本部
これは人でなしの恋か?
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 5人 / 4~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/04/24 15:00
- 完成予定
- 2018/05/03 15:00
掲示板
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【相談】恋の行く先は?
最終発言2018/04/24 12:38:11 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/04/24 08:35:19
オープニング
●人形の少女
完璧な美があるとすれば、その少女人形に凝縮しているであろう。
すべらかな白く洗練された陶器のような肌は、それでも触れれば温かみを持って弾力を返す。
円らな瞳はやや釣り気味だが黒眼がちで、印象は柔らかく慈しみ深い。
顔立ち全体は幼いようでありながらも、母性を感じさせる膨らみを持って、危うく刹那の時期の面影。
四肢は伸びやかで、何処までも遠く裸足で駆けていく駿馬のよう。
髪は漆黒。艶やかな天使の輪を光らせた健康的でしなやかさが胸の辺りまで伸びている。
人形は完璧。
そして、人格が無いからこそ、完璧でもあった。
●青年はピュグマリオンか?
「愛しの恋人が、消えてしまったのです」
沈鬱な表情で訥々と語るのはソファーに座る青年だった。
美貌と言って良い。肉は薄いながらも、骨格が確りしていて、身長が高いのが座っている所を見ても分かる。すっと伸びた背筋が育ちの良さを感じさせる。
視線が助けを求める様に彷徨う。
「僕の恋人……を、探して下さい……完璧な、あの、愛する少女を」
覇気の無い声で、弱弱しく青年が頭を垂れた。
「大人しく、僕の言う事を聞く、なんでも話せる、そんな少女でした……もう一度、あの頃に戻りたい……戻れないのだろうか……」
青年は迷いと決意を含んだ眼差しを一瞬光らせて、震える目蓋を静かに閉じて沈黙した。
●少女達の行方
二人の少女が街中を歩いている。
少女達の容貌は完璧。
道を歩く誰もが振り返る。
よく似た少女達は白いワンピースの裾を翻し、赤い靴でかつかつと音をたてて歩き続ける。
目的地は何処か。少女は知らない。
少女は愛してくれた青年から逃げられるのならば何処でも良い。
「あの人が愛したのは、私の外見。私自身では無いのだわ」
少女が、風に乗せて囁く。
「自意識を持った私を、あの人は必要としないのよ」
空虚な目で少女が呟くのを、もう一人の少女の形をしたものが聞いている。
少女が小さく囁き続ける。
「あの人には、もう私は必要ないのだわ」
少女の囁き声を、作り物の少女は黙ったまま聞き、かつかつと道を歩き続けた。
誰もが振り返る。
少女と少女人形は完璧。
●人間か人形か
「双子の様にそっくりな美しい少女二人が歩いていたと言う、奇妙な目撃情報が相次いでいます」
困った様子でオペレーターが告げる。
「見た目は全く同じ少女です。ただ、一人は人間。一人は精密に作られた少女人形です。恐らく、人形のモデルになった少女を、少女人形に憑りついた従魔が周囲の人間ごと少女を魅了しているのだと思われます。このままでは少女人形は少女を含めた周囲の人間のライヴスを奪っていって、少女も死んでしまう事でしょう」
同じ見た目の少女。自己を持つ人間と自我を持たない人形。変わるものと変わらないもの。
果たして、青年が愛したのはどちらか――
解説
●目標
「青年と『青年が愛する恋人』を会わせてあげる」
これが大前提です。
●状況
・少女と少女人形は凄く目立ちますので、目撃証言を辿れば簡単に見つかります。
・少女人形には魅了の能力を持つ従魔が憑りついていますが、ある程度近くに寄らないと魅了出来ません。
・少女人形から一定の距離を取った人は魅了された効果が切れます。
・少女は少女人形に魅了されているため、何を言ってもぼんやりとしています。
・少女人形は青年の居場所を教えると、青年を魅了しに行こうとします。
・青年は少女と少女人形の居場所を教えると、会いに行こうとします。
・少女人形の従魔は魅了の能力以外は無いので、倒す事と、その後の少女人形の破壊は簡単です。
・青年は少女人形を倒そうとすると反対します。破壊する事にも同様に反対します。
・青年は『恋人』を愛しています。
・少女は青年を愛しています。ですが、今の自分は青年に必要ないと感じています。
つまり、少女人形と青年が会う、青年が少女と少女人形に会いに行く、のは簡単です。
少女人形を倒し、その後破壊する事も、少女人形の魅了の効果を避ければ容易でしょう。
問題は青年が、少女と少女人形、どちらを選ぶか、です。
青年に人間として正しいと思う愛情を教えてあげて下さい。
人間とはなにか、愛とはなにか、自分達の思う事を青年に伝えてみて下さい。
少女の想いを聞き出して、青年に伝えるのも良いでしょう。
青年も心の何処かで本当に愛しているのはどちらか、分かっている筈です。
マスターより
「次、何書こう。江戸川乱歩、著作権切れたな。よし、書こう」
で、結果的に『人でなしの恋』をモデルにしたこのシナリオが出来上がりました。
凄く浮いているのは分かっています。
分かっていますが書いたものは仕方ない。よし、申請しよう。
皆さんが読んでいると言う事は無事申請が通ったと言う事です。
そんな事もあります。
リプレイ公開中 納品日時 2018/05/01 21:23
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【相談】恋の行く先は?
最終発言2018/04/24 12:38:11 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/04/24 08:35:19