本部

【異界逼迫】連動シナリオ

無し

【界逼】疑惑の指輪

落花生

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
9人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/07/08 12:00
完成予定
2018/07/17 12:00

掲示板

オープニング

●イタリアの遺跡
 イタリアの人里はなれた場所に、遺跡があった。長い年月のあいだにすっかり風化した遺跡はもはや元が何であったのかも分からない有様であったが、最近近くの洞窟で風化を免れた遺跡の一部が発見された。貴重な遺跡に発見に、考古学者たちは沸き立ち、それを志す若者たちも同時に沸き立った。
「もしかしたら、ここは宝物庫のような役割をになっていたのかもしれない……」
 発掘チームの一人が呟く。
 洞窟の内部には動物や人間の彫刻が置かれ、風化により劣化はしていたが壁画まで描かれていた。すでに発見されている遺跡のすぐ近くにあることから、この洞窟も遺跡と何らかの接点があることは間違いない。
「大昔の指輪って、ぜんぜん綺麗じゃないですぅ」
 発掘されたアクセサリーを見た小鳥は、唇を尖らせた。金銀財宝を期待した小鳥が見たものは、さびた金属や現代のものと比べれば濁った色合いの翡翠や瑪瑙で作られたビーズである。
「金以外の金属は錆び付いてしまうもんやからな。ビーズだって、繋いでいた糸が腐ってなくなってしまうし」
 正義は、小鳥とは違い少しばかり楽しそうに発掘品を見ていた。
『正義の癖に詳しいですぅ』
「僕は、奈良の出身やで。地元でもぎょうさん発掘品が出てくるんや」
「あはは、確かに奈良ではいっぱいでるよな」
 正義の言葉を笑うのは発掘チームの青年――クロダである。日本から留学生であるクロダは、正義の同級生であった。古馴染みのクロダが参加している、そんな理由で正義は発掘チームおよび発掘品の護衛を引き受けていた。物好きなヤツ、と小鳥は小さく呟いた。
「ここらへんから出てくる宝飾品は状態がいいんや」
『なんか、色合いが濁っているですぅ』
「研磨の技術が未熟やったんだから、仕方ないんや。それに、ここの遺跡にはオーパーツの可能性があるって話しやし」
 正義と小鳥が言い合うなかで、クロダが異変に気がついた。
「あなた、発掘現場になんて恰好できているんですか!」
 クロダが発見したのは、女性であった。牧歌的な模様が刺繍されたチュニック姿だが、足元だけは都会的なハイヒールを履いている。
「発掘現場にハイヒールなんて、言語道断です。遺跡に傷が付くかもしれないんですよ!」
 クロダが女性を注意しようとする。
 だが、正義は女性の違和感に気がついた。遺跡までの道のりは結構な悪路であり、ハイヒールでは歩くことができないはずである。
「ちょいと待ち。なんか、様子が変やで」
 正義が、クロダを止めた。
 瞬間、ハイヒールの女の真っ赤な爪がクロダの胸を引っかいた。その拍子に、クロダの首元にかかっていた首飾りのチェーンが切れた。ちゃりーん、と首飾りが地面に落ちる。
「止めるんや!!」
 正義が、二人を引き離す。
 女性のほうは、愚神のようであった。正義は油断ならないと唇を噛み、クロダは呆然としていた。
『正義、ここは危ないですぅ』
「分かっているで。とりあえず、人命優先や」
 この場にリンカーは、正義しかいない。
 正義と小鳥、二人は人命を優先する判断を下す。
「待って。ここには貴重な発掘品がまだあるんだ!!」
 クロダが、悲鳴のような声を上げた。遺跡に関るものとして、この場所は荒されることは許さないと。
「……すまへん。僕と小鳥では、片方でしか守れへん」
 
●避難後
「どうして、発掘現場を守らなかったんだ!」
 クロダは、正義に向って怒鳴り声を上げた。発掘チームの全員は無事であったが、発掘現場は愚神に占拠されてしまった。クロダは、正義に「なぜ人命を優先した」と彼を責める。
「人命を優先するのは当然や!」
「馬鹿野郎!! あそこには貴重な遺跡があったんだぞ!」
「……とりあえず、愚神が現れたんやからH.O.P.E.からリンカーが派遣されるはずや。ここは、田舎やからすぐにという訳にはいかへんだと思けど」
 正義の言葉に、クロダは首を振った。
「いいや、すぐにくることになる。発掘したもののなかで、一つだけ普通じゃない遺物があった。詳しく調べたわけじゃないけど、たぶんあれはオーパーツだ。俺はそれを他の遺物と分けるために、首からさげてもっていたんだ」
「なんやて……」
「どうするH.O.P.E.? 今すぐ遺跡から愚神を取り除かないと、オーパーツが愚神に取られるかもしれないぞ」
 クロダは、愚神に破かれた胸元を握り締める。
 その顔には、悔しさが見て取れた。
「外国人の俺達は、滞在できる時間が限られている……。こうしている間にも発掘できる時間は減っていくんだ」

●遺跡の内部
「これじゃない……」
 遺跡を壊しながら、愚神は何かを探していた。脆く壊れやすい遺跡の内部を無遠慮にハイヒールで歩き、爪で壁を砕く。そして彼女たちは、何かを探していた。
「指輪……指輪があるはずなのに」
 愚神は、探していた。
 古代のオーパーツを。
 だが、愚神たちもそれが本物であるかどうかを知らずに探していたのであった。

解説

愚神の撃破およびオーパーツだと思われるもの(指輪)の確保

遺跡(11:00)……古代の住居を思わせる大きな遺跡。元々は二階建てだったと思われているが、現在残っているのは一階部分のみである。石作りだが風化しているために、簡単なことで壊れてしまう。すでに愚神によって一部が破損。天井が壊れているために自然光が入り、光源は十分にある。

洞窟……遺跡の隣にある洞窟。広いが暗く、遺物がたくさん残っている。遺跡よりも丈夫であるが、それでも破損の可能性がある。

オーパーツだと思われるもの(指輪)……赤い石がはめ込まれた指輪。他の発掘品とまぎれてしまっており洞窟のなかに落ちているが、発見するのはなかなか難しい。

愚神……ハイヒールに赤い爪を持ったマガツヒに協力している女性愚神。遺跡と洞窟に三人ずつ出現する。鋭い爪を武器としている。オーパーツを探しており、持っている人間を優先的に狙う。基本的に出現場所から動くことはない。起動能力が優れており、素早くトリッキーな動きを得意とする。
赤い爪――爪を長く伸ばし、同時に硬度も増す業。攻撃力も上がる。
女の嘆き――甲高い声を出し、それを衝撃派にして遠距離攻撃を可能にする。相手の攻撃力も同時に下げる。
赤い靴――ハイヒールを使った蹴り技。ヒール部分に毒物が仕込まれており、当たると少しずつ体力が奪われる毒状態になる。

クロダ……発掘チームの一人で、人命よりも発掘品を優先させようとする。戦闘が長引くと、遺跡内部に忍びこんでくる。

正義……発掘チームの護衛を担当しており、声をかけてもらえば共に行動することも可能。

マスターより

こんにちは、落花生です。
今回は遺跡での戦闘です。リアルでも遺跡はとっても傷みやすいので、ハイヒールでは来ないでくださいね。

関連NPC

  • エージェント
    良田正義az0013
    人間|29才|男性|防御適性

リプレイ公開中 納品日時 2018/07/10 10:03

参加者

  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • リベレーター
    晴海 嘉久也aa0780
    機械|25才|男性|命中
  • リベレーター
    エスティア ヘレスティスaa0780hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 絶望へ運ぶ一撃
    黛 香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 偽りの救済を阻む者
    アウグストゥスaa0790hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 花の守護者
    ウィリディスaa0873hero002
    英雄|18才|女性|バト

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • この称号は旅に出ました
    弥刀 一二三aa1048
    機械|23才|男性|攻撃
  • この称号は旅に出ました
    キリル ブラックモアaa1048hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
  • ひとひらの想い
    想詞 結aa1461
    人間|15才|女性|攻撃
  • 払暁に希望を掴む
    サラ・テュールaa1461hero002
    英雄|16才|女性|ドレ
  • 紅の炎
    アリスaa1651
    人間|14才|女性|攻撃
  • 双極『黒紅』
    Aliceaa1651hero001
    英雄|14才|女性|ソフィ
  • 歪んだ狂気を砕きし刃
    あいaa5422
    獣人|14才|女性|回避



  • 黒ネコ
    獅堂 一刀斎aa5698
    獣人|38才|男性|攻撃
  • おねえちゃん
    比佐理aa5698hero001
    英雄|12才|女性|シャド

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