
・内の英雄が歌うこととなり、歌声を封じることはできなくなりました。しかし、作戦によって崩すことができます。
●注意と備考
・相談期間が4日と、通常より1日短くなっています。
・ラウラ・マリアは基本的に参戦しません。
・リュミドラとソングは偶発以外では互いをカバーしません。
・ソングは撃破できますが、拘束はできません。これを無視して試みた場合、リンクバーストしたラウラ・マリアがソングを守ります。
・強さ的にはソングがリュミドラを実に大きく上回っています。
マスターより
みなさま決戦お疲れさまでした。電気石八生と申します。
こちらは【ER】最終章、絶零から続く鋼の縁を断ち斬るシナリオとなります。ついでに拳の縁も加わっていますが、よろしければ私が散らばしました縁の最後を送っていただけましたら。
よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2019/02/21 20:15
参加者
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縁の決着
最終発言2019/02/16 08:25:07 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/02/13 18:29:21