本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/10/09 22:00
- 完成予定
- 2018/10/20 22:00
このシナリオは2日間納期が延長されています。
掲示板
-
異世界からの脱出
最終発言2018/10/09 17:12:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/10/07 10:57:10
オープニング
●異界の侵入
エジプト──カイトベイ要塞では今日も愚神に倒されたファロス灯台の撤去作業が行われていた。再建された現代の塔であるとは言え、高さ百四十メートルもの塔が折れたのである。瓦礫も、そして周辺への被害も甚大であった。
その日、一人の作業員がふと違和感を感じた。嘘か実か占星術師の家系であると嘯く何かと聡い男であった。ぶるりと身を震わすと、彼は仲間達に声をかけた。
「すぐに、ここから出ろ!」
未だ落石もある現場である。仲間たちは男と共に慌てて走り出した。
……強烈な違和感。
「ひっ」
空気が変わった気がして、全員がはじめの男のように身を震わせた。
恐る恐る振り返ると……そこには、折れた灯台も要塞も消えていた。
その代わり、古めかしくも厳つい大門がじっと立っていたのである。
「なんだ、あれは」
はじめの男はそれを見上げた。
知識があれば、それが日本の城郭にある大手門によく似たものであるとわかっただろう。そこには墨を含ませた筆で綴ったような文字が書きつけてあったが、それはうぞうぞと形を変え判読を拒んでいた。
だが、男は解らなかったし、門は人を跳ね退けるような圧を放ってぴったりと閉まっていた。
──突如現れたこの怪奇な門についてH.O.P.E.へと調査依頼が届いたのは、それからすぐ後である。
門へと向かうバスに乗る前に、ゼルマ・ニル(az0004hero002)は相棒のミュシャ・ラインハルト(az0004)を呼び止めた。
先日の祭りで彼女と距離を縮めたミュシャは気軽にそれに応じたが。
「ゼルマ?」
意外にもゼルマはミュシャの背を抱いて顔を埋めた。
「……お願いがあるの。今から私がいいと言うまで、ずっと共鳴をして欲しいのよ」
「えっ」
エージェントたちは現場に着くまで共鳴しない事が多い。だが、ゼルマの常ならず振る舞いに彼女はそれを受け入れた。
「それから」
ゼルマは言った。合図をしたらエージェントが全員集まるように話を通して欲しいのだと。
●魔女の約束
エージェントたちが件の門の前に揃った時には、既に彼らはいた。
「もう来てしまったの?」
部下を従えて、柔らかな微笑みで出迎えたのはセラエノのアイテール(az0124)だ。この現象をH.O.P.E.が知ったのと同時に、現在協力関係にあるセラエノ側から助力の申し出があったのだ。
「この門について、心当たりがあるという事だが」
ミュシャが硬い表情なのは、共鳴したゼルマの緊張が伝わるからだ。
「ええ。この門はどう触れても開くことはない。上空から試みても、まるで墨のような闇に阻まれて覗くことも入ることもできない、でしたわね」
にっこりと笑う彼女は華奢で無害な女性に見える。
──だが、しょせんはヴィランだ。
ミュシャは冷ややかに彼女を見た。
「開けても、よろしいかしら?」
そう言って、アイテールは小さなランタンを取り出した。古い鉄のそれにはぬらりと生々しい眼球が嵌め込まれていた。棘薔薇の魔女はそれを門の文字に近づける。
目玉が動き、魔女の小さな唇がくっと喜びを現す。
「──たとえ、かたちは違えども、われらはこの世を護るつるぎである。蚕食する魔王、エレン・シュキガルと戦いし尊き魂よ、ここに眠れ」
アイテールの魔力の篭った声がそれを読み上げると、文字は動きを止め、門はゆっくりと重い音を立てて左右に開いた。
「エレン……」
その名に顔色を変えるエージェントを後目に、魔女は門をうっとりと見た。
「──さあ、はいりましょう」
玉砂利が敷き詰められた中世日本のような世界であった。手入れされた松の木や、花びらを散らす桜や桃や梅によく似た木々。また、平屋の小さな建物がいくつも並ぶところを見ると、集落のようなものだと察することができた。
だが、彼らの目についたのはそれではない。
刀があった。
剣があった。
鎌があった。
銃があった。
それから──。
それらは、欠けて、折れて、砕けて、それでもその生前の姿をどこかに留めてそこに在った。
無数に、数限りなく。
集落のあちこちには、それこそ一万や二万はくだらないおびただしい武器の残骸が祀られ、積まれていた。
「ここは……」
──流れ星のように尾を引いて、光が空から砂漠へと降り注ぐ。異界の英雄たちが現世界へと堕ちていく。
ミュシャの脳裏にかつて【神月】作戦で空から落ちたカオティックブレイドたちの様子が浮かぶ。
アイテールが振り返った。
「カオティックブレイドの世界へようこそ。
おそらくここは、エレン・シュキガルと戦ったどこかの地方の前線基地、そして滅んだ彼らの墓所なのしょうね」
これ以上ないほど楽しげに、彼女は笑い声をあげた。
──そこは、運命を切り拓くために戦った戦士たちの墓。
『気を確かに。カオティックブレイドは現世界にもいるでしょう?』
共鳴したゼルマの声に、言葉を失っていたミュシャは我に返った。
──そうだ、ここに居たカオティックブレイドたちがすべて死んだと決まったわけではない。
これらの武器は、もしかしたら、砦の住人の遺体かもしれないが、だが、全てではなく、幾名かはここから逃れて現世界で今誰かの隣にいるかもしれないのだ。
『正気に戻ったかしら?』
頷くミュシャ。
『なら良かったわ』
部下たちと土足で建物を調べるアイテールたちを視界に入れつつ、ミュシャたちもまた村を調べ始めた。
「今は、誰もいないようです」
ぼろぼろの人形を手に呟いたミュシャへ、硬い声でゼルマが言った。
『──やっぱり、全員ここから逃げなさい』
「……どういう事?」
『説明するわ、共鳴を解くから』
すぐさまミュシャは一緒に乗り込んだ仲間達に合図を送った。村のあちこちに散ったエージェントたちが事前の打ち合わせ通りに集まる。
大門の前で品定めしているアイテールの前へ共鳴を解いたゼルマが姿を現した。
「聞いて、セラエノと交わした約束は破られたわ。元よりアイテールに共闘の意思はない。周囲を見て、彼女の配下が私たちを狙っている!」
アイテールは眉を顰めた。
「あら、久しぶりね。アヴィディテのブレイブナイト? ──裏切るの?」
ゼルマは頷いた。
「どうせ、負けた手兵は死が義務付けられているわ。なら、新しい人生を求めて足掻いてもいいんじゃないかしら?」
「魔女との約束を破るなんて大した度胸ね。そんな人生あるわけないじゃない」
アイテールの指先が光った。
ゼルマの袖が破れ、二の腕に刻んだアヴィディテの薔薇から棘が出て彼女を串刺しにした。
悲鳴を上げるゼルマと彼女に駆け寄るミュシャ。
アイテールは告げた。
「もっとスマートに仕留めるつもりだったけれど、仕方ないわ。
魔女に従う真理の探究者たちよ。さあ、増援が来る前に邪魔な彼らを殺しなさい。
そして、現れたこの異世界から鉄の一片すら残さずに奪い、蹂躙するのよ」
解説
●目的:全員撤退し、アイテールの裏切りと異界侵入をH.O.P.E.に伝える ※敵を倒しても良いが難易度は上がる
退路は壁を乗り越えて逃げること(封印を一度解いた為可能)
●ステージ:カオティックブレイド世界の無人の集落(昼だが集落内は薄暗い)
建物は全て小さな平屋と木々 和風が多いが違うものもあり
前線基地として多種多様なカオティックブレイドが集まっていた痕跡がある
壊れた家屋もあるが生活用品等はそのまま
広さ 60×60m正方形
塀:高さ6m厚さ5m 上部に狭間の付いた部屋(入り口は塀の天辺)
対面に1つずつ計4つの、塀の上に向かう剥き出しの階段(幅は一人分)
門:高さ10m、上部に櫓を隠した立派な門 ※アイテールが再び封じた為、登頂・開閉・破壊不可
地面:玉砂利(音が出て常に相手に気付かれるため、対策が無い場合は命中等行動にペナルティ※数値は動きによる)
●敵
・アイテール(共鳴済)
この場からはすぐに撤退する為に倒すことはできません
〇アイテールの部下
ジャックポットとシャドウルーカーは連携を取り一人ずつ攻撃してくるので注意
・ジャックポット×5
使用スキル:妨害射撃/威嚇射撃/ストライク
それぞれ東西南北の狭間・門の上から城壁に身を隠して射撃
シャドウルーカー×6
使用スキル:縫止/毒刃/地不知
フットガードが付与された特殊な靴を履いて隠れている(靴の強奪不可/10ターン効果)
●PL情報
・魔女の誓約
魔女に忠誠を誓った呪い
アイテールに不利な言動を禁じる制限が付く
アイテールの前では制限は解除されるが
裏切れば誓約時に彫った『アヴィディテの薔薇』が裏切り者を攻撃(強力なBS)
共鳴していれば相棒も巻き込む
アイテールが裏切りにゼルマが確信を持つまで時間がある為、それまで散策可
見つかったものはH.O.P.E.保管
ここは和風だがあくまでこの世界の一端であり、他にも様々な文化がある
滅ぼしたのは愚神・神無月率いる部隊
マスターより
カオティックブレイドの世界の流入です。
剣の墓というタイトルですが、剣以外のカオティックブレイドももちろん居た形跡はあります。
「流れ星のように尾を引いて~」は神月第一フェーズ塔周辺遊撃戦(布川MS)より引用です。
布川MS引用許可ありがとうございました。
宜しくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/10/26 20:02
参加者
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異世界からの脱出
最終発言2018/10/09 17:12:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/10/07 10:57:10