本部
【ER】石の縁
- 形態
- シリーズEX(新規)
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,800
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 6~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/12/20 09:00
- 完成予定
- 2019/01/03 09:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
☆対戦相手相談室☆
最終発言2018/12/19 20:29:03 -
質問卓
最終発言2018/12/18 01:20:48 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/12/15 20:42:11
オープニング
●嘘
港町キンセールの一角にあるシーフードレストラン。
かつて『OO』を名乗った組織が使っていたアジトのひとつであり、今は店員のすべてを失ったまま、その残党どものたまり場となっていた。
「生き延びたのう」
一席に座す黄金の愚神ウルカグアリーが笑み、チャーチワーデン――吸い口の長い喫煙パイプである――からイングリッシュミクスチャーの苦い煙をたゆたわせた。
「して、残す念はあるまいな?」
と、向かいにある長い戦いの歌、通称ソングが口の端に皮肉な笑みを浮かべ。
「縁は切った。あとは次の世界に行くだけさ。ハンドラーもその気みたいだしね」
ウルカグアリーの向かいに座す長い戦いの歌、通称ソングが傍らの老人に目を向ける。
「主の御声が届かぬは、この世界に主の御愛が届かぬがゆえであろう。ならば行く。その足元へすり寄るがために」
皺にまみれた顔の内で目ばかりをぎらつかせ、ソングの契約英雄である“ハンドラー”はミード(蜂蜜酒)を呷った。
「ったく、坊主のくせして酒なんざ飲んでんじゃないよ」
適当に揚げたフィッシュアンドチップスの大皿をテーブルに置いたのは、海へと消えたはずのラウラ・マリア=日日・ブラジレイロ。
「這々の体で逃れきたものに諭される道理はない」
ハンドラーはミードの杯を抱え込み、ぼそぼそ言い返してフライを口へと詰め込んだ。
ラウラ・マリアは苦笑いを漏らし。
「途中でひとり減ってなきゃやばいとこだった。もっと早く、旦那みたいにハッタリかましとくんだったねぇ」
「僕がはったりを?」
「はったりでなければ嘘か。あのときH.O.P.E.に足りなかったものは手数ではあるまい」
うなずいたのは、彼女に続いてアイリッシュシチューを盛った鉢を抱えてきた契約英雄ジオヴァーナ。
「彼奴らに不足していたは当てて後の工夫ではなく、当てるがための工夫だ」
最後にウルカグアリーも言葉を添えた。
あのとき、ソングはエージェントを打ちのめしながら「手数の不足」を指摘したものだが……彼よりも迅いラウラ・マリアが討たれたのは、エージェントが「当てるための工夫」を重ねた結果のことだ。
「はったりでも嘘でもない。結局は手数さ。僕をKOしたいなら、ね」
とどのつまり、汝(なれ)は真っ当に討たれたいのだ。悪役の悪癖よな。
ウルカグアリーは息をつき、ラウラ・マリアへ問いを向けた。
「とまれ、汝はいかにする?」
「国へ帰るさ。こうなりゃもう、ガキどもの世話焼いてやれんのもアタシだけだしね」
サンパウロのストリートチルドレンを守るため、残りの生を賭ける。告げた彼女はそれ以上を語ることなく、瓶から直接ラム酒を呷った。
刻々と近づく終幕の気配に、一同は口を閉ざして思いに沈む。
「――とりあえず僕らの出番はもう終わりだ。次は女神様が行くんだろう? どうするつもり?」
と、押し詰めた沈黙を押し割ったのはソングの問い。
ウルカグアリーはぎちりと小首を傾げ、黄金の髪を指先で梳いて。
「別れを告げるに誠意を尽くす。相対する彼奴らにも、残していく狼どもにもな。幸い、蹴速と呼ばれしものがやりかたを見せてくれた」
それがなにかを知る術はないながら、ソングは笑み、ラウラ・マリアは鼻をひとつ鳴らしてうなずいた。
ウルカグアリーに戦争の体を取るつもりがないことだけは知れている。それは後に続く白狼の姫の分を侵すことになるだろうから。
「よくわかんないけどさ、なんかできることあったら言っとくれな。アンタにゃまだ眼の借りが残ってる」
「名残は不要。其もまた置いてゆくべきものよ」
ウルカグアリーは紫煙を吐き、静かに立ち上がった。
●出陣
「ミオ、あなたが行くの?」
テレサ・バートレットに問われた礼元堂深澪は、バックパックに詰め込んだ重い通信機を背に、小さくうなずいた。
「縁があるのはみんなだけじゃねっすから」
ウルカグアリーから告げられた決戦の場は、キンセールの市街中央部の噴水広場。すでにドロップゾーンが張られており、一般人はもちろん兵士やロンドン支部のエージェントですら侵入は不可能ということだが。
「エージェントに招集かけといたっすけど、数が集まんなかったらボクだけで行くっす。一発アイサツしてこねぇと」
テレさんの分まで――言わせるよりも早く、テレサが深澪の言葉を止めた。
「あたしの値段をつり上げてくれようとした仲間がいて、ミオがいる。今度はあたしの番よ。あなたとみんなの値段を、あの愚神へ教えてあげなくちゃ」
テレサは振り返り、しかたなさげな顔をうなずかせたマイリン・アイゼラへ笑みかけた。
「あたしの弱さはもう十二分に思い知ったわ。でも、止まらない。あたしがなりたくてありたいジーニアスヒロインは、この戦いの向こうにあるはずだから」
結局はひとつの開きなおりなんだろう。彼女の正義というものへの問いに答えるはずだった男はもう、舞台を降りたのだから。
しかし。あまりに手痛い一敗を越え、なお先へ進もうとするテレサの姿には、父に与えられた正義にすがるばかりだったヒロインとは確かにちがう強さがあった。
「……じゃ、ボクのガードは頼みまっす。この通信機あればジャミングとかは無効化できるはずなんで」
「ええ。あたしは絶対、ミオとみんなを繋ぐから」
●六様
「このアバタも久しいな」
無人と化したキンセールのただ中、黒鉄の多腕体を見下ろしたウルカグアリーがギチギチと笑む。
その傍らでは銀のアバタが笑み、石英が、タングステンが、黄鉄が、水晶が、同じく笑みを漏らした。
「さて、縁者どもよ。我らを越え、黄金にまでたどりつくがよい。我は、ここに在る」
ドロップゾーンで町を覆い、ウルカグアリーは四刃で夜気を薙いだ。
解説
●依頼
黒鉄、銀、石英、タングステン、黄鉄、水晶、それぞれのアバタにひとりずつ対し、撃破してください。
●状況
・深夜の噴水広場(石造りの建物に囲まれた石畳の広場)ですが、ドロップゾーンが仄かに発光しているため、灯は不要です。
・この戦いでは、ウルカグアリーが地形を生かした攻撃をしてくることはありません。
・ドロップゾーン内では他のエージェントと合流することはできません(通信は繋がります)。
・深澪、テレサは通信維持に努めます。戦闘には加わりません。
●ウルカグアリー六様
〈共通〉
・一定のダメージを与えるとアバタ崩壊。
・会話は自由。
・鉱石である性質上、特殊抵抗値は非常に高い。
・5ラウンドに一度、2回行動(基本は1回行動)。
〈黒鉄〉
・特化はないが常時2回行動。
・4本の手にそれぞれ曲刀(投擲可能。射程60)を持つ。
・カオティックブレイドに類似した能力を使う。
〈銀〉
・魔法防御に優れる。
・攻撃時、銀に含めた毒で減退BS付与(射程は攻撃に依存)。
・ソフィスビショップ及びブラックボックスに類似した能力を使う。
〈タングステン〉
・物理防御に優れる。
・内にウラニウムを封じており、体表を損なうと劣化BS付与の瘴気を放つ(射程5)。
・ドレッドノートに酷似した能力を使う。
〈黄鉄〉
・魔法攻撃に優れる。
・狼狽BS付与の電撃(射程60)攻撃を行う。
・ジャックポットに類似した能力を使う。
〈水晶〉
・命中&回避力に優れる、常時透化状態を保ち、命中にマイナス修正を強いる。
・攻撃は水晶のナイフ(透明/射程1)とビーム(透明/射程60)。
・シャドウルーカーに類似した能力を使う。
●備考
・この戦いで4勝以上することで、黄金の本体との決戦『【ER】黄金の縁』が開催されます。
マスターより
みなさまお疲れさまです。電気石八生です。
こちらはエンドロール第2弾、ウルカグアリー決戦シナリオ――の前編(個人戦)となります。
解説で語りました勝利条件を達成していただければ、参加数をアップした決戦へ挑んでいただけるギミックとなっております。存分に語り、戦い、勝っていただけましたらば幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/12/23 20:26
参加者
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最終発言2018/12/19 20:29:03 -
質問卓
最終発言2018/12/18 01:20:48 -
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最終発言2018/12/15 20:42:11