本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/12/24 22:00
- 完成予定
- 2019/01/07 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/12/24 18:44:10
オープニング
●サンタの妖精は考えた
二〇一八年十二月、日本の師走。
新しい年を数週間後に控えて世間は非常に忙しい。
終電には疲れ果てた人々が泥のように眠っているし、頬に当たる風だって冷たくて──。
「そのうえ、北のてっぺんでは世界の命運を賭けた戦いが起きている」
疲れ顔の人々がぽつぽつと座る終電で、柊は呟いた。
目の前のスマートフォンにはリンカーたちの戦いを綴った記事が映し出されている。
つーっと画面を下に動かせば、トップリンカーの何人かが写真に写り込んでいた。
──彼らだって、何も無ければ無邪気にクリスマスを祝ったろうに。
柊の家は玩具の卸問屋「ひいらぎ」を営んでいる。ネットでの直接販売も始め、彼が直接買い付けた珍しいおもちゃを扱うこともあって経営は安定している方だ。
「……」
疲れた彼は、ふと無性に誰かの笑顔が見たくなった。
クリスマスが迫り、また戦いも激しくなったある日のこと。
H.O.P.E.東京支部の片隅に数枚のチラシが置かれていた。
『急募、サンタのお手伝い。人数限定、能力者・英雄同行不可、友達・パートナーに秘密を守れる方』
そのチラシを見つけたミュシャ・ラインハルトはあまりの怪しさに「うっ」と息を飲んだ。
それでも、それを手に取ってしまったのは、年末の忙しさでとても疲れていたせいだろう。
そのまま、H.O.P.E.の窓口でその仕事の申し込みをしたミュシャは、翌日、湾岸沿いのとある大きな倉庫へと呼び出された。
「……ええと」
そこには赤い服を着たサンタクロースが立っていた。絵本そっくりの彼に違いがあるとすれば、絵ではふっくらとした抱擁感のある身体が多少筋肉質であるということだけか。
言葉を失うミュシャに、サンタこと柊は説明を始めた。
「初めまして。電話で説明させて頂いた通り、私、玩具の卸問屋「ひいらぎ」の柊ルドルフと申します。皆様には『ひみつのサンタお手伝い企画』のモニターをお願いしたいのです」
ルドルフの説明はこうだ。
贈りたい相手に内緒で、送り主がサンタとしてプレゼントとシチュエーションを準備する『ひみつのサンタお手伝い企画』を来年から実施予定なのだという。
ついては、(わりとなんでもやってくれる)H.O.P.E.のエージェントの皆様にこの企画のモニターをお願いしたい、と。
プレゼントを贈る相手は、リンカーとして活動しているエージェントのパートナーで、『必ず相手に秘密で』サンタのお手伝いを完遂して欲しいとのことだ。
「とはいえ、時期が時期です。クリスマス当日は難しいでしょう。プレゼントの贈る日は指定しません。ただ、この『サンタより』と書かれたカードを添えて、どんな形であれパートナーにクリスマスまでアナタからのプレゼントだと気付かれない形で渡して頂ければよいのです。その代わり、この倉庫の中にあるものはプレゼントとそれを贈るために必要なぶんだけ、好きに使って頂いて構いません」
「……随分、金のかかる話のようだが、その手順はビデオか何かで撮影するのか」
訝しがるクレイ・グレイブの質問に、ルドルフは笑顔を浮かべた。
「いいえ、報告書で構いません。これは皆さまへの慰労も兼ねておりますから……どうか、受け取ってください」
とは言え、今回の無償サービスが知れてしまうと問い合わせが来て大変なので皆さまご内密に、と彼は付け加えた。
●ミュシャは考えた
モニターなら、と引き受けたミュシャだったが、倉庫に積まれたおもちゃの山の前で早速固まってしまった。
「なにが欲しいのか、わからない。──彼女は何を欲しがるだろう? ……エルナーは」
以前のエルナーならば贈るべきものは予想がついたかもしれないけれど、それだって、おもちゃの中から探すのはかなり難しい。
「う……うん」
なんとなく……おもちゃの勇者の剣を取り上げて、すぐにその箱は戻した。なんとなく、煽っているだけのように思えたからだ。
そうして、悩みすぎたのだろう……。
気が付くと、彼女は人形付ドールハウスと、世界地図帳を持っていた。
「それでいいんですか?」
ルドルフへミュシャは無言でこくりと頷き、ラッピングしたプレゼントを持って帰路に着いた。
夜中まで時間を潰したミュシャはそっとアパートへ帰ると、エルナーの部屋に忍び込んだ。
部屋のベッドの上には彼女と彼の契約の証である幻想蝶が置かれている。ミュシャが呼べば瞬時に手元に戻るそれを、なんとなく彼女は彼の部屋に置いていた。
相変わらずエルナーは有事の際以外はこの中に篭っている。
色々考えることがあるのだろうと、ミュシャは無理に彼を呼んだりはしない。
そして、彼女はラッピングした地図帳をその枕元において部屋を出た。
●クレイは頑張った
バイト帰りのアーサー・エイドリアンは不審者に出会った。
「何やってるんだ、クレ……」
言いかけて、彼はH.O.P.E.のオペレーターから入った連絡を思い出した。
──あー……これがサンタの手伝いってやつか……確か、気付かないふりをしないといけないんだったな。
確実にバレそうな相手には、ルドルフからの依頼でH.O.P.E.からやんわりと依頼についての概要が根回しされていた。
憐れむような眼でアーサーは夜道に佇む着ぐるみヒーローを見た。
「……おまえは良い子だな。……返事はいい、良い子だと聞いている。口は開くな!」
「……随分偉そうなヒーローだな。『彼』はそんなキャラじゃないだろ……」
不満が隠せないアーサー。しかし、外灯の光に照らされたヒーローはそんなアーサーを無視して、ラッピングされていない箱を押し付けて来た。
「……こ、これはっ!」
薄い闇の中でもはっきりとわかるその輝きにアーサーの顔が引きつる。
「ふ、サンタからの贈り物だ」
それは……大体休日の朝辺りに放映している、今期の特撮ヒーローの変身セットだった。しかも、DX。
「ま、まじか……これ、一万以上はするだろう! まじか!!」
特撮ファンのアーサーは言葉を詰まらせた。そして、クレ……謎のサンタからの使者が姿を消していることに気付いた。
「恩に着る、ク……サンタ! こんな嬉しいプレゼントは初めてだ!!」
アーサーの感謝の咆哮を聞いて、電柱の影でクレイは満足げに頷いた。
解説
●目的
パートナーにクリスマスまで気付かれないようにおもちゃを贈る
贈る側ももらう側も、大人でも子供でもOK
サンタ役は選び送るだけで本人はプレゼントをもらえない
プレゼントを贈られる側は気付かないふりを強いられる
プレゼントは一人一品(ゲーム機本体はソフト一本のみ付属)
貰ったパートナー側の反応もお願いします
※ご注意
描写だけで実際にプレゼント(アイテム)はもらえません
商品名は出せません
おもちゃは子供向け※おもちゃの範囲内で高額ゲーム本体を含む
おもちゃの種類は国は問わない(ネット検索でMSが簡単に知る事ができるもの)
おもちゃを送る際に使うアイテム(仮装、煙玉等の高価でない仕掛け、販促用着ぐるみ、ロープ等)は支給可
描写できるのはパートナーとして参加している英雄のみ
パートナー化していない(第一または第二)英雄はプレゼントを渡しても個別描写は無し
サンタ同士、プレゼントを貰う側同士の交流・相談・秘密のばらし合いはOK
※自宅でのお渡しの場合、必要な自宅の描写をプレイングにお願いします
マスタリングが入る可能性があります
NG行為の記載をお願い致します
(PL情報)
サンタ役は完全に自分だと騙せていると自信があれば姿を現してもOK(バレバレでも良い)
ただし、正体についてツッコミが入っても断固否定しなくてはいけません
プレゼントをもらう役はバレバレでも知らないふりをしなくてはいけない
(H.O.P.E.側からの連絡でなんとなく依頼なのだと察してOK)
●NPC
・おもちゃ屋「ひいらぎ」社長 柊ルドルフ(五十代男性)
サンタ似の一般人
戦うリンカーたちに何かできないかと思い、こっそりと企画した
今回の企画は広告・儲け度外視なので見せの宣伝などは考えなくて良い
自称サンタの妖精である彼は、今回関わった数人のリンカーが幸せを感じてくれることが報酬なのである
マスターより
ゆるいRP中心の日常シナリオです。
それぞれ、パートナーをびっくりさせたり喜ばせたりガッカリさせたりしてください。
柊さんは玩具屋の息子としてルドルフと名付けられた一般人です。
他のNPCはOPで参考例として出ていますが、プレイングで希望があれば登場し協力OKです(ただし、ルドルフ、ミュシャ組、こころ、アーサーペアのみ)。
宜しくお願い致します!!
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2019/01/21 19:33
参加者
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最終発言2018/12/24 18:44:10