本部
袋小路
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 7人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/09/03 15:00
- 完成予定
- 2018/09/12 15:00
掲示板
-
【相談卓】まるで向こう側からの
最終発言2018/09/03 09:47:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/09/03 09:39:35
オープニング
●
(ああなんでこんなことを……)
寂れた埠頭にある倉庫の片隅で、男は大きな鞄を抱えて体を丸める。
まるで胎児のように、死にかけた芋虫のように。
(こんなことしなきゃよかった。にげなきゃよかった。しぬしぬしぬしぬころされる)
鞄の端に噛みつくと、頑丈な表面に負けて弱った歯が呆気なく取れた。
歯が転がり落ちる音すら恐ろしく慌てて掴んで握り締めた。
赤、茶色、緑、青、黒。
様々な色の染みが浮き出したぼろぼろのコート。
汚れているだけでなく切り裂かれたような痕や何かが刺さった痕もある。
(あいつだ。あいつがわるいんだ。こんなものをよこすから)
髪も眉も耳もなく、左目には布を乱暴に巻きつけ残った右目をぎょろぎょろとせわしなく動かしている。
その体は二メートルを超すほど異様に細長く、痙攣でも起こしたかのように恐怖で震えている。
男は自分をとある研究室の下請けをやっている技術者だと思っている。
何を研究してるかは興味がない。
計器が示す数値を調べて金を貰うのが仕事だ。
男は自分をとある村に住んでいた少年だと思っている。
近くの川に水を汲みに行こうとして、何か恐ろしい目に遭った。
男は自分をH.O.P.E.の調査員だと思っている。
男は自分を老人だと思っている。
男は、男は、男は、男は———。
(おれ、ぼく、わたし、おれ、わし、ああ、ああ、わからないわからないわからない)
男に分かるのはこの鞄の中身を誰かに託された事。
この鞄を誰かに渡さなければならない事。
鞄を託した誰かも、渡さなければならない誰かももう殺されたと言う事。
自分も死ぬと言う事だけだ。
●
「H.O.P.E.に情報をリークしていた情報屋と調査員が殺されました」
タオ・リーツェンがブリーフィングルームのスクリーンに人名リストと明らかに殺人現場と分かる写真を映した。
ニューヨーク支部に設置された合同捜査本部では各チーム毎に活動しており、このチームが任されたのは殺された情報屋が仲介して受け渡すはずだった、とある情報の捜索だ。
「情報屋が仲介していたのは主にヴィランズ組織の調査を行っていたH.O.P.E.の調査員と、とある組織にいる技術者でした」
その技術者はリオ・ベルデに集められたと思われる多数の科学者や技術者のリストに名前が載っていた人物だった。
「彼は計測機器を主に扱う技術者としてリオ・ベルデ内の『工場』でも働いていたようですが、具体的にどんな研究が行われていたかは知らなかったと。しかし、メンテナンスの際データベースにアクセスして研究内容を知り足抜けを考えたそうです」
研究は非常に非人道的で悍ましいものだった。
組織から抜けたいが自分一人の力では到底不可能。
もし脱出に成功しても自分は殺されてしまう。
だが技術者はH.O.P.E.を知っていた。
南米を発端とする改造従魔やRGWの事件を追っている事も。
「技術者は自分にアクセス権がある範囲でデータベースから得た情報を受け渡す代わりに、逃亡の手伝いと身の安全を要求しました」
H.O.P.E.側はそれを受諾。調査員と情報院を介して脱出の打ち合わせをしていたのだが、ある日技術者からの連絡が途絶えた。
危険を察した情報屋と調査員が一旦手を引こうとしたが間に合わなかった。
しかし、彼等が万が一のために密かに用意した通信機に反応があった。
『たすけて。ころされる。しょうこはある。たすけて』
聞いた者は複数の人間が一度に喋っているかのようだったと言うが、その声紋の一部が調査員の一人と技術者の声と一致した。
発信場所はいくつかの企業が搬入のため使用している小さな港だ。
もしや危険を感じた技術者が耐えられず強引に脱出して情報屋に接触し、調査員ともコンタクトを取って逃げようとした所組織に発見され窮地に立たされたのではないだろうか。
「これは確実な情報とは言えません。声も人工的に声を作ったか、肉声を録音して使用したか。罠の可能性は高い」
何故かと言えば通信機のビーコンが発信されている倉庫に大きく一つ、倉庫の周辺にそれより小さい反応が複数。従魔やRGW兵らしき物をプリセンサーが察知した。
もし罠でなくともその戦闘は避けられないだろう。
通信が本当に救助要請であれば、持ち出された情報を破棄される恐れもある。
「最優先事項は情報の回収です」
戦闘場所と想定される倉庫内だが、問い合わせた所破棄予定だが大物ですぐ処理できない物を一時期置いておくためのもので、特に気を遣う必要はないと言う。
「倉庫は雑多に物が積み重なっているだけでなく、照明もありません。海と倉庫を隔てる遮蔽物はなく距離も短い。注意してください」
任務にはタオが同行する。
基本は離れた場所でモニタリングしているが、撤退が必要な時は助けに入り現場までの足に使ったバンで逃げる手はずになっている。
しかし半数は数を減らしていないと助けに入った方も危険だろうが、タオは糸目を半月の形にして笑う。
「私も今は研究畑の人間とは言えエージェントの端くれ。何か使える事があれば遠慮なくどうぞ」
解説
●目的
・持ち出された情報の確保
●状況
・埠頭の奥まった所にある倉庫/深夜二時頃/雨
複数の企業が運搬に利用しているだけの小さな埠頭
救助要請に使用された通信機のビーコンによって、目的の倉庫がどれかは分かっています
倉庫南側は海に面しており、それ以外の方角は全て3SQの通路を挟んで倉庫に囲まれている
海と倉庫の東側あたりに小さい反応が複数、倉庫内に大きな反応が一つ。RGW兵か改造従魔と思われます
●敵
・『従魔A?』×1
等級不明。少なくともデクリオ級以下ではない
通信が発信された倉庫内に反応がある
従魔が潜む罠か、同じ罠でも技術者が従魔に捕らえられているのか不明
・『RGW兵B:アクアユニット』×5
海側に反応あり。水中より地上戦を得意としますが、上陸するとは限らない
・「スナイパーライフル」:(射程100)
・『RGW兵C:タイプ不明』×6〜9
倉庫東側に反応が散らばっている
数がはっきりしない
おそらく武器はナイフや短弓
●NPC
・『タオ・リーツェン』
共鳴状態で倉庫から30m離れた所で待機しています
指示が無ければ倉庫内のビーコンや周辺をモニタリング
何か指示があればその通り動きます
マスターより
みなさんこんにちは。少し涼しくなったと思ったら台風です。
今回はとある組織の情報を入手します。
しかし死んだはずの『依頼人』から通信が入り、周囲にはRGW兵士に囲まれ倉庫内では謎の従魔反応。
どう攻略するかはお任せします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/09/12 08:52
参加者
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【相談卓】まるで向こう側からの
最終発言2018/09/03 09:47:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/09/03 09:39:35