本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/09/25 19:00
- 完成予定
- 2018/10/09 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/09/25 17:08:08 -
質問卓
最終発言2018/09/24 11:43:10 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/09/25 04:34:14
オープニング
●急変
――北極に異変あり。状況は確認中。
中国国内のメディアでは北の異変に関するニュースはごく控えめにしか流されなかった。
インターネットの情報も当局が躍起になって削除している。
――これから冬に向かうのに、北極の空が色を失ったような白になっているらしい。
――黒い結晶のように変化した生物が発見された。
それでもネット上には様々な噂や憶測が流れる。
そんな折、午後七時のニュース番組が流れるはずの時間に、いつもとは全く違う映像が流れた。
●冥府を司る者
「時は来たれり」
国民の見守る中、国営放送の画面に映っていたのは年端も行かぬ少年だった。
暗色の漢服を纏い、時代がかった装飾つきの椅子に座る。背景は暗い。
「混沌の世の、北の果てに王は顕現した。じきにわかるだろう、この世がすでに王の顎(あぎと)に捉えられていること」
少年はうすく嗤いを浮かべ、肘掛に凭れる。
「だが、恐れる必要はない。王とひとつになる、これは無上の喜びだよ。君たちの上には、永遠の安寧が訪れるだろう」
その口調に子供らしさはなかった。
王という謎の存在を讃え、みずからも支配者のように振舞う。
「座して待て。王に捧げられるものは、幸いである。この北陰大帝も及ばずながら、王への捧げ物を用意する。わが眷属に逢う者は、幸いと知れ」
そこで映像は乱れ、途切れた。
後には混乱したニューススタジオからの映像が続く。何者かによる電波ジャックが行われた模様。
北陰大帝――それは、伝説上の北の冥府を治める裁判官を示す名。
続くニュースは、電波を通じて流れた映像には一切触れなかった。
そして、間もなく人々は知る。
最初の標的は、首都である北京だと。
●前門大街
ニュース映像が国営電波をジャックした頃、天安門広場のすぐそばから南に伸びる大通り、前門大街でも大騒ぎが起きていた。
銃を持った一団が、周囲に銃弾を乱射しながら北へと移動したのである。
まだ宵の口で人通りも車通りも多い時間帯、大街はあっという間に大混乱に陥った。
悲鳴を上げて逃げ惑う人々、押されて倒れる人、銃撃で窓硝子が割れ、停止する路面電車。
何発もの銃弾を受けて倒れ、絶命したかに見えた人間達も、やがてなにごとも無かったように起き上がった。銃を持った一団に近づき、新たな銃を受け取って乱射に加わる。
起き上がった人々も、最初に銃を乱射した一団も、生命があるようには見えなかった。
血の気を失った皮膚と白濁した瞳、異様に伸びた爪。
商店は客のあるまま緊急に扉とシャッターを閉じ、建物に逃げ遅れた人々は脇道を逃げ惑った。
路面線路二車線が悠々と走る大通りは、悲鳴と恐怖と血で染まる。
前門大街を北上すればすぐに天安門広場、そしてその北西には中南海地区がある。
●中南海
前門大街での異変を受け、中南海の正門である新華門前には警備兵が集められた。
中南海とは、中国共産党中央と国務院が置かれている、中国の政治の中枢にあたる地区である。
「……あれは蝶か?」
兵士の一人が言う。
広場を昼間のように煌々と照らす明かりを反射して、キラキラと輝く蝶が飛んでいた。
色とりどりの光を散りばめた不思議な翅がひらひらと舞う。
不思議な翅を持った蝶は見る間に増えて、群舞になる。
夜の蝶が集まって織り成す、光の渦。
それは現実を忘れるような、夢のような光景。
蝶の光の舞が消えた後には、死者達が銃を構えてこちらを狙っていた。
●胡蝶と魄
「えっと、もう何から報告していいやらわかんないんですけど、とりあえず僕達はあれやこれやの調査で北京に滞在中です」
柏木 信哉と野田は歌姫『紅 愛夢』の調査で西方の試馬地区付近で従魔事件に遭遇した後、首都北京に戻って調査を続行していた。
情報は人のいる場所に集まる。
『紅愛夢』も芸能活動をしていた以上、北京でもいくばくかの足跡は掴むことができた。
「まず、北極も大変なことになっているようですが、H.O.P.E.内部でも情報が錯綜しています。続報をお待ちください」
柏木のほうにも流れてくる情報は限られているのである。
「北京の状況ですが、市内全域で『銃を乱射する死者』が出現している模様です。前門大街に出たものだけが集団で、他ははぐれ者……というか、一体ずつです。北京全域に、緊急戒厳令が発令されました」
緊急戒厳令、つまり以降の外出は避け、外出中の市民は最寄の建物か公共機関に保護を求めること。
銃を持った『殺人鬼』――ちょうど中国では幽霊のことを『鬼』と呼ぶ――が徘徊中なのである。
「以降、中国風に『殺人鬼』って呼びますね。前門大街以外で先に『殺人鬼』が確認され、H.O.P.E.側も2チームを派遣して対応中、僕達もそっちに出ています」
『殺人鬼』は手段で前門大街に降ってきたのではなく、他の場所で少しずつ仲間を増やし、集団となったものと見られている。『殺人鬼』が鬼火を連れていたのも目撃されている。
「交戦結果から判明した事項があります。『殺人鬼』は従魔で、試馬地区の手前で遭遇したものと同種です。通常武器は効きませんが、AGWは効きます。攻撃で憑依が解けると死体から青白い鬼火が出ます」
同じ体にすぐに再憑依することはないが、別の死体がある場合には要注意、という。
「新華門前では幻覚を見せる『胡蝶』が出たようです。警備兵同士が突然謎の撃ち合いを始め、ここでも死者が出ました。かろうじて門の中に回収した生き残りの証言によれば、幻覚による撃ち合いが起こったものと考えられます」
福建省の『小羊路市場』で確認された『胡蝶』。
それは玩具に憑依した従魔で一般人からライヴスを集め、幻覚を見せる能力を持っていたことが確認されている。
「『胡蝶』自体はどこかへ消えましたが、現場にはセロファンを張った切り絵の蝶の翅が落ちていたそうです」
柏木は従魔対応中のため、国営放送の電波に乗った犯行声明のような映像は、まだ見ていないという。
『殺人鬼』と『胡蝶』を同じ敵が支配下に置いてたら面倒ですね! などと余計なことを喋っている。
「新しく招集した皆さんには新華門前の対応をお願いします。死体となり憑依された警備兵は四十名、現在の装備は通常武器ですが、前門大街から来る『殺人鬼』は余分の装備を持っているようです。合流されると面倒かもしれません」
解説
●目標;新華門前で合流予定の従魔『魄』の殲滅
●現場状況
・前門大街(チェンメン ダージェ);明清時代から続く歴史的な商業地区。下町風情を残す繁華街として知られ、上下線の路面電車が走っている以外は歩行者天国。広い。南北およそ1キロメートル、北側のほど近くに天安門広場。
・天安門広場;南北880m・東西500mにわたる世界最大の広場。すごく広い。隠れる場所がないので迂回される可能性もある。
・新華門;天安門広場の真北に故宮博物館があり、その西側に中南海がある。中南海は高さ6mの赤い壁に守られる中国の政治の中枢機関のある地区。中海と南海の人工池が面積の約半分を占める。中南海の南側にある正門が新華門。
●登場
魄×120
・魄の数は警備兵の死体に憑依した四十名分を含む。
・死体に憑依して動かす従魔。本体は直径10cmほどの火の玉。
・憑依する死体が生前最後に抱いた感情のうち、怒りが強いほど暴力的な性質になる。
・日の沈んでいる間だけ活動する。憑依された死体は爪が鋭く伸び、歯も尖る。
・AGWによるダメージで憑依が解け、10ターンの間は同じ死体に憑依できない。死体が多数ある場合は注意。
・前門大街に現れた『殺人鬼(シャーレングィ)』集団はサブマシンガン、ライフル、小銃などのAGWを多数所持している。鬼は死者・幽霊を指す。
《噛み付き》《爪裂き》《怪力》
胡蝶(フーティエ)
・福建省『小羊路市場』で販売された玩具に従魔が憑依していたもの。幻覚を見せる能力を持ち、今回は既にいずこかに飛び去った。
・後で柏木が『落ちていた蝶の翅』は回収に向かう。
北陰大帝
・少年の姿をした愚神。『王』を信奉していると見られる。
・今回の犯行声明は北京に現れた従魔事件を指していると看做されている。
・胡蝶はこの愚神が操ったか? 蜥蜴市場にも関与……?
マスターより
北極ではなにごとか起こっているようですが、北京でもなにごとか起こっていて情報収集が追いついていません。まさに、何から報告していいやら……。
不明点があれば、質問してください。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/10/08 11:12
参加者
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相談卓
最終発言2018/09/25 17:08:08 -
質問卓
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/09/25 04:34:14