本部
羊を守れ、狼は倒せ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/05/31 09:00
- 完成予定
- 2018/06/09 09:00
掲示板
-
思いを編込む様に【相談版】
最終発言2018/05/30 22:55:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/05/27 23:03:35
オープニング
●闇夜に紛れて
アイスランド、ヘイマエイ島。
首都レイキャビクから飛行機で三十分の場所に位置するこの島は人口四千人の小さな島である。多くの人は漁業に従事していて、魚介類の輸出量はアイスランド全体で十二パーセントに及んでいた。大昔からのプライドとアイスランドの経済を支えているという事実が、この町の漁師達に自信を与えていた。
見習い猟師であるケイリーは仕事を終えて、自分の家へと向かっていた。親方に明日の漁の支度を頼まれ、これは一人前に近づけたのではないかと気合を入れて準備をしっていたらつい遅くなってしまったのだった。けれど親方に褒められたからそんなこと小さな問題だ。
(明日は自分で魚を捕るぞ。そしたらばあちゃんにプレゼントするんだ)
海での仕事は冷えるからと、ロパペィサ(アイスランドの伝統セーター。首を中心に円状に広がる編み込み模様が特徴)を編んでくれた祖母の顔をケイリーは思い浮かべる。ひと昔前はグレーや茶色が多かったロパペィサは近年の染色秘術の発達もあり、とてもカラフルになった。今日ケイリーが着ているのは鮮やかな黄色と緑が使われたもの。流石に汚れが目立つが、その汚れはケイリーの誇りに繋がっていた。
ケイリーは立ち止まって、空を見上げた。もう一度自分に気合を入れようと息を大きく吸って――。
「っ?」
唐突に背中に痛みが走り、ケイリーはその場に倒れた。がぶりとうなじに何かが噛みつく。背中の上に何かがずっしりと乗っかっている。あまりの痛みに声が出せない。
「あ、ああ、あ、ああああ」
もがきながらなんとか助けを、とケイリーはポケットからスマートフォンを出そうと手を動かした。それがいけなかった。
「う、あ」
がぶりと手を噛まれる。それからまた、何かはケイリーのうなじに噛みついた。
何回噛まれたか解らなくなった頃、ケイリーは意識を手放した。
●牙はいたるところに及ぶ
夕暮れ、十歳になったばかりのアンナは親友のアニタの家から自分の家に帰るところだった。鞄の中にはの学校で出された編み物の宿題が入っている。ありとあらゆるものが機械化された現代において、アイスランドの小学校では編み物の授業が行われていた。それは編み物がアイスランドの産業の一つであり、伝統でもあるからだった。嫌がる子供もちろん居るけれど、幸いにしてアンナは母親の影響もあってか、編み物を好意的に受け入れていた。一本の糸から衣服を作り出すことが楽しいと思った。
いよいよ来週からロパペィサを編む授業が始まる。
アンナの心は高揚していた。鞄の口を少し開けて、今編んでいるものを取り出した。それはロパペィサに使われる編み込み模様を使ったショールだった。アニタと模様はお揃いの色違い。ピンクと若草色と白が使ったそれはアンナの自慢の作品だ。
(もうちょっとで完成。そしたら写真を撮ろう。あ、もちろんアニタも一緒に。あの、二人の秘密の場所で)
アンナは作品を持ったまま歩き出す。
その背後に小さな影があることにも気づかずに。
●島に平和を取り戻せ
「よく来てくれましたエージェントの皆様! 早く愚神を排除してください!」
もう六人も被害者が出てるんです、と応接室で町長のフロサソンは息まいた。
「最初は夜だけだったんです。でもつい最近……子供が、夕方に犠牲になりまして……このままじゃこの町……いいえ、この島は衰退します!」
お願いします! とフロサソンは懇願した。
「何か入用でしたら遠慮なく」
「ちょ、町長、大変です!」
ばたん、と大きな音と共にドアが開く。
焦った様子の男性が飛び込んできた。
「何かあったのか、ゲイル」
「む、娘が……アニタが見当たらないんです! それに、羊のハルドルも!」
「なんだとっ?」
憔悴しきった男性がエージェント達に向けて叫んだ。
「お願いです! 娘を! アニタを探して下さい!」
解説
ヘイマエイ島に現れた愚神の排除、及びアニタの保護が今回の目的です。
以下の情報に注意しながら、目的を達成して下さい。
町長に話を聞いたところ、以下のことが分かっています。
・愚神の数は分からない。ただ、ケイリーとアンナが負った傷の大きさが違うことから、二体以上は居ると推定できる。
・ケイリーは、うなじと手に大きな傷を負っていた。
・アンナは、体のいたるところに小さな傷を負っていた。
・被害にあった人物は性別、年齢もばらばら。ただし状況としては、『夕方~夜にかけて一人で歩いていた』という共通点がある。
・町での戦闘は避けて欲しい。町から離れた場所に草原があるので、そこに愚神を誘導して対処して欲しい。
ゲイル(アニタの父親)に話を聞いたところ、以下のことが分かっています。
・アニタが何の目的で外出したのかはわからない。
・アンナが死んだことに、酷くショックを受けている。
・羊のハルドルは家で飼っている大切なペット。アニタによくなついていた。
・町長は『愚神の排除』を、ゲイルは『アニタの保護』を強く求めています。
・一方に対処してからもう一方、という作戦はあまり歓迎されないでしょう。
マスターより
伝統服っていいですよね。
その土地の文化が良く表れていて。
ロペパティサはとても可愛いニットなので何時か編みたいと思っております。。
そのためには毛糸が必要。
エージェントの皆様。
羊の保護も、お願いしますね。
リプレイ公開中 納品日時 2018/06/04 00:16
参加者
掲示板
-
思いを編込む様に【相談版】
最終発言2018/05/30 22:55:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/05/27 23:03:35